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教師の残業代はなぜ出ない?過酷な教師の労働を救う対処法を弁護士が解説

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「昔から夢だった教師になったものの、実は残業代が出ないと知って戸惑っている」

「でも残業しないと仕事が終わらないし、残業代に相当する調整額ではとてもじゃないけど割に合わない」

そんなお悩みを抱えていませんか?

今回は、

  • 実はブラック公立学校教師の働き方の実態
  • 教師の残業代がほとんど出ない理由
  • 実質的に「残業代」を増やす方法
  • 残業代が出ないなら仕事を減らす方法はある?

など、公立学校で働くみなさんの疑問にひとつずつお答えしていきます。

教師としての働き方に悩むみなさんにとって、この記事が少しでも現在の不満を解消するためのお役に立てば幸いです。

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1、教師は残業代がほとんど出ない!

教師は残業代がほとんど出ない!

まずは、公立学校の教師が実際に日々どのような働き方をしているのか、その実態から見ていきましょう。

(1)公立学校はブラック職場?

残業代の出ない長時間労働などが常態化している企業のことを俗に「ブラック企業」と呼びますが、公立学校の場合も労働環境をひと言でまとめるとまさに「ブラック」といえるかもしれません。

残業時間が月に100時間を超えるような教師も珍しくはなく、その上束の間の休憩時間も現実的には生徒への対応でほとんど潰れてしまうといいます。

それでいて若手教師の場合、月にもらえる残業代はわずか1~2万円程度。

働きに対して支払われる給与がまったく見合っていないのです。

(2)「過労死ライン」の激務で働く教師は多い

みなさんは、国が示す「過労死ライン」をご存知ですか?

これは「時間外労働時間がそのラインを超えると健康障害のリスクが高まる」という目安のことです。

発症前1ヶ月間におおむね100時間又は発症前2か月間ないし6か月にわたって1か月あたりおおむね80時間を超える時間外・休日労働とされています。

参照:過労死等防止啓発パンフレット(PDF:5237KB) – 厚生労働省

上記の1ヶ月に80時間の時間外・休日労働を基準とすると、1ヶ月4週間と考えれば、1週間に20時間以上の時間外労働をすれば過労死ラインを超える労働時間に相当します。

労働基準法上の1週間の労働時間の上限は40時間ですから、1週間に60時間以上労働する場合には、過労死ラインを超えている可能性があると言ってよいかもしれません。

文部科学省の調査によると、小学校及び中学校の教師の1週間の学校内における総勤務時間は以下の表のとおりとのことです。

それによれば、実は1週間に60時間以上の労働をする教師が、小学校では全体の33.5%、中学校ではなんと57.7%にまで上っており、この数字からも教師の長時間勤務が今や常態化していることを伺い知ることができるでしょう。

引用:公立小学校・中学校等教員勤務実態調査研究

2、なぜ教師の残業代はほとんど出ないのか

なぜ教師の残業代はほとんど出ないのか

一般企業であれば、たとえ長時間労働を強いられたとしても、「その分残業代をもらえるし…」と思うことでモチベーションを維持できる方も多いでしょう。

しかし教師の場合は、これだけの長時間労働に対してもほとんど残業代が出ず、しかもそれが特に違法というわけではありません。

一体どういうことなのか、詳しく見ていきましょう。

(1)教師にも労働基準法が適用される

前提として、公務員である公立学校の教師にも基本的には労働基準法が適用されます。

そのため、8時間労働制を定めた32条、時間外労働の条件や残業手当について記された36条・37条も、その対象になってはいるのです。

(2)残業代ではなく、特例法により一律4%上乗せすることで対処された

しかし、その上で公立学校の教師には「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」(給特法)が適用されており、給特法3条には以下の2点が明記されています。

  • 時間外・休日手当は支給しないこと
  • 月額給与の4%にあたる額を上乗せして支給すること

つまり、時間外・休日手当(=いわゆる残業代)が出ないことは決して違法なわけではなく、その代わりに月額給与の4%が最初から支給額に含まれているということです。

この上乗せ分の4%は「教職調整額」と呼ばれます。

昭和41年度の文部省実態調査で明らかになった月約8時間の超過勤務に相当する金額として算出されたものです。

参照:http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/siryo/__icsFiles/afieldfile/2014/04/23/1265449_006.pdf

(3)教職調整額の性質

ここで気になるのが、なぜ教師にはこのような例外が適用されているのかということですが、その背景には教師という専門職に期待される自発性や創造性に加え、勤務形態にほかの公務員=一般行政職とは異なる次のような特殊性を備えている点があります。

  • 遠足や修学旅行など、学校外での教育活動がある
  • 家庭訪問や、学校外での自己研修などの教師個人の活動がある
  • 夏休みなどの長期休業期間がある

教師のこういった活動について、一般行政職と同じように厳格な時間管理を行うことは難しいのが現実です。

そのため、定時後に勤務した時間をもとに支払われる残業代を適切に計算することも難しく、時間外勤務手当制度そのものが教師の勤務形態にはなじまないと考えられました。

教職調整額にはこの問題を解決するために導入されたという経緯があるため、実際の労働時間に関わらず一律支給という形が取られているのです。

参照:http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/042/siryo/attach/1249656.htm

(4)教職調整額の経緯

戦後の公務員の給与制度改革(昭和23年)によって、教師の勤務時間の測定が困難であったことなどから、教師については一般の公務員より一割程度有利に切り替えられ、教師に対しては超過勤務手当は支給されないこととされました。

しかし、実際には勤務時間を超過して働かなければならないケースが後を絶たず、全国各地で残業代の支払いを求める訴訟が頻発しました。

この流れを受けて、昭和41年に当時の文部省が教師の勤務状況を調査した結果、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(給特法)が成立しました。

給特法では、時間外勤務手当を支給しないこととし、その代わりに、給料月額の4パーセント(※)に相当する教職調整額を支給することとされました。

また、教師については原則として時間外勤務を命じないこととされ、命じる場合は、

  1. 生徒の実習に関する業務
  2. 学校行事に関する業務
  3. 教職員会議に関する業務
  4. 非常災害等のやむを得ない場合の業務

の4項目に限定(いわゆる超勤4項目)しました(公立の義務教育諸学校等の教育職員を正規の勤務時間を超えて勤務させる場合等の基準を定める政令)。

※小・中学校教師の1週間の残業時間は平均1時間48分(約2時間)、月間にすると約8時間であることが分かり、この時間に見合う教職調整額として月給の4%という数字がはじき出されたのです。

参照:http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/031/siryo/07012219/007.htm

3.「残業代」を増やす方法はないのか

「残業代」を増やす方法はないのか

教師の残業代は教職調整額という形で一律支給になっていることをご紹介してきましたが、「さすがに8時間相当では少なすぎる…」「実際にはもっと時間外勤務を行っている」という方も多いのではないかと思います。

そこでここからは、実質的な残業代を増やすための方法をいくつかピックアップしてみましたので、ぜひ参考にしてください。

(1)手当をもらう

公立学校の教師には、内容によって特別手当が支給される以下のような業務もあります。

  • 修学旅行等指導業務
  • 入学試験業務
  • 部活動指導業務

これらの手当をもらうことで、給与額を増やすことは可能です。

ただ、場合によっては、単に労働時間が増えるということになってしまいます。

(2)残業代の支払を求める裁判を起こす?

教師の残業代の支払を求める裁判は過去に何度も起こされています。

しかし、教師には時間外労働を命令できないという建前のもとに残業代を支給しないという法律の規定自体が憲法違反なのではないかという指摘もあり、この議論にはまだ決着がついていません。

最近、埼玉県の小学校教師が2017年9月~2018年7月までの期間、月平均60時間の残業を行ったことに対して240万円の残業代を埼玉県に請求し、現役教師がこういった訴えを起こすのは異例であることから、世間でも大きな注目を集めています。

もしこの裁判で司法から新たな見解が示されれば、行政が現状を変えるきっかけになる可能性も期待できるでしょう。

(3)過剰な残業に対する損害賠償請求を認めた判例も

大阪高等裁判所平成21年10月1日判決では、教育職員の時間外勤務そのものが違法と評価されるのは、同職員の自由意思を強く拘束するような状況下でなされ、給特法の趣旨を没却するような場合に限られるとして残業自体が違法あるとは認めなかったものの、教師の残業時間が月100時間を超えていたことに対しては学校側の安全配慮義務違反にあたるとして、市に55万円の損害賠償の支払を命じました。

この判決では、教師の残業時間がそれだけ長時間に及んでいたことを校長が認識していたにも関わらず、改善措置を取らなかったことがポイントとなっており、残業が違法ではなくても市には教師が心身の健康を損なわないよう勤務時間を適切に管理する義務があるという認識が示されました。

(4)私立学校に転職

教師として少しでも収入を増やすという意味では、私立の学校に転職するのも方法のひとつです。

給特法は公立の学校の教師のみを対象としていますので、私立学校の教師には、一般的な労働者と同様に、労働時間や残業代について、労働基準法が適用されます。

したがって、契約内容にもよりますが、残業をすれば、原則として残業代の支払を受けることができるでしょう。

4、仕事を減らす方法はあるのか

仕事を減らす方法はあるのか

時間外勤務に対する残業代が出ないのであれば、仕事を勤務時間内に終わらせる=現在の仕事量を少しでも減らす方法がないかどうか、考えてみるのもひとつの手です。

ここからは、教師の仕事内容や働き方改革の必要性について、押さえておきたいポイントをご紹介していきます。

(1)そもそもなぜ教師の仕事は膨大なのか

「残業代が出ないのであれば、時間内に仕事を終わらせて定時で帰れば良い」というのは確かに正論ですが、教師の仕事は実際に授業を受け持つ時間のほか、その授業の準備、生徒指導、学校行事や保護者への対応、部活の顧問、教育委員会向けの事務など多岐に渡ります。

特に部活の顧問を担当すると、朝練や放課後の練習はもちろん、土日に休日出勤せざるを得ないケースも多く、その分時間外の勤務がかさんでしまうのです。

(2)教師業務細分化の必要性

このように教師の仕事が膨大になってしまうのは、現在のところ教員免許のある教師が学校業務全般を担当していることに原因の一端があると考えることもできます。

事務的な作業をはじめ、免許が特に求められない業務は教師以外でも担えるようにするなど、教師の負担を減らすためには学校側の改革も必要になってくるでしょう。

現在、教師以外で学校に勤務しているのは主に用務員、受付事務員、保健室の看護師、カウンセラー等です。

部活動の顧問をアウトソーシングする、学校行事の準備などを教師以外のスタッフに任せるなどして、教師の負担を減らすことが望ましいでしょう。

公立の小・中学校でも事務職員を置くことは法律(学校教育法37条)で定められており、今後ますますそういった事務職員への業務の引き継ぎが期待されます。

5、教師の残業代に改革を起こしたい場合は弁護士へ相談を

教師の残業代に改革を起こしたい場合は弁護士へ相談を

公立学校の教師には給特法が適用され、原則として時間外・休日手当は支給されません。

その代わりに月給の4%分のみなし残業代が教職調整額として給与に含まれていますが、この金額も昭和41年に調査が行われた当時のもので、現状に即しているとは言い難いのが事実です。

もしみなさんの中にも「こんなのはやっぱりおかしい」「教師にだって働いた分の残業代はきちんと支払われるべきだ」という思いを抱いている方がいらっしゃれば、ぜひ1度弁護士までご相談ください。

割に合わない長時間勤務が常態化した現状を変えるために、できることを全力でお手伝いさせていただきます。

まとめ

公立学校の教師の教職調整額は月給の4%が一律で支給されることから、世間では「定額働かせ放題」と揶揄されることもしばしばあります。

残業時間が週に20時間・月に80時間の「過労死ライン」を超える教師も中学校では半数以上を占め、長時間勤務の実態が非常に深刻です。

ここまで勤務時間が超過すると、まずは心身の健康を守るためにも働き方の見直しを行うこと自体が急務となりますが、その上で教師の働き方に見合った適切な残業代が支払われるよう制度を変えていくことについても、今後検討していく必要があるでしょう。

今回ご紹介した内容を参考に、みなさんも教師としての働き方に疑問を持った際にはぜひ弁護士までご相談ください。

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