家庭内暴力とは?ゼロにする4つの方法を弁護士が解説!

家庭内暴力

家庭内暴力で悩んでいませんか?

子供が成長して身体が大きくなると、家庭内で親に暴力をふるうケースが出てきます。
子供から親に対する「家庭内暴力」が起こると、親はどのように対処してよいかわからず、非常に戸惑ってしまうのではないでしょうか?

ここでは、息子や娘による親への家庭内暴力について説明します。

  • 家庭内暴力がなぜ起こるのか
  • 家庭内暴力をなくす方法
  • 家庭内暴力の相談先

についても知っておきましょう。ご参考になれば幸いです。

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1、家庭内暴力とは?

家庭内暴力とは?

(1)子供が親に対してふるう暴力

「家庭内暴力」とは、読んで字のごとく、家庭内で行われる暴力になります。
家庭内暴力には、子供から親に対する暴力や、配偶者への暴力が含まれます。
親から子供への暴力は、家庭内暴力ではなく、「児童虐待」と呼ばれるのが一般的です。

なお、配偶者への暴力は「DV」と呼んで、子供から親への家庭内暴力と区別することがあります。

以下、ここでは子供から親への家庭内暴力について説明します。

(2)成人している子供の家庭内暴力もある

家庭内暴力は、少年、すなわち20歳未満の未成年者が親に対して行う暴力と定義されることがあります。

しかし、現代では成人した子供の家庭内暴力も多くなっています。
未成年であるか成人しているかどうかを問わず、子供から同居している親への暴力は家庭内暴力としてとらえられています。

(3)家庭内暴力の件数

法務省は、毎年作成している犯罪白書で、警察庁が認知している少年による家庭内暴力の件数を発表しています。

平成29年度版犯罪白書によると、平成28年度の少年による家庭内暴力の認知件数は、2,676件とされています。
少年による家庭内暴力は、近年、増加の一途をたどっており、平成28年度の認知件数は平成19年度の1,213件の約2倍となっています。

平成28年度版白書では、家庭内暴力を行う少年の内訳としては、中学生が1,277件と最も多くなっています。
また、暴力の対象としては、母親が1,658件と、全体の約6割を占めています。

なお、上記の数字はあくまで警察が認知している家庭内暴力の件数です。
警察に認知されていない家庭内暴力もありますから、実際の家庭内暴力の件数はさらに多いと思われます。
成人の行う家庭内暴力まで含めると、相当な数の家庭内暴力が行われていることが予測されます。

2、家庭内暴力が起きる原因

家庭内暴力が起きる原因

(1)家庭内暴力では子供だけに問題があるのではない

家庭内暴力が起こると、「うちの子には問題がある…」と考えてしまう親が多いと思います。

しかし、家庭内暴力が起こる場合、子供だけに問題があるというケースはむしろ少ないといえます。
多くのケースでは、親の方にも家庭内暴力を生み出す原因があります。

その他に、家庭内暴力を引き起こす要素として、環境的な要因や社会的な要因もあります。

(2)家庭内暴力の原因は1つに特定できない

多くの人は、家庭内暴力をやめさせるために、原因を突き止めたいと思うでしょう。

しかし、家庭内暴力というのは、明確な1つの原因があり、その1つの原因さえ解決すればおさまるというような単純なものではありません。

家庭内暴力を引き起こす原因は、たくさんあります。
いくつもの原因が絡み合って家庭内暴力が起こるのが、通常のケースになります。

家庭内暴力の原因を突き止めること自体が困難な場合もありますから、原因が何かにとらわれすぎると、かえって解決までの道のりが遠くなってしまうことがあります。

(3)家庭内暴力の原因として主に考えられるもの

家庭内暴力の原因を1つに特定するのは困難ですが、次のような要素が引き金になっていることが多いといえます。

①虐待などによる心的外傷

子供の方も親から虐待を受けたことがあり、親への復讐心や反抗心から家庭内暴力が起こっていることがあります。

②社会生活におけるプレッシャー

学校での友人関係や勉強についていけないことなど、子供自身が社会に適応できず、ストレスを感じていることがあります。

社会生活がうまくいかなければ、親の期待に応えられないプレッシャーも感じることになり、家庭内暴力へと発展することがあります。

③親の過干渉

親が子供に干渉しすぎてしまうことも、家庭内暴力の原因になります。

親が子供をコントロールしようとすると、子供自身の自立したい気持ちが否定されることになり、暴力にはけ口を求めてしまうことがあります。

④親の無関心

干渉しすぎるのと反対に、親が子供に無関心であっても家庭内暴力につながることがあります。

子供は、親に自分のことをわかってほしいという気持ちを表現するために、暴力という手段を選んでしまうことがあります。

⑤発達障害や精神疾患

家庭内暴力を起こす原因の根底に、アスペルガー、ADHD、自閉症、統合失調症などの発達障害や精神疾患があることも少なくありません。

この場合、障害や病気を理解したうえで対処しなければ、解決が難しくしまうことがあります。

3、家庭内暴力をしてしまう子供の心理

家庭内暴力をしてしまう子供の心理

(1)親に自分を認めてほしい

家庭内暴力をする子供は、親から認められたい気持ちがあります。

誰でも、他人に自分を認めてほしいという気持ちがあります。
特に、子供の間は、親に認めてもらうことが、自分のよりどころになるものです。

親に認めてもらっていないと感じている子供は、自分の存在を否定されていると思っていますから、暴力を通じて無意識にうちに自分の存在をアピールしようとしているのです。

(2)自分のことをわかってもらえない

何もかも親に干渉され、抑圧されて育ってきた子供は、自分の気持ちを親に伝えられないまま大きくなったことになります。

家庭内暴力をする子供は、自分の気持ちを親に聞いてもらいたいという思いが心のどこかにあります。

けれど、子供自身が未熟でうまく言葉で伝えられなかったり、親が怖くて言葉にできなかったりするため、暴力をふるうしかなくなってしまうのです。

(3)自分自身に対する罪悪感

家庭内暴力をする子供も、暴力をふるっていいと思っているわけではありません。
多くの場合、子供自身も暴力をふるうことに罪悪感をもち、親を苦しめると同時に自分も苦しんでいます。

子供は、暴力を抑えられない自分を止められず、親に何とかしてほしいという気持ちを持っているのです。

4、家庭内暴力をゼロにする4つの方法

家庭内暴力をゼロにする4つの方法

(1)暴力をふるう子供を無視しない

子供に暴力をふるわれると、親の方が遠慮して、子供を無視したり、腫れ物に触るような態度で接するしかできなくなる場合があります。

しかし、暴力する子供に遠慮していても、問題は全く解決しません。
まずは、暴力をふるわれても、無視することなく、子供と向き合うことを考えましょう。

(2)子供に対して気持ちを伝える

家庭内暴力が起こる家庭の特徴の1つに、親が「しっかりしている」ということが挙げられます。

たとえば、家のお金の話などは教育の観点から子どもには一切話さない、食事の支度は欠かさない、学用品も買い忘れなどは一切ない。
家族旅行へ行くにしても行き先決めに迷う姿は見せず、親の失敗話は子どもに話したことはない。

このような関係にあると、子どもは、親が思っているよりも、親のことを知りません。
極端に言えば、親が一人の人間であるということすら自覚がない状態かもしれません。
つまり、親子の「相互関係」がないのです。

そうなれば、親に暴力を振るっても、親の痛みや辛さを想像することはできないししない、という関係になっている可能性があるわけです。

このような場合は、親は暴力を受けて自分がどう思うかという気持ちを伝えることが重要です。
伝えるべきは、「叩かれたら痛い」「暴力をふるわれたら悲しい」「話ができなくて辛い」という自分の気持ちです。
親の気持ちを聞くことで、子供は、親にも自分と同じように「気持ち」があることを理解します。
今まで親の気持ちなど考えたことなかったわけですから、一度話したくらいで何かが大きく変わることは期待できません。

様子をみながら、継続して親子関係の相互性を構築するよう、対応をしていくべきでしょう。

(3)親はどんなときも子供の一番の味方でいる

子供は成長していく過程で、様々なつまずきを経験します。
自分に自信がなくなり、自分の存在意義がわからなくなってしまうこともあります。

そんなときに、親に否定されてしまうと、子供はどこに助けを求めたらよいのかわからなくなってしまいます。
親に受け入れてもらえない子供は、自分の存在を肯定的にとらえることができず、引きこもりになったり、暴力をふるうことになったりしてしまうのです。

親の役目は、子供の絶対的な味方でいることです。
「何があっても親は自分を見捨てない」ということがわかっていれば、子供はつまずきながらでも、安心して成長していくことができます。

もちろん、親は子供に対して「ダメなものはダメ」と言わなければならない場面はあります。
ですが、子供を頭ごなしに否定するのではなく、最終的には何があっても子供を受け入れるという態度で接することが大事です。

(4)親が成長する

上記の方法は、もしかしたらすでに行われているかもしれません。

我が子の暴力に、戸惑い、驚きながらも、子供の気持ちに寄り添わなければと、親も必死なのです。
「子供の味方であれ」「無視をしてはならない」・・・分かっているけれどうまくいかない、そんな方が多いのではないでしょうか。

親も人間です。
いつでも子育ては初めての連続で、プロではないのですから。
そして、一生懸命育ててきたことも裏切られたような感情になり、悲しくて仕方ないのです。

どの程度、どのように味方であれば良いのか。わからなくて辛いのです。

小さくて可愛かったときの思い出を胸に、現実から逃げて無視だってしたくなります。
子供に気持ちを伝えても、ドラマのようにすぐには子供は心を開くわけでもありません。

でも、親に求められているのです。
子供の何倍も生きてきた親に求められているのです。
親が、親として成長しなければならないのかもしれません。

5、家庭内暴力がなくならない場合の3つの相談先

家庭内暴力がなくならない場合の3つの相談先

子供の家庭内暴力がおさまらない場合には、適切な相談窓口を見つけて、専門家のアドバイスを受けることも大切です。

家庭内暴力の相談先としては、次のようなところがあります。

(1)精神保健福祉センター

精神保健福祉センターは、法律によって各都道府県に設置が義務づけられている、メンタルヘルスやこころの問題についての地域の中核機関です。
都道府県の住民であれば、精神保健福祉相談として、電話や面接により無料で相談ができるようになっています。

これまで正しいと思ってきた子どもとの接し方やしつけ方などについて、まずは聞いてもらいましょう。
良かれと思ってきた考えに、思わぬ盲点があったのかもしれません。
家庭内暴力についても専門家のアドバイスが受けられので、まずは相談してみるのがおすすめです。

(2)警察

各都道府県警では、少年の非行や家庭内暴力の相談を受け付けています。

「警察に相談すれば大事になるのではないか」「暴力といってもそれほどひどくはないので警察に行かなくても…」と躊躇する人もいるかもしれませんが、警察でも臨床心理士などの専門家のアドバイスが受けられますから、被害が大きくなる前に解決できることがあります。

警察に少年相談の窓口が設けられているところもありますから、問い合わせてみましょう。

(3)児童相談所

児童相談所は、各都道府県や政令指定都市に設置されています。
児童相談所では、主に児童虐待についての相談を受け付けているように思われるかもしれませんが、基本的には子育てに関するあらゆる相談を受け付けているはずです。

まとめ

家庭内暴力は、子どもがうまく自立できていない場合に起こるものです。

しっかり者で一見何の問題もなく育ったお子さんかもしれませんが、今、何かを見直さなければならない時が来ています。
これまでの育て方と、そしてお子さんの性格や気持ちと向き合うことが大切です。
あきらめたり後悔したりするのではなく、早く適切な相談先を見つけ、子供の将来のために最適な解決方法を見つけることを願っております。

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