趣味の範囲内でのゲーム課金は問題ありませんが、一度課金を始めるとゲームに没頭し、生活に支障をきたすまで大金を費やす人もいるのが現実です。
そこで今回は、
- ゲーム課金の利点
- 後悔しないゲーム課金の方法
などについて詳しく解説していきます。
目次
1、ゲーム課金とは?課金で得られるメリット
ゲーム課金とは、その名のとおり、ゲームを楽しむために料金を支払うことをいいます。
ほとんどのソシャゲは無料で遊ぶことができますが、課金をすることでゲームをより有利に進めることが可能になります。
お試しサービスは無料で利用できるものの、上級バージョンに進むには料金が発生するというサービスシステムに似ています。
このような課金系のゲームは数多くありますが、代表的なものとして以下のゲームが挙げられるでしょう。
- ドラゴンボールZドッカンバトル
- ドラゴンクエストウォーク
- モンスト(モンスターストライク)
- FGO(Fate/Grand Order)
ソシャゲに興味がある方なら、これらのゲーム名は聞いたことがあるのではないでしょうか。
モンストを例にとって課金の仕組みをご紹介します。
モンストとは、簡単にいうと育てたモンスターを自分の指で引っ張って敵モンスターに当てて倒すアクションRPGゲームです。
無料のままゲームを進めていくうちに強い敵が現れて先に進めなくなった場合に、レアなモンスターを入手して敵を倒しゲームを進めたい!と、課金をする方が多いようです。
このような仕組みで、課金すればするほどゲームを有利に進めやすくなり、面白くなります。なかには、ゲットしたアイテムや課金額をゲーム内の友人等に誇示するのが楽しくて課金をし続ける人もいます。
いずれにせよ、ゲームにハマればハマるほど、課金したくなる仕組みとなっているのです。
2、ゲーム課金はほどほどに?ゲーム課金に潜むリスク
ソシャゲは無課金の範囲内で遊んでいる人も多いですが、いったん課金すると後に引けなくなって次々に課金してしまい、驚くほどの金額を課金している人も少なくありません。そのため、課金を始める前に、ゲーム課金に潜むリスクを知っておく必要があります。
ここでは、ゲーム課金をしすぎた「廃課金者」(生活に支障をきたすほど高額のゲーム課金をする人のことをいいます)の実体験をいくつかご紹介します。
(1)100万円以上のゲーム課金をしても後悔していない人のケース
まずは、ゲーム課金に100万円以上を費やしたという人のケースです。
ソシャゲではないですがオンゲーで4年間で三桁(単位は万)課金して、その後飽きて引退した身です。
1年でと言うならともかく4年でなので廃課金とまでは言えないと思いますがw(中略)
まず、課金する原動力で一番大きいのは他人への優越感です。
ソシャゲでもフレンド機能で他のプレイヤーの持っている物(キャラ)が見えたり、ランキングがあったりしますよね。
無課金とは明らかに差が付きます。あとは単純にゲームを進める上で有利になるからと言うのもありますね。
ソシャゲでもガチャでいいキャラを当てられればかなり有利になります。
課金することでその有利になる可能性が上がるというわけですね。(中略)
私は課金したことをまったく後悔していません。
楽しい思い出が残っているからです。これも一生残るものですよ。
リアルなことでもたとえば旅行とか、遊園地でお金を使うのはどうでしょうか?
(お土産は別として)結構なお金を使っても残るのは思い出だけです。物は残りません。引用元:Yahoo!知恵袋
この人の場合、ゲーム課金によって生活に支障が出た様子でもなく、楽しい思い出として残っているということですので、問題はないのかもしれません。
それでも、100万円あれば他に何ができるかと考えると、もったいないと思う人も多いのではないでしょうか。
(2)ゲーム課金で全財産を失った人のケース
次は、課金額は不明ですが、ゲーム課金で全財産を失って後悔している人のケースです。
私も一時期課金をすごくしてしまって、全財産の全てを使ってしまった時があります。
後から考えたら、なんでこんなものに何万も使ってしまったのだとすごく後悔しましたなので気持ちは凄く共感できます!!私は課金を辞められずに2年ぐらいたってお金がもう無いというところで辞められましたがそうじゃないとずっと続けていたと思います、、、
逆に考えると、辞められてお金を使い果たすまでいかなくて良かったとプラスに考えればいいんじゃないでしょうか?引用元:Yahoo!知恵袋
全財産を使い果たすまで課金をしてしまう人がいるほど、ゲーム課金には中毒性があるといえるでしょう。
この人の場合は、全財産を失った時点でゲーム課金をやめたとのことですので、まだいいかもしれませんが、借金をしてまで課金をし続ける人も少なくありません。
(3)ゲーム課金で多額の借金を抱えた人のケース
ゲーム課金で借金を作った人は数多くいますが、次の人の体験談は典型的なものといえるでしょう。
ゲームの課金癖を辞めたいです。どうしたら辞められますか?
小さい頃は親が厳しくゲーム類いを一切禁止され、大人になった今その反動のせいでアプリゲームなどの課金をし、借金が250万円ほどできてしまい、さすがにまずいと思ってます。
ゲーム事態サービスが終了すると凄い喪失感でもう止めよと一時は思うのですがまた違うゲームで課金してしまいます。
パチンコやスロットみたいな賭け事はしないです
引用元:Yahoo!知恵袋
この人の収入は不明ですが、おそらく250万円というのは返済が厳しいほどの借金なのでしょう。
「もう止めよと一時は思うのですがまた違うゲームで課金してしまいます」という言葉に表れているように、課金ぐせがついてしまうと自分の意思ではなかなかやめられなくなるもののようです。
このような状態では、さらに借金が増えてしまう可能性が十分にあります。
実際にも、ネットではゲーム課金で500万円を超える借金を作った人の体験談もいくつかアップされています。
3、課金を最小限におさえる為に知っておきたいゲーム会社の戦略
ゲーム課金は、当然ですがゲーム会社がお金を儲けるために用意したシステムです。
ゲーム会社は、ユーザーがどんどんゲームに課金するように、以下のような戦略をとっています。
ゲーム課金を最小限におさめるために、ゲーム会社の戦略を事前に知っておきましょう。
(1)初めは無料にして入り口を広くする
ほとんどのゲームは、初めは無料で利用できます。
アプリも無料でダウンロードできます。
無料で楽しいゲームができるので、多くの人が気軽にアプリをダウンロードしてゲームを始めます。
このように、初めは無料で気軽に遊べるようにして入り口を広くすることによって、利用者を増やすというのがゲーム会社の戦略なのです。
(2)端末をスマホとし、習慣化へ繋げる
課金系のソシャゲのほとんどは、スマホ向けのアプリとして提供されています。
今の時代、スマホを常に手元に置いて、暇さえあればスマホで何かをするという人が非常に多くなっています。
つまり、常にスマホを触ることが習慣となっている人が多いのです。
そこで、スマホで気軽に遊べる楽しいゲームがあれば、暇さえあればゲームをする人が増えるのも自然のことです。
暇なときだけでなく、ちょっとした空き時間や通勤・通学中にもスマホでゲームができます。
食事中にゲームをする人もいるでしょうし、歩きながらゲームをする人も少なくありません。
このように、「スマホゲーム」とすることでゲームの習慣化へつなげるというのも、ゲーム会社の戦略です。
(3)課金しなければゲームを先に進めにくくなる
前記「1」でもお伝えしたように、課金系のゲームは、初めは無料で遊べても、やがて課金しなければゲームを先に進めにくくなります。
これもゲーム会社の戦略ですが、課金システムにはさらに巧妙な戦略が仕掛けられています。
それは、課金することによって強力なアイテムを直接購入できるのではなく、「ガチャ」を回す権利が得られるという仕組みです。
ガチャとはくじ引きのようなもので、当選すればアイテムが入手できるというものです。
当てものなので外れることもありますし、非力なアイテムしか入手できないこともあります。
1万円を課金してガチャを回したものの外れたとき、そこで諦めればよいのですが、それでは課金した1万円が無駄になってしまいます。
そこで、もう1度ガチャを回せば当たるだろうと考えて、また課金する人が少なくありません。
しかし、2回目のガチャも当たるとは限りませんので、2万円が無駄になる可能性が十分にあります。
すると、後に引けなくなってさらに課金してしまい、3万円・4万円・5万円……と課金していってしまうのです。
ある程度のところで損切りができればいいのですが、「せっかくここまでゲームを進めてきたのに」という気持ちが働くため、損切りをするのは非常に難しいといわれています。
このようにして次々に課金をすると「ソシャゲ中毒」のようになり、廃課金者への道を進むことにもなりかねません。くれぐれも注意が必要です。
4、後悔しないゲーム課金の仕方
ゲーム会社の戦略に乗せられてしまうと、多額の課金をしてしまう危険がありますが、適度に課金をしてゲームを楽しむことは何も悪いことではありません。
ゲーム課金で後悔しないためには、以下のポイントを押さえておきましょう。
(1)自分にとってのゲームの意味を考える
まずは、自分にとってゲームをすることにどのような意味があるのかを考えておきましょう。
ゲームで得られる幸せ度、ゲームに使いたい時間、他の行動と比べての優先度など、自分にとってのゲームの大切さを考えるのです。
このようにいうと難しく感じられるかもしれませんが、「趣味」や「暇つぶし」というものでもかまいません。
そうであれば、あくまでも「趣味」や「暇つぶし」としての利用法でゲームを楽しむということが重要なのです。
人によっては「最優先したい趣味であり、ゲームをすることが無上の喜びである」ということもあるかもしれません。もちろん、それでも構いません。
ただ、自分にとって本当にゲームが最も大切なことであるかどうかを、一度冷静に考えておくべきです。
(2)ゲームの意味からゲームでの可処分金額を決める
次は、自分にとってのゲームの意味に応じて、どれくらいの金額をゲームで使うのかを事前に決めておきましょう。
ゲームの意味が「暇つぶし」であれば、それほど多くの金額を費やすべきではないでしょう。
収入にもよりますが、せいぜい月に数千円から多くても1万円程度かと思います。
「最優先したい趣味」である場合でも、通常は生活費を犠牲するほどの金額を費やすべきではないはずです。
生活費を切り詰めてゲーム課金に充てることが悪いとはいいませんが、本当にそれだけの意味がゲームにあるのかを再度考えた方がよいかもしれません。
いくら大切な趣味だといっても、借金をしてまでゲーム課金をするのは考えものです。
(3)決めた金額を守る
ゲームの意味と費やす金額を決めたら、決めた金額を守るようにしましょう。
もっとも、「自分との約束」を守るのはとても難しいものです。課金系のソシャゲの場合、前記「3」(3)でご説明したように、いったん課金をすると後に引けなくなりがちという特徴もあります。
しかし、ズルズルと課金し続けると、あっという間に多額のお金を失う危険があります。
そこで、「月○万円を課金してしまったら、その月はもう課金しない」というルールを決めておくべきです。
そう決めても課金したくなる誘惑に駆られることがあると思いますが、そんなときは自分にとってのゲームの「意味」を思い出してください。
いくら課金をしてもゲーム会社を設けさせるだけで、自分には何も残らないということも知っておきましょう。
それに、ソシャゲのサービスもいずれは終了するものなのですから、「月の予算を使い果たしたときが終了のとき」と考えるのもよいでしょう。
なお、こちらの記事でもゲーム課金で後悔しないための対策を詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
5、ゲーム課金のために借金?!とどまるべき理由
前記「2」(3)でもご紹介したように、ゲームにのめり込んで借金を抱える人も少なくありません。
借金で首が回らなくなるケースも出ています。
ゲーム課金で借金ができるとどうなるのかについても、事前に知っておきましょう。
(1)債務整理で借金の整理は可能
まず、借金ができたらどうすればよいのかについてですが、返済できないほど多額の借金を抱えた場合は、債務整理をすることで借金を解決できます。
債務整理とは、一定の手続きをとることによって借金を減額または免除してもらう方法のことです。具体的には、次の3種類の方法があります。
- 任意整理…債権者と話し合うことによって利息をカットしてもらい、返済期間や毎月の返済額を新たに取り決める方法
- 個人再生…裁判所の手続きを利用して借金を大幅に減額してもらい、減額後の借金を3年~5年で分割返済する方法
- 自己破産…裁判その手続きを利用して、借金の返済義務をすべて免除してもらう方法
ゲーム課金で作った借金の場合、自己破産できないケースもあることに注意が必要です。なぜなら、自己破産には「免責不許可事由」というものが法律で定められており、借金で浪費したような場合には原則として免責されない(返済義務が免除されない)からです。
ゲーム課金は浪費に当たりますので、自己破産を申し立てても免責されない可能性があるのです。
ただし、借金全体の中でゲーム課金に費やした金額の占める割合がそれほど高くない場合は、裁判所の裁量によって免責が許可され、借金を免除してもらえる場合もあります。
そのため、ゲーム課金が原因の借金で自己破産をした人も実際には数多くいます。
(2)しかし債務整理後はこれまでのようにゲームはできない
債務整理の効果として、信用情報機関に債務整理の事実が登録されるということがあります。
信用情報機関に債務整理の事実が登録されると、その後しばらく(5~10年間)は新たな借金はできなくなります。
債務整理後、このように借金ができなくなるため、手持ちのお金の範囲内でしか課金はできません。
そのため、これまでのように好きなように課金して楽しんでいた頃のようにはゲームができなくなります。
(3)そして築き上げてきたレベルや人間関係もなくなる
そうすると、これまで課金によって築き上げてきたゲーム内のレベルや人間関係も失われてしまいます。
現実世界と向き合うことになり、「何のためにゲームやってたんだっけ」と我に返る一瞬となるでしょう。
これからゲーム課金を始める方は、このような事態に陥らないように、ご自身で決めたゲームの意味と予算の範囲内でゲームを楽しむようにしましょう。
6、ゲーム依存かも?ゲーム課金をやめる7つの方法
前記「3」でお伝えしたように、ゲーム会社は利用者が課金しやすいような戦略を仕掛けていますので、注意していても気づいたらゲーム依存に陥ってしまうという人もいます。
そのため、ゲーム依存に陥ってしまった場合にゲーム課金をやめる方法を知っておくことも大切です。具体的な方法としては、以下の7つがあります。
(1)アプリを消す
ソシャゲへの課金がやめられないなら、思い切ってアプリを消しましょう。
課金していたデータが消えると、今までの苦労が水の泡になり再度プレイしようとは思いません。
今までのお金はもったいないですが、課金をスパッとやめたいならアプリを消してください。
(2)クレジット払いを禁止して現金で課金する
クレジット払いをやめて、現金支払いにすれば過度に課金をしなくて済むかもしれません。現金支払いは、クレジット払いに比べて好きなタイミングで課金できないからです。
新キャラが登場してガチャを引きたくても、コンビニに行く必要があると面倒くさいので課金しない傾向にあります。
ソシャゲの課金をやめるならクレジット払いをやめて、現金払いに変更しましょう。
(3)家族に課金時のパスワードを変更してもらう
アプリ内課金する時に入力するパスワードを家族の誰かに変更してもらいましょう。家族がパスワードを教えてくれない限り課金はできません。
(4)今までの課金額を計算し、自分の課金制限を設ける
今までアプリにどのくらいのお金を使ったか計算すれば、課金をやめられるかもしれません。自分で思っている以上に課金をしているからです。
実際に主婦がソシャゲにハマり500万円の借金を作った事例もあります。
参考:ソシャゲ依存主婦 借金500万円作り人妻専門店で働き始める|livedoorNEWS
このように、知らず知らずのうちに大金を課金しているケースは珍しくありません。今までソシャゲにどのくらい課金したか調べれば、我に返ってスマホゲームをやめるきっかけになるでしょう。
(5)ソシャゲをやめてTVゲームに切り替える
ソシャゲへの課金をやめたいなら、面白そうなTVゲームをプレイしてみましよう。TVゲームにハマれば、スマホゲームをする時間が減るため課金を抑えられます。
(6)他に熱中できる趣味を探す
ソシャゲ以外に熱中できる趣味を見つければ課金はやめられるでしょう。ソシャゲする時間がもったいないと感じるようになるからです。
熱中できる趣味が見つからない方は、興味のあるものを紙に書き出す自己分析から始めましょう。
(7)同じソシャゲを続けている友人と連絡取るのをやめる
あなたと同じソシャゲにハマっている友人がいるのなら、連絡を取るのをやめましょう。そのような友人とはソシャゲの話になる可能性が高いからです。
せっかくソシャゲの課金をやめようと思っているのに、友人と話で盛り上がってしまうとスマホゲームの熱が再燃するでしょう。
したがって、ソシャゲへの課金を本気でやめたいなら同じスマホゲームをしている友人との連絡は控えてください。
まとめ
ゲーム課金は、適切な範囲内で行う限り、何ら悪いことではありません。
しかし、ゲーム会社の戦略にハマって課金し続けると、歯止めが効かなくなりがちですので、くれぐれもご注意ください。
もし、ゲーム課金で借金ができてしまい、返済が大変な状態になれば、今すぐ弁護士に相談することをおすすめします。弁護士があなたの状況に応じて、最適な解決方法を提案します。
借金を返せないなら、以下の関連記事もご参照ください。