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妻のうつ病に対するサポート方法と注意事項

以前は元気で明るかった妻が、急に様子がおかしくなり、医師の診断結果がうつ病であることが明らかになることがあります。この状況に直面した夫は、驚きと同時に自分が事前に何も気づけなかったことを責めたり、妻を支えるために何かできるのかと苦悩するでしょう。

実は、うつ病の場合、支える家族の健康状態にも注意が必要です。家族がストレスや負担で疲弊しないように、自助グループなどのサポートを利用しながら、慎重に対処していくことが大切です。また、妻が元気を取り戻すことを願いつつ、無理せずにサポートをすることも大切です。

この記事では、うつ病の妻を支える方法、妻に対する具体的な行動、うつ病の家族(妻)が相談できる場所について詳しく説明します。

離婚を考えている方でも、この情報が役立つことで離婚を回避する方法を見つけられるかもしれません。

弁護士相談に不安がある方!こちらをご覧ください。

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1、妻がうつ病になった場合の症状

うつ病の症状とはどのような症状になることでしょうか。
うつ病の主な症状を見ていきましょう。

(1)完璧だった家事がおろそかになっている

これまで完璧にこなしていたはずの家事が、急におろそかになってしまいます。
仕事後帰宅しても掃除や洗濯がなされていない、などは典型的な鬱症状の一つです。 
うつ病を発症すると無気力になり、何もできなくなってしまうことが原因です。

(2)帰宅してもご飯を作っていない

妻として毎日食事を作ってくれていたはずが、夕飯を作っていない、お弁当を作っていないなどの症状。
何もないこともあれば、冷凍食品やお惣菜で済ませてしまうケースもあるでしょう。
サボっているのではなく、うつ病の症状で気力がないからに他なりません。

(3)朝起きてくれない

うつ病では不眠の症状も出てきます。その結果、夜間に眠れず明け方ようやく眠り、朝起きることができません。
自分が出社する時間になっても妻が起きてこず、ベッドに横になっている、という症状が見えるでしょう。

(4)話しかけても返事がない

うつ病になると、話しかけても無反応になることが多くなります。
コミュニケーションが成り立たず、イライラする場合もあるかもしれません。 
うつ病では、会話をすることも苦痛に感じ、自分の殻に閉じこもってしまいます。
何を話しかけても返事がない場合には、うつ病を発症している可能性があります。

(5)部屋に引きこもっている

明るかった妻が部屋に引きこもりがちというケースもあります。
帰宅をして「ただいま」と声がけしても返事がない、出迎えも来ずに部屋に引きこもっている場合には、うつ病の症状の一つである体調不良や無気力が出ているのかもしれません。

(6)育児放棄している

うつ病を発症すると、夫の面倒を見なくなるだけではなく、育児放棄にも繋がってしまいます。
無気力症状ですから、子どもの面倒も見る気になれなくなり、子どもは放置されがちです。
子どもが乳児の場合には危険を伴う症状ですから、あなたが怒りを感じてもおかしなことではありません。
ですが、妻はうつ病のために子どもの面倒を見ていないだけです。

(7)体調が悪そうだ

うつ病を発症すると、精神状態が悪化するだけでなく、体調にも顕著に症状が現れます。
頭痛やめまい、吐き気、不眠、便秘などの症状が辛そうに見える場合もあるでしょう。
必ずしも内科医を受診して薬を処方して貰えば症状が軽くなるものではありません。
心因性の体調不良もあるのでます。

2、どうして妻はうつ病に?

妻がうつ病になったとき夫はどうする?妻の支え方、相談先をご紹介

では、健康で明るかった妻が、どうしてうつ病を発症してしまったのでしょうか。
それは妻自身の性格や特徴、置かれた環境に原因があった可能性があります。

(1)几帳面で真面目すぎたから

几帳面で真面目なタイプの妻は、うつ病を発症しがちです。
このような性格に加え、生活に新しいことが加わったときが注意。

  • 結婚生活を開始した
  • 初めて出産し一人育児をしている
  • 初めての介護を経験した
  • 離職していたが仕事を再開

など、気づかないうちに強いストレスを抱えるような転換期において、何でも真面目にしっかりとこなそうとするから、自分に対するプレッシャーを与えてしまいます。

これまで完璧だった妻は、このタイプのうつ病を発症するリスクが高いと言えます。

(2)病気が原因でうつ病にも

自身の身体的な病気や家族の病気などで精神的な苦痛がある場合にも、うつ病を併発します。
日頃の生活や特徴だけがうつ病の原因とは限りません。
もしも妻が最近大きな病を患ったなどがあれば、そのことが原因だった可能性があるでしょう。
身体的な病が治っていたとしてもうつ病を引き起こす危険性がありますので注意が必要です。

(3)ダメ出しされたから

ダメ出しに弱いタイプもうつ病にかかりやすいと言えます。
元来真面目で、手抜きなども自分で許さないタイプですから、ダメ出しには不慣れです。

しかし、世の中には性格が合わない人も多いもの。
妻に寛容になれず、ダメ出しを誰かに出されている場合、妻はどんどん追い込まれていきます。

ダメ出しをするのは、

  • 職場の人
  • ママ友

などのケースが多いでしょうが、稀に夫からのダメ出しでうつ病になることも。

また、容姿端麗な妻であれば、男性に言い寄られることもあるでしょう。
こうしたことに夫が激高するなどのことでうつ病を発症するケースもあります。

3、うつ病の妻の上手な支え方

妻がうつ病になったとき夫はどうする?妻の支え方、相談先をご紹介

うつ病になった妻をどのように支えればいいのでしょうか。
ここが一番のポイントです。

難しいと思うかもしれませんが、実はとっても簡単です。
気負わずに支えていきましょう。

(1)過干渉にならない

医師などから、「頑張りすぎが原因ですね」などと言われてしまえば、「頑張らずに休んだ方がいいよ」とつい声をかけてしまいがちです。
また、薬で症状はある程度抑えられることもあり、「薬はちゃんと飲んだの?」などの言葉もかけがちではないでしょうか 。

妻がうつ病であるということについて、過干渉になりすぎないことが大切です。
やるべきは「見守る」です。

「見守る」とは、何もしないようではありますが、「無視」とは違います。
妻をみてください。信頼して、見守るのです。

(2)今まで通りに

うつ病だからと、妻が今までしていたことをあなたが代わりに頑張って背負う必要はありません。今まで通りに暮らしてください。

ただ、うつ病の症状として、やる気がない、できないということが生じますから、必要に応じて夫であるあなたが対応しておきましょう。

ここで、「妻の代わりにやっている」という意識はすっぱりと捨てましょう。
たとえば子どもの世話や家事などは、妻の代わりではなく、あなたの家庭のためにやっていること。
妻であろうが夫であろうが、やる人は誰でも良いのです。

そして、やれないときは無理をしないこと。
無理をしてしまえば、妻を責める気持ちが湧いてしまいます。

Take it easy. です。

(3)妻が望む環境に

妻が実家を離れて暮らしているのであれば、里帰りも良いでしょう。
育った環境は、心を安定させます。

ただ、夫であるあなたから勧めるべきではありません。
妻の親から、「帰ってくるか?」と聞いてもらいましょう。

(4)大切なことは温かい見守り

うつ病の妻を上手に支えると言うことは、一言でいえば温かい見守りです。
干渉、励まし、叱咤などはやめて、自然に任せて妻の好きなように振るまわせることが大切です。

もしも、妻ががんばりすぎていても、それでいいのです。
あなたも楽しみである飲み会なども、適度に入れてかまいません。

とにかく温かい気持ちで、見守ってください。
しんどくなったら、妻が自分でコントロールするでしょう。

ずっと自分を縛っていたものから解放してあげ、一進一退を繰り返しながら、少しずつ前進していくことをイメージしましょう。

(5)症状が改善の兆しを見せたなら「すごいね」 

うつ病の方は真面目でプライドも高いことが特徴です。
少しでも無気力状態から脱して何か行動ができたなら「すごいね」と共に喜びましょう。
自尊心が満たされて、活力が増していきます。

4、うつ病の妻にしてはいけないこと

妻がうつ病になったとき夫はどうする?妻の支え方、相談先をご紹介

では逆に、うつ病の妻にはしてはいけないことをみていきましょう。

(1)励ましすぎない

過度な励ましは危険です。

「病気に負けずに頑張ろう」
「今日は少しでも家事ができるように頑張って」

などと声がけしたくなるのは当然です。

ですが、過度な期待は妻のプレッシャーになってしまいます。
必ずしも励ましがマイナスに作用するとは限りませんから、絶対に励ましてはいけないということではありません。様子をみながら側で支えていきましょう。

(3)無理に外に連れ出そうとしない

外出は、本人の意思に任せます。

「行こうよ」
「一緒に行きたいんだ」

などと誘うことは、しばらくは控えておきましょう。

きっと、自然に外出したくなる日がきます。
勝手な計画はせずに妻の状態を待ってあげましょう。

(3)叱る・問い詰めるのは厳禁

家事や育児ができていないからと叱ったり理由を問い詰める行動は妻を追い詰めてしまいます。
病気の症状の一つだと理解して、広い心で受け止めていきましょう。
妻ができていないならあなたがやればいいだけです。
余計な口出しはせずに自分でできることは自分でこなしていきましょう。

(4)恩着せがましい行動はNG

自分のことは自分でやるようにするのは悪くありませんが、恩着せがましい行動はNGです。
例えば、家事のために仕事を休んで、妻の眼の前であからさまに家事をするなどです。
妻は自分ができていないことを自覚し「自分が悪いんだ」とさらに自分を追い詰めてしまうでしょう。

(5)過保護になりすぎない

うつ病になった妻に対し、過保護になれる男性はきっと素敵な男性です。

「休んでて、俺がやるから」

と、自然に語りかけることができるのですから。

しかし、今までそうしていなかった場合には、あまりお勧めできません。
例えば、妻が買い物に行こうとした場合に「いいから休んでて。僕が行ってくるよ」というよりは、「僕も一緒に行ってもいいかな。欲しいものがちょうどあるんだ」など寄り添いましょう。

5、1人で抱えてはダメ!妻や家族にうつ病がいる方の相談先一覧

妻がうつ病になったとき夫はどうする?妻の支え方、相談先をご紹介

ここまで読んでいただき、今までの行動をガラリと変えなければ、と考えてしまったあなたは、「自分も妻のうつ病の原因だったのでは」と思うかもしれません。

あなたが妻にダメ出しを繰り返していたりしていた場合は別ですが、他に原因が思い当たるのであれば、基本的にはあなたの問題ではありませんので、安心してください。
1人で支えていくことに加え、これまでの自分を責めるような気持ちになってしまった場合、心配なのはあなたの健康です。

うつ病患者に寄り添うことは、難しいようで易しいようで難しいようで・・・あなたが精神を病んでしまう可能性もあります。 
一人で抱え込まず、病院や相談機関、親族などにも頼っていきましょう。

(1)病院

心療内科などを一緒に受診し、家族でカウンセリングを受けることも大事なことです。
家族で受診できる病院も日本全国に多数あります。
抱え込まずに専門医に相談するようにしましょう。

(2)無料電話相談

ネットの掲示板やチャット、電話相談も利用していきましょう。
妻の状態、支えるあなたの状態などを聞いてくれて適切なアドバイスをしてくれます。
話を聞いてもらうだけでも重荷が軽くなる可能性があるでしょう。

(3)民間の自立訓練所

民間の自立訓練所では家族を含めた相談窓口を設置しています。
うつ病患者の社会復帰を目的にした民間施設で家族と一緒に患者をサポートしていく体制が整っています。

(4)整体や鍼治療も有効

うつ病患者やその家族を含めた整体や鍼治療も有効に利用していきましょう。
整体師や鍼灸師は施術中に話を聞いてくれながら施術しますので、心強い味方になってくれるでしょう。

(5)実家などのサポート

実家などのサポートも必要です。妻の実家でもいいですし、自分の両親にも相談してみましょう。
身近で信頼できる人への相談は大切なこと。
うつ病を支えるあなたの心に寄り添ったアドバイスがもらえるでしょう。
病院に通っているからと考えずに複数の相談先を作っておくことはうつ病患者の家族には大切なことです。

6、妻のうつ病に限界で離婚を考え始めてしまったら

妻がうつ病になったとき夫はどうする?妻の支え方、相談先をご紹介

うつ病は、病気でありながらも、外科的な病気とは違います。
手術で治るものでもなく、また発している言葉が病気だからか本心なのか、見分けづらいことも特徴です。
そんなうつ病に罹患した妻を支えるのは、辛いものです。

元気だった頃の妻を思えば、悲しくなってくることもあるでしょう。
自分では支えきれないと思い、離婚の二文字が浮かぶこともあるかもしれません。
そしてそんな自分が許せないと感じている方もいるのではないでしょうか。

誰にも相談できない離婚の気持ちは、どうぞ弁護士に相談してください。
離婚に詳しい弁護士であれば、病気の妻との別れ方、別れた場合のリーディングケースを教えてくれることも。

まずは気持ちを吐き出し、そして離婚になったときの予想図を見せてもらいましょう。
そうすることで、あなたの気持ちに整理もついてくるはずです。

無料相談を受け付ける法律事務所も増えています。
相談をしたからといって、必ず離婚しなければならないわけではありません。

まとめ

妻のうつ病は、決してあなたが悪いわけではありません。さまざまな要因が重なって鬱状態になったのです。
ですから、自分を責めず、上手に妻を支えていきましょう。
うつ病の妻も支える家族も頑張りすぎず、気長にのんびり治療していくことが大切です。
焦りは禁物、いつかは症状は和らいでいくでしょう。

とはいえ、うつ病の妻を支えることに限界を感じ始めたら、早めに適切な相談機関に相談し、自分の健康状態を守っていくことも考えてください。
そしてもしも離婚を考えるようになっても自分を責めず、正直に弁護士に相談していきましょう。

上手に妻のうつ病を乗り越えて、明るい家族生活を取り戻せることを願います。

※この記事は公開日時点の法律を元に執筆しています。

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