子供に借金させる親への対処法は?親子共倒れを回避する6つの知識

子供に借金させる親

親子ともに借金を抱えている家庭は珍しくありませんが、中には子供に借金させる親もいます。

どのような事情があるにせよ、子供の名義で借りた借金は子供自身が返済義務を負うのが原則です。

とはいえ、無理やり借金させられた場合にまで返済義務を負うのは納得できないでしょうし、返済できない場合は親子共倒れとなってしまうおそれもあります。

そもそも、子どもに借金させる親に対してどうすればよいのかというのも悩みどころだと思います。

そこで今回は

  • 親にさせられた借金は誰が返済義務を負う?
  • 親にさせられた借金を返済できない場合はどうすればよい?
  • 子どもに借金させる親にはどのように対処すればよい?

などについて、弁護士がわかりやすく解説します。

この記事が、子どもに借金させる親のために苦しんでいる方の手助けとなれば幸いです。

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1、子供に借金させる親がいる理由

子供に借金させる親がいる理由

親が子供に借金させるケースには、いくつかのパターンがあります。

いずれのパターンにおいても、子供に借金させる理由は親自身がお金に困っていることにあり、他に頼れる人がいないため子供に頼っているという構造になっています。

(1)生活費が足りない

最も多いのは、親自身が生活費に困っているというケースです。

  • 収入が少ないために生活費が足りない
  • 収入があるが浪費癖があるため生活費が足りない
  • 収入が少ない上に浪費癖があるため生活費が足りない

さまざまなパターンがありますが、親自身が病気などで働けない、収入が国民年金のみ、というような場合はやむを得ないといえるかもしれません。

しかし、子供に借金させてまでお金を無心する親には問題があるといえます。

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(2)事業資金が足りない

親の事業資金のために子供に借金させるケースも少なくありません。

通常は、まず親自身が融資を受ける際に子供に連帯保証を頼んできますが、それでも資金が足りなくなると、子供名義で借金をするように頼むということが珍しくありません。

事業の収益が低下した場合、早めに見切りをつければ傷が浅くて済みますが、そうすると子供に多額の連帯保証債務が降りかかってしまいます。

それを回避するために事業を継続しようとして、結果的に子供名義の借金も膨れ上がってしまうという悪循環に陥っているケースが多くなっています。

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(3)借金返済が苦しい

親が借金返済に苦しんでいて、返済資金のために子供に借金を頼むというケースもあります。

このケースでは、親自身がもうどこからも借りられないほどに借金が膨らんでいるのが通常であるため、その上に子供にまで借金を重ねると、親子共倒れとなる可能性が非常に高くなります。

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2、親にさせられた借金は誰が返済義務を負う?

親にさせられた借金は誰が返済義務を負う?

それでは、親にさせられた借金は必ず子供が返済しなければならないのでしょうか。
それとも、親が返済すべきといえるケースもあるのでしょうか。

(1)親に頼まれて借りた場合

まず、親から「借金をしてでもお金を援助してほしい」と頼まれ、納得した上で子供が借金した場合は、当然ながら子供自身に返済義務があります。

この場合、親に返済を強制する法律上の理由はありません。

(2)親に名義貸しをした場合

次に、親から「返済は自分がするから名前だけを貸してほしい」と頼まれて、子供名義で借金をした場合はどうでしょうか。

このような借り方のことを「名義貸し」といいます。結論からいいますと、名義貸しをした場合も名義人が返済義務を負います。つまり、親に名義を貸した場合は子供が返済をしなければなりません。

厳密にいうと、名義貸しをすると詐欺罪に問われるおそれがあります。なぜなら、自分で返済する意思がないのに名義を偽って、貸金業者からお金を引き出しているからです。

もっとも、実際には貸金業者が名義人を詐欺罪で告訴することはまずありません。契約に従って名義人に返済を請求してくることになります。

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(3)親に騙されて借りた場合

親の「絶対に自分で返すから」という約束を信じて借金をしたのに、実はまったく返すつもりなどなかったという場合は、親に騙されたと思うことでしょう。しかし、それでも返済は子供がしなければなりません。

民法には錯誤(同法第95条)や詐欺(同法第96条)に基づく契約を取り消せるという制度がありますが、このケースでは子供が借金の契約をすることについて錯誤も詐欺もないからです。

親が返すという約束は貸金業者には関係のないことなので、返済義務は契約どおり名義人である子供に生じるのです。

親から「生活費が足りないから」と言われて借金したのに、実際にはギャンブルにお金を使われた、というようなケースも同様です。

ただ、親が子供の印鑑や身分証明書を勝手に使って子供名義で借金をした場合、子供は契約の無効を主張して返済を拒否できる可能性があります。ただし、この場合は署名・押印を自分でしたものでないことを証明しなければなりません。

(4)親に脅されて借りた場合

親に脅されてやむを得ず借金をした場合、子供は「強迫」による意思表示を理由に契約を取り消して、返済を拒むことができます(民法第96条1項)。

ただし、強迫を理由とする取り消しが認められるのは、害悪を告知されて畏怖の念を生じたために意思表示が行われた場合に限られます。

実際には、親に脅されて契約した借金の取り消しが認められるケースは稀です。

3、親にさせられた借金の処理方法

親にさせられた借金の処理方法

親に借金をさせられた場合でも、ほとんどのケースでは子供自身に返済義務があることがお分かりいただけたと思います。

とはいえ、親のために借金に苦しめられるのは納得できない場合も多いことでしょう。親にさせられて借金はどのようにして処理すればよいのでしょうか。

(1)返済した後に親に求償する

法律上の返済義務がある場合、貸金業者に対しては子ども自身が返済する必要があります。きちんと返済した上で、親に対してはそのお金の返還を求めることを考えましょう。

親が「後で返す」と約束していた場合は、その合意を根拠として返還を請求できます。
このような約束がなかった場合でも、不当利得として返還を請求することが可能です(民法第703条、第704条)。

もっとも、子供に借金をさせるような親はお金に困っていることがほとんどですので、実際には全額を取り戻すことは難しいことが多いでしょう。無理に返還を求めると、親子間でさらなるトラブルが発生する可能性が高いので、少しずつ返してもらうようにする方が得策であると考えられます。

ただし、親子には扶養義務があります(同法第877条1項)ので、生活費を援助するために借金したお金を渡した場合は、返還を求めることができない可能性もあることにご注意ください。

(2)返済できない場合は債務整理

子供も借金を返済できない場合は、債務整理を検討すべきです。納得できないからといって借金を放置していると、子供自身が貸金業差から支払督促や裁判を起こされ、最終的には給料や預金口座などを差し押さえられることになります。

借金問題は債務整理で解決できますので、適切な方法で解決を図ることが大切です。

債務整理の方法やデメリットについては、後ほど「5、債務整理の種類とデメリット」で解説します。

4、子供に借金させる親への対処方法

子供に借金させる親への対処方法

親にさせられた借金は返済や債務整理で処理するとしても、今後はどのように親に対処すればよいのかは悩ましい問題です。

子どもに借金させる親とは縁を切りたい人、困っている親を何とか助けてあげたい人など、さまざまなケースがあると思いますが、実行可能な対処法を順に考えていきましょう。

(1)借金してまで親を助ける義務はない

まず、親から借金を頼まれたとしても、それに応じる義務はどこにもないということを押さえておいてください。

先ほどもご説明したように、親子には扶養義務がありますが、これは自分と同じ生活水準の生活を親(子)にも営ませるように支援する義務のことを指します。子供に経済的な余裕がある場合に親に金銭的な援助をするのは結構ですが、自分の生活を犠牲にしてまで親にお金を渡す必要はありません。
したがって、親から借金を頼まれた場合には、きっぱりと断って構いません。

とはいえ、親から執拗に借金を頼まれて困るということもあるでしょう。

そんなときでも、親子の縁を切る法的手段はありません。親子の交流を断絶することによって事実上の縁を切ることは考えられますが、たとえ内緒で引っ越しをしても、住民票の調査などによって居場所を突き止められてしまうケースが多いです。
ケースにもよりますが、できれば以下のような方法で、親が抱えている問題を一緒に解決してあげることをおすすめします。

(2)親の家計を見直す

まずは、親の家計を一緒に見直すことです。

浪費があれば、月平均でどれくらいの金額を使っているのかを割り出して指摘すれば、反省してくれることもあります。
目立った浪費がないとしても、削減できるコストがあるケースは多いものです。携帯・スマホの料金や各種保険料などは、若い人なら安価なプランを調べて節約する術に長けている人が多いですが、中高年になると情報収集がおっくうになり、高い費用を支払い続けている人が多くいます。削減できる費目を一緒に探して、節約方法をアドバイスしてあげるとよいでしょう。

場合によっては、住居費を節約するために同居を申し出るのもよいかもしれません。同居すれば、親の行動を監視して浪費を防止することもある程度は可能となるでしょう。

(3)親の事業計画を見直す

親が事業不振でお金に困っている場合は、事業計画を一緒に見直してあげましょう。古くから零細な小売店や飲食店を営んでいる場合は、大手企業のチェーン店の出店により売上げが低下しており、挽回するのは難しいことも多いと考えられます。

赤字が続くようであれば、閉店を勧めるのもひとつの方法です。その場合、可能であれば次の働き口を紹介したり、一緒に探してあげるとよいでしょう。

(4)親にカウンセリングを勧める

親にギャンブル依存症買い物依存症、その他の浪費癖がある場合は、専門のカウンセリングを利用するように勧めてみましょう。特に浪費癖がない場合でも、お金に困って借金を重ねている人は、強いストレスなどの精神的な問題を抱えていることが多いものです。その場合も、カウンセリングによって状況の改善につながることが期待できます。

親にカウンセリングを勧めても利用しない場合は、子供が予約を取って、親を一緒に連れて行くようにするとよいでしょう。

(5)親にも借金がある場合は債務整理

子どもに借金させる親のほとんどは、親自身にも借金があり、返済に苦しんでいるものです。

そんなときは、親にも債務整理を勧めて借金問題の根本的な解決を図るべきです。
債務整理をするように親を説得するには、まず子供が債務整理の方法やデメリットを知っていなければなりません。この点について、次項で解説します。

5、債務整理の種類とデメリット

債務整理の種類とデメリット

債務整理をすれば借金問題を解決できると分かっていても、デメリットが気になって債務整理に踏み切れない人は数多くいます。

そこで、実際のところ債務整理にどのようなデメリットがあるのかについて、債務整理の種類ごとにご説明します。

(1)すべての方法に共通するデメリット

債務整理には、主に

  • 任意整理
  • 個人再生
  • 自己破産

という3種類の方法があります。
どの方法にも共通するデメリットは、ブラックリストに登録されるということです。

ブラックリストとは、個人の金融取引に関する信用情報のデータベースに、事故情報が登録された状態のことです。
事故情報が登録されると、その後の5年~10年は新たな借り入れができず、クレジットカードを作ることもできなくなってしまいます。

ただ、子どもに借金させる親に対処する場合において、ブラックリストに登録されることはメリットと捉えることもできます。なぜなら、もう借金に頼れないという状況を強制的に作り出すことができるからです。子供もブラックリストに登録された場合は、親に借金を頼まれても「もう借りられない」といって断ることができます。

それでは、債務整理の種類別のデメリットを見ていきましょう。

(2)任意整理

任意整理とは、裁判所を介することなく債権者と個別に交渉することによって借金の返済額や返済方法を変更する手続きのことです。

債務整理の中では最もデメリットの少ない方法ですが、借金の大幅な減額は期待できないというデメリットがあります。そのため、借金総額が比較的少ない場合には有効ですが、多額の借金を抱えている場合には任意整理は向いていません。

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(3)個人再生

個人再生は、裁判所の手続きを通じて借金を大幅に減額し、3年~5年で分割返済していく手続きです。

原則として借金総額が5分の1にまで減額されるので、返済がかなり楽になります。ただし、継続的に返済していかなければならないため、相応の安定収入があることが利用条件とされています。

ただ、年金暮らしの親でも、子供が返済資金を援助することを制約すれば利用可能です。

また、個人再生では任意整理とは異なり、必ずすべての債権者を手続きの対象としなければなりません。そのため、子供が親の借金の連帯保証人になっている場合に親が個人再生をすると、子供が全額の返済を請求されてしまいます。その場合、子供も債務整理を余儀なくされる可能性があります。

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(4)自己破産

自己破産は、裁判所の手続きによってすべての借金の返済義務が免除される手続きです。

親が無職や年金暮らしで多額の借金を抱えている場合は自己破産が最も有効ですが、一方で、一定額以上の財産を処分しなければならないというデメリットがあります。

とはいえ、生活に必要な財産まで処分する必要はなく、99万円以下の現金と評価額20万円以下の財産も手元に残せます。
そのため、自己破産をしてもすべての財産を手元に残せるケースも多くあります。

また、自己破産には「免責不許可事由」というものがあり、ギャンブルや浪費のために借金をしていた場合は、原則として借金の免除が認められません。その場合は、任意整理または個人再生を検討しなければなりません。

他のデメリットとして、すべての債権者を手続きの対象としなければならない点は個人再生の場合と同じです。そのため、子供が連帯保証人になっている場合は注意が必要です。

その他、手続き中は一定の職業に就くことが禁止されたり、引っ越しや旅行をするには裁判所の許可が必要といったデメリットもあります。

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6、子供に借金させる親への対応に困ったら弁護士に相談を

子供に借金させる親への対応に困ったら弁護士に相談を

子どもに借金させる親にまつわる問題についてひと通り解説してきましたが、困ったときはまず弁護士に相談してみることが有効といえます。最善の対処法はケースごとに異なりますので、法律の専門家である弁護士からのアドバイスを受けて検討することをおすすめします。

債務整理が必要な場合には、弁護士がすべての手続きを代行してくれます。親と話し合う際にも、弁護士に間に入ってもらうことで、冷静かつ建設的な交渉が期待できます。

借金問題について親子だけで話し合うと、とかく感情的になりがちです。エスカレートすると親子の溝が深まってしまいますし、傷害などの刑事事件に発展するケースもあります。

深刻な事態に陥る前に、弁護士の力を借りて適切な解決を図りましょう。

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まとめ

子どもに借金させる親とひと口にいっても、その親に同情できるケースもあれば、同情できないケースもあります。
どちらにしても、放置すると親子共倒れとなるおそれがあります。

困ったときは、早期に対処することが重要です。
ひとりで悩まず、まずは弁護士の無料相談を利用してみましょう。

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