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バイト病欠の罰金は原則違法ではない!労働における注意点2つを弁護士が解説

バイト 罰金 違法

バイトを病欠した場合に罰金を課したという事例があります。これは違法なのでしょうか。

コンビニ大手のセブンイレブン加盟店が、風邪で2日欠勤したアルバイトに対して、代わりに働く人員を探せなかったことによる罰金を課し、アルバイト代から支払わせました。

この加盟店は世間から集中砲火の非難を浴びているようです。

一般的な感覚に照らして問題のある対応であることは理解できるのですが、法的な観点でこの一件を見つめてみたいと思います。

病欠の従業員に「罰金」を支払わすことは、適法なのでしょうか?

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1、バイトに罰金を課すことは違法ではない

バイトに罰金を課すことは違法ではない

結論として、雇用者がアルバイトに対して「減給」をすることは、適法に行うことは可能です。

ほかの記事で使われている「罰金」ではなく「減給」という言葉を用いたのは、法律用語の範疇では「罰金」は犯罪に対する刑事罰のことであり、今回は「減給」という言葉が適切なためです。

また、注意しなければならないのは「減給」の解釈です。
欠勤日分の賃金が支払われないのは,そのような賃金制の下では当然ですよね。

これは一般に欠勤控除といわれ(なお、法律用語ではありません)、「減給」とは異なります。
減給とは、無断欠勤等に対する「制裁金」のようなものです。

例えば、無断欠勤をして、当日分の賃金が控除され、さらに制裁として差し引かれる金額のことを指します。

雇用主が「遅刻は減給!」と決めたら翌日から早速その減給制度は適用されてしまうのかというと、そんなことはありません。
減給するためには、減給についての規定を就業規則で定めなければなりません。

2、バイトへの罰金は違法ではない|減給を行う理由に注意

バイトへの罰金は違法ではない|減給を行う理由に注意

なお、就業規則に記載していればどのような理由でも減給が認められるわけではありません。
減給は制裁ですから、従業員に非がなければなりません。

事前に連絡をした上で体調不良によって欠勤した従業員に対して制裁を課すというのは無理があります。
いくら体調管理に気をつけていても風邪をひくことはあるでしょう。

今回のセブンイレブンの事例で、最も非難されるべきは「代わりの人員を自分で探せなかったことによる制裁」として減給を実行した点にあります。

代わりの人員を探すのは雇用主や管理者の役割です。
この責任を病に伏している従業員に転化し、さらに制裁まで加えるというのは認められません。

3、バイトへの罰金は原則違法ではない|減給する際の注意点

バイトへの罰金は違法ではない|減給する際の注意点

さて、アルバイトに対する減給が認められるとお話しましたが、どのような減給でも認められるわけではありません。
減給の額には、次の2つの制限があります。

(1)減給の1回の額が平均賃金の1日分の半額を超えることはできない

「平均賃金」とは、その減給対象者に対して過去3か月間に支払われた賃金総額を、その期間の総日数(出勤日数ではない)で割った金額のことを指します。

例えば、無断で遅刻した場合は減給という月給制の職場があったとします。

「減給の1回の額が、平均賃金の1日分の半額を超えることはできない」とは、月給30万円(平均賃金1万円)の人に対して1回の遅刻に対する減給は5千円までということです。

(2)減給の総額が一賃金支払期における賃金の10分の1を超えることはできない

月給30万円の人が10回遅刻したから5千円×10回で5万円を減給できるかというと、そうではなく、3万円までしか減給できないということです。

ただし、翌月に繰り越して残りの2万円を減給することは認められています。

4、バイトに罰金を課す場合「天引き」も違法ではない!

バイトに罰金を課す場合「天引き」も違法ではない!

それでは減給の方法について制限はあるのでしょうか。
SNS上の批判では「天引きは法律で認められていない、違法だ!」という主張が散見されましたが、実は減給の天引きは認められています。

なお、損害賠償は賃金からの天引きはできないので「天引きは違法!」の主張は、損害賠償のケースと誤認した見解かと思われます。

損害賠償とは、例えば従業員が雇用契約に違反したり、故意や重大な過失によって生じた会社への損害に対する賠償のことです。

この損賠賠償は高額になることもあり、天引きを認めると従業員が生活できなくなってしまうので、天引きはできません。

SNSの発達により、これまでならまかり通ってきたかもしれない雇用関係における不条理が白日のもとに晒される機会は増えるでしょう。

雇われる側の方も、雇う側の方も、何が適法で何が違法かをしっかりと理解し、これまで以上にトラブルのないクリーンな職場づくりのため、法律の存在を身近に意識してもらえることを願います。

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