夫婦仲悪い状態を放置しているとストレスがたまりますし、離婚につながる可能性もあります。結婚当初は仲が良かったのに、いつの間にか夫婦仲悪いことが日常になってしまっていませんか?大きな喧嘩をするわけではなくても、会話が少なく心が通い合っていない状態になってしまっている夫婦も少なくありません。
こうした夫婦仲悪いケースでは、子どものことなどを考えて離婚をしていないものの、子どもが巣立ってからの夫婦生活を不安に思うでしょう。
そこで今回は、
- 夫婦仲悪い原因とは
- 夫婦仲が悪いまま暮らすことのデメリット
- 夫婦仲が悪くて苦しいときの対処法
などについて、弁護士がわかりやすく解説します。
この記事が、夫婦仲悪いことに苦痛を感じている方の手助けとなれば幸いです。
目次
1、うちは夫婦仲悪い…!その原因とは?
恋人同士や新婚時には仲良く過ごしていたのに、いつの間にか夫婦仲が悪くなってしまっていることは珍しくありません。
一体何が原因で夫婦仲悪い状態になってしまったのでしょうか?夫婦仲を悪くしてしまった原因には人それぞれですが、代表的な原因をご紹介します。
(1)どちらか(または双方)が浮気をした
過去にどちらか、もしくは双方が浮気していた場合、夫婦仲は険悪になりやすいといえます。
表面上は関係修復に向かっていても、内心は浮気した配偶者のことを「許せない」と考えてしまうことも少なくありません。
また、一度浮気をすれば夫婦の信頼関係が崩れてしまうことも夫婦仲に影響をもたらします。
些細なことで不安になってしまいますし、過去を蒸し返してケンカになってしまうことも増えるでしょう。
(2)夫が家事や育児を手伝わない
妻が家事や育児をするものだと考えている男性もいるでしょう。
こうした古い考えは、妻の不満を大きくします。
妻は少しでも夫に家事や育児を協力して欲しいと考えているにも関わらず、夫が仕事から帰ってきて何もしなければストレスに感じるものです。
家事や育児に協力しない夫に思いやりがないと感じた妻が冷たくなり、夫婦仲が悪化します。
(3)妻の家事や育児が不十分
妻の家事や育児が不十分で満足できない場合、夫側に不満が溜まってしまいます。
仕事で疲れてきた夫は、家でリラックスしたいと考えるものです。しかし、妻の家事が不十分で汚れた家ではリラックスできません。
夫のストレスや不満が蓄積されれば、夫婦仲に亀裂が入る原因になってしまうでしょう。
(4)夫の収入が低い
生活する上でお金は必須であり、お金がなければ生活に余裕がなくなります。そうすると、心の余裕もなくなってしまい、夫婦が不仲になってしまうことも少なくありません。
夫の収入が低いという理由で不満を抱えている妻も多く、それが原因で夫婦仲が悪くなってしまっているケースもあるでしょう。
(5)そもそも相性が良くない
恋人として交際している時には気にならなかったものの、一緒に生活をしているうちに価値観や金銭感覚など互いの考え方の違いが大きいことに気付くようなケースもあります。
あまりにも互いの考え方が異なれば、相性が良くないと感じてしまうでしょう。相性が良くなければケンカすることも増えてしまい、一緒にいることがストレスになってしまいます。
(6)義両親の過干渉
義両親が過干渉してくるような場合、非常に大きなストレスを受けることになります。
しかも、夫もしくは妻が自分の味方をせずに義両親の肩を持つようであれば、家族よりも自分の親を優先していると感じてしまいます。
そうすると、義両親へのストレスが夫もしくは妻へのストレスに変わっていき、夫婦仲に影響することになりがちです。
2、夫婦が不仲な家庭の特徴
夫婦が不仲な家庭には共通する特徴があります。
夫婦が不仲かどうか確認するためにも不仲な家庭の特徴を知り、ご自身の状況と比較してみてください。
(1)夫婦の会話がほとんどない
夫婦仲が良い時には自然にコミュニケーションを取ろうとして会話が増えますが、不仲になればコミュニケーションを取ろうという気持ちがなくなるので会話が減ります。
相手に対して興味を抱くこともなく、自分のことだけを考えるようになるので自然に会話することが減ってしまうことも原因のひとつです。
ひどい場合には日常の挨拶もしなくなるようになるでしょう。
(2)セックスレスが続いている
不仲な夫婦はセックスレスであることが大半です。
とくに女性は不仲になると相手に嫌悪感を抱くため、性交渉を拒否するようになってしまいます。
ただし、セックスレスだけが不仲の原因であるとは限りません。その他にもさまざまな原因があり、不仲になった結果セックスレスが続いている状態が多いといえます。
(3)夫婦喧嘩(冷戦を含む)が絶えない
夫婦仲が悪いと、喧嘩が増えてしまいます。言い合いをするような喧嘩だけではなく、お互いに口を利かない冷戦が続くようなこともあるでしょう。
夫婦仲が良い時には相手に不満があっても許せてしまいますが、夫婦仲が悪くなっていると些細なことでも相手に苛立ちを覚えてしまい、喧嘩になってしまいます。
喧嘩が増えれば家にいることも苦痛になり、どちらか一方、または双方が家に寄り付かなくなるという悪循環も起こり得ます。
(4)周囲にパートナーの悪口を漏らす
夫婦仲が悪いと相手への不満も多くなり、ストレスが溜まってしまいます。
ストレスを発散したいと考え、誰かに愚痴を聞いて欲しいと考えるようになります。
友人や職場の人など周囲にパートナーの悪口を漏らすことで不満を吐きだしている場合、夫婦仲が悪くなる一歩手前もしくはすでに夫婦仲が悪くなっているサインといえるでしょう。
3、夫婦仲が悪いまま暮らすことのデメリット
夫婦仲が悪くても子どものことや将来の不安があるため、離婚せずにいるという方も多いでしょう。
しかし、夫婦の不仲を放置したまま暮らすことにはデメリットが多いです。
離婚せずに夫婦仲が悪いまま生活を続けていると、次のようなデメリットが起こると考えられます。
(1)仕事や家事の効率が落ちる
夫婦仲が悪いということは、相手に対しての不満やストレスが溜まっている状態です。
不満やストレスがあれば心がモヤモヤした状態が続くため、仕事や家事の効率が下がってしまうことにも無理はありません。
そうすると、仕事が上手くいかなったり、家事が思うようにできなくなったりして、よりストレスが加わることになってしまいます。
(2)子どもに悪影響が及ぶ
夫婦仲が悪くて喧嘩が増えれば、子どもも親の喧嘩を見て育つことになります。
そうすれば、子どもは両親の喧嘩に怯えることになり、集中力の低下や自信が持てなくなるなど悪影響が及ぶことになります。
また、パートナーにぶつけられない不満や苛立ちを子どもにぶつけてしまえば、子どもに大きなショックを与えてしまうでしょう。
もし子供の前で喧嘩しないようにしていたとしても、子どもは敏感なので親の不仲を感じ取ってしまうものです。
子どもは親の姿を見て育つため、不安定な家庭環境は子どもの将来の成長にも影響を与えてしまう恐れがあります。
(3)熟年離婚をすると老後の生活が苦しくなる
夫婦仲が悪いまま我慢して暮らしていても、いつか離婚することになってしまう可能性があります。
その離婚のタイミングが子どもの自立した後など高齢になってからでは、新生活の準備や再婚は苦労することになりがちです。
そうすると、老後の生活は苦しくなってしまうことが予想されます。
夫婦関係の修復が難しいほどに仲が悪い場合は、いつ離婚するのか分からない状態のまま夫婦生活を続けるのではなく、早めに離婚した方が再出発しやすいといえるでしょう。
4、夫婦仲が悪いのに離婚しないのはなぜ?
夫婦仲が悪いにも関わらず、離婚せずに我慢して生活している夫婦は大勢います。
なぜ夫婦仲が悪くても離婚をしないのでしょうか?
主な原因として次のようなことが挙げられます。
(1)離婚手続きが面倒だから
離婚は離婚届を役所に提出すればいいだけではありません。
夫婦で形成した財産を分割する財産分与や養育費、親権など離婚に向けて決めなければならないことが多数あります。
もし離婚条件で意見の食い違いが生じれば、何度も協議を重ねてストレスになってしまうと考えられます。
また、離婚して引越しをするのであれば新しい住居探しや住民票の移動も必要ですし、その他にもさまざまな手続きが必要です。
こうした離婚手続きが面倒だと考え、離婚に踏み出せないという方も多いでしょう。
(2)子どもが育つまでは片親にしたくないから
どんなに夫婦仲が悪くても、子どものことは大切に考えているという方が大半です。
片親になれば子どもに生活面で不憫な思いをさせてしまう可能性があります。
また、子どもに寂しい思いをさせてしまうことや、子どもの成長への影響など、子どもに関する不安要素は多いでしょう。
子どものことを優先して考えるからこそ、離婚を踏み出せない夫婦は少なくありません。
(3)愛情が残っているから
夫婦仲が悪いとはいっても、愛しているからこそ結婚した相手です。そのため、愛情が残っていて離婚を決断できないというケースもあるでしょう。結婚生活の中で関係性が変わってしまっただけなので、相手を完全に嫌いになったわけではありません。
こうした場合は、不仲になっていても相手のことを心配する気持ちなど情があり、なかなか離婚を切り出せない状態になってしまっています。
5、夫婦仲が悪くて苦しいときの対処法
夫婦仲が悪くて苦しい時にできる対処法は、大きく分けると3種類があります。
現在の夫婦の状況と将来の自分の幸せを考えた上で、どんな対処をすべきなのか結論を出すべきでしょう。
3種類の対処法を比較し、検討してみてください。
(1)夫婦関係を修復する
現時点で夫婦仲が悪くても、関係を修復できるようなケースもあります。
相手と離婚したくないと考えていて関係修復の見込みがあるような場合には、まずは夫婦関係の修復を目指しましょう。
夫婦関係を修復するには、お互いの不満やストレスを解消する必要があります。
相手に改善して欲しいことを伝えるだけではなく、自分自身にも改善すべき点がある場合は努力すべきです。
夫婦だけでは話し合うことが難しい場合には、カウンセラーに相談してみてもよいでしょう。
専門家に話を聞いてもらってアドバイスを得ることで、関係修復の糸口を見つけられるかもしれません。
夫婦関係の修復が可能なケースや修復する方法について詳しくは、こちらの記事を参考にしてください。
(2)仮面夫婦として暮らしていく
夫婦関係の修復が難しい場合や、子どもが育つまでは離婚したくないと考えている場合には、仮面夫婦として暮らしていくという方法もあります。
仮面夫婦とは、表面上は夫婦仲が良いように演じてるものの、実際は愛情や親密なコミュニケーションがない夫婦のことを指します。
仮面夫婦として割り切ってしまえば、互いに干渉することなく自由に過ごすことができます。
そのため、ストレスや相手に対する不満は軽減されるでしょう。
しかし、夫婦としての愛情を得られないため幸せな夫婦とはいえず、パートナーが不倫してしまう恐れもあります。
また、仮面夫婦を続けていても、いずれは離婚してしまうかもしれません。
仮面夫婦に関する詳細については、こちらの記事を参考にしてください。
(3)離婚を検討する
夫婦関係の修復や仮面夫婦でいることが難しい場合には、最終手段として離婚をするという対処法を選択することになるでしょう。
夫婦の話し合いで双方が離婚に合意するのであれば、自由に協議離婚をすることができます。
しかし、離婚や離婚条件の合意が得られない場合には、裁判で離婚を争うことになります。
裁判で離婚をするには、法律で認められた離婚理由である「法定離婚事由」が必要です。主な法定離婚事由として、不倫やモラハラ、DVなどが挙げられます。
法定離婚事由がない場合には裁判で離婚することは難しいため、別居するという手段もあります。なぜならば、別居期間が長くなれば、「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」として法定離婚事由が認められる可能性があるからです。
6、夫婦の不仲でお悩みの方は弁護士に相談を
夫婦の不仲で悩んでいるものの、誰にも相談できないという方も多いでしょう。
そんなときは一人で悩まずに、弁護士に相談してみてください。
離婚したい場合には、離婚に向けた手続きや離婚条件に関するアドバイスを得られます。
離婚したくない場合でも、夫婦関係調整調停という手続きで夫婦関係の修復を目指す方法や、関係修復に向けた誓約書作成などの助言を得られると考えられます。
第三者に話を聞いてもらうことで自分の考えがまとまることも多いので、まずは弁護士に話を聞いてもらいましょう。そして、必要に応じた対処法に関するアドバイスを受け、弁護士への依頼も検討してみてください。
まとめ
夫婦仲悪い状態で結婚生活を続けることもできますが、根本的な原因から目を背けていると、いずれは離婚してしまう可能性もあります。
熟年離婚になれば再出発も難しくなるため、できるだけ早く夫婦仲の修復や離婚など何らかの対処をすべきでしょう。
弁護士に相談すれば、離婚しない場合も離婚したい場合も法的に解決するための方法を助言してもらえます。一人で抱え込まずに、まずは相談することから始めてみてください。