セカンドパートナーとは、配偶者以外のパートナーのことを指しますが、友達以上の関係のことをいいます。
ここでは、セカンドパートナーの意味や、セカンドパートナーの発覚による離婚・慰謝料請求の可否について解説していきます。
目次
1、セカンドパートナーとは?
セカンドパートナーとは、名前の通り家庭以外で作る2番目のパートナーのことを指します。
異性の友人とは異なり、セカンドパートナーには恋愛感情があります。恋愛感情があるといってもプラトニックな関係です。
恋愛感情があるのであれば、「不倫」になるのではないかと考える方もいるでしょう。
しかし、法律上の不倫は配偶者以外の相手と肉体関係を持つことを指します。それに対し、セカンドパートナーは友達以上恋人未満のような関係に近いと言えます。
また、セカンドパートナーとの関係は、既婚者同士であることが一般的です。なぜならば、互いに配偶者がファーストであり、あくまでもセカンドであるという関係を維持できるからです。
2、セカンドパートナーを求める男性心理とは?
配偶者がいるにも関わらずセカンドパートナーを求める男性は、どのような心理でセカンドパートナーを求めているのでしょうか?
セカンドパートナーを求める男性心理として次のようなものが挙げられます。
(1)刺激がほしい
仕事と家の往復だけで毎日の生活に退屈してしまい、刺激が欲しくなってセカンドパートナーを作るケースがあります。
妻とも結婚当初はドキドキして楽しい生活を過ごせていたものの、毎日一緒にいると関係もマンネリ化してきてしまいます。
そこで、新しい相手を見つければ、恋愛感情によるドキドキ感や秘密の関係への刺激を得ることができます。セカンドパートナーはマンネリ化した日常のスパイスになってくれるのです。
(2)男としての自信を取り戻したい
結婚をすれば、妻から恋人時代のように異性としては見られなくなってしまいます。一人の男として見られたくても、妻は異性として見てくれません。
セカンドパートナーという新しいパートナーを作れば「カッコよくみられたい」と考えて自分磨きを行うことになりますし、相手からも「かっこいい」「素敵」などといって異性として扱ってもらえます。
そのため、男としての自信を取り戻せるようになるでしょう。
(3)ストレスを解消したい
仕事や家庭、人間関係などさまざまなストレスを抱えていれば、どこかでストレスを発散したいと考えるものです。
そして、そのストレス解消方法がセカンドパートナーを作ることに繋がるケースもあります。
妻には話せない家庭や仕事の愚痴をセカンドパートナーに聞いてもらえば、ストレスの解消に繋がります。セカンドパートナーに会ったり連絡を取ったりすること自体がストレス発散になったりすることもあるでしょう。
(4)妻以外にも理解者がほしい
妻以外にも理解者が欲しいと考えてセカンドパートナーを作るケースもあります。
妻は夫にとって理解者ではあるものの、妻自身に対する不満や、家庭に関する悩み・愚痴は妻には話せません。
友人に話すこともできますが、セカンドパートナーは夫の味方になってじっくり話を聞いてくれます。しかも、同じ既婚者として共感してもらえる部分も多く、妻とは違った良き理解者になってくれるのです。
(5)不倫によるトラブルは避けたい
不倫をすれば離婚や慰謝料などのトラブルに発展します。そのため、不倫によるトラブルは避けたいと考えているものの、妻以外の異性と恋愛のような関係を楽しみたいと考えてセカンドパートナーを作ることもあります。セカンドパートナーならば妻にバレてしまった場合でも、不倫ではないと言い訳ができると考えているのです。
あくまでも家庭が第一であるため、リスクの高い不倫は避けてセカンドパートナーという関係を選んでいると考えられます。
3、配偶者とセカンドパートナーとの関係を放置しておくリスク
配偶者にセカンドパートナーがいることが発覚したものの、不倫ではないから放置しておこうと考える方もいるかもしれません。
しかし、配偶者とセカンドパートナーとの関係を放置しておくことにはリスクがあります。
(1)不倫に発展する可能性がある
セカンドパートナーとは性交渉のないプラトニックな関係です。
しかし、放置しておけばいずれ不倫に発展する可能性があります。なぜならば、女性は精神的な繋がりを求める傾向にありますが、男性は最終的に肉体な関係を求める傾向があるからです。
女性側も、心が結ばれると体の関係でも相手を受け入れてしまう可能性が十分にあります。
現時点ではプラトニックな関係だったとしても、時間が経過すれば肉体関係を持って不倫に発展するリスクがあるので注意が必要です。
(2)相手の配偶者から慰謝料請求されることもある
セカンドパートナーとの関係を放置すれば、セカンドパートナー側の配偶者から慰謝料を請求されるというトラブルに発展する恐れがあります。
慰謝料請求の可否については後ほど解説しますが、相手の配偶者が不倫だと確信すれば夫は慰謝料を請求されてしまいます。
夫との離婚を考えていないのであれば、慰謝料を支払うことになると家計へ大きなダメージを受けることになります。
(3)夫婦仲が冷める原因となりやすい
セカンドパートナーとの関係を心のどこかで許せないという気持ちを持っているのであれば、一人で我慢を続けても夫婦仲は冷めてしまう可能性が高いです。
夫への不満が態度や言動に出てしまうようになり、夫の気持ちも妻から離れてしまうようになるリスクがあります。
離婚しないのであれば、表面上だけのつまらない夫婦生活を続けなければなりません。
4、配偶者にセカンドパートナーがいることにはメリットもある?
配偶者とセカンドパートナーの関係を放置することにはリスクもありますが、セカンドパートナーがいることがメリットになるような場合もあります。
配偶者にセカンドパートナーがいることで、次のようなメリットが生じる可能性があると考えられます。
(1)配偶者が優しくなることもある
辛いことがあってもセカンドパートナーという逃げ道があり、寂しさや物足りなさも埋めてくれます。そして、異性として好意を持たれていることが自信にも繋がるでしょう。
こうしたことが重なり、配偶者のストレスや不安は和らぎ、心に余裕ができるようになります。
心に余裕ができれば妻や子供に対して優しくなることができ、家庭生活に良い影響を与えるケースもあります。
(2)配偶者の収入が上がるかもしれない
仕事と家の往復というマンネリ化した環境では仕事への活力も停滞してしまいます。
しかし、セカンドパートナーを作ることで男性としての自信を取り戻せば、活力を得て仕事に励むようになるかもしれません。
仕事に励んで業績が上がれば、収入も上がる可能性があります。そうすれば、家計も潤うというメリットが得られます。
(3)自分も自由な時間を持てる
主婦は家事や育児と忙しく、なかなか自分の時間を作ることはできません。
しかし、夫がセカンドパートナーを作ってくれれば、自分も自由な時間を持てるようになります。
セカンドパートナーとの関係を割り切れるのであれば、夫がセカンドパートナーと過ごしている時に自由な時間を過ごすのも良いでしょう。
5、配偶者がセカンドパートナーを作ったら離婚や慰謝料の請求はできる?
配偶者とセカンドパートナーの関係を許すことができず、離婚や慰謝料を求めたいという方も少なくないことでしょう。
セカンドパートナーとの交際を理由として離婚や慰謝料を請求することは可能なのでしょうか?
(1)基本的に請求は難しい
離婚や慰謝料を請求するには、原則として「不貞行為」が成立しなければなりません。
しかし、セカンドパートナーとの関係はあくまでもプラトニックであり、肉体関係がないので「不貞行為」として認められない可能性が高いです。
不貞行為として認められなければ、夫やセカンドパートナーに慰謝料の支払い義務は生じません。
また、不貞行為にならなければ法定離婚事由としても認められないため、配偶者が同意しない限り離婚することは難しいと考えられます。
(2)請求が認められるケースもある
基本的にセカンドパートナーを理由に慰謝料や離婚を請求することは認められませんが、場合によっては請求が認められるようなケースもあります。
肉体関係がなくても、不貞と疑われるほど親密な交際のケースもあるでしょう。この場合、社会的妥当性の範囲を逸脱する違法な「不法行為」と認められる可能性があるのです。
そして、不法行為が認められるほどの交際であれば、法定離婚事由である「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当するとして離婚請求も認められる可能性があります。
実際に、過去には肉体関係のない交際が不法行為に当たるとして慰謝料が認められた判例もあります。(東京地判平成24年11月28日)
この判例では、不貞関係と明確に認定することはできないとしても、婚姻生活の平穏を害するものとして社会的相当性を欠いた違法な行為だと判断されたため、慰謝料請求が認められました。
(3)状況によっては「不貞」が推認されることもある
セカンドパートナーとの関係がプラトニックであることを夫やセカンドパートナーが主張しても、不貞が推認されるようなケースもあります。
例えば、ラブホテルに二人が出入りしている瞬間を押さえた写真や動画があれば、裁判では不貞行為の存在が推認されます。
肉体関係が一切ないという証拠を持って相手が反論する可能性もありますが、「ないこと」を証明することは原則的に困難です。そのため、不貞が推認されるような証拠をつかまれてしまうと、離婚や慰謝料の請求が認められる可能性が高いと言えます。
6、配偶者とセカンドパートナーとの関係が許せないときの対処法
配偶者とセカンドパートナーの関係が許せないという場合、まずは配偶者との関係を今後どうしていきたいのかを検討する必要があります。
具体的な対処法としては、次の3つの中から、ご自身の意向に応じて納得できる方法を選ぶことになるでしょう。
(1)関係解消を求める
配偶者と婚姻関係を続けるのであれば、セカンドパートナーとの関係解消を求めましょう。
配偶者だけではなく、セカンドパートナーにも誓約書を書いてもらうことをおすすめします。
誓約書には、関係解消することを約束する旨だけではなく、約束を守らなかった場合のペナルティとして違約金(慰謝料)を支払うことなども記載してもらっておくと再発予防に繋がります。
また、セカンドパートナーとの関係解消と併せて夫婦関係の修復も図る必要があるでしょう。夫婦関係の修復方法は、次の記事を参考にしてください。
(2)別居する
配偶者がセカンドパートナーとの関係を解消してくれない場合や、すぐに夫婦関係を修復する気持ちになれない場合、ご自身として対応に迷われるような場合には、ひとまず別居をしてみることも1つの方法です。
別居をすれば、配偶者の対応を見ながら離婚もしくは夫婦関係の修復について検討することができます。
離婚したい場合には、別居期間中に子供のことや生活費など今後のことについて考えましょう。
(3)離婚を求める
どうしてもセカンドパートナーとの関係を許すことができず、夫婦関係の修復が難しい場合には離婚を求めることになります。
しかし、セカンドパートナーとの関係が法定離婚事由や不法行為に該当するのかどうかは判断が難しいものです。
そのため、まずは弁護士に相談することをおすすめします。
法律の専門家である弁護士に相談すれば、セカンドパートナーを理由に離婚や慰謝料を請求でいるのかどうか判断した上でアドバイスを得られます。
また、離婚に繋げるには別居することが有効になります。なぜならば、セカンドパートナーとの関係が原因で婚姻関係の継続が難しくなったことを証明しやすくなるからです。
まとめ
配偶者がセカンドパートナーを作ることにはメリットがないとは言い切れないものの、当然ながらトラブルのリスクの方が大きいと言えます。セカンドパートナーとの関係を割り切って受け入れられないのであれば、早めに対処することが大切です。
セカンドパートナーとの関係は離婚や慰謝料の請求ができるかどうか判断が難しい部分もあるので、まずは専門家である弁護士に相談してみましょう。
弁護士はあなたの味方になって法的なアドバイスを行い、サポートをしてくれます。離婚や慰謝料の請求に発展した場合には交渉や手続きなど全てを任せることもできますので、まずは相談から始めてみてください。