いじめの種類と具体的な行為|いじめの定義や対応策とは

いじめ 種類

いじめの種類がインターネットの普及により過去のものとは大きく違ったものになってきていることをご存知ですか?
SNSでの誹謗中傷で自殺に追い込まれるケースも少なくありません。

今回は、現在も尽きることのないいじめの問題について、

  • いじめにはどのような種類があるのか?
  • いじめの明確な定義とは何なのか?
  • いじめは子供の間だけで起こるものではない?
  • いじめは刑事罰に発展する?

に関する事実についてご紹介し、いじめに関する理解を深めていただきたいと思います。ご参考になれば幸いです。

精神的苦痛について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

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1、いじめにはどのような種類があるのか

いじめにはどのような種類があるのか

インターネットの普及やSNS利用者の増加に伴い、過去では考えられないほどの陰湿ないじめもあります。

具体的には、下記のようなものが挙げられます。

・暴力を振るう
・無視をする、陰口や暴言を言う
・ネットで噂を流す
・お金をせばむ
・嫌なことを強要し恥をかかせる
・性的な嫌がらせをする
・大勢の前で笑い者にする

このように様々な種類のいじめが現在も起こっております。

2、いじめには明確な定義はある?

いじめには明確な定義はある?

いじめには様々な種類がありますが、そもそもいじめには明確な定義があるのでしょうか?

(1)昭和61年に発表されたいじめの定義

児童生徒を対象としたいじめの定義について、文部科学省は昭和61年、以下のような文章を発表しました。

この調査において、「いじめ」とは、「①自分より弱い者に対して一方的に、②身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、③相手が深刻な苦痛を感じているものであって、学校としてその事実(関係児童生徒、いじめの内容等)を確認しているもの。なお、起こった場所は学校の内外を問わないもの」とする。
引用元:文部科学省

(2)平成6年に発表されたいじめの定義

上記の文章は、平成6年にこのように改定されています。

この調査において、「いじめ」とは、「①自分より弱い者に対して一方的に、②身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、③相手が深刻な苦痛を感じているもの。なお、起こった場所は学校の内外を問わない。」とする。なお、個々の行為がいじめに当たるか否かの判断を表面的・形式的に行うことなく、いじめられた児童生徒の立場に立って行うこと。
引用元:文部科学省

元々あった「学校としてその事実(関係児童生徒、いじめの内容等)を確認しているもの」という文章が削除され、「個々の行為がいじめに当たるか否かの判断を表面的・形式的に行うことなく、いじめられた児童生徒の立場に立って行うこと」が追加されました。

(3)平成18年に発表されたいじめの定義

さらに、平成18年には、「一方的に」、「継続的に」、「深刻な」という文書が削除され、「『いじめ』とは、『当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの。』とする。」という定義に改められました。

本調査において、個々の行為が「いじめ」に当たるか否かの判断は、表面的・形式的に行うことなく、いじめられた児童生徒の立場に立って行うものとする。「いじめ」とは、「当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの。」とする。 (※)なお、起こった場所は学校の内外を問わない。
引用元:文部科学省

(4)平成25年にまとめられたいじめの定義

これらの定義がされた後、平成25年のいじめ防止対策推進法の施行により、いじめの定義は以下のようにまとめられました。

「いじめ」とは、「児童生徒に対して、当該児童生徒が在籍する学校に在籍している等当該児童生徒と一定の人的関係のある他の児童生徒が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものも含む。)であって、当該行為の対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じているもの。」とする。なお、起こった場所は学校の内外を問わない。「いじめ」の中には、犯罪行為として取り扱われるべきと認められ、早期に警察に相談することが重要なものや、児童生徒の生命、身体又は財産に重大な被害が生じるような、直ちに警察に通報することが必要なものが含まれる。これらについては、教育的な配慮や被害者の意向への配慮のうえで、早期に警察に相談・通報の上、警察と連携した対応を取ることが必要である。
引用元:文部科学省

このように、いじめの定義は複数回その文章が変更されてきました。

最新の「いじめ」の定義においては、「インターネットを通じて行われるものも含む」というものが追加されており、現代化に伴っていじめの手段が多様化しているということが伺えます。

3、いじめは子供の間だけじゃない

いじめは子供の間だけじゃない

「いじめ」というと一般的に、「子供の間で起こるもの」というイメージが強いのではないでしょうか。

しかし実際は、子供の間だけではなく、会社という枠組みでも起こり得るものです。
会社で起こりやすいいじめ、また、実際に起った会社でのいじめの事例についてご紹介します。

(1)会社で起こりやすいいじめ

会社内でも、さまざまないじめが起こり得ます。
よくあるものとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • 自分だけ過剰な業務を任せられる
  • 他の人は怒られないことでも、自分だけは怒鳴られる
  • 無視をされる
  • 指導を仰いでも何も教えてくれない

(2)会社で起こったいじめの事例

会社内では、上記に挙げたようないじめが起こりやすいですが、ここではそのいじめについてより具体的に、ご紹介します。

①パワハラ

会社内のいじめでよく起こるのが、パワハラです。

暴力行為としてパワハラにあたる可能性があるのは以下のとおりです。

  • 足で蹴られた
  • 殴られた
  • 胸ぐらを掴まれた
  • 髪を引っ張られた
  • 物をなげつけられた
  • 火のついたタバコを投げられた

パワハラにはその他にも、

  • 脅迫・名誉毀損行為によるパワハラ
  • 仲間外れ、無視によるパワハラ
  • 業務上の明らかに過度な要求によるパワハラ

などがあり、ニュースでもよく取り上げられています。

パワハラに関しての詳しい内容に関しては、こちらの記事を併せてご覧ください。

②セクハラ

セクハラもまた、社会問題となるほどの、大きな問題となっています。

セクハラにあたるとされるのは、

  • 性的な発言
  • 性的な行動
  • 視覚的なセクハラ

などです。

具体的な行為として挙げられるのは、

  • 「彼氏いるの?」などと異性との交際関係を聞くこと
  • 「最近ご無沙汰か?」などと性的な事実関係を尋ねること
  • 社内で特に必要もないのに身体や髪の毛を触ること
  • 社内のメンバーでカラオケに行った際にデュエットを強要すること
  • 週刊誌の中のわいせつなページを開いたままにしてオフィス内に置いておくこと

などがあり、セクハラもまたニュースなどで連日取り上げられるものとして、社会問題化しています。

セクハラに関するより詳しい内容、または社内でセクハラが起こった際に対処する方法などについては、こちらの記事を併せてご覧ください。

③モラハラ

モラハラとは、「モラルハラスメント」の略で、その意味合いとしては、「倫理や道徳に反する嫌がらせ」です。

上記のパワハラと混同されがちですが、パワハラが「職務上の人間関係を利用している」こととされているのに対し、モラハラは、倫理を外れた嫌がらせ行為を言いますので、特に職務上の人間関係を利用しているものである必要はありません。

さらに、モラハラは、直接的な暴行(身体的な攻撃)は含まないとされています。

要するに、モラハラは、「言葉や態度で相手を追い詰める行為」のことを指し、会社内だけでなく、家庭内でも起こり得るということです。

会社内で起こるモラハラの例としては、以下のようのものです。

  • 無視をする
  • チームから仲間はずれにする
  • プライベートに介入してくる
  • 仕事に必要な情報を与えない
  • 過小な業務しか与えない

家庭内で起こるモラハラとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • 相手を認めない
  • 平気で嘘をつく
  • 子どもに妻(夫)の悪口を吹き込んで、洗脳する
  • 細かい、欲が深い

モラハラに関するさらに詳しい内容は、こちらに記載してあります。

ぜひ併せてご覧ください。

4、いじめの内容によっては刑事事件へ発展することも

いじめの内容によっては刑事事件へ発展することも

このように、いじめは学校内や会社内、さらには家庭内でも起こることであり、それによる悲しい事件が後を絶ちません。

また、一言で「いじめ」と言っても、その内容はさまざまであり、刑事事件へと発展することもあり得ます。
例えば、「殴る」という行為。
直接体に危害を与えることは、暴行罪(刑法208条)に該当し得ますし、その結果ケガをした場合には、傷害罪(刑法204条)に該当する可能性があります。

さらに、それが原因で亡くなってしまうようなことがあれば、傷害致死罪(刑法205条)に該当し得ます。

さらに、

  • 断れない状況を作り、万引きをさせるような行為は強要罪(刑法223条)
  • 実際に暴行をしたりするなどして現金を取り上げるような行為は恐喝罪(刑法249条)
  • 所持品を盗まれたりする場合には、窃盗罪(刑法235条)
  • 所持品を壊されたり、捨てられたり、隠されたりするような場合には器物損壊罪(刑法261条)
  • 公然と事実を示して悪口をいうなどの行為は、場合によっては名誉棄損罪(刑法230条)
  • ネットを利用し、「学校に来たら危害を加える」などの文章を送る行為に対しては、脅迫罪(刑法222条)

が成立する可能性があります。

単なる「いじめ」として考えるのではなく、それは本来重大な犯罪行為に該当する可能性があるということを、しっかりと理解しておくようにしましょう。

5、なぜいじめは起こる?いじめをなくすための対応策とは

なぜいじめは起こる?いじめをなくすための対応策とは

そもそもなぜ、いじめは起こってしまうのでしょうか?
そこにはどういった原因があるのでしょう?

その原因を考えることが、いじめをなくすための対応策になると考えられます。

(1)いじめが起こる原因

文部科学省の調査によると、小学校でのいじめの数が劇的に増えており、平成26年度には122、721 件、つまり小・中・高等学校および特別支援学校全体で起こったいじめの3分の2程度が小学校で起こっています。

いったいなぜ、小学生の間でいじめは多く発生してしまうのか。

その主な原因として、以下のことが考えられるのではないでしょうか。

  • 自分と違う人が気に食わない
  • ストレス解消のため
  • 自分の心の安定を保つため
  • おもしろ半分、遊び半分
  • 自分がいじめられないため
  • 複雑な家庭環境があるため(虐待を受けている)
  • 家庭内で、暴力が日常的である

心が不安定である時期には、このような理由から、相手に暴力を振るったり、精神的な苦痛を与えたりといったいじめが多発しがちです。
そのため、家族や理解ある人のサポートが何よりも大切です。

(2)対応策

いじめへの対応策としては、やはり家族のサポートが大切です。
その際、親が先走ることなく、子供が主体的に行動できるよう常に子供の確認をとってから、学校や加害者側に話し合いを申し出るようにしましょう。

また、子供が親を気遣い、本当のことを言えない場合もありますから、その際は家族だけでなく、いじめ相談窓口などにも相談し、その子にとって最適な方法で、解決ができるよう取り組むことが大切です。

いじめ被害に遭った子供を救うための対応策について、こちらの記事にもその詳しい内容を記載しています。ぜひ併せてご覧ください。

まとめ

今回は、いじめの定義やその原因、解決策などについて記載してきました。

いじめは子供の間だけではなく、会社内や家庭内でも十分起こりえます。
最近ではその方法も陰湿なものが増え、文部科学省によるいじめの定義も年々変化してきているほどです。

いじめは、刑事事件にも発展するおそれのある重大な問題ですので、そのことについてしっかりと理解し、いじめのない社会のために自分は何ができるのか、皆で考えることが大切ですね。

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