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面会交流調停を申し立てられたら?流れや有利に進める方法を解説

面会交流調停 申し立てられた

面会交流調停とは裁判所における調停を経由して面会交流(離婚及び別居中の子どもと生活を共にしていない親が子どもと面会すること)の方法について相手方と話し合う手続きを指します。

本記事をご覧の方の中には「離婚した相手からいきなり面会交流調停を申し立てられた」とお困りの方がいらっしゃるかもしれません。
「子どものためにはどうすればいいのか」と悩みつつも「できるだけ会わせたくない」というのが本音かもしれません。

そこで今回は

  • 面会交流調停を申し立てられたら?
  • 面会交流調停の流れ
  • 面会交流調停を有利に進める方法

などについて説明・解説します。

本記事が、面会交流調停を申し立てられて困っている方のための手助けとなれば幸いです。

 以下の関連記事では面会交流調停について更に詳しく解説していますのでこちらも併せてご覧下さい。

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1、面会交流調停を申し立てられたら?

面会交流調停を申し立てられたら?

(1)そもそも面会交流調停とは

 面会交流調停とは、両親が子どもとの「面会交流」について、裁判所で話し合う「調停」です。
「面会交流」と「調停」の意味について以下でそれぞれ詳しく解説します。

①「面会交流」とは別居している親が子どもと交流すること

 面会交流とは、離婚や別居により離れて暮らす親と子どもが、実際に会ったり手紙の交換をしたりするなどして交流することです。

面会交流の目的は、子どもが両親のいずれとも接して健全に成長することです。親のために行われるわけではないという点にご注意ください。

面会交流の取り決めをする際には、

  • 頻度
  • 時間
  • 場所

などが定められます。

 例えば、

  • 月1回
  • 2時間
  • 公園で

といった形です。実際に会うだけでなく、手紙やプレゼントでの交流について調停で定めることもできます。 

②「調停」とは家庭裁判所での話し合い

 調停とは、裁判所でする話し合いのことです。面会交流調停の場合は家庭裁判所で行われます。

最終的に判決が出る裁判とは異なり、調停で重視されるのは双方の合意です。
中立的な立場の調停委員が間に入って、双方の主張を聞き取り、合意を目指します。

 ちなみに当事者が直接言葉をかわす必要はないので、当事者だけで話し合うのが難しい場合などによく利用されます。

(2)無視するのはNG

 面会交流調停を申し立てられたときに、相手にしたくないからといって無視し続けるのは危険です。

申し立てを無視していると調停が不成立となって「審判」に移行し、裁判官による決定が下されます。
ずっと無視していると、相手の意見が採用されて自分に不利益な判断が下されるおそれがあります。

 「相手と会いたくないから出席したくない」という場合には、裁判所に相談してみましょう。
待合室のフロアを変えるなど、直接会わないような配慮をしてもらえる可能性があります。

知らないうちに思わぬ結果とならないよう、面会交流調停を申し立てられたら調停の場に出席し、自分の意見をしっかりと伝えましょう。

2、面会交流調停を申し立てられた後の流れ

面会交流調停を申し立てられた後の流れ

(1)第1回は欠席してもよい

 「都合が合わず初回の調停に出席するのが難しい」という場合には、欠席しても構いません。

基本的に調停には出席するのが望ましいです。とはいえ、第1回については自分の都合に関係なく日付が指定されてしまい、出席が難しいこともあるでしょう。
申し立てられた側が第1回に欠席することは珍しくなく、欠席しても問題ありません。

 ただしその場合でも無断欠席は避け、裁判所に欠席する旨の連絡を入れて事情を伝えるようにしましょう。
調停委員の心象を損なうと調停が不利になる可能性もあるためです。 

(2)調停当日の進め方 

調停当日は、基本的には当事者が交代で調停室に呼ばれ、調停委員に主張を聞かれる形で進みます。

 具体的には

  1. 自分の主張をする
  2. 相手に主張が伝えられ反論がなされる
  3. 相手からの反論が自分に伝えられる

といった流れです。

 法廷とは異なり調停室は会議室のような場所で、無関係の人が入ることはないので、緊張しすぎる必要はありません。

所要時間は、30分交代で双方が2回ずつ調停室に入り、計2時間程度となるのが一般的です。

 当事者の主張内容などによって、時間が前後する可能性があります。

その日の調停の最後には、双方の予定を聞いて次回の日程が決まります。 

(3)場合によっては家庭裁判所調査官が状況を調べる

 必要に応じて、家庭裁判所調査官が親子関係について調査を行うことがあります。

家庭裁判所調査官は、心理学、教育学などの専門的知識を持つ裁判所職員です。

  • 家庭訪問
  • 子どもや両親との面談
  • 試験的な面会

などを通じて親子関係について調査し報告書を作成します。
報告書の中身には調停委員や裁判官が目を通すため、調停や審判の行方に大きな影響を与えます。

(4)合意すれば終了する

 話し合いの結果、面会交流の条件について双方が合意した場合には、合意事項が「調停調書」にまとめられ、調停は終了します。

調停調書には法的拘束力があるため、当事者はその内容を守らなければなりません。

(5)合意しなければ「審判」に

 話し合いがまとまらなければ、調停は不成立となって「審判」に移行します。

審判とは家庭に関係する紛争において,

  • 家庭裁判所調査官による調査の結果
  • 当事者によって提出された書類

など様々な資料に基づき裁判官が判断を決定する手続を指します。

 審判は法廷で行われ、調停委員ではなく、裁判官による決定が下されます。この決定には法的拘束力があることにご注意下さい。

 もし裁判官の判断に不満がある場合には、即時抗告(審判の内容に不満がある場合に判決から2週間以内に不服申し立てをすること)をして高等裁判所に判断を求めることが可能です。

 参考:裁判所 

(6)長ければ1年以上かかることも

面会交流調停はおよそ1ヶ月に1回ずつ行われます。当事者の意見の隔たりが少なければ数回で終了するので、半年以内に解決することも可能です。

意見の対立が激しかったり、調査が長引いたりすれば、1年以上かかることもあります。

3、子どもとは会わせたくない!面会交流調停を有利に進める方法

子どもとは会わせたくない!面会交流調停を有利に進める方法

(1)調停委員・調査官を味方につける

 面会交流調停を有利に進めるためには、調停委員や調査官を味方につけることが重要です。
味方につければ、調停委員に相手を説得してもらえたり、調査官に自分に有利な報告書を書いてもらえたりすることが期待できます。

 調停委員や調査官を味方につけるためには、まずは身なりや言葉づかいに気をつけるようにしてください。
調停委員や調査官も人間ですので、非常識な格好や言葉づかいをしている親によい印象を持たない場合もあります。 

(2)面会に問題があることをわかりやすく主張する

 子どもとの面会を認めさせたくなければ、面会に問題があることについて根拠を示して伝えることが重要です。

現在の裁判所は、子どもの健全な成長のためには、原則として面会交流を認めるべきだと考えています。

 しかし、例えば相手にDV歴があるのであれば、子どもとの面会は危険です。こういった場合には

  • 暴行箇所の写真
  • 医師の診断書

などをDVの証拠として提出すればDVの事実を証明しやすいでしょう。

 ただし調停はあくまで話し合いの場であるとはいえ、無理のある主張は受け入れられません。
自分の主張については根拠を示しながらわかりやすく伝えるようにしてください。

しかしこういった証拠に基づく主張を個人が行うことは難易度が高いため、弁護士に相談することをおすすめします。 

(3)弁護士に相談する

弁護士への相談は非常に有効な方法です。

弁護士は法律のプロなので、

  • 面会交流調停のポイント
  • 主張すべき事実

などを把握しており、調停を有利に進めやすくなります。必要な書類の作成もすべて任せられるため、事務的な手間は殆どなくなるというメリットもあります。

また「調停の場では自分の意見をうまく伝えられない」という場合でも、弁護士が代わりに発言しますので、全てを一任できる心強い存在といえるでしょう。

有利な結果を得るため、また精神的余裕を持つためにも、弁護士への相談・依頼を検討してみてください。

以下の関連記事では子どもと元配偶者との面会交流は拒否できるかについて更に詳しく解説していますので是非併せてご確認下さい。

4、面会交流が認められたら?

面会交流が認められたら?

(1)守らないと「間接強制」される可能性がある

 調停や審判の結果、面会交流をすることになったのであれば、従わざるを得ません。

もし結論が出たのにこれを無視した場合には、「間接強制」がなされてしまう可能性があります。

 無理矢理子どもを連れ去られるわけではありませんが、「面会交流をさせないのであれば制裁金をとる」という形で事実上面会交流を強制されてしまうのです。

このような事態を避けるためにも、面会交流が認められた場合には決められた方法で面会交流を行ってください。

(2)事情が変われば再び調停をすることも可能

 一度面会交流が認められたとしても、いつまでも同じ内容でしなければならないわけではありません。

面会交流の内容は当事者間で合意すれば変更が可能であり、直接の話し合いが難しければ再度調停の場で内容を決めることもできます。

 「子どもが大きくなったので回数を減らしてほしい」といった事情があれば、再度の調停を検討してみるとよいでしょう。

面会交流調停を申し立てられた時のQ&A

Q1.面会交流調停を申し立てられたときに無視するとどうなる?

面会交流調停を申し立てられたときに、相手にしたくないからといって無視し続けるのは危険です。

申し立てを無視していると調停が不成立となって「審判」に移行し、裁判官による決定が下されます。
ずっと無視していると、相手の意見が採用されて自分に不利益な判断が下されるおそれがあります。

Q2.都合が合わず初回の調停に出席するのが難しい場合はどうする?

基本的に調停には出席するのが望ましいです。とはいえ、第1回については自分の都合に関係なく日付が指定されてしまい、出席が難しいこともあるでしょう。
申し立てられた側が第1回に欠席することは珍しくなく、欠席しても問題ありません。

ただしその場合でも無断欠席は避け、裁判所に欠席する旨の連絡を入れて事情を伝えるようにしましょう。

Q3.面会交流調停の期間は?

面会交流調停はおよそ1ヶ月に1回ずつ行われます。当事者の意見の隔たりが少なければ数回で終了するので、半年以内に解決することも可能です。

意見の対立が激しかったり、調査が長引いたりすれば、1年以上かかることもあります。

まとめ

 ここまで、面会交流調停を申し立てられた場合の対応、調停の流れ、有利に進める方法などについて解説してきました。

「子どものことは簡単に譲れない」という方も多いかと思われます。面会交流調停を申し立てられて困っている場合には、ぜひ弁護士に相談して、ベストな対処法を考えましょう。

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