不倫の辛さを克服し再構築を目指したい.…。
今回は、
- 再構築が本当に幸福に繋がるか?
- 不倫から来る苦痛とは何か?
- 夫婦関係を回復させる再構築の方法
について解説します。
1、不倫後に再構築という関係で幸せになれるのか?
パートナーに不倫をされると離婚の選択肢が頭をよぎりますが、一方で、再構築を図ろうとする夫婦も少なくありません。
不倫という一種の裏切りがなされた夫婦の間で再構築をして「その後幸せになれるのか?」と思う方も多いことでしょう。
そこでまずは、不倫後の再構築はその後の生活に幸せを与えるのかという疑問について解説します。
(1)再構築は決して簡単ではないと理解しておくべき
不倫後の再構築は不可能なことではありません。
しかし、再構築をして幸せな時間を取り戻すのは決して容易なことではありません。
不倫をした側、された側も「もう一度夫婦仲を良くしよう」ということは頭の中でわかっています。
ところが不倫をされた側は、しばらくの間、その傷が心の中に大きく残り続けます。
実際に再構築をして夫婦仲が良くなっても「ふとしたときにフラッシュバックする」「また不倫されるかも」といった悩みを抱えている方は多いのです。
心の傷がいつ癒えるのかは、周囲の人間はもちろんのこと、自分でもわかりません。
不倫後の再構築は、この心に残った傷と上手に付き合えてこそなのです。
「再構築を図ろうとしたけど、やはり精神的な面でのつらさが大きいので離婚を選択した」という方もいます。
現在、同じような境遇に置かれている方は、再構築は決して簡単ではないことを把握しておきましょう。
(2)ケースによっては再構築して幸せになれる
根気と長い時間が必要になる再構築ですが、中には不倫前よりも2人の仲が良くなったという夫婦もいます。
再構築に成功した夫婦に共通するのは2人で幸せになるための努力を怠らなかったということです。
「もう一度幸せな時間を過ごすには何が必要か?」「どうすれば家族の絆を取り戻せるのか?」ということを2人でしっかり話し合えば、良好な関係に戻れる可能性が高いのです。
もちろん、良好な関係に戻るまでには精神的につらい時間を過ごすことも多いと思います。
しかし、このつらさを乗り越えた夫婦は「再構築成功」を手に入れられることは紛れもない事実です。
2、つらくても不倫後に再構築するべき?再構築するメリット
不倫発覚直後というのは旦那も妻も冷静さを欠いた状態であることが多く、ついつい離婚しかないという感情を抱きがちです。
しかし、専門家の中には「すぐに離婚を選択せずに、まずは再構築を図るべき」という声も多いのも事実。
なぜつらさを堪えてでも再構築を図るべきなのか?
ここでは再構築するメリットをいくつかご紹介します。
(1)「今までの生活」を保てる
再構築をすることの一番のメリットは、「今までの生活」を保てるということです。
離婚するとは口で言うのは簡単ですが、これは本当に精神的労力が必要なこと。
なぜなら、全てが一変するからです。
住まいも変わる、名前も変わる、職場や子どもの関係に対し公表しなければならず、そして、家族構成員が変わるのです。
配偶者として、父として存在していた夫は、側にいなくなります。
この変化は、直面した方にしか想像できない、とてつもない変化です。
再構築を図ることは、このような大きな変化を回避することができるというメリットがあるのです。
(2)経済的な心配がなくなる
心情的には離婚したくても、現実を見ると離婚後の生活費が心配で離婚に踏み切れない女性は多いと思います。
確かに夫が不倫していたという証拠さえ残すことができれば慰謝料を取ることは可能です。
しかし、不倫の慰謝料相場はケースにもよりますが約50万円~300万円といわれています(状況によってはそれ以上の金額になることも)。
仮に相場のMAXともいえる300万円を受け取れたとしても、このお金だけで今後一生の生活を送るのは不可能で、働いて行かなければなりません。
そんな中、シングルマザーの年間平均年収は約373万円です(シングルファザーは496万円)。
【参考サイト】厚生労働省「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査の結果」
総務省統計局の調査では母子世帯の1ヶ月平均消費支出(平成16年)は19万6379円となっています。
【参考サイト】2019年全国家計構造調査家計収支に関する結果結果の概要
この収入、支出のバランスを見てもわかるように、シングルマザーが子育てと仕事を両立させるのは非常に大変なことなのです。
現在は児童手当、医療費助成制度、在宅手当といった政府や自治体の支援がありますので、がむしゃらに働かなければならないということではありませんが、離婚後の家計は新しい工夫が必要となってくるでしょう。
このような経済面の理由から、離婚を選択せずに再構築を図るという決断はアリなのです。
(3)世間体を保つことができる
再構築せずに離婚するとなると、親、兄弟、親戚、職場関係の人、友人、知人に離婚したことを話さなければなりません。
ケースによっては離婚した理由を話さなければならないこともあるでしょう。
理解ある人であれば励ましの言葉をかけてくれますが、中には「不倫や離婚の原因は奥さんにもあるんじゃないの?」といったように、勝手な憶測をされることもあります。
残念ながら人の噂、特に悪い噂というのはすぐに広まる傾向にあります。
最悪の場合、あらぬ噂を立てられ、今住んでいる家に住みづらくなるといった状況に陥ることもあるかもしれません。
このような二次被害が起きる可能性があるのも離婚のデメリットです。
精神的な面ではつらいかもしれませんが、再構築を図ることで、世間体は保つことができるようになります。
(4)子どもの心の安定につながる可能性も
「不倫は絶対に許すことはできないけど、子どもが父親になついているから離婚はしたくない」という悩みを持つ女性も多くいます。
離婚して別々に暮らすことで、夫婦の精神的苦痛は軽減されるかもしれません。
しかし、子どものことを考えずに離婚してしまうと、子どもの心に大きな影響を与えてしまう可能性があります。
「子どものことも考えて今はガマンしようか」という気持ちを持ち、再構築を図ることが子どもへの大きなプレゼントにもなります。
3、不倫からの再構築でもつらさを半減させるための3つの方法
最後に不倫問題で悩む方が最も知りたい、つらさを半減できる再構築の方法を解説します。
(1)お互いの気持ちをしっかり伝える
不倫発覚直後は喧嘩、冷戦状態に陥る家庭も少なくありませんが、機が熟したら、今心の中に閉まってある気持ちをお互い素直に伝えるようにしましょう。
不倫はちょっとした出来心で始まるものが大半であるため、旦那(妻)が不倫相手に対して本気になっているケースは非常に少ないものです。
つまり本心は配偶者のことを一番大切に思っているケースが大半で、離婚はしたくないという気持ちを強く持っている可能性が高いのです。
この気持ちをお互いに正直に伝えない限りは、関係の悪化へと繋がるでしょう。
話し合いでは感情的にならずに、いったん呼吸をおいた形で話して行くことが大切です。
「どうしてこんなことをしたの?」と穏やかに質問すれば、相手からも「誘惑に負けてしまった」「ちょっとした出来心で」などと、本当の気持ちを話してくれる可能性が高まります。
また、「こんなことになってつらい」と自分の気持ちも正直に伝えることで、相手も「迷惑をかけて申し訳ない」という気持ちになりやすいでしょう。
このようにお互いの気持ちを伝えることができる場を設けるのは、再構築を図る上では非常に大切なことです。
一度で終わらせなくても構いません。
一度で全てを話し合おうとすれば長時間にわたってしまい、疲労のせいで結局最後は感情的になってしまうということはよくあることです。
いったん別居をするなどして、数度に分けて話し合いを重ねて行くのでも良いでしょう。
(2)お互いのスケジュールを公表する
不倫後しばらくの間は相手への信頼が非常に揺らいでいる状態が続きます。
このような状態が長期的に続くのは精神的にも好ましいことではありません。
したがって再構築を図ると決めたら、お互いのスケジュールを把握できるような環境を提案してみましょう。
「相手がどこにいて何をしているのか?」
この疑問が解消されれば「また不倫をされる」という不安をかなり軽減することができます。
「もうしない」と誓っている夫であれば、スケジュールを公開することで「自分は変わった」というアピールにつなげることができますので断ることはないでしょう。
「監視されているようで嫌だ」などと甘えたことを言ってくることがあれば、「あなたの監視されることの不快感より、疑心暗鬼になる私の辛さを回避する方が大切」とはっきり伝えて良いと思います。
1年間などと期限付きで行うことにすれば、比較的心の負担も軽くなるかもしれません。
(3)スキンシップを図る
旦那(妻)が不倫に走ってしまったのは、夫婦のコミュニケーション不足も原因かもしれません。
このようなケースで再構築を決断しても、その後の生活に変化が見られなければまた同じことが繰り返される可能性が高いでしょう。
そのため、再構築を図ると決めたら今まで以上に2人のスキンシップの時間を大切にするようにしましょう。
ただし長期間コミュニケーション不足に陥っていた夫婦がいきなりハグや手をつなぐようなスキンシップは難しいと思います。
このような場合、最初はキッチンで一緒にご飯を作る、一緒に食事を楽しむといった同じ時間を共有するだけでもかまいません。
2人で同じ時間を共有することで、忘れかけていた気持ちなどが蘇ってくることもあります。
ちなみに医学や脳科学の世界では「手をつなぐ」「ハグする」などの直接体に触れあうスキンシップは「幸せホルモン」と呼ばれるオキシトシンの分泌を活性化するといわれています。
最初は照れが勝ってしまいますが、不倫とは無縁の夫婦関係を築くために頑張ってみましょう。
まとめ
今回は不倫問題が起きた夫婦の再構築について解説しました。
パートナーに不倫をされるとついつい感情的になってしまい、頭には離婚の2文字がよぎるようになります。
しかし、離婚という道を選択する前に「なぜ不倫が起きてしまったのか?」「もう本当に離婚の選択しか残されていないのか?」ということをもう一度夫婦で話し合ってみましょう。
不倫が起きた原因が把握できれば、自ずと解決策も見つかります。
旦那(妻)が不倫相手に本気でない限り、再構築は十分に可能です。
現在、パートナーの不倫問題で悩まされている方は、ぜひ参考にしてください。