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返品できない?!インターネット通販の返品トラブルの解決方法

インターネット通販の返品トラブルを経験したことがある人は多いのではないでしょうか?

インターネット利用の定着により、買い物の際の選択肢として定番化してきたネットショッピング。店に行かずとも商品を購入できる便利さがある一方、「購入後初めて手に取る」という特徴をもつネットショッピングでは、「思ったのと違う」「体型に合わない」などの事態は必ず起こり得ることです。

ネットショッピングの取引形態は「通信販売(略して通販)」です。
ここで、頭をかすめるのは「クーリングオフ」という単語。
さて、通販では商品を返品することができるのでしょうか?

今回は、

  • 通販の返品トラブルと解決方法

をご説明していきたいと思います。ご参考になれば幸いです。

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1、返品できない?!通販の返品トラブル実例

返品できない?!通販の返品トラブル実例

ここではよくあるネット通販での返品トラブルをご紹介していきます。

(1)サイズの合わない衣料品

スマホのネットショップでコートとブーツを購入。
届いたものを試着したら、通常より小さめに作られているようでコートとブーツのサイズが合いませんでした。

(2)注文もしていない健康食品

スマホから健康食品の無料サンプルを注文。
無料サンプル自体は数日後に届きました。

しかし約2週間後、注文もしていないのに1カ月分の健康食品が届きました。
びっくりして確認したところ、サンプル到着後10日以内に申し出をしないと自動的に定期購入となってしまうシステムであることが判明しました。

2、通販での返品に関する法律はどうなっているの?

通販での返品に関する法律はどうなっているの?

通販の返品に関しては、「特定商取引法」で規定されています。

(特定商取引法第15条の2第1項 本文)

通信販売では、商品又指定権利の申込・契約をした者(購入者)は、その売買契約に係る商品の引渡し又は指定権利の移転を受けた日から起算して8日を経過するまでの間は、その売買契約の申込みの撤回又はその売買契約の解除(以下この条において「申込みの撤回等」という。)を行うことができる。

この条文でわかるように、商品が届いた日から8日以内であれば、返品することができそうです。
それなのになぜトラブルが起きるのでしょう?
それは、この条文に続き(「ただし書(ただしがき)」)があるからなのです。

 (特定商取引法第15条の2)

通信販売では、商品又指定権利の申込・契約をした者(購入者)は、その売買契約に係る商品の引渡し又は指定権利の移転を受けた日から起算して8日を経過するまでの間は、その売買契約の申込みの撤回又はその売買契約の解除(以下この条において「申込みの撤回等」という。)を行うことができる。

ただし、当該販売業者が申込みの撤回等についての特約(クーリングオフできないなど)を広告に表示していた場合には、この限りでない。

「ただし、〜」を読んでください。

返品に関することが広告に書いてあったときは、「この限りではない」と書かれています。
「この限りではない」とは、上に書いてあった「〜の解除(略)を行うことができる」とは限りません、ということです。

つまり、広告(または商品についている説明書など)に「返品は一切できません」などとかいてある場合には、その記載に従います、ということです。

8日以内にもかかわらず「返品できません」と業者から言われた方。
その商品の広告等に返品は受け付けないとの記載がなかったでしょうか。

3、変わりつつある通販の形〜気軽な返品を受け付ける通販へ

変わりつつある通販の形〜気軽な返品を受け付ける通販へ

しかし、従来は返品を受け付けることが例外でしたが、店頭で試着をするような気軽な感覚で商品を取り寄せすることができ、気軽な返品を商品設計にする通販サイトも登場しています。

「ロコンド」(*)はサイズ交換はもちろんのこと、返品も可能としています。

また従来であれば、「対象外」表示が付きやすい、セール品も自由に返品することができます。

このように、「自宅で気軽に試着することができる」ことを売り文句にする通販サイトが登場する時代になりました。

参考:ロコンド 

4、モンスター返品者って何⁈モンスター返品者にならないための注意事項

モンスター返品者って何⁈モンスター返品者にならないための注意事項

このように、今の時代は、いかに顧客に負荷なくサービスを提供できるかを競う時代になっています。
顧客にとっては嬉しいことでありますが、これによって顧客側が「なんでもあり」と思ってしまうケースも少なくありません。

近年では、通販の返品に関し、「モンスター返品者」が問題化しています。

(1)モンスター返品者とは

2019年5月21日に放送されたフジテレビの番組「とくダネ!」で取り上げられたのがモンスター返品者です。
モンスター返品者とは、ネット通販で非常識な返品を行う人のことを指します。
具体的には、購入した衣類を着て外出しその後返品したり、化粧品やDVDなどの中身を抜き取って返品したりする人のことです。

(2)モンスター返品者にならないために注意すべき3つのこと

非常識なだけではなく、ケースによっては「犯罪行為」に該当しかねないモンスター返品者。
ここではモンスター返品者にならないために気を付けるべき3つのことをご紹介していきます。

①「試着」の意味を理解しよう

「試着」とは、洋服などを購入する前に、自分の体にサイズがあっているのか、また自分に似合う洋服であるのかを試すために洋服を着用する行為のことです。

ですから、実際に着用する、使用してしまうなど、試着以上の行為をネット通販で行い返品するような行為は、モンスター返品者に該当する恐れがあるので注意しましょう。

②いったん使用したら購入すべし

モンスター返品者の中には、入学式や卒業式などに着用するスーツなどをネット通販で購入し、式に着用して参列してから「返品」する人が見受けられました。
社会常識的に、いったん洋服を「使用」した場合は購入すべきであると考えます。
まず、試着とレンタルを混同するような行為は慎みましょう。

③犯罪に該当するような行為は「論外」

モンスター返品者が行う返品行為には「詐欺罪」に該当しかねない行為も多く存在します。
はじめから商品をだまし取る目的で返品した場合、「詐欺罪」に該当する恐れもあるので注意しましょう。

≪詐欺罪に該当する可能性が高いケース≫

  • レンタル感覚で、一度しか着用しないアクセサリーや洋服を購入、利用後返品すること
  • 返品する際に、新品と自分が使い古した中古品を入れ替えること
  • 化粧品の中身を抜いて、同量の水を入れること
  • DVDの中身を抜いて、別のDVDを返品すること
  • ブランド品を購入後、偽物とすり替えて返品すること

返品制度は消費者の善意をもとに成立している制度です。
今後モンスター返品者などモラルのない消費者が増加した場合、なんらかの規制などが入る可能性もあります。
今後ネット通販を活用していくためにも、消費者のモラルの向上が重要であると考えます。

5、通販での返品トラブルに関する相談先一覧

通販での返品トラブルに関する相談先一覧

ここまでの流れをもっても「自分の返品は正しいのに受け付けてもらえない」と思っている方へ、相談すべき先を紹介します。

(1)消費者センター

引用:消費者センターHP

ネット通販の返品トラブルに巻き込まれた場合、まず最初に消費者センターに相談しましょう。

局番なしの「188」の消費者ホットラインで相談することで、地方公共団体が設置している身近な消費生活センターや消費生活相談窓口も案内してもらえるため便利です。

(2)通販110番

通販110番は公益社団法人「日本通信販売協会」が設置している通信販売に関する相談窓口です。

通販110番では、消費生活アドバイザーなど専門の資格を持った相談員が通販トラブルに関する相談を受け付けてくれます。

≪通販110番 相談窓口≫

  • 電話相談

電話番号:03-5651-1122
受付時間:月~金曜日 午前10~12時,午後1~4時(年末・年始、祝日を除く)

  • お問い合わせフォームからの相談

下記のHPから相談内容をと電話番号を記載して相談する。

参考:公益社団法人「日本通信販売協会」

(3)警察

下記はインターネット上のトラブルの解決を支援するためのサイトです。

インターネット安全・安心相談

また具体的な被害にあった場合は、所轄の警察署やサイバー犯罪相談窓口へ相談しましょう。

都道府県警察本部のサイバー犯罪相談窓口等一覧

6、通販トラブルを解決したい場合は弁護士へ相談を

通販トラブルを解決したい場合は弁護士へ相談を

インターネットの普及により、ネット通販といっても被害総額は高額化しています。

不要なのに返品ができず、どんどん送られてきて多額の請求をされているなどの場合では、早期に弁護士に相談することで、被害金額を取り戻すことも可能です。

まとめ

今回は通販の返品トラブルと解決方法をご説明してきました。
ネット通販が普及するにつれ、「返品」に関する考え方や業者の取り扱いも変化していることがわかりました。

また、モンスター返品者など、一部モラルにかけた消費者が存在するのも事実です。
安全かつ便利にネット通販を活用するためにも、一定のモラルをもってネット通販を活用するように心がけましょう。

そのうえで、ネット通販に関するトラブルを抱えてしまった場合には、専門家である弁護士に相談し、問題の解決を図っていくことが重要です。

※この記事は公開日時点の法律を元に執筆しています。

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