「不倫の関係が相手の奥さんに露呈しました!この難局をどう切り抜けるべきか…」
私たち弁護士の元には、こうした問題を抱える方々が後を絶ちません。
不倫の道は選ばずとも、心地よいときを共有するうちに罪悪感が薄れ、つい関係を続けることがあります。
ところが、不倫の真相が相手の奥さんに暴かれると、後始末が容易なわけではありません。夫婦関係が崩壊するだけでなく、あなたに慰謝料請求が及ぶかもしれません。不倫関係にあった女性は、今こそ適切な行動が求められ、思わぬ結末を避けるべきです。
そこで、以下の点について、
不倫の行方をたどる奥さんへの対処策
悲劇を回避するための対策
慰謝料支払いの回避方法
などについて、専門家であるベリーベスト法律事務所の弁護士が詳細に説明します。
不倫の事実が露見した場合、適切な対策を知り、円満な解決に導く一助となることを願って、この記事をお届けいたします。
男性が不倫する心理と不倫を断ち切る方法は以下の関連記事をご覧ください。
目次
1、不倫が相手の奥さんにばれた女性の末路とは
不倫が相手の奥さんにばれたら大変なことになるということは分かっていても、具体的にどのような末路が待ち構えているのかご存知でしょうか。
問題を放置していると、どのような末路を辿ってしまうのか、以下で具体的にみていきましょう。
(1)慰謝料の支払いに追われる
金銭的な面では、慰謝料の支払いに追われることになる可能性が高いです。
不倫の慰謝料の相場は数十万円~300万円程度と幅が広いですが、相手の夫婦が離婚した場合には200万円~300万円程度の支払いを命じられるケースが多くなっています。
あなたは、これだけの金額をすぐに支払えるでしょうか。分割払いで和解できるとしても、通常は数年以内での完済を求められます。仮に5年での支払い(60回払い)が認められたとしても、毎月約3万4,000円~5万円程度を支払い続けなければなりません。借金をして慰謝料を支払った場合は、利息もかかるので返済の負担はさらに重いものになります。
いずれにしても、生活に余裕がなくなるでしょうし、将来の夢の実現に支障が出る可能性もあります。せっかく貯めていた結婚資金がなくなってしまうということもあるかもしれません。
(2)社会的信用を失う
社会的な面でも信用を失い、行動しづらくなるおそれがあります。
職場で不倫をしていた場合、相手の奥さんにばれると職場の他の人にも不倫関係を知られてしまうことがよくあります。不倫相手とは別に彼氏が職場にいる場合には、その彼氏とも別れなければならない可能性が高いです。不倫相手とも別れ、彼氏とも別れ、その上に職場の人たちから陰口をたたかれる……という状況になると、職場にいづらくなってしまうでしょう。
転職したとしても、同じ業界内で転職した場合は、転職先の職場にも不倫の噂が及んでいて、陰口をたたかれ続けるケースもあるようです。場合によっては、近所の人たちからも噂の的になってしまい、遠くに引っ越さなければ平穏に生活を営めないという事態も考えられます。
(3)不倫相手と結婚しても苦労する
不倫相手との関係が本気だった場合は、相手の夫婦が離婚した後に不倫相手と結婚することもあるでしょう。このような結婚のことを一般的に「略奪婚」といっています。
略奪婚の場合、結婚後の生活は基本的に楽なものではありません。夫婦で慰謝料の支払いに追われてしまうでしょうし、不倫相手と元奥さんとの間に未成年の子供がいる場合には、養育費の負担もあります。経済的に余裕のある生活は、あまり期待できないかもしれません。
それでも愛さえあれば幸せになれると思われるかもしれませんが、それも確実なものとは言い切れません。なぜなら、不倫相手が離婚問題で精神的に憔悴し、さらに慰謝料や養育費の負担、子供と離れたことによる寂寥感などで、人格が変わったように暗くなってしまうこともあるからです。
そこまでいかなくても、不倫中のような甘い関係が続くと考えていると後悔することが多いようです。
2、悲惨な末路を避けるための対処法
上記のような悲惨な末路を避けるためには、どうすればいいのでしょうか。まずやるべきことは、以下の3つです。
(1)不倫はただちにやめる
不倫が相手の奥さんにばれたのなら、まず不倫相手との関係を断ちましょう。
不倫は、民法上の不法行為です。不倫がばれたにもかかわらず関係を継続していると違法性が重いと判断され、慰謝料が増額されてしまう可能性があります。
相手の奥さんからの印象も悪くなるので、許してもらうことが難しくなってしまいます。
(2)相手の奥さんに謝罪する
相手の奥さんにばれた以上は、非を認めて真摯に謝罪しましょう。悲惨な末路を回避できるかどうかは、相手の奥さんがどこまで許してくれるかにかかっています。ただちに不倫をやめて真摯に謝罪することで、できる限りの誠意を見せれば、相手の奥さんもある程度は許してくれる可能性が出てきます。
ただし、謝罪をする前に、相手の奥さんにどこまで事実がばれているのかを探っておくことは重要です。ばれたと思っていても、実際には相手の奥さんがカマをかけているだけという可能性もあります。
この問題については、この後「3」(1)で詳しくご説明します。
(3)不倫した理由を説明する
相手の奥さんに謝罪をしても、謝るだけでは許されないことも多いのが実情です。不倫した理由の説明を求められたら、きちんと説明しましょう。
ただし、事実や理由の説明というのは、話し方や話すときの態度によってずいぶん印象が異なるものです。同じ事実でも、説明の仕方次第では、「同情できる点もある」と受け取られることもあれば、相当悪質に受け取られることもあります。「言い訳に過ぎない」と受け取られることも多々あります。
言い訳にならず、それでいて相手の理解や同情を誘うような説明の仕方が理想的です。
しかし、そのような説明を行うことは簡単ではありません。
好ましい説明方法は事案によって異なりますので、事前に弁護士に相談してアドバイスを受けるとよいでしょう。
3、不倫相手の奥さんに慰謝料を支払いたくないときの対処法
不倫が相手の奥さんにばれても、できることなら慰謝料を支払いたくないことでしょう。
支払うとしても、できる限り減額してもらいたいはずです。
ここでは、不倫相手の奥さんに対して、できる限り慰謝料を支払わずに済ませる方法を解説します。
(1)どこまでの事実がばれているのかを探る
先ほどもご説明しましたが、最初にどこまでの事実が相手の奥さんにばれているのかを探ることは重要です。
怪しいと思われているだけで、不倫の事実まではばれていない場合なら、疑わしい交際をしたことを謝罪し、「今後は一切、ご主人と接触しません」と誓約するだけで解決できることもあります。
不倫の事実がばれているとしても、本当は1年にわたって関係を続けているのに、奥さんにばれているのは直近の旅行の事実だけ、というようなケースもあります。
このような場合に、加害者の方から積極的に1年間の不倫の事実を自白する義務はありません。できる限り、奥さんにばれている事実の範囲内で話し合いを進めた方が、慰謝料の金額を低く抑えられる可能性があります。どこまで事実がばれているのかを探る手段としては、相手の奥さんとのやりとりの内容から推測したり、不倫相手に聞いてみるしかありません。可能な範囲で探り、対応を検討しましょう。
ただし、事実を隠したことが後で発覚すると、かえって相手の奥さんの印象が悪くなってしまいますので、言い逃れできないような事実は潔く認めるという姿勢も大切です。
(2)不倫の証拠を掴まれているかを探る
次に、相手の奥さんが不倫の証拠をどれくらい掴んでいるかも探りましょう。
めぼしい証拠がない場合には、結果的に慰謝料の支払いを免れる可能性もあります。なぜなら、裁判では慰謝料を請求する側が十分な証拠を提出しなければ、慰謝料請求が認められないからです。
不倫した女性側の対応としては、真摯に謝罪した上で、「慰謝料を請求なさるのであれば、裁判をしてください」という形になります。
不倫の証拠を掴まれているかを探る手段としても、相手の奥さんとのやりとりの内容から推測したり、不倫相手に聞いてみるしかありません。
最終的には、「私が支払える精一杯の金額は〇〇万円です。これでお許しいただけない場合は、裁判をなさってください」と対応することになるでしょう。
相手の奥さんも、十分な証拠がない場合には強く出るのは難しいものです。
その場合は、話し合いによって慰謝料の減額に応じてもらえる可能性が高いです。
(3)そもそも慰謝料の支払い義務があるのかを確認する
相手の奥さんに不倫の事実が完全にばれていて、証拠も掴まれている場合であっても、慰謝料の支払い義務がないケースがあり得ます。
そもそも不倫の慰謝料請求が認められるのは、次の5つの条件をすべて満たす場合です。
- 肉体関係を持ったこと
- 自由な意思で行われたこと
- 夫婦であること
- 故意または過失があること
- 夫婦関係が破綻していなかったこと
具体的に言えば、以下のケースでは慰謝料の支払い義務がありませんので、相手の奥さんにその旨を反論することができます。
- キスやハグ、2人切りのデートなどしただけの場合
- 相手に無理やり性的関係を持たされた場合
- 不倫相手のことを独身と信じており、そう信じることに無理もないといえる場合
- 不倫関係が始まる前に相手の夫婦関係が破綻していた場合
(4)慰謝料の減額事由がないかを確認する
実際の慰謝料額は、さまざまな事情を総合的に考慮して決められます。
以下の事情がある場合は慰謝料が減額される可能性が高いので、相手の奥さんにその旨を反論するとよいでしょう。
- 不倫していた期間が短い
- 不貞行為の回数が少ない
- 相手の夫婦の婚姻期間が短い
- 不倫関係が始まる前から相手の夫婦仲が悪かった
- 相手の夫婦間に幼い子供がいない
(5)謝罪して許しを請う
慰謝料の支払い義務を法的に免れない場合は、相手の奥さんに誠心誠意、謝罪して許しを請うしかありません。
慰謝料というのは、相手の精神的苦痛に対して支払われる賠償金のことです。
反省と謝罪によって事後的にでも相手の奥さんの精神的苦痛の緩和に努めた場合は、慰謝料の減額事由になり得ます。
また、慰謝料を請求するかどうかは相手の奥さんの気持ち次第ですので、誠意が通じて許してもらえれば、慰謝料の支払いを免除してくれる可能性もあります。
今後一切、不倫相手と接触しないことを誓約し、もし約束を破った場合には違約金を支払うという誓約書を書くことで、今回に限り許してもらえるというケースも少なくありません。
4、不倫相手の奥さんと話し合うときの注意点
事態を穏便に解決するためには、話し合いによって相手の奥さんの許しを得ることが非常に重要です。
不倫相手の奥さんと話し合うときには、以下のポイントに注意しましょう。
(1)感情的にならないこと
不倫・浮気の問題をめぐって女性同士が対峙すると、とかく感情的になりやすいものです。
しかし、不倫した側の女性は加害者です。加害者が感情的になることで、良いことは何ひとつありません。
むしろ、被害者である相手の奥さんの怒りを受け止める覚悟と姿勢が求められます。
罵倒されても相手の言うことに理解を示し、謝罪する姿勢を崩さないことが大切です。
示談交渉の場では、最初に相手に感情を吐き出してもらうと、それで気が晴れるのか、その後の交渉が意外にスムーズに進むケースがあります。
ですので、ご自身の感情は抑えて、まずは相手の話をよく聞くようにしましょう。
(2)必要な主張はすること
感情的に反論するのは御法度ですが、それでも必要な主張はしなければなりません。
必要な主張とは、前記「3」(4)・(5)でご紹介した、慰謝料が発生しない事由や減額される事由を述べることです。
ただ、加害者側の主張を述べるのは、被害者側の主張を全部聞いた後です。
相手の奥さんが感情的に話しているときに割り込んで主張しようとすると、話し合いが進みにくくなります。
口頭で主張を伝えにくい場合は、手紙に書いて差し出すのも良い方法です。
(3)第三者を立てて話し合うのが望ましい
不倫・浮気の問題を解決するための話し合いは、弁護士などの第三者を立てて行うことが望ましいといえます。
弁護士を立てると、かえって相手の奥さんの怒りが増すのではないかと思われるかもしれませんが、不倫・浮気問題の解決実績が豊富な弁護士に依頼すれば心配はいりません。
被害者と話し合った経験が豊富にあるので、交渉のポイントを心がけているからです。
相手の奥さんの心情に配慮しつつ、冷静に必要な主張も述べて、法的な観点から交渉しますので、円満な解決が期待できます。
5、不倫は自分だけの責任じゃない!慰謝料の求償権とは?
不倫相手の奥さんに慰謝料を支払うことになったとしても、一人ですべての責任を負わなければならないわけではありません。
不倫の加害者には「求償権」というものがあります。求償権とは、連帯して債務を負担している人の中の一人が自分の負担割合を超えて金銭を支払った場合に、超えた部分を他の債務者に支払い請求できる権利のことです。
不倫・浮気は2人で行うものですので、あなたと不倫相手は「共同不法行為者」となります。共同不法行為者は、連帯して損害を賠償する義務があるものとされています。
つまり、あなたが相手の奥さんへ慰謝料200万円を支払ったとしたら、100万円は不倫相手から返してもらうことができるのです。一人で必要以上の責任を抱え込むことがないようにしましょう。
6、不倫が相手の奥さんにばれたときは弁護士へ相談を
ここまで、不倫が相手の奥さんにばれたときの対処法を解説してきましたが、悲惨な末路を避けるためには、早い段階で弁護士へ相談することをおすすめします。
慰謝料の適正な金額は、事案によって異なります。
増額事由や減額事由があるかどうかを判断するには、専門的な法律知識が要求されます。
弁護士に相談することで、どれくらいの責任を負わなければならないかが分かります。
示談交渉を弁護士に依頼すれば、弁護士があなたの代わりに話し合いを行ってくれます。
あなたは相手の奥さんと直接やりとりする必要はありません。
仮に相手の奥さんから裁判を起こされた場合でも、弁護士の専門的なサポートを受けることによって、慰謝料の減免が期待できます。
Q&A
Q1.不倫が相手の奥さんにばれた女性の末路とは?
金銭的な面では、慰謝料の支払いに追われることになる可能性が高いです。
不倫の慰謝料の相場は数十万円~300万円程度と幅が広いですが、相手の夫婦が離婚した場合には200万円~300万円程度の支払いを命じられるケースが多くなっています。
Q2.慰謝料の求償権とは?
不倫の加害者には「求償権」というものがあります。求償権とは、連帯して債務を負担している人の中の一人が自分の負担割合を超えて金銭を支払った場合に、超えた部分を他の債務者に支払い請求できる権利のことです。
Q3.不倫相手と結婚しても苦労する?
略奪婚の場合、結婚後の生活は基本的に楽なものではありません。夫婦で慰謝料の支払いに追われてしまうでしょうし、不倫相手と元奥さんとの間に未成年の子供がいる場合には、養育費の負担もあります。経済的に余裕のある生活は、あまり期待できないかもしれません。
まとめ
不倫が相手の奥さんにばれて、悲惨な末路を辿っている女性は少なくありません。
過ちを犯してしまった以上は、相手の奥さんに対して真摯に謝罪することが大切ですが、慰謝料の問題については法的に対応する必要があります。
不倫・浮気問題の解決実績が豊富な弁護士に相談すれば、あなたにとって最善となる解決方法を一緒に考えてもらえます。
弁護士の力を借りて、穏便な解決を目指しましょう。