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民法改正と賃貸借契約|特におさえておきたい重要ポイント5つ

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民法改正と賃貸借契約|特におさえておきたい重要ポイント5つ

2020年4月から新しい民法が施行されています。

今回の民法改正の対象となる契約法の改正は、明治時代に民法が施行されて以来はじめてのことです。
改正内容の多くは、これまでに判例などを通じて実務上のルールとして定着しているものを明文化したものといえますが、これまでと大きく異なるルールが採用されたというものもないわけではありません。

今回は、多くの人が接する機会の多い「建物の賃貸借契約」について民法改正の重要ポイントを整理してみたいと思います。

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1、賃貸不動産が譲渡された(家主が変わった)場合の賃料支払方法

賃貸不動産が譲渡された(家主が変わった)場合の賃料支払方法

賃貸物件を借りているときには、その契約中に何かしらの事情で家主が変わってしまうということもありえます。
特に、最近は、投資目的で賃貸用アパート・マンションを購入する人も増えているので、以前に比べて、賃借人の知らないところで家主が変わっていたという可能性も多いといえます。

また、家主が何かしらの事情で資金繰りを必要とし、賃貸に出している物件を信託譲渡するようなこともあるでしょう。

(1)契約途中で家主が変わることによって生じるトラブル

賃借人がいる場合であっても、家主(賃貸人)はその物件を自由に第三者に売却することができます。
また、その際に賃借人の同意を得る必要もなければ、事前に連絡をする必要もありません。
そのため、物件の譲渡にトラブルが生じたときなどには、賃借人に対して「家主を名乗る複数の者」から家賃の支払いを求められることもありますし、賃借人としては「見覚えのない人」から家賃の支払いを求められたことで不安に感じることもあるといえます。

(2)家主が変わった場合の家賃の支払い方法

賃借人としては「家賃の二重払い」のリスクは絶対に回避したいところですが、このような場合について、これまでの民法は明確なルールを設けていたとはいえませんでした。

①家賃は登記を備えている方に支払えば良い

この点について、民法改正後は、「所有権登記を備えている者に賃料を支払えば良い」というルールを明確に定めました。
民法605条の2第3項に「賃貸人たる地位の移転は、賃貸物である不動産について所有権の移転の登記をしなければ、賃借人に対抗することができない」との規定が設けられたからです。
賃貸物件の登記は、物件所在地を管轄する法務局で閲覧することができますが、下記サイトを利用してオンラインで閲覧することもできます。

登記情報提供サービス

②供託所(法務局)に家賃を供託する

賃貸人を名乗る複数の者から賃料の支払を求められているケースでは、物件の売却など(所有権の移転)にトラブルが生じている可能性も高く、賃借人の心情としては、「どちらにも支払いたくない」と感じることもあり得ると思われます。
そのような場合には、家賃を「供託」することで、賃貸人への支払いに変えることができます。
家賃の供託は、債務履行地(原則として債権者の住所)を管轄する法務局で行えます。

【参照】供託手続(法務省ウェブサイト)

(3)敷金はどちらから返してもらえるのか?

賃貸人(家主)に変動があった場合には、「敷金をどちらから返してもらえるのか」に不安を感じる人もいるかもしれません。
賃貸人の変動があった場合には、敷金を納めたときの賃貸人と解約時の賃貸人に違いが生じるからです。
この点について改正民法は、賃貸人(家主)の地位が移転したときには、敷金の償還義務もあわせて物件の譲受人(新しい賃貸人)に移転することを定めています(民法605条の2第4項)。
したがって、原則としては、「敷金は『解約時の賃貸人』から返してもらう」ということになります。

2、賃貸中の修繕に関するルール

賃貸中の修繕に関するルール

建物を賃貸したときには、「エアコンの故障」、「雨漏り」といった場合のように、何かしらの事情で修繕が必要となる場合が起こり得ます。
建物の屋根は当然ですが、備え付けのエアコンであっても、賃貸人の財産なので、賃借人が無断で手を加える(修繕する)わけにはいきません。

しかしながら、実際に部屋を借りて生活している賃借人からすれば、「どのような場合でも必要な修繕すらできない」というのでは、とても不便です。
実は、これまでの民法はこのようなケースについて具体的なルールを定めていませんでした。

(1)賃貸中の修繕に関する原則

上でも触れたように、賃貸物件(および備付けの家具)は賃貸人の財産ですから、賃借人が無断で手を加えることはできません。
その他方で、賃貸人には、物件を賃借人の目的にかなうように使用できる環境を整備する義務があるといえます。
そこで、このような場合の賃貸物の修繕義務は、第一義的には賃貸人にあることになります。

(2)賃借人が修繕を行えるようになるための条件

とはいえ、「賃貸人だけにしか修繕の権限がない」というのは、賃借人にとってあまりにも不利といえます。
そこで、改正民法607条の2は、次の2つの場合に、賃借人の修繕権限を認めるルールを設けることにしました。

  • 賃借人が賃貸人に対し修繕が必要であることを通知したにもかかわらず、賃貸人が相当期間内に必要な修繕をしないとき
  • 賃貸人が修繕の必要性を知ったにもかかわらず、相当の期間内に必要な修繕をしないとき
  • 急迫の事情があるとき

この場合の通知の方法について、民法は具体的なルールを定めていませんので、口頭・電話・メールなどいずれの方法でもかまわないと考えることができます。

ただ、後にトラブルになった場合のことを考えると、「まずは口頭などで連絡」をして、それでも家主が(すぐに)修繕に応じてくれない場合には「内容証明郵便」などの通知した日時・内容を客観的に証明できる方法で(再度)通知するべきだと考えられます。
「相当な期間」がどの程度の期間かということは、建物や家具の損傷の程度などの個別事情によって判断されることになります(常識的な範囲で考えればよく、むしろ「○日」と画一的な基準を定めることは適切とはいえません)。
家主に通知することなく修繕できる「急迫な事情」は、個別のケースごとにそれぞれ判断されるものといえます。
たとえば、台風・地震などの自然災害で「窓ガラスが全損した」という場合には、急迫の事情があるといえる場合が多いですが、「小さなヒビがはいった」という程度では「急迫の事情がある」とはいえない場合の方が多いでしょう。

とはいえ、急迫の事情があるといえる場合であっても「何の連絡もなしに賃借人の独断で修繕する」ということは、後のトラブルの原因にもなりかねません。
このような場合でも、「○○が壊れて困っているので急いで修繕したい」と家主(管理会社)に連絡をするという対応が基本といえるでしょう。

(3)修繕費用は誰が負担するのか

修繕費用は、その修繕の義務を負うものが負担することになります。
一般的には、修繕が必要となった原因が、自然災害や通常損耗(老巧化による破損など)による場合には、賃貸人に費用負担義務があります。
この場合に、賃借人が修繕費用を負担していた(業者に支払った場合)場合には、賃貸人に対して費用の償還を求めることができます(民法608条 ※改正による変更はありません)。
それに対し、賃借人の過失が原因となり修繕が必要となった場合(賃借人の落ち度で的ガラスを割ってしまったようなケース)には、修繕費用も賃借人が負担するということになります。

3、賃貸物件を退去する際の原状回復義務

賃貸物件を退去する際の原状回復義務

賃貸物件の賃借人には、契約解除(部屋の退去時)に部屋の状況を原状回復する義務がありますが、これまでの民法では、その費用負担のあり方などについて明文のルールを設けていなかったことから、費用負担に関してトラブルとなるケースも少なくありませんでした。

そこで、今回の民法改正では、この問題についてこれまで蓄積されてきた判例理論を明文化するかたちで、次の2つの場合には、賃借人には原状回復義務がないことを明文のルールとして定めました。

  • 「通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗および賃借物の経年変化」による損傷
  • 賃借人の責めに帰することができない事由による損傷

具体的な基準については、民法改正前から実務上のルールとして採用されている国土交通省が定めたガイドラインが民法改正後もそのまま適用されると考えられます。

以下、参考までに、通常損耗に該当する主なケースを挙げておきます。

  • 家具の設置による床、カーペットのへこみ、設置跡
  • 畳の変色、フローリングの色落ち(日照、建物構造欠陥による雨漏りなどで発生したもの)
  • テレビ、冷蔵庫等の後部壁面の黒ずみ(いわゆる電気ヤケ)
  • 壁等の画鋲、ピン等の穴(下地ボードの張替えは不要な程度のもの)

原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(国土交通省ウェブサイト)

4、敷金についてのルール

敷金についてのルール

日本における建物の賃貸借では、契約締結の際に賃借人が賃貸人に対して「敷金」を差し入れるケースが多いといえます。
この敷金は、賃貸借契約において発生するさまざまな債務を担保する役割を果たすものですが、かつての民法には明文の規定がなかったために、トラブルとなるケースも少なくありませんでした。

そこで、今回の民法改正では、基本的な法律関係を明確にするための条項が設けられることになりました。
そのうち、特に重要なのは次の3点です。

  • 敷金の返還は、物件の引き渡し後に請求可能
  • 賃貸人(家主)は、賃借人が家賃の支払などの債務を履行しないときには、一方的な意思表示によって敷金と相殺することができる
  • 賃借人は、敷金をもって債務の弁済に充てることを主張できない

なお、これらのルールは、すでに判例などを通じて、実務の上では浸透しているルールといえますので、民法改正によって大きく何かが変わるということはありません。

5、改正民法の規定が適用される賃貸借契約

改正民法の規定が適用される賃貸借契約

改正民法によって新たに設けられたルールについては、改正民法の施行日である2020年4月1日以降に締結された賃貸借契約に適用されます。
つまり、それ以前の日(2020年3月31日)までに締結された賃貸借契約は、改正前民法が適用されるという点に注意しておく必要があります。

まとめ

賃貸借契約は、年単位の契約になることが一般的です。

他方、実際の契約の場面では、不動産業者による重要事項説明義務があるとはいえ、その詳細について十分な理解がなされないまま契約が締結されるケースも少なくありません。
特に、「民法のルールとは異なる特約」が設けられているケースでは、慎重に対応する必要があるケースも少なくないと思われます。

わからないことを曖昧なままにしておくと、後に大きなトラブルの原因になる可能性も高いでしょう。
不明な点があるときには、賃貸人や管理会社に早めに問い合わせをするほか、無料相談などを上手に活用して弁護士などの専門家からアドバイスを得ておくことも有効です。

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