夫婦関係を再構築するためには何から始めれば良いのでしょうか。
今回は、夫婦関係が悪くなる原因や夫婦関係の再構築を成功させる秘訣、さらに夫婦関係の再構築が上手くいかないときの対処法などについて、ご説明します。
目次
1、夫婦関係の再構築が必要なケース
夫婦関係の再構築が必要なケースとは、どのような夫婦なのでしょうか。
これから関係を再構築する上で、夫婦関係が悪化したその原因を把握しておくことは欠かせないポイントのひとつです。よくある原因をピックアップしていきますので、みなさんも自分の現状と照らし合わせながら考えてみてください。
(1)浮気・不倫があった
どちらかの浮気や不倫がきっかけで、夫婦関係にヒビが入ってしまうケースは非常に多いです。
子供のことや今後の生活のことを考えて1度は離婚を踏みとどまっても、「信頼していた相手から実は裏切られていた」というショックや傷付けられた気持ちは、なかなか癒えることがありません。
浮気・不倫からの再構築についてはこちらの記事をご覧ください。
(2)モラハラ・DVがある
モラハラやDVなどの暴力は、夫婦にとってさらに致命的な問題です。
いつ相手の態度が豹変するかビクビクしながら過ごしたり、なるべく相手の機嫌を損ねないよう気を遣ったり、そんな神経の擦り減る生活では2人の間の溝もどんどん深まるばかりでしょう。
(3)借金・浪費癖がある
相手が自分に無断で借金を作っていたことや、どれだけ注意しても浪費をやめてくれないことで、相手に対して愛想が尽きてしまうケースもあります。
実際にそのせいで家計が苦しくなってくると、気持ちの余裕も失われ、余計に関係がギクシャクしやすいでしょう。
(4)価値観・性格が合わない
夫婦と言えども他人同士なので、性格や価値観が異なること自体は当然の話。
でも、お互いに譲れないポイントで意見が食い違い、そういった衝突が頻繁に起こるとストレスが溜まりますし、次第に相手への気持ちも冷めてきてしまいます。
(5)セックスレスだ
夫婦間のセックスやスキンシップは、お互いに愛情を伝え合う手段としてだけではなく、目には見えない絆や信頼関係を築く上でも大事な役割を果たしています。
そういったスキンシップがなくなることで夫婦としての気持ちのつながりも感じられなくなり、2人の間に距離ができてしまうパターンは意外と多いのです。
(6)義両親との関係が良好ではない
お互いの家族との接し方も、夫婦関係に大きな影響を及ぼします。
自分は義両親とも喜んで顔を合わせるのに、相手が自分の両親とのコミュニケーションに積極的ではなかったり、自分の両親をけなすような発言をしたりすると、さすがに気分が良くないでしょう。
逆に自分が義両親とトラブルになったとき、相手が自分を守ってくれなかったことで相手に対して幻滅してしまうケースもあります。
(7)愛情が無くなってしまった
結婚してしばらく経つと、単純に相手を好きだと思えることが無くなってしまうことも珍しくはありません。
それでも一緒にいて落ち着く、子供の親として2人で頑張っていきたいなどの思いがあるなら、関係を再構築する価値はあります。
このあとご紹介するポイントも参考に、ぜひ夫婦の再スタートへ最初の1歩を踏み出してみてください。
2、夫婦関係の修復を図る前に心得て欲しいこと
具体的な再構築の方法をご紹介する前に、まずはその前提として押さえておきたい心得からチェックしていきましょう。
(1)元通りにならない可能性は高い
夫婦関係は元々とても繊細なものなので、以前とまったく同じ2人に戻ることを目標にしてしまうと、その修復は失敗する可能性が高いです。
(2)過去を振り返るのではなく、未来を幸せに生きることを考える
「あの頃に戻りたい」と思う気持ちも分かりますが、それより今の2人がまた幸せに夫婦生活を送るためにはどうすれば良いのか、未来に目を向けて新しい関係作りを目指したほうが、より無理なく居心地の良い2人になることができます。
3、夫婦の再構築を成功させるために必要なこと
それではいよいよ、夫婦関係を修復するために必要な6つのポイントをご紹介していきます。
(1)夫婦関係が冷え切った原因を考える
何はともあれ、夫婦に何か問題があるならそれを改善することが再構築の基本です。
先ほどピックアップした夫婦関係悪化の原因も参考に、自分たちの関係をギクシャクさせている問題は何なのか、どうすればその問題を解消することができるのかを考えましょう。
(2)お互い至らなかった部分があることを理解する
「自分は何も悪くない!だから自分が折れる必要はない!」と思っている限り、いつまで経っても2人の間の溝が埋まることはありません。
「思い返せば自分にも良くないところがあったかもしれない」と、なるべく謙虚に自分のことを見つめ直し、お互いに至らない部分があったことを認めましょう。
これから関係を再構築する上で、「相手が○○してくれないのだから、自分も○○しない」という考え方がクセになっている人は特に要注意です。
「夫婦は合わせ鏡」という言葉があるように、相手に何かを求めるときには、まず自分から相手にそれを差し出すことが希望を叶える最大の近道。
優しくしてくれた相手には自分も優しい気持ちで接したいと思うものですし、無意識に同じものを返そうとするのが人間の自然な心理なのです。
(3)相手を許す
相手に対して気持ちのわだかまりを抱えている状態で関係を修復しても、それは表面的な解決にしかならないでしょう。
たとえ仮面夫婦になった主な原因が相手側にあるとしても、それを許し受け入れることが再構築への第一歩です。
「頭では分かっていても気持ちの整理がつかない」というときには、先ほどもお話した「自分の至らなかった点」を思い返し、「結局のところお互い様だったのかもしれない」というふうに考えてみるのもひとつの方法です。
(4)家族と過ごす時間を増やす
1度離れてしまった心の距離をまた縮めていくためには、なるべく家族で一緒に過ごす時間を増やすことも大切なポイントです。
「そんな簡単なことで良いの?」と驚かれる方も多いかもしれませんが、何気ない日々の中でお互いの存在を感じながら生活を送ることが、実は何より夫婦としての一体感を回復させてくれます。
最初のうちは特に会話をしなくても、ただ同じ空間にいるだけで構いません。
別々の部屋にいるとわざわざ喋りに行くほどでもないし…と躊躇してしまう話題も、相手がそばにいれば口にしてみようかなと思う機会が増えますし、何気ない会話の糸口を見つけやすくなり、自然と和やかに過ごせるようになるでしょう。
(5)「おはよう」や「ありがとう」の言葉を欠かさない
「おはよう」「行ってきます」「おかえり」といった、日々の挨拶もサボらず口にしましょう。
夫婦関係を修復する上では、このようなちょっとしたコミュニケーションの積み重ねが意外と大きな効果を生み出してくれます。
例えるなら、挨拶は日常生活をスムーズに送るための潤滑油。
特に「ありがとう」という感謝の言葉は、こまめに伝えることでどんどん相手との信頼関係を築いていくことができます。
どんなに些細な事柄でも、相手にしてもらって嬉しかったことがあれば、積極的に「ありがとう」と言葉にしていきましょう。
(6)相手に完璧を求めない
相手にも自分にも、「完璧」を求めるとすぐに疲れてしまいます。
良いところもあれば悪いところもあり、努力していてもなかなか思うようにはいかないのが人間の常です。
相手に対してついイライラしてしまうときには、無意識のうちに自分の思う理想像を相手に押し付けてしまっていないか、改めて見つめ直してみましょう。
4、再構築が難しいケースもある
夫婦関係の修復に必要なポイントをご紹介してきましたが、これらのポイントに気を付けていても、場合によっては再構築が難しいケースもあります。
ここではその例をピックアップしていきますので、ぜひ参考にしてください。
(1)夫婦どちらかが離婚の意思が固いとき
相手の中ですでに離婚の意思が固まっている場合、こちらからどれだけ歩み寄っても、関係を修復することは難しいでしょう。
それでもめげずに誠意を持って接すれば、考え直してもらえるチャンスを生み出すことも不可能ではありません。
根気強く気持ちを伝え、相手の本音や不満にも真摯に耳を傾けてみましょう。
(2)相手からモラハラ・DVを受けている
みなさんがモラハラ・DVを受けている場合、耐えれば耐えるほど相手からの攻撃はエスカレートし、被害が大きくなっていく危険があります。
どれだけ「自分はまだ耐えられる」と思っていても、その状況を打破するためには物理的に距離を置くしかないこともあります。
取り返しのつかないことになる前に、まずは自分の身を守ることを1番に考えましょう。
(3)相手を信用できないとき
夫婦の再構築には、お互いに失われてしまった信頼を取り戻すことが必要不可欠です。
その中で「やっぱりどうしても相手のことを信用できない」という思いがあると、修復に必要な土台を固めることができず、上から何を積み重ねてもすぐにグラグラと揺らいでしまいます。
再構築を失敗に終わらせないためにも、まずはどうすればまたお互いに信頼し合うことができるのかをしっかり考えることがおすすめです。
5、再構築が上手くいかないときの対処法
「努力しているのになかなか状況が変わらない…」そんなときには、次の対処法も試してみてください。
(1)カウンセリングを受ける
夫婦問題に詳しい専門のカウンセラーに、困っていることを相談してみましょう。
プロのカウンセラーに話を聞いてもらうと、それだけでも気分がグッと前向きになりますし、役に立つアドバイスを得ることができます。
(2)弁護士に相談して夫婦関係調整調停(円満)を開く
相手がなかなか話に応じてくれない場合、夫婦関係調整調停(円満)を利用するのも効果的です。
夫婦関係調整調停(円満)とは、通称「円満調停」といい、夫婦の問題を解決するために家庭裁判所で話し合いを行うことです。
自分たちだけでも申し立てることはできますが、弁護士に依頼したほうがよりスムーズに手続きを進めることができます。
関係悪化の原因が浮気や不倫にあるときも、弁護士に相談しておいたほうが安心です。
浮気・不倫などの不貞行為は法的にも離婚事由として認められていますので、万が一相手が離婚を望み、それを思い止まらせたい場合にも弁護士からのアドバイスが参考になるでしょう。
(3)両親や親しい友人にサポートしてもらう
ときには両親や友人に愚痴を聞いてもらったり、話し合いに同席してもらったりして、周りを頼ることも方法のひとつです。
「なるべく迷惑をかけたくない」と思う人も多いかもしれませんが、みなさんのことを大切に思っている相手なら、むしろ喜んでサポートしてくれるはずです。
(4)頑張りすぎない
夫婦の再構築は一朝一夕でできるものではなく、それなりに時間がかかります。
スポーツでいうと長距離走のようなものなので、序盤で飛ばしすぎるとすぐに息切れしてしまうでしょう。
ほどほどに肩の力を抜いて、息抜きもしながら気長に構えるのが成功の秘訣です。
6、諦めないで!夫婦の再構築に成功した人はいる
最後に、夫婦の危機から再構築に成功した実際のケースをご紹介します。
(1)妻が不倫→誠意ある対応で再構築
まず1つ目は、妻の不倫を夫が許して再構築に成功したケースです。
ここで夫が妻を許すポイントとなったのは、
- 妻が言い訳をせず全面的に自分の非を認めたこと
- 再構築中にとことん夫に尽くしたこと
- 夫に対してだけでなく夫の両親の世話も進んで引き受けたこと
など、数々の誠意ある対応。
夫婦でカウンセラーのもとに通い、心の奥にあった不満や、相手への愛情を再び実感できたことも大きなカギとなっています。
(2)1度離婚してから再構築に成功するケースも
再構築に成功した夫婦の中には、一旦は離婚を成立させたものの、時間をかけて再び一緒になることを選んだという夫婦も珍しくありません。
離婚後も相手の両親と良好な関係を築き続けたことや、1人になってからコツコツと貯金し、誠意を具体的な形で示したことなど、別れても真摯に自分と向き合おうとする姿に胸を打たれるケースが多いようです。
離婚する夫婦の会話パターン関するQ&A
Q1.夫婦関係の再構築が必要なケースとは?
- 浮気・不倫があった
- モラハラ・DVがある
- 借金・浪費癖がある
- 価値観・性格が合わない
- セックスレスだ
- 義両親との関係が良好ではない
- 愛情が無くなってしまった
Q2.夫婦関係の修復を図る前に心得て欲しいこととは?
- 元通りにならない可能性は高い
- 過去を振り返るのではなく、未来を幸せに生きることを考える
Q3.夫婦の再構築を成功させるために必要なこととは?
- 夫婦関係が冷え切った原因を考える
- お互い至らなかった部分があることを理解する
- 相手を許す
- 家族と過ごす時間を増やす
- 「おはよう」や「ありがとう」の言葉を欠かさない
- 相手に完璧を求めない
まとめ
夫婦の再構築には、お互いに歩み寄ろうという姿勢や、そもそも関係が悪化してしまった原因について、相手を責めるのではなく「自分にも悪いところがあったかもしれない」と見つめ直すことができる冷静さが必要です。
再構築が、必ずしも元の2人に戻ることを指すわけではない、というのも押さえておきたいポイントのひとつ。
今の2人にとってこの先どんな関係を築いていくのがベストなのか、今回ご紹介した内容も参考に、ぜひ夫婦で話し合ってみてください。