債務整理中にカードローンで借り入れした場合のリスクとは

債務整理中カードローン

債務整理中にカードローンで借り入れした場合のリスクについてご紹介します。

借金の返済ができなくなったときには債務整理で解決するのが最も確実といえます。しかし、収入が減ってしまった(なくなってしまった)ことが原因で債務整理した場合などには、債務整理中にお金が足りなくなることもあるかもしれません。

そのような場合に、カードローンを利用することは大変大きなリスクを抱えるので絶対にすべきではありません。

以下では、債務整理中にカードローンで借入れをしたときに発生する4つのリスクなどについて解説していきます。

債務整理の基本に関しては、以下の関連記事をご覧ください。

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1、審査落ちするリスク〜債務整理中にカードローンの申し込みをすると?

審査落ちするリスク〜債務整理中にカードローンの申し込みをすると?

債務整理中に新規にカードローンの申込みをしても、実際にはほとんどのケースで借入れができることはありません。

債務整理中の人が新規にカードローン等を申し込んでも融資の審査に通らないからです。

債務整理を行ったことは、金融機関(銀行・消費者金融・カード会社)が加入している信用情報機関のデータベースに登録されています。これらの情報は、異なる信用情報機関の間でも相互に共有されているので、「銀行の借金を債務整理したことを消費者金融にばれることなく借入れする」ということはできません。

また、カードローンの審査に落ちたことも信用情報に登録される対象となります。したがって、「いくつかのローンに申し込めばどこかからは借りられる」という考え方も基本的には通用しないどころか、同時に申込みをする件数が増えるほど審査落ちリスクも高くなるといえます。

2、債務整理中にカードローンを使用すると依頼した弁護士に辞任されてしまうリスク

債務整理を依頼した弁護士に辞任されてしまうリスク

債務整理の手続中にカードローンで新たに借入れをした場合には、その債務整理を依頼している弁護士に辞任されてしまう可能性があります。

債務整理を弁護士などに依頼する場合には、委任契約を締結し、相互の信頼関係を基礎に手続を任せることになります。債務整理中にカードローン等で新たな借入れをしてしまう(借金をさらに増やしてしまう)ことは、この信頼関係を損ないかねない行為といえます。

したがって、債務整理などを受任した弁護士などが「これ以上受任した業務を続けられない」と判断した場合には、弁護士の方から委任契約の解除(辞任)を申し入れられる可能性が生じます。

なお、依頼人に落ち度があったことで債務整理の依頼が解約された(弁護士に辞任されてしまった)場合には、すでに支払った着手金を返金してもらうこともできません。

3、債務整理中のカードローン使用で債務整理が失敗してしまうリスクも

債務整理が失敗してしまうリスク

債務整理中にカードローン等で新規の借入れをしてしまうと、進行中の債務整理が失敗してしまう可能性も高くなってしまいます。

(1)任意整理の場合

任意整理は、債権者との直接の話し合いによる合意がすべての基礎になります。したがって、理屈の上では、話し合いの相手方である金融機関が「他社からの借入れ」を認めてくれる(黙認してくれる)のであれば、任意整理中でもカードローンなどで借入れできる余地は残されているといえます。

しかし、実際には、自社の借金は減額(将来利息のカット)を求められているのに、「他社からの借入れはきちんと返済される」というのは、普通の債権者であれば不快に感じるものでしょう。そのため、任意整理の交渉中に新規のカードローン借入れが発覚すれば、任意整理の交渉自体が決裂してしまう原因にもなりかねません。

なお、任意整理後のクレジットカードの利用については以下の関連記事をご覧ください。

(2)個人再生の場合

個人再生の手続中(申立てから再生計画認可決定までの期間)にカードローンなどで新規の借入れをしてしまった場合には、裁判所によって再生計画を不認可とする決定が下される可能性が高くなるといえます。

裁判所は、再生計画がきちんと履行される見込みがないと判断する場合には、債権者が再生計画案に同意している場合であっても認可を認めない決定を下すことができるからです。

そもそも、個人再生を申し立てた後には、原則としてどこの金融機関もお金を貸してくれません。個人再生後に貸し付けたお金は、再生計画の履行が終わらないと返済を受けることができないと法律で決められているためです。再生計画の遂行期間は原則3年ですから、貸付から3年経たないと1円も返済を受けられないというわけです。そのような条件で貸付をしてくれる金融機関は皆無といえるでしょう。

(3)自己破産の場合

自己破産手続中の新規の借入れは、借金をしたタイミングによって取り扱いが変わってきます。

基本的には他の債務整理の場合と基本的には免責手続が終わる(免責許可決定がでる)までは借金しない方がよいと考えておくべきでしょう。

①債務整理の依頼をしてから破産手続開始決定まで

自己破産することを前提に弁護士などに債務整理を依頼したときには、その依頼後は一切の借金をすべきではありません。弁護士に自己破産を依頼してから破産手続が開始されるまでにカードローンなどで新規・追加の借入れをしてしまった場合には、そもそも自己破産できなくなってしまう可能性が高くなるからです。

自己破産は、「借金が完済することが不可能」という場合に認められる特別な清算手続です。したがって、最初から完済できない状態にあることをわかった上で借り入れた借金があるときに自己破産を認めることは、債権者の権利を侵害することになりますので公平とはいえません。

また、「最初から自己破産で踏み倒す目的で借入れをした」という場合には、詐欺罪に問われる可能性がありますし、破産詐欺が疑われるため自己破産も認められない可能性があります。

②破産手続開始決定から免責許可決定までの借金

自己破産の手続は、「破産手続開始決定」の時点を基準に債務者(破産者)の負債と財産とを強制的に清算する手続です。

裁判所によって破産手続開始決定が下された後の借金には、自己破産手続の効力は一切生じません。つまり、清算(配当)の対象にもならない代わりに、免責(返済免除)の対象にもならないので、通常の借金と同様に契約に従って返済していくことになります。

したがって、実際に貸してくれる債権者がいるかどうかを別にすれば、破産手続開始決定後であれば新規のカードローンを組むことは、法律上問題ないと考えることもできます。

ただし、自己破産直後に、特別な正当事由もなく新規の借金をすることは、自己破産で債権を失ってしまう債権者に対して非常に不誠実な行為であるともいえます。そのため、裁判所の裁量によって免責を得なければならない場合には、「不誠実な行為をとった」ということが、免責判断にも悪い影響を与える可能性があることに注意しておく必要があるでしょう。

4、債務整理中にお金が足りなくなったらどうすべきか?|カードローンを使用する前に!

債務整理中にお金が足りなくなったらどうすべきか?

債務整理中は新規に借金をすべきではありません。しかし、急な不幸や病気・ケガなどで、やむにやまれない出費が生じたにもかかわらず、手持ちのお金が足りないということもあるかもしれません。

そのような場合にはどのように対応したらよいのでしょうか。

(1)債務整理を依頼している弁護士に報告・相談

このような場合には、まずは債務整理を依頼している弁護士に速やかに報告・相談すべきです。

債務整理を適切に進めていく上では、依頼人の生活状況を正確に把握しておくことはとても重要なことだからです。状況によっては、現在進めている債務整理の方針を変更しなければならないこともあるでしょう。

債務整理に詳しい弁護士であれば、このような状況の場合の対応についても適切なアドバイスをしてくれますし、必要に応じて債権者や裁判所にも理解してもらえるように上手に交渉してもらえます。

他方で、債務整理を依頼した弁護士に相談することなく、新たな借金をつくってしまった場合には、「債務整理を成功させることができなくなった」と判断され債務整理の途中で辞任されてしまう可能性があることは、すでに解説したとおりです。

(2)公的な貸付・支援制度を活用する

お金の借入先は、必ずしも金融機関だけではありません。生活が苦しい状況にある人が急な出費のためのお金に困ったときには、公的な貸付制度や支援制度を活用する方法が考えられます。

公的な支援・貸付制度としては、生活保護が最もよく知られていますが、全国の社会福祉協議会が窓口になっている生活福祉資金を利用することも有効です。

たとえば、緊急の生活費が足りないというときには、緊急小口融資によって10万円を無利子で借りることができます。また、失業中であるような場合には、総合支援資金を利用することで生活再建に必要な資金を借りることができます。

特に、コロナ禍が原因で生活苦の状況に陥ってしまった人の場合には、生活保護・生活福祉資金の利用条件も緩和されていますので、まずはお住まいの地域の社会福祉協議会や自治体窓口に相談してみるとよいでしょう。

【参考】

これらの制度を利用する際にも、弁護士から適宜アドバイスを受けることで申請をスムーズに進めることができます。

まとめ

弁護士に依頼をして債務整理する際には、今後の生活費などについても十分に配慮をして行います。

しかし、コロナ禍のような予測不能な事態が生じたような場合には、突然お金が足りなくなるということも十分考えられるところです。このような場合には、できるだけ早く債務整理を依頼した弁護士に報告・相談の上、最善の対応をとることが大切です。

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