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不倫慰謝料請求された時に支払いを避ける5つのステップ【示談書雛形付】

不倫慰謝料請求された時に 拒否するための5つの方法 【示談書雛形付】

不倫の影響は予測不能で、相手の配偶者から突然、慰謝料請求をされることがあります。このような状況では、数百万円にも及ぶ支払いを求められることもあります。不倫は相手に精神的な苦痛を与え、離婚につながることもあるため、慰謝料の問題は避けられません。

不倫の当事者たちにとって、高額な支払いに疑念を抱くこともあるでしょう。しかし、法的には不倫が確認された場合、慰謝料の支払いは避けられない義務です。通常、裁判の場合、数十万円から300万円が慰謝料の相場とされています。

ただし、具体的な状況に応じて支払額は変動するため、支払いを回避できる可能性もあります。

しかし、不倫は相手に大きな苦痛を与える行為であることを忘れず、慎重に対処する必要があります。

この記事では、不倫慰謝料の相場、支払い回避の方法、支払額を削減する方法について解説します。不倫慰謝料に関する疑問や悩みをお持ちの方の、ご参考になれば幸いです。

さらに、相手の状況を理解するために離婚について詳しくなりたいというのであれば以下の記事もご参照ください。

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1、不倫慰謝料請求された場合、支払いを拒否できるの?

不倫が発覚すると慰謝料の問題が発生するのが通常ですが、不倫慰謝料は絶対に支払わなければならないのでしょうか。

まずは、そもそも不倫慰謝料とはどのようなものなのかということを知っておきましょう。

(1)慰謝料とは

慰謝料とは、法律に違反する行為によって他人に損害を与えた場合に、被害者が受けた精神的損害に対して支払う損害賠償金のことです。

(不法行為による損害賠償)

第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

引用元:民法

 

(財産以外の損害の賠償)

第七百十条 他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。

引用元:民法

不倫をすると、不倫相手の配偶者が精神的苦痛を受けるのが通常なので、慰謝料の支払い義務が発生するのです。

(2)「妻」は法的保護に値する

もっとも、不倫は刑事上の犯罪ではありませんし、民法上も「夫婦は不倫をしてはならない」などと明文で定められているわけではありません。

しかし、「不貞行為」が離婚原因とされていることから、夫婦にはお互いに貞操を守る義務があり、貞操を侵害することは民事上の違法行為となると解釈されています。

不貞行為とは、簡単にいうと肉体関係を持つことです。

(裁判上の離婚)

第七百七十条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。

一 配偶者に不貞な行為があったとき。

引用元:民法

つまり、「恋人」や「彼女」は法的保護に値しない場合が多いけれど、「配偶者」「妻」は法的保護に値するのです。

したがって、彼女がいる独身男性と肉体関係を持っても基本的には慰謝料の問題にはならないですが、妻がいる既婚男性と肉体関係を持つと慰謝料の問題が発生します。

(3)相手が既婚者であると知らなかったことに落ち度がなければ慰謝料を支払う義務はない

不倫慰謝料の支払い義務が発生するには、いくつかの要件があります。
自分に落ち度がない場合はその要件を満たさないので、慰謝料を支払う義務はありません。

主な要件は、以下のとおりです。

  • 故意または過失によって権利侵害行為をしたこと
  • 相手方に損害が発生したこと
  • 権利侵害行為と損害との間に因果関係があること

たとえば、交際相手が既婚者であることを知らず、知らないことについて過失もなかった場合は、上記のうち「故意または過失によって権利侵害行為をしたこと」という要件に該当しません。
その場合は、不倫慰謝料の支払い義務は発生しません。

他にも慰謝料を支払う義務がないケースがありますが、詳しくは後ほど「3」(1)でご紹介します。

(4)「妻」は金の亡者?

不倫は民事上の違法行為であるにもかかわらず、突然何百万円もの慰謝料を請求されると、「妻は金目的か」と考える人は少なくありません。

実際に、交際相手が既婚者であった場合、普通は妻のことを良く言う男性はいません。逆に、妻のことを悪く言い、「妻とはもう終わっている」「近いうちに離婚する」という男性が多いことが考えられます。

そういった不倫相手の言葉を信じていたのに、慰謝料を請求されると、妻のことを本当にひどい女性だと思ってしまうのも無理はありません。

しかし、慰謝料を請求してきた妻は、必ずしもお金目的であるわけではありません。妻としては、夫と不倫相手であるあなたによって、平穏な夫婦生活を送るという権利を侵害されているのです。そのやり場のない気持ちをぶつける手段として、慰謝料を請求してきているわけです

日本の法律では、他人の不法行為によって損害を与えられた場合でも、実力行使によって相手に制裁を加えることは禁止されています。損害を回復するためには、加害者に金銭を請求するしかないのです。

時には請求内容が過大で理不尽な場合もありますが、妻には妻の立場と感情があることを理解しておくべきです。

2、不倫慰謝料を拒否する方法と支払いの義務がないケース

不倫慰謝料の支払い義務がない場合には、支払いを拒否することができます。

ここでは、慰謝料の支払い義務がないのはどのような場合か、および実際に支払いを拒否する方法についてご説明します。

(1)慰謝料の支払い義務がない場合とは?

まず、慰謝料の支払い義務がないケースについて、具体的にご紹介します。

①肉体関係がなかった

もちろん、肉体関係がなくても、接触等の程度によっては、平穏な夫婦関係を破壊する行為であると評価され、慰謝料支払い義務が生じることはあります。

もっとも、例えば一緒に食事をしただけであったり、仲良くしていただけにすぎないのであれば、「慰謝料を支払う義務はない」と支払いを拒否できる可能性が高いです。
肉体関係の有無は一定の基準になるでしょう。

②相手が既婚者であると知らず、知ることもできなかった

相手が既婚者であることを知らなければ基本的には慰謝料を支払う義務はありません。

もっとも、知らなかったが「知ることができた」というような場合には、過失があるとして慰謝料支払い義務を負う可能性があります。

「知ることができた」場合とは、例えば不倫相手が左手の薬指に指輪をしていたような場合や、社内不倫で、不倫相手が同僚などに既婚者であることをオープンにしていたような場合等です。

このような場合に支払いを拒否するためには、不倫相手が正直に「既婚者であることを隠していた」と話してくれるか、メールなどでの不倫相手の言動から独身であると勘違いしたことなどを主張していく必要があります。

③不倫が始まったタイミングでは既に婚姻関係は破綻していた(もしくはそう思っていた)

婚姻関係が破綻していたとは、夫婦の別居期間も長く、当然夫婦生活もないような状態です。
既に離婚に向けて話し合いを進めていたとの事実があればより「婚姻関係は破綻していた」と言えるでしょう。

不倫相手から「妻(もしくは夫)とはもう終わっている」などと何度も聞かされていて、その言葉を信じていたのであれば支払いを回避できる可能性は高くなります。

④慰謝料を請求する権利は時効により消滅している

不倫慰謝料を請求する権利には時効があります。

不倫相手の配偶者が「損害及び加害者」を知ってから3年間何らアクションを取っていなかったのであれば、時効消滅を理由として慰謝料の支払いを免れることができます(民法724条)。

なお、不倫慰謝料の時効について詳しくは以下の関連記事をご参照ください。

⑤こんな場合は支払いを免れることは難しい・・・

慰謝料の支払いを拒否する理由でよくあるのが、「不倫相手である夫(もしくは妻)の方から積極的に誘ってきた」というものです。
しかしながら、この事実のみでは基本的に慰謝料支払い義務を免れるのは難しいでしょう。

不倫相手が積極的に誘ってきたのであっても、上記の不法行為の成立要件を満たすためです。
不法行為が成立する場合、加害者は被害者に対して損害の賠償をしなければなりません(民法709条、710条)。

(2)相手に対して証拠の提示を求める

不貞行為があったことの立証責任は、損害賠償の請求をする側にあります。
ですので、相手が証拠を持っていなければ支払いを免れることができる可能性があります
具体的には、以下のような証拠の提示を求めましょう。

①肉体関係があったことを証明する証拠

肉体関係のほとんどは部屋などの密室空間で行われるので、盗撮でもしない限り肉体関係の直接存在を証明することは困難です。

ですから、証明する証拠は次のような間接的なものとなります。

  • あなたと交際相手がラブホテルに入るタイミングもしくは出るタイミングの写真もしくは動画

ただし、ビジネスホテルなどで打ち合わせで使用していたにすぎないのであれば、その旨反論することで慰謝料の支払いを免れることができる可能性があります。

  • 一人暮らしの際に不倫相手が長時間滞在した証拠

具体的には、出入りの時間が確認できる動画や写真が考えられます。

  • 不倫相手と理由もなく二人で泊まりがけで出かけて同室で就寝した証拠

具体的には、出かけた時の写真やホテルの領収書などが考えられます。

  • 明らかに肉体関係があることを推測できる文章や画像

具体的には、LINEやメール、手紙などが考えられます。

②あなたが「不倫相手が既婚者だと知っていた(もしくは、知らなかったが知ることができた)」という証拠

具体的な証拠としては以下の通りです。

  • 相手が左手の薬指に指輪をしていた
  • 不倫相手の結婚式に出席した事実
  • 不倫相手とメールをする中で「奥さん(もしくは旦那さん)にばれたら大変なことになるね」などの画像
  • 不倫相手との関係が勤務先の上司と部下の関係の場合

通常であれば、同じ会社で働いていて、既婚者と知らなかったはずはないといえます。
勤務先が同じでも「既婚者とは知らなかった」と反論したいと思いますが、一般的にはそのような言い訳は通用しない可能性が高いです。

また、相手が左手の薬指に指輪をはめていたような場合も同様です。

③もし、「肉体関係の証拠」と「あなたが不倫相手が既婚者だと知っていた証拠」があったとしたら

もし、上記の「肉体関係の証拠」と「あなたが不倫相手が既婚者だと知っていた証拠」を不倫相手の妻(または夫)が持っていたとしたら、その際は逆に「不倫関係が始まった時点で婚姻関係が既に破綻したことを証明する証拠」を提示するようにしましょう。

具体的には以下のとおりです。

  • 不倫相手と不倫相手の配偶者が長期間別居していたことを示唆するメール等のやりとり
  • 不倫相手と不倫相手の配偶者が長期間別居していたという証言

これらの証拠を提示して慰謝料を支払う義務はないことを主張しましょう。

(3)具体的なやりとりの仕方

慰謝料の支払い拒否・減額の交渉は、できれば弁護士に依頼した方がよいでしょう。

弁護士は交渉のプロですし、同様の不倫慰謝料請求事件の経験もあることでしょうから、自分で進めるよりもスムーズに事件を解決できる可能性が高いからです。

他方で、ご自身で対応されるという場合は、下記のように対応するのがいいでしょう。

①やりとりは書面が基本!

不倫相手の配偶者とのやりとりは、書面の他にも電話や直接会うなども考えられますが、基本的に書面でやり取りをする方がベターです。

たとえ、電話やメールで請求されたとしても返信は書面がよいです。

書面でやり取りをする目的は、きちんとやりとりの証拠を残すためです。

②書面を使用する際の注意点とは

相手が有利になる証拠を作らないことが大切です。

例として、実際は既婚者であると知ったのは交際を開始してしばらく経った後であり、またその時点では婚姻関係は破綻していたかもしれないのに、当初から既婚者であると知っていたと記載して謝罪することなどです。
あとから、やはり当初は既婚者であると知らなかったなどと否定しても、一度書面で認めている以上、信用されない可能性があります。

(4)内容証明郵便が届いたときの注意点

不倫慰謝料請求においては、内容証明郵便も利用されます。

この記事をお読みの方の中にも「内容証明郵便が届いて驚いた」という方もいらっしゃるでしょう。
しかし、落ち着いて対応することが大切です。

①内容証明郵便とは?

急に相手から内容証明郵便が届いた、という場合に備えて内容証明郵便について知っておきましょう。

初めて内容証明郵便が届くと、不安になる方も多いかと思いますが、法律上通常の書面による請求と基本的には変わりません。

ですが、郵便局が内容を証明してくれたり、相手に対して精神的なプレッシャーを与えることができるので、弁護士は金銭等の請求をする際によく使います。

不倫慰謝料の請求と内容証明郵便との関係について詳しくは、以下の関連記事をご参照ください。

②内容証明郵便が届いたら内容証明郵便で返さなければならない?

内容証明郵便が届いたからといって返信も内容証明郵便でなければならないわけではありません。
通常の郵便で大丈夫です。

ただ、先ほどお伝えしたように内容証明郵便は郵便局という第三者が郵送の事実と内容を証明してくれるので、証拠としての価値が高まります。

なお、内容証明郵便そのものについてより詳しくお知りになりたい方は、以下の関連記事をご参照ください。

(5)話し合いがまとまったら示談書を作成する

話し合いがまとまったら示談書を作成するようにしましょう。

①示談書作成の重要性

そもそもなぜ示談書を作成する必要があるのでしょうか?

それは、「後々のトラブルを防止するため」です。
せっかく話がまとまってその時は解決したのに、後で「言った言わない」となり、話が蒸し返されると非常に厄介です。
そのような事後のトラブルを避けるためにも示談書を作成しておくことは非常に重要です。

②示談書の作成方法

示談書作成の流れは、以下のとおりです。

1.請求してきた側と話し合いの結果、①支払うか否か、②支払うとしたらいくらかについて合意に至る

2.一方が「1.」の内容を示談書にまとめる(示談書はどちらが作成してもよい)。

3.「2.」のとおり作成した示談書について相手方が確認

4.2通用意し、2通双方に当事者それぞれが署名・押印し、それぞれが1通ずつ所持する

③雛形ダウンロード

ここで、不倫慰謝料の示談書の雛形も用意しました。

話し合いの結果、

1.支払わないことになった場合

2.支払うことになった場合

の2つのパターンがあります。

1.支払わないことになった場合

不倫慰謝料を支払わないという内容の示談書のダウンロードはこちら 

2.支払うことになった場合

不倫慰謝料を支払うという内容の示談書のダウンロードはこちら 

※雛形は個別具体的な事情に対応していません。実際に利用される際には専門家の意見を聞くようにして下さい。

また、不倫慰謝料の示談書についてより詳しくは「不倫慰謝料の示談書・誓約書の作成方法【無料雛形付き】」の記事をご参照ください。

3、不倫が離婚のきっかけになったら高くなる?不倫の慰謝料の相場とは

それでは、不倫の慰謝料の妥当な金額はどれくらいなのでしょうか。

慰謝料請求の裁判では、数十万円~300万円程度となるのが主流です。

さらにケースに分けて相場をご紹介すると、次のようになります。

  • 不倫によって相手の夫婦が離婚に至った場合 100万円~300万円程度
  • すぐに離婚はしないものの別居などに至った場合 数十万円~200万円程度
  • 離婚にも別居にも至らなかった場合 数十万円~100万円程度

不倫によって相手の夫婦関係を破壊した程度が大きければ大きいほど、妻が受けた損害も大きくなり、慰謝料も多額となります。

なお、離婚に至ったかな否かなどのほかに、不貞行為の期間や頻度、子どもの有無や婚姻期間その他の要素も慰謝料額の決定に大きな影響を及ぼしますので、あくまでも目安としての金額になります。

相場について詳しくは、以下の関連記事に記載されています。

突然、慰謝料を請求されると金額の大きさに驚かれると思いますが、法的に保護された夫婦関係を破壊した責任を金銭に換算すると、この程度になるのです。

もっとも、夫婦関係を破壊した程度が軽ければ慰謝料は低額となりますし、既婚者であると知らなかったことに過失がなければ慰謝料を支払う義務はありません。

そこで、不倫慰謝料を減額する方法をご説明していきます。

4、不倫の慰謝料を拒否できないときに請求額を減額する方法

不倫相手の配偶者が証拠を提示してきた場合は、慰謝料の請求を支払わざるを得ない可能性があります。

そうなってしまった場合でも相手に言われるがままの金額を支払うのではなく、少しでも負担が減るように減額交渉をしましょう。

ここでは減額交渉の方法について説明していきます。

(1)慰謝料の相場を知っておく

不倫慰謝料の相場は、前記「2」でご説明したとおり、数十万円~300万円程度です。

ただ、これはあくまでも相場であり、不倫慰謝料の金額に決まりがあるわけではありません。
「不倫慰謝料として1,000万円支払う」という内容でも、支払う側と請求する側双方の合意があれば問題ないのです。

もし、あなたが不倫慰謝料の相場を知らなければ、相手の剣幕に押されて高額の慰謝料を支払う内容で合意してしまうおそれがあります。
あなたに罪悪感があればあるほど、このおそれは強いといえるでしょう。

そこで重要となるのは、不倫慰謝料の相場を知り、相場よりも高額な請求をされた場合は、相場以下の金額になるよう交渉することです。

(2)慰謝料の算定要素を知っておく

では、実際にあなたの場合はどのくらいの金額を支払うのが妥当なのでしょうか。

慰謝料の額に影響する事情をみていきましょう。

①あなた側(不倫してしまった側)の事情

  • 交際期間

交際期間が長期になるほど慰謝料が高額になる傾向があります

  • 妊娠の有無

不倫相手が女性で妊娠した、あるいは、不倫相手が男性で、その男性の子を妊娠した場合の慰謝料は高額になる傾向があります。

  • 交際に至る経緯

不倫相手が既婚者と認識していながらあなたから積極的に迫っていた場合は高額になる傾向があります。

  • 資産・収入

あなた自身の資産や収入が大きいほど金額も高額になる傾向があります。

  • 職業

基本的に、社会的地位が高い職業の場合は金額が高くなる傾向があります。

②請求する側(不倫相手の配偶者側の事情)

  • 婚姻期間

婚姻の期間が長期になるにつれて金額が高くなる傾向があります。

  • 精神的苦痛(自殺未遂、ノイローゼ)等を類推させる事情

不倫相手の配偶者が精神的苦痛を類推させる事情がある場合、金額は高くなる傾向があります。

  • 資産・収入

不倫相手の配偶者の資産や収入が少額なほど支払う金額が高くなる傾向があります。

  • 年齢

不倫相手の配偶者の年齢が高くなるほど支払う金額が高くなる傾向があります。

  • 離婚の原因

不倫が離婚原因となった場合、支払う金額が高くなる傾向があります。

もし、提示した金額よりも請求額が高い場合、上記の例を出して減額交渉を行いましょう。

(3)【参考】不倫慰謝料請求の裁判事例

次は判例を参考に具体的に不倫慰謝料の相場をみていきましょう。

不倫慰謝料の相場をより具体的にイメージして頂くため、支払金額の低いものからいくつか判例をご紹介していきます。

①夫の不倫相手の女性から妻に対しての慰謝料の支払いが認められなかった裁判例(最高裁判所・平成8年3月26日)

認められた金額:0円

請求金額:不明

事件の概要:夫婦が性格の不一致により別居した後に、夫がホステスと不倫

判断のポイント:不倫関係の開始時において婚姻関係が破綻していた場合には、特段の事情がない限り、慰謝料を支払う義務はないとして慰謝料の支払い義務が否定された

②夫の不倫相手の女性から妻に対して50万円支払うよう認められた裁判例(東京地方裁判所・平成4年12月10日)

認められた金額:50万円

請求金額:500万円

事件の概要:夫が職場の部下の女性と不倫した事案。不倫期間は8ヶ月

判断のポイント:不倫期間が短いこと、不倫関係に至ったのは夫が積極的に不倫相手にアプローチした経緯があること、不倫相手は退職して社会的制裁を受けていることがポイントとなり、相場よりかなり低めの金額が認定された

③妻の不倫相手の男性から夫に対して110万円支払うよう認められた裁判例(平成10年7月31日)

認められた金額:110万円

請求金額:947万円

事件の概要:10年間以上夫婦生活がなく、夫婦相互に相手方に対する興味が希薄だった夫婦の妻が不倫、夫が不倫相手の男性に慰謝料請求した事案

判断のポイント:夫婦相互に相手方に対する興味が希薄だったことがポイントとなり、相場より低い慰謝料額が認定された

④夫の不倫相手の女性から妻に対して220万円支払うよう認められた裁判例(東京地方裁判所・平成10年12月21日)

認められた金額:220万円

請求金額:2,200万円

事件の概要:40年間のうち、30年間不倫関係にあった夫と不倫相手(女性)、不倫相手は夫の再婚相手と偽り夫の実家に入り込んだ。
また、不倫により妻や子どもが精神的な苦痛を受けた

判断のポイント:不倫期間が長期間であることや、妻と子どもが精神的苦痛受けたことが評価のポイントとなり、相場の金額が認定された

⑤夫の不倫相手の女性から妻に対して300万円支払うよう認められた裁判例(大阪地方裁判所・平成11年3月31日)

認められた金額:300万円

請求金額:1,200万円

事件の概要:小学校の教師である夫が、同じく小学校の教師である不倫相手(女性)と20年以上に渡って不倫関係を続けてきた事案

判断のポイント:不倫関係の期間が20年と長期間であることが評価されたことが相場以上の金額が認定されたポイント

⑥妻の不倫相手の男性から夫に対して500万円支払うよう認められた裁判例(東京地方裁判所・平成21年1月26日)

認められた金額:500万円

請求金額:不明

事件の概要:妻と妻の母親の主治医(男性)が不倫関係に。妻は不倫相手の子を妊娠・出産。
夫はそのことを知らず自分の子供として育てた。 不倫相手の男性はDNA鑑定で子が自分の子と発覚した後でも自身が父であることを否認し続けた。夫婦は協議離婚

判断のポイント:高額の慰謝料が認められたポイントとしては、まず妻が不倫相手の子を妊娠・出産したことが挙げられる。加えて、不倫相手の男性が子を自分の子だと否認し続けたことも高額慰謝料となった要因

(4)具体的なやりとりの仕方

慰謝料の減額を求める具体的なやりとりの仕方は、基本的には前記「3」(3)でご説明したのと同様に、書面でのやり取りを原則として冷静にやり取りするようにしましょう。

主張する内容としては、不倫慰謝料の相場を根拠として相手の請求金額が高額であることを主張した上で、さらに減額すべき具体的な事情を主張していきます。

主な主張内容としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 不倫相手から積極的に誘われた
  • 不倫期間が短い
  • 最初は不倫相手から「独身だ」と聞かされていた
  • 不倫相手から「妻(もしくは夫)とはもう終わっている」と聞かされていた
  • 正社員などではなく、収入が不安定

以上のような事実を伝えた上で減額交渉しましょう。

(5)話し合いがまとまったら示談書を作成する

話し合いがまとまったら、前記「3」(5)と同じ要領で示談書を作成しましょう。

5、不倫慰謝料請求額は不倫相手と折半できる

不倫は当然1人で行うことはできません。不倫相手とあなたは、不倫相手の配偶者との関係においては「共同不法行為者」となります

共同不法行為者は同罪であり、被害者に対しては基本的に同様の損害賠償責任を負います。そのため、不倫による慰謝料は不倫相手と折半することになります。

ただし、不倫相手の配偶者に「私の責任は半分以下だ」と主張することはできません。言い換えると、不倫相手の配偶者が300万円の精神的苦痛を受けた場合、あなたと不倫相手はそれぞれ300万円の慰謝料を支払う責任があります。

しかしながら、あなたが1人で全額の慰謝料を支払った場合、不倫相手に対して支払いを求めることができる権利があります。これを求償権といいます。

しかし、1人で全額を支払うことは非常に困難であるため、不倫相手と協力して支払いを行う必要があるでしょう。もしも、不倫相手と本当に愛し合っている場合は、妻からの慰謝料請求は不倫相手と一緒に乗り越えるべき問題となります。

そのため、あなたが全額を支払ってから求償を求めるのではなく、慰謝料請求を受けた時点で不倫相手と支払い方について相談することを検討するとよいでしょう

6、不倫慰謝料を請求され困ったときは、まずは弁護士へ無料相談を

不倫慰謝料を請求されると自分に非があることから、相手との交渉の際にもなかなか伝えたいことをうまく伝えられず委縮してしまうことも少なくないのではないでしょうか。

相手とのやり取りで頭がいっぱいになってしまって他のことが手につかなかったり、日々ストレスを感じてしまっているかもしれません。

そんなときは弁護士に依頼することで、弁護士があなたの代理人として全て窓口になるので、相手とのやり取りも全て弁護士があなたに代わって行ってくれます。

ご自身で相手とのやり取りをしなくなる分、この点でストレスの軽減につながります。

弁護士に依頼する場合は弁護士費用がかかりますが、まずは弁護士の無料相談を利用して、見通しについてアドバイスを受けてみてはいかがでしょうか。

弁護士費用については、以下の関連記事をご参照ください。

不倫の慰謝料請求をされたときに知りたいQ&A

Q1.不倫慰謝料請求された場合、支払いを拒否できるの?

不倫慰謝料の支払い義務が発生するには、いくつかの要件があります。
自分に落ち度がない場合はその要件を満たさないので、慰謝料を支払う義務はありません。

主な要件は、以下のとおりです。

  • 故意または過失によって権利侵害行為をしたこと
  • 相手方に損害が発生したこと
  • 権利侵害行為と損害との間に因果関係があること

Q2.慰謝料の支払い義務がない場合とは?

慰謝料の支払い義務がないケースについて、具体的にご紹介します。

  • 肉体関係がなかった
  • 相手が既婚者であると知らず、知ることもできなかった
  • 不倫が始まったタイミングでは既に婚姻関係は破綻していた(もしくはそう思っていた)
  • 慰謝料を請求する権利は時効により消滅している

Q3.不倫慰謝料を請求され困ったときは?

不倫慰謝料を請求されると、相手との交渉の際にもなかなか伝えたいことをうまく伝えられず委縮してしまうことも少なくないのではないでしょうか。

そんなときは弁護士に依頼することで、弁護士があなたの代理人として全て窓口になるので、相手とのやり取りも全て弁護士があなたに代わって行ってくれます。

まずは弁護士の無料相談を利用して、見通しについてアドバイスを受けてみてはいかがでしょうか。

不倫慰謝料まとめ

今回は不倫慰謝料請求されてしまった場合の対処方法について書いてきましたがいかがでしたでしょうか?

不倫はしてはいけませんが、もし不倫してしまったために慰謝料請求をされている状況にあるような場合にはご参考頂ければ嬉しいです。

なお、ダブル不倫の場合は少し特殊です。ダブル不倫について詳しくは「ダブル不倫で慰謝料請求できない?請求の可否と相場」の記事をご参照ください。

不倫の慰謝料請求についてお悩みの方はこちらの関連記事もご覧ください。

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