【弁護士が解説】違法建築物を買ってしまったらどうなる?格安投資に潜むデメリットを解説

【弁護士が解説】違法建築物を買ってしまったらどうなる?格安投資に潜むデメリットを解説

耐震偽装事件が大きな社会問題となったことを鮮明に覚えている方も多いのではないでしょうか。この事件をきっかけに、自分の所有する物件が違法建築ではないかと心配になった人も多いことでしょう。

そこで今回は、

  • どんな物件が違法建築物に該当するのか
  • 違法建築物に起因して生じる問題
  • 違法建築物を購入した場合にどのようなデメリットがあるか

などを中心にベリーベスト法律事務所の弁護士が解説していきます。

今住んでいる物件が違法建築ではないかと心配されている方や、不動産投資で格安の物件の購入を考えている方のお役に立つことができれば幸いです。

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1、 違法建築物とは

違法建築物とは読んで字の如く、法律に違反して建てられた建物のことです。ここで言う法律とは、建築基準法またはこれに基づく法令や条例を指します。

生活の基準となる家は安全に生活できる場所でなければなりません。耐火性の低い材料が使用されていたり、震度1の小さな地震で倒壊するような家では、安全に生活することができないだけでなく、命の危険にさえさらされる可能性もあります。

そのようなことを避けるために、建築物の構造や設備及び用途に関する最低の基準を定め、私たちの命や財産の保護を目的として建築基準法が存在しているのです。この建築基準法やその他関連する条例などに違反して建てられた建物が違法建築です。

(1)建築基準法違反の建物

耐火性や耐震性だけでなく、建築基準法では建物の構造や設備など守らなければいけない項目が定められています。敷地面積に対する建築面積の割合や、敷地面積に対する建築物の各階の床面積を合計した延べ床面積の割合、家を建てるためには幅員4メートル以上の道に敷地が2メートル以上接している必要があるなど多くの決まりがあり、これらに一つでも違反していると建築基準法に違反した建物となります。

また、家を建てた当時は建築基準法に違反していなかった場合であっても、リフォームや増改築を行う際に建築基準法に違反する項目があれば違法建築となってしまいます。リフォームや増改築を行っていなくても、法律が改正されたことにより新法では違法となってしまう場合や、都市計画や敷地の買収により建ぺい率がオーバーしてしまう場合など、自分の意思に反して建築基準法に適合しなくなる場合もあります。

このような建築当時は合法であっても現在の法律では違法となる建物を既存不適格物件と呼びます。ただ、既存不適格物件は建築当時は合法的に建てられた建物であるため、違法建築物とは区別されています。

(2)違法建築が生まれてしまう理由

法律に違反することが命を危険にさらしてしまう可能性があるにも関わらず、違法建築物が建てられることを不思議に思う方もいるかと思います。違法建築物が生まれる理由はさまざまですが、以下の事例が考えられます。

  • 建築確認申請をせずに建築工事を行う
  • 完了検査を受けていない
  • 完了検査を受けたあとに工事内容を変更した
  • 増改築によって違法建築になる

(3)既存不適格建築物との違い

既に解説したように、既存不適格建築物とは建築時には法律に基づいて建てられたものの、法改正などにより新しい規定に違反することになってしまった建物です。

建築基準法は、災害が起きるたびに基準が見直され改正されながら現在に至りますが、今後も基準が変わる可能性は十分にあります。

つまり、すべての家が既存不適格建築物となる可能性があるのです。しかし、法改正のたびに、新しい法律に適合するように改修工事をしなければならなくなると、世の中に混乱を引き起こしてしまいます。そのため、既存不適格建築物は、現行の建築基準法の規定を満たさなくても良いと例外規定を設けています(建築基準法第3条)。

(4)既存不適格の住宅ローン

家を購入する際には住宅ローンを申し込む方が多いかと思いますが、金融機関は住宅ローンの審査を行うにあたり、建築基準法や関連法令を満たしているかのチェックを行います。違法建築の場合には住宅ローンの審査が通らない場合が多いですが、既存不適格建築物の場合においても、既存不適格建築物を違法建築とみなし融資を断る金融機関が多いのが実情です。貸出限度額や最長返済期間を設けている金融機関もありますので、事前に確認しておくことが大切です。

2、建築基準法と検査済証の関係は?

建築会社は建築基準法を守って家を建てなければなりません。建築基準法に基づいて設計図を作成するだけでは不十分です。その設計図が建築基準法に適合しているか第三者に審査してもらわなければなりません。特定行政庁や指定確認検査機関が建築基準法に適合しているか設計図をチェックし、建築基準法に適合していれば確認済証が交付されます。この審査が通った設計図を基に建築が着工されるのです。

そして工事が完了したら、実際に建てられた建物と設計図が全く同じであるかチェックを受けます。このチェックを完了検査と呼び、完了検査をクリアしたら検査済証が証明書として交付されます(建築基準法7条5項及び7条の25項)。

(1)検査済証とは

建てられた建物が建築基準法に適合していることを証明する文書が検査済証で、完了検査を受けることが義務付けられています。しかしながら、かつては完了検査を受けずに建物を使用しているケースも多く、検査済証がなくても罰則がないことも相まって近年までは完了検査の実施率は約20%~30%と言われるほど低い状態でした。

(2)検査済証が無い中古物件は多い

平成15年以降は、最近では検査済証のない建物への住宅ローン貸付けを控えるように金融機関へ国土交通省が要請したこともあり、検査済証の取得率は70%~80%まで上昇し、新築や築浅物件においてはほぼ100%近くが検査済証を取得しています。欠陥住宅を防止するうえでも、検査済証はきちんと取ることが大切です。

(3)建築確認済証がない物件には要注意

確認済証は建築物の工事着工前に交付される設計図や計画が建築基準法に適合していることを証明する書面です。この確認済証が発行されてから着工が可能になるため、確認済証がない場合には建築基準法違反の可能性があります。

3、違法建築を買ってしまった場合のデメリット

違法建築と知らずに買ってしまい、リフォームや増改築しようとしたときに初めて違法建築だと知る場合や、格安で購入できることから違法建築の購入を考えている場合においても、違法建築の購入にあたってのデメリットを解説しますので、参考にしてみてください。

行政は違法建築に対して是正命令を出すことができます。建築中や入居前の場合だと、是正指導を受ける確率が高くなり、最悪の場合には建て替えや使用禁止、移転や除却など厳しい処分を受ける場合も考えられます。

(1)所有者責任が問われる危険も

違法建築物で事故が発生した場合、違法建築物に居住する人だけでなく、近所の人にその害が及ぶこともあります。違法建築で事故が発生した場合は所有者に責任が及びます。違法建築を所有しており、違法であるがゆえに発生した事故に対する損害は、保有者の無過失責任となります。

つまり、所有者が違法建築であることを知らなかった場合でもその責任を逃れることはできません。依頼した建築会社によって違法建築となった場合でも、所有者がまずその責任を負い、後に建築会社に求償請求をすることになります。

(2)売却が難しい

違法建築でも売却することはできます。売却自体は違法となりません。しかしながら、違法建築物である旨を買主に告知する義務があります。この告知義務に違反した場合には、買主は売主に対して、損害賠償請求をすることができます。そのため、なかなか買い手が見つからず、違法建築物は容易に売却することができない傾向にあります。

(3)融資(住宅ローン)を受けられない

建築違反の物件に対して住宅ローンを融資しないように国土交通省が各金融機関へ通達を出しました。この通達が出るまでは各金融機関も融資をしていましたが、この通達が出された平成15年以降は、建築違に対する融資は受けることはできなくなりました。

違法建築物への融資は、金融機関が違法建築物を認めたこととなるため、現在ではほとんどの金融機関は融資に応じてくれません。中には融資に応じてくれる金融機関もありますので、予め探しておくことが大切です。

4、違法建築の代表的な事例を紹介!

違法建築と聞くと、別世界の話のように聞こえるかもしれませんが、実は私たちの生活の中でも身近に起きているのです。ここでは違法建築の代表的な実例を紹介します。

(1)建ぺい率・容積率オーバー

建ぺい率とは敷地面積に対する建物を建てられる面積の割合を言い、容積率とは建物の総床面積の敷地面積に対する割合の事を言います。この建ぺい率や容積率は建築基準法や条例に基づいて都市計画を各行政庁ごとに定められています。増築工事などをして建ぺい率や容積率オーバーしてしまったり、本来建物面積に含まれるべきベランダや階段などが含まれていないことなどが原因として挙げられます。

(2)違法増築

増築をする方も多いと思いますが、10平米を超える面積の増築には建築確認申請が必要となります。小さな増築だから問題ないと思っていても、実は確認申請が必要だったということもあり、気が付かないうちに違法増築してしまうこともあります。

(3)採光不良・斜線制限

良好な居住には採光は重要な要素と考えられており、採光のための窓の設置が義務付けられています。隣の家との距離が狭いと、採光が入らないことなどからしばしば問題になることがあります。また、日照・採光・通風の確保を目的として建物の高さを制限する斜線制限なども規定されていますが、既定の高さを超えているなど斜線制限違反になってしまうことがあります。

(4)接道義務違反

建築物の敷地は、道路に2メートル以上接しなければならないという接道義務が建築基準法では設けられています(建築基準法43条)。接道義務違反で問題となりやすい土地が路地状敷地です。路地状敷地とは道路から見通せない死角部分がある土地の部分を言い、道路に接している通路部分の間口が2メートルに満たない場合には、接道義務違反となります。

5、違法建築でも購入して大丈夫な物件は?

違法建築の物件を購入は融資が受けにくかったり、行政からの罰則や使用制限が掛かる場合がある一方、低価格で購入することができるというメリットがあります。そこで違法建築でも購入しても大丈夫な物件をご紹介します。

(1)違法部分を取り除ける建築物

建築基準法に違法している部分を取り除くことが容易にできる建築物は購入しても大丈夫でしょう。違法増築などがなされた物件であれば、増築された部分を除去することで違法建築とはなりません。是正ができない物件であれば、違法の部分を除去することができないため、違法建築の状態となります。

(2)既存不適格建築物

建築基準法などの建築に関連する法律は日々進歩する技術に大きく影響されるため、他の法律と比べると法改正が頻繁に行われます。今後も法改正がなされることは容易に予測されますが、既存不適格建築物は違法建築とは区別されており、既存不適格建築物のままで認められています。そのため、既存不適格建築物の購入については考慮しても問題ないと思われます。

しかし、建築当時と現在の法律で定められている規制数値の差が大きい場合などは、耐震や耐火性が低い可能性が考えられますので、注意が必要です。

(3)検査済証無しでも合法的に建てられている建築物

検査済証が無いこと自体は違法建築ではありません。検査済証がなくても、建築基準法に沿って建てられた建物であれば問題ありません。しかし、建築確認済証が無い場合は、違法建築の可能性が十分に考えられますので、購入には慎重になる必要があります。

6、違法建築に関するよくある質問

(1)違法建築の見分け方を教えてください

一番確実なのは専門家に診断してもらうことですが、検査済証の確認で新築時に合法であったかを判断することも可能です。

検査済証が見つからなかった場合、役所の建築指導課で完了検査を受けているかどうかを確認することができます。

(2)違法建築でも売却は可能なの?

買い手側に違法建築であることを告知すれば違法建築を売却しても問題ありません。買い手が見つからない場合などは、違法建築を解体して更地化してしまうという最終手段もあります。以前に違法建築が建っていた場所であっても、更地化してしまえば一般の土地として売却することができます。

違法建築物売却時の注意点ですが、違法建築物の売却に対しては告知義務があります。告知事項があることを知りながらも、相手に伝えなかった場合は宅建業法違反となり(宅建業法35条1項、2項)、損害賠償を請求される可能性も否定できません。

(3)違法建築だと知らされずに購入してしまった場合

違法建築だと知らされずに購入してしまい、後で判明する場合もあります。売主には購入の意思決定に重要な意義を持つ事項について、事実を知っていながら、故意にこれを秘匿して告げない行為をしてはならないとの義務があり、これを怠ると契約の取り消し又は解除となる可能性があります。そのため、売主側からの告知がなく、購入後に違法建築だと判明した場合には、どのような対策を取ることがベストなのか弁護士に相談することが大切です。

まとめ

衣食住の中でも私たちの生活で「住」が一番大切な要素だと言っても過言ではありません。そんな居住が脅かされては心配で仕方がありません。

もし今住んでいる物件に違法建築の疑いがある場合は、違法建築なのか既存不適格建築物なのか見分けなければなりません。違法建築であれば、告知があったか否か、契約を解除するか否か、違法部分を除去して適法にするか、など様々な角度から解決策を探していかなければなりません。

建築という専門知識の高い分野を法律の知識で解決することは非常に困難です。住宅に関する売買契約や欠陥、瑕疵については弁護士に相談することが、安心した生活を送ることができる近道です。

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