学校問題の現状…子供を守る相談窓口と法的観点から見る解決策とは?

学校問題

「もしかして、子どもが学校でいじめに遭っているかも知れない。」

そのような考えが頭をよぎってしまったら、親としては平静な気持ちでは過ごせないことでしょう。

現代のストレス社会では、いじめを始めとするさまざまな学校問題が起こっているので、状況を正確に把握して適切に対応する必要があります。

今回は、

  • 学校問題の現状
  • 学校問題の相談窓口
  • 学校問題の法的な解決方法

を解説します。ご参考になれば幸いです。

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1、学校問題の種類

学校問題の種類

まずは学校問題にはどのようなものがあるのか、その種類をみてみましょう。

(1)暴力行為

殴る蹴るなどの暴力行為は、子ども同士や子どもと教師、第三者などとの間で起こり得る学校問題です。

小中高を比較すると、件数的にも割合的にも中学校でもっとも多く発生しています。

【学校の管理下で発生した暴力行為の件数】

学校総数(校)

発生学校数(校)

発生学校数の割合(%)

発生件数(件)

加害児童生徒数(人)

小学校

20,335

4,063

20

21,605

16,628

中学校

10,478

4,635

44.2

28,690

26,116

高等学校

5,080

2,281

44.9

5,955

6,663

(2)いじめ

いじめも非常に頻発する起こる学校問題です。

実際には学校で把握されていない例も多いでしょうから、表面化していない件数を含めると、もっとも多い学校問題かも知れません。

(3)不登校などの長期欠席

子どもが不登校になって長期にわたって欠席してしまうケースもあります。その場合、出席日数が足りなくなって留年してしまうこともあります。

(4)出席停止

子どもが何らかのトラブルを起こして出席停止処分を受けるケースもあります。

(5)自殺

いじめやその他のストレスなどを苦にして、子どもが自殺してしまう痛ましい事件も学校問題の1つです。

(6)教育相談の対応や体罰

いじめに遭ったときなどに学校に相談した際、相談先の教師の対応が悪かったために、子どもの傷が深くなるというケースもあります。

また、教師から体罰を受けて子どもが心身共にダメージを受ける事件もなくなりません。

(7)高校の退学処分

高校生の場合、出席日数が足りなくなったり万引きや暴行などのトラブルを起こしたりすると、義務教育ではないために退学処分を受けることもあります。

(8)学校裏サイト

ネット上では、学校の裏サイトが存在するケースが多いです。

裏サイトを介して他の子どもから嫌がらせやいじめを受けていると、なかなか把握しにくいので問題が大きくなりがちです。

(9)モンスターペアレント・モンスターチルドレン・モンスターティーチャー

無茶な要求をするモンスターペアレントや子ども自身による過剰な要求、さらにはモンスターティーチャーと呼ばれる非常識な教師により、学校問題が引き起こされるケースもあります。

2、現代が抱える学校問題例

現代が抱える学校問題例

(1)小一プロブレム

学校問題は、すでに子どもが小学校1年生のときから始まってしまいます。
それまで幼稚園や保育園などで自由に過ごしてきた子ども達が、教室でおとなしく授業を受けるように言われても、おとなしく座っていることができません。
立って歩き回る子どももいますし、先生の話を聞かずに勝手におしゃべりしたり、廊下や校庭に出て脱走してしまったりする子どももいます。

これは「小一プロブレム」などと言われます。

(2)相談内容の内訳と割合

以下で、具体的にどのような学校問題の相談が多いのか、少し古いデータとなりますが、表を示します。

東京都の教育相談センターが発表している平成21年と平成22年の教育相談内容の内訳をみると、子どもが抱える問題に対する「学校の対応への不満」が大きいことがわかります。

教職員の言動や学校内の荒れ、生活指導などについての相談が比較的多くなっています。

引用元:東京都教育相談センター

3、学校問題を教師や校長に相談しても解決しないケースは多い

学校問題を教師や校長に相談しても解決しないケースは多い

このようなさまざまな学校問題が発生した場合、学校に相談したら解決できるのでしょうか?

(1)学校に相談すると、かえってストレスが増大することも

残念ながら、それは期待できない場合もあります。実際、上記の表でも、「学校の対応への不満」が学校問題相談理由の8割以上を占めています。

つまり、問題が発生して学校に相談しても、教師や校長などが真摯な対応をしない場合があり、相談した親や子どもが不満を持ち、ストレスが加速する状態となっているのです。

(2)弁護士が介入するケース

このような状況下において、学校問題を法律の専門家である弁護士に相談するケースが増えています。

学校に相談しても、うやむやむされそうになったり解決につながりそうもなかったりする場合があるため、弁護士に依頼して法的な解決を目指すのです。

たとえばいじめが起こったら、加害者の児童に警告書を送ったり、損害賠償請求を行ったりすることが考えられますし、学校側の過失で子どもが傷ついた場合には国家賠償請求を行ったりするケースもあります。

4、学校問題を解決する方法

学校問題を解決する方法

子どもが学校問題に巻き込まれた場合、何から手をつけるのが良いのでしょうか?

(1)まずは子供としっかり話し合う

まずは、子どもの話をしっかりと聞くことから始めましょう。

ただし、子どもが言っていることがすべて正しいとも限らないので、鵜呑みにせず、具体的に何が起こっているのか理解する必要があります。

また、子どもはいじめられていても、いじめに遭っていることを言えないケースが多いので注意が必要です。

(2)問題点をまとめる

子どもから話を聞き出したら、具体的に何が問題になっているのか整理しましょう。

たとえばいじめられているならどのようないじめがあるのか、学校側の対応が非常識だとしたら具体的にどのような問題のある対応があったのかなどを調べます。

(3)資料や証拠をまとめる

問題点を把握できたら、その問題を裏付ける資料や証拠を集めましょう。
何も持たずに学校に訴えても「そのようなことはありません」と言われて終わってしまう可能性があります。

(4)学校に話し合いを求める

資料を揃えたら、学校の先生や校長に対し、話合いを持ちかけましょう。
用意した資料を踏まえて「このような問題があるので、このようにして解決してほしい」という具体的な要望を伝えます。

(5)合意して、対応を開始する

学校との話し合いによって解決方法について合意ができたら、合意した内容を書面にしておくことをお勧めします。

後に学校が約束を守ってくれなかったときに資料になるからです。その上で、両者が納得した対応を進めていくと良いでしょう。

(6)話し合いがまとまらないときは専門家に相談する

話合いをしても、子ども側と学校側とで折り合いがつかないこともあります。

たとえば「いじめはあった」と主張しているのに、学校側は頑なに「いじめはない」と言って否定する場合、それ以上話を進めても解決できる見込みがありません。

そのような場合、押し問答を繰り返していても解決ができませんから、弁護士などに相談すべきです。

5、誰に相談すればいいのか?状況別で活用したい相談窓口

誰に相談すればいいのか?状況別で活用したい相談窓口

学校問題について、自分たちで学校と話し合っても手に余るという場合、どこに相談をすれば良いのか、相談できる機関をケース別にご紹介します。

(1)どのように対応すればいいのか分からない|学校問題解決サポートセンター

学校問題で悩んだとき、まずはどこに相談して良いのかわからない、ということが多いでしょう。

そのようなときには、各都道府県の自治体や教育委員会などが運営している相談機関を利用することを考えましょう。

たとえば東京都では、教育委員会が運営している「学校問題解決サポートセンター」を利用することができます。相談部門は「東京都教育相談センター」です。
電話相談も受け付けていますし、必要に応じて、専門知識をもった人による助言も受けられます。

また、センターがトラブルになっている当事者の間に入り、解決案を提示してくれるケースもあります。

「学校だけでは解決できないトラブル」について相談できるので、まずは一度、利用してみましょう。

HP:副ナビ とうきょう福祉ナビゲーション

(2)親と子と教職員の教育相談室

日本教職員組合、国民教育文化総合研究所、一般財団法人日本教育会館が共同で設立/運営している「親と子と教職員の教育相談室」を利用することも可能です。

ここでも不登校や友だちがいないこと、子どもの気になる癖、学校生活や家庭生活、いじめ、体罰、セクハラ、学習が進まない、進路の悩みなど、学校の悩み全般を受け付けてくれます。

HP:親と子と教職員の教育相談室

東京に事務所があるので、まずは電話をしてみましょう。

(3)学校側がまともに対応してくれず法的手段を考えたい|弁護士

学校側と話合いをしようとしたけれども、まともに対応してもらえないので法的な手段に訴えたいと考えるケースがあります。

そのような場合には、弁護士に相談しましょう。

弁護士会が運営している「学校問題ADR」を利用すると、ADRの担当者がトラブルの当事者の間に入り、解決をあっせんしてくれます。解決案なども提示してもらえるので、お互いが納得すればその内容で学校問題を解決できます。

弁護士会のADRで担当してくれるあっせん人は、弁護士会に所属する弁護士です。

利用料金は、申立費用が1万円と、期日ごとに当事者それぞれについて5,000円ずつ(合計で1万円)必要です。

子ども同士のトラブル、子どもと地域住民のトラブル、子どもと学校との間のトラブルなど、学校問題であればどのようなものでも取扱い可能なので、困ったときには一度相談してみましょう。

HP:学校問題ADR

また、直接弁護士に相談する方法もあります。
ADRは公正中立の第三者なので、申立人の肩を持ってくれる保証はありませんが、弁護士に直接依頼した場合には、依頼者の味方として活動してくれるので心強いです。

(4)子供のメンタルケアについて|メンタルクリニック

子どもが学校問題によって心身共に疲弊し、精神的に不安定になっている場合などにはメンタルクリニックを受診することも考えましょう。

精神病の域にまで至っていなくても、カウンセリングなどを受けることによって状態が改善することもあります。

くれぐれも、悪化するまで放置しないことが重要です。

6、学校問題から子供を守るために今あなたができること

学校問題から子供を守るために今あなたができること

子どもが学校問題に巻き込まれた場合、解決するまで子どもは苦しみ続けることになりますし、最悪の場合には自殺などにいたるケースもあります。

そのようなことにならないよう、子どもを守るために親としては何ができるのでしょうか?

(1)子どもと密にコミュニケーションをとる

まずは、日頃から子どもと密にコミュニケーションをとることが何より重要です。
普段から関わっていると、子どもに異変が生じたときにいち早く察知できるからです。

ただし、子どもは上手に異変を隠すことも多いので「うちは子どもと何でも言い合っているから大丈夫」などと過信するのは禁物です。

(2)子どもを信じてあげる

次に、親としては子どもを信じてあげることが大切です。

たとえ子どもが人に迷惑をかけたと聞かされても、いきなり子どもを問い詰めたりしかりつけたりするのではなく、まずは「子どもにも言い分があるのでは?」と考えて、話を聞いてあげましょう。

ただ、言うは易しです。
日頃の行動から「信じられない・・・」というケースは多いでしょう。

このときは、信じられないと考える「親側の思考を変える」必要があります。

「信じる」というのは、多くの場合、これまで経験した事象から総合的に判断を下しているにすぎません。たとえば、いつも約束を守る友人だから、嘘はつかないだろうと信じる、という具合です。

しかし、あなたのその相手に対する「判断」が間違っている可能性もあるのです。

子どもがあなたの想定外の考えをもつ場合、この間違いは生じ得ます。

「子どもを信じる」とは、あなたの思考・視点に立たない、こだわらないということです。

子どもの目線、立場、考えは、あなたが思うものとは違うものと考えるべきでしょう。それを理解するということに他ならないと考えます。

とても難しいことですが、とても大切なことだと思います。

(3)叱るよりも認める

たとえ子どもに問題行動があったとしても、注意したりしかりつけたりするだけではなく、子どもを認めてあげることが大切です。

もちろん悪いことは悪いと言うべきですが、それでも親としては子どもを愛しているよ、信じているよ、という姿勢を見せることで、子どもも反省して親に迷惑をかけないためにも二度と過ちを繰り返さないと考えるものです。

(4)ときには立ち上がる

子どもが学校問題で被害者の立場にあるときには、子どもを守らなければならないケースがあります。

そのためには、加害者の子どもや保護者、学校などと対峙する場面もあるでしょう。そのようなとき、子どもを守るためには相手に対して権利主張を行い、争って解決を勝ち取らなければならないケースもあります。

時には立ち上がって戦うことも必要なのが、学校問題です。

まとめ

今回は、学校問題について解説しました。

学校問題は、毎日学校に通っている子どもにとっては非常に重要な問題です。

決して軽視できないので、心当たりのある場合にはまずはしっかり子どもと話をした上で、必要に応じて弁護士などに相談しましょう。

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