夫婦関係が悪化してしまった場合、どのようにして修復できるのでしょうか?
この記事では、夫婦関係の修復に向けた重要なステップを丁寧に解説し、具体的な修復方法をご紹介します。
目次
1、夫婦関係の修復が可能な5つのケース
まずは、
「こんな場合にはまだ夫婦関係を修復することが十分可能!」
というケースについて、詳しく見ていきましょう。
(1)変わる努力ができる
夫婦関係を修復する上で、何より大事なのは「自分自身が変わること」です。 夫婦仲が悪くなってしまった原因がたとえ相手にあるとしても、だからといって相手が変わってくれるのを待っているだけではいつまで経っても問題を解決することができません。
また、みなさん自身は「相手に原因がある」と思っているかもしれませんが、もしかしたらそれは相手も同じなのかも。
つまり、お互いに「関係が冷え切ってしまったのは相手のせいだ」と思っていて、より溝が深くなってしまっていることも考えられます。
夫婦の問題を解消するには、まずは自分自身の考え方や態度を改める気があるかどうか、が1番のポイントになるでしょう。
(2)心を開いて話し合うことができる
そもそも2人の間に溝が生まれてしまった原因はどこにあるのか、これがハッキリしないことには夫婦関係の修復も上手くいきません。
お互いに今自分がどんなことを思っているのか、相手に対してどんな不満があるのか、夫婦生活に何を求めているのか、心を開いてしっかり話し合えることが必要不可欠です。
(3)相手を思いやることができる
お互い素直に自分の気持ちを口にするためには、
「何を言っても相手から馬鹿にされることはない」
「きっと受け入れてもらえるはずだ」
という最低限の安心感が必要です。
ギクシャクとした夫婦関係が長引いていると、つい相手を冷ややかな目で見るクセがついてしまっていたり、相手の言葉の揚げ足を取りたくなるような気分になってしまったりすることもあるかもしれませんが、そういった意地悪な気持ちは一旦グッとこらえましょう。
相手のことを思いやり、素直な気持ちでその言葉に耳を傾けられるかどうかも重要なポイントのひとつになります。
(4)多少の犠牲は払う覚悟がある
お互いに一切犠牲を払うことなく夫婦関係を修復できるケースはまれです。
相手の希望に合わせて自分の習慣を変える必要があったり、自分の気がそこまで進まないことでも、相手にとって外せない条件のひとつであれば自分が譲歩しなければならないこともあります。
そういった多少の犠牲を払うことになっても夫婦としてやり直していきたい!と思えるのであれば、夫婦関係の修復は上手くいく可能性が高いでしょう。
(5)相手のことを愛している
言うまでもないことかもしれませんが、心のどこかにまだ相手のことを愛している気持ちが残っていなければ、関係自体を修復できたとしてもそれは表面的な関係の修復にしかなりません。
もちろん、愛がなくても夫婦として生活していくことはできますが、もうすでに相手への愛が一切ないのであれば本当に関係を修復するのがベストなのかを考え直すのもひとつの方法です。
逆に相手を愛する気持ちがお互いにわずかでも残っているのなら、2人の関係を修復できる望みは十分にあります。
少し恥ずかしいかもしれませんが、自分のことをまだ愛してくれているのかどうかも、勇気を出して相手に尋ねてみましょう。
2、夫婦関係の修復が難しいケース
一方、「この状態ではもう夫婦関係の修復は難しい」という修復不可能なケースも残念ながら存在します。
その中には「無理に修復せず、別々の道を選んだほうがお互いに幸せになれる」というケースもありますので、あわせてご紹介していきます。
(1)DVがある場合
身体的な暴力はもちろん、モラルハラスメントなどの精神的な暴力も含めて、夫婦の間に何かしらのDVがある場合、夫婦関係を修復することはできません。
むしろすみやかに夫婦関係を解消し、1日でも早く物理的に距離を置く必要があります。
夫の暴力が自分ではなく子供に向かっている場合も、早急に何らかの対処が必要です。
このケースでは、夫婦としてやり直すことを考えるのではなく、自分や子供の身を守ることをまず1番に考えましょう。
(2)浮気・不倫を繰り返している場合
夫婦のどちらか一方が、もしくはお互いが浮気・不倫を繰り返している場合も、すでに夫婦関係は破綻しています。
1度だけの浮気ならまだ元に戻れる見込みもありますが、何度反省してもやっぱりまた浮気に手を出してしまう…というケースでは、これから先もまた同じことの繰り返しになる可能性がとても高いです。
それでもまだ相手のことを愛している場合、離れるのは辛いかもしれませんが、別居をするなど、一旦距離をおくことで、お互いに相手の必要性や存在の大きさを見直すことが重要になるケースもあるでしょう。
(3)顔を合わせるたびに激しい口論になる場合
どれだけ冷静になろうと努めても顔を合わせると激しい口論が避けられない場合、そのままでは夫婦関係を修復することは難しいです。
激しい口論になる=どちらかが相手の気になるところを見過ごすことができないということで、一緒にいればいるほど問題がどんどん大きく膨れ上がっていきます。
子供がいる場合、常にいがみ合う両親を見て傷付いたり、自分だけは良い子でいなければならない…と必要以上に自分の感情を抑え込むようになってしまったりといった悪影響が出る可能性もあります。
何より両親の仲が悪いというのは子供にとってとても悲しいことなので、子供の前でも相手への怒りを抑えることができないという場合は別居などで一旦距離を置くようにしましょう。
(4)自分の意志を曲げたくない場合
夫婦関係を修復するためには、相手のために自分が妥協したり、相手に直してほしいと言われたところは改めるように努力したり、2人の間の落としどころを探っていくことが必要不可欠です。
それでも
「私はどうしても自分の思い通りにしたい」
「これを譲ると自分が自分ではなくなってしまうような気がする」
というようなところにまで変化を求められた場合は、夫婦としてやり直すことを諦めるのもひとつの選択でしょう。
最終的には自分の中の優先順位とどう折り合いをつけていくかという話にもなるのですが、いくら夫婦関係を修復したくても、それによって自分を見失ってしまうことになっては本末転倒です。
この場合、あえて2人別々の道を選ぶことで、お互いにより自分らしく生き生きとした人生を歩めるようになることもあります。
(5)第三者の口出しが激しい場合
たとえば夫の母親がことあるごとに夫婦関係に口をはさんでくる場合など、夫婦以外の第三者からの干渉が激しい場合には、当事者同士で落ち着いて話し合うことができません。
もし2人だけで話し合えるタイミングがやってきても、「これは本当に本人の意見なのか、それとも母親からそう言わされているだけなのか」というように、いちいち疑心暗鬼になってしまいます。
母親などの家族に限らず、外野が色々とうるさい場合の夫婦関係の修復は、通常よりも難しいことを覚えておきましょう。
3、夫婦関係を修復する10の方法
ここからはいよいよ、夫婦関係を修復するために効果的な方法を具体的にご紹介していきます。
どれも少しの勇気や思いやりで試せる方法ばかりなので、ぜひみなさんも日々の生活に取り入れてみてくださいね。
(1)こまめに「ありがとう」と言う
相手に感謝を伝えることは、夫婦関係だけでなくあらゆる人間関係の基本です。
特に夫婦の場合、長年一緒に暮らすことで相手が自分のためにしてくれることもいつしか「当たり前」になってしまいがち。
そんな当たり前を今一度見直して、ちょっとしたことでもこまめに「ありがとう」と伝えるようにしてみましょう。
(2)関係を修復したいと伝える
何も言わずに1人で焦って努力しても、それが相手に伝わらなければただの空回りになってしまいます。せっかく「夫婦関係を修復したい!」という強い気持ちがあるのなら、それをそのまま相手にも伝えましょう。
同じ行動を起こすのでも、伝えてから行動することで「2人の関係修復のために動いてくれているんだな」と、相手の中での受け取り方には確かな変化が生まれます。
それによって相手からの歩み寄りも期待することができるので、結果としてよりスムーズに関係を修復することができるでしょう。
(3)問題の原因を話し合う
2人の間に溝が生まれてしまったのは何が原因なのか、落ち着いて話し合うことも必要不可欠です。
この話し合いはなるべく2人きりで、時間の余裕もたっぷりあるときに行うのがおすすめ。
特に原因が思い当たらないという場合でも、
「これからはなるべくたくさん会話をしよう」
「どんな些細なことでも報告し合おう」
というように、これからの夫婦の目標のようなものをあわせて話し合うと前向きな時間を持つことができますよ。
(4)今日はどんな1日だったか尋ねる
「夫婦関係を修復するにはなるべく会話をしたほうが良いのは分かっているけど、何を話せば良いのか分からない…」というときには、「今日はどんな1日だった?」というのを毎晩恒例の質問にするのも良いでしょう。
別々に過ごした時間にあったことを話のネタにすることでお互いへの理解が深まりますし、どんなに同じことの繰り返しに思える毎日にも目をこらせば違いは必ずあります。
「ゴミ出しのときに野良猫を見たよ」
「会社の○○さんに寝癖がついていておかしかったよ」
というように、何気ない話ほど気持ちをほっこり温めることもあるので、積極的に話してみましょう。
大きなきっかけに繋がるはずです。
(5)悪いところではなく良いところを探す
物事には必ず良い面と悪い面の2つがあり、どんなに悪いとしか思えないことの中にも良さを見つけることは可能です。
みなさんのパートナーにも良いところ・悪いところが色々と混在していると思いますが、夫婦関係を修復するまではなるべく悪いところには目をつぶって小言も控え、良いところのみにスポットライトを当てるようにしましょう。
(6)相手のことを素直に褒める
相手の良いところを見つけたら、素直に
「すごいね!」
「そういうところ好きだな」
と褒めることも大切なポイントです。
人は誰かに褒められると多かれ少なれ嬉しいものですし、その相手が自分の夫や妻ならなおさら誇らしい気持ちになります。
褒めてくれた相手に対する親密度や愛おしさもグーンとアップするので、ぜひたくさん褒め合ってみてください。
(7)なるべく同じ空間で過ごす
たとえ会話がなくても、相手と同じ空間で過ごす時間が長ければその分夫婦としての一体感は増します。
食後はリビングで一緒にくつろぐようにする、別々だった寝室をまた1つにするなど、同じ空間で過ごせる工夫をしましょう。
(8)夫婦で同じことをする
夫婦で同じ趣味を持つのも良いですし、ただ一緒に散歩に行く、買い物をする、2人で料理を作るなど、夫婦で同じ作業をしたり一緒に出かけたりする機会を増やすのも効果的です。
こちらも夫婦の一体感を高め、自然と絆を強めることに役立ちます。
(9)旅行をする
お互いに忙しい日々を送っている夫婦なら、いっそのこと旅行という非日常に身を置いたほうがリラックスしてお互いと向き合うことができます。
何より旅行中は自然と四六時中一緒にいることができるため、相手との距離を再び縮める絶好のチャンスです。
(10)一旦別居する
感情的になってしまうときや、相手への一時的なわだかまりがある場合は、状況を整理したり冷静さを取り戻すために一旦別居してみるのもひとつの方法です。
人間というのは不思議なもので、「相手を失うかもしれない」と思った途端に相手への本当の気持ちに気付いたり、後悔が押し寄せたりするパターンもよくある話。
思い切って別居することが、2人の関係を前向きに修復してくれることもあるでしょう。
4、当事者だけで夫婦関係の修復が難しければカウンセラーに相談
なかなか上手く本音で話し合うことができない、色々と考えすぎてしまって自分の本当の気持ちが分からない…など、当事者だけで問題を解決することが難しいときには、専門のカウンセラーに手助けしてもらうのも良いでしょう。
こちらのサイトで夫婦問題に関する様々な情報を発信している岡野あつこさんは、夫婦関係修復のエキスパート。 カウンセリングはWEBからも予約することができるので、気になる方はぜひ1度チェックしてみてください。
5、夫婦関係の修復ができなかった場合の対処法
先ほどご紹介した方法を試しても夫婦関係が修復できなかった、もしくはそもそも夫婦関係を修復するのが難しいケースに当てはまっていた場合、現状から抜け出す最後の選択肢が「離婚」です。
離婚の前に一旦別居期間を設けて様子を見るのも良いですが、やっぱり夫婦として再びやり直すのは無理だという結論に達した場合、次のサイトを参考に離婚のための手続きを行いましょう。
離婚の完全ガイド|慰謝料や養育費を多く得るために抑えておくべき事まとめ
の記事では、
- 離婚までどのようなステップを経る必要があるのか
- 気になる養育費や財産分与のポイント
などについても詳しく解説されていますので、ぜひ目を通してみてください。
夫婦関係の修復に関するQ&A
Q1.夫婦関係の修復が可能な5つのケース?
- 変わる努力ができる
- 心を開いて話し合うことができる
- 相手を思いやることができる
- 多少の犠牲は払う覚悟がある
- 相手のことを愛している
Q2.夫婦関係の修復が難しいケースとは?
- DVがある場合
- 浮気・不倫を繰り返している場合
- 顔を合わせるたびに激しい口論になる場合
- 自分の意志を曲げたくない場合
- 第三者の口出しが激しい場合
Q3.夫婦関係を修復する10の方法とは?
- こまめに「ありがとう」と言う
- 関係を修復したいと伝える
- 問題の原因を話し合う
- 今日はどんな1日だったか尋ねる
- 悪いところではなく良いところを探す
- 相手のことを素直に褒める
- なるべく同じ空間で過ごす
- 夫婦で同じことをする
- 旅行をする
- 一旦別居する
まとめ
DVがある場合など、夫婦関係が修復不可能なケースもありますが、まだ相手に対する愛情が残っている・修復のために自分自身を変える覚悟があるという場合、現在の関係がどんなにギクシャクしていてもまた夫婦としてやり直せる可能性は十分にあります。
今回ご紹介した方法は、夫にだけはそうしたくない、そんなことをして急に優しくなってどうしたの!?と思われるのも嫌だな・・などと思うものもあったかもしれません。
でも、どれも「あなたらしく」表現すれば良いのです。器用に行動できなかったとしても、心はきっと相手に伝わるはずです。
より前向きな夫婦生活に向かって、みなさんもはじめの1歩を踏み出してみてください。