フェイク動画は見抜ける!フェイク動画に惑わされないための4つのポイント

フェイク動画(写真)

「フェイク動画」とはなんでしょうか?

日本テレビで2019年1月から放送された日曜ドラマ「3年A組 ―今から皆さんは、人質です―」で、フェイク動画の問題意識は一気に高まったのではないでしょうか。

現実でも、フェイク動画はさまざまなところで問題となっています。

そこで今回は

  • フェイク動画が問題となった事例
  • フェイク動画の被害に遭わないための注意点
  • フェイク動画の被害に遭ったときの対処法

等について、ご説明したいと思います。ご参考になれば幸いです。

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    1、フェイク動画(写真)が世の中を混乱させる時代が訪れている

    フェイク動画(写真)が世の中を混乱させる時代が訪れている

    (1)軽い気持ちでフェイク動画をSNSで発信

    2019年4月8日、人が刺されたというフェイク動画をTwitter(ツイッター)に投稿、拡散を促したとして会社員ら男女4人が軽犯罪法違反(虚偽申告)の疑いで警視庁に書類送検されました。
    彼らはフェイク動画の作成にとどまらず、インターネットで動画の拡散を意図した呼びかけを行っていました。

    警視庁は実際には存在しない犯罪を申告したとして、書類送検に至ったと話しています。

    (参考)
    「有名になりたかった」殺人フェイク動画を撮影・拡散させた愉快犯の会社員ら男女4人が書類送検される|ニコニコニュース

    (2)広告収入目当てにフェイク動画を載せるケースも

    YouTube(ユーチューブ)に人気アイドルグループ「嵐」の大野さんががんになったと煽るフェイク動画が多数投稿され、ファンを中心に混乱を招く事態が生じました。
    大野さんががんになったというのは事実無根のフェイクニュースであり、大野さん本人はもちろん、大野さんを心配するファンをも翻弄するいたずらです。

    また、YouTubeは投稿した動画に広告を貼ると、広告収入が投稿者に支払われるシステムになっています。
    人気アイドルのフェイクニュースでファンの不安を煽り、再生回数を稼いで広告収入を得ようとしたきわめて悪質なケースと言えるでしょう。

    (参考)
    「嵐・大野智がん闘病」乱立、YouTube“文字動画”フェイクニュースには何が書かれているのか|楽天WOMAN

    (3)ニュースサイトでもフェイク動画が掲載された

    アメリカで昨年4月、前アメリカ大統領のバラク・オバマ氏が現大統領のドナルド・トランプ氏を口汚く罵る動画がニュースサイトに投稿され、話題となりました。

    投稿された動画は後にフェイク動画であることが突き止められましたが、動画はAIを使用した非常に精巧な作りであったため、容易に見抜けない「ディープフェイク」として問題視されています。

    (参考)   ディープフェイク動画の衝撃、AIで作られる「高品質なデマ」|AFP BB NEWS

    2、フェイク動画による「被害」にも気を付ける必要がある

    フェイク動画による「被害」にも気を付ける必要がある

    (1)フェイク動画広告

    フェイク動画は単にいたずらや注目を集めるためだけでなく、「フェイクネット広告」として収入を得る手段にも利用されています。

    最近のフェイク動画の手口として多いのが、芸能人の画像や動画を無断加工し、「ダイエットに効く」とするサプリメント、副業や投資のノウハウなど、あたかも芸能人が宣伝しているかのような広告を作成・投稿するケースです。

    実際に動画投稿者の巧妙な手口により、広告の費用を企業や自治体が負担させられる事案が発生しています。

    (2)フェイクポルノによる被害も

    芸能人や有名人の画像、動画を無断で加工し、フェイクポルノ動画として当人や事務所に送りつけて金銭を要求したり、SNSで虚偽の事実を拡散して評判を落としたりする手口も見られます。

    AI技術を駆使したフェイクポルノは一般の人では見分けることが困難です。
    一度被害に遭った人は「リスト化」され、別の犯罪グループに情報が売られるなど被害も拡大しています。

    万が一、フェイクポルノが送り付けられてきた場合には、勇気を持って無視することが大切です。

    3、ディープフェイクとは

    ディープフェイクとは

    (1)ディープフェイクとは

    先述のバラク・オバマ氏の動画で取り上げた「ディープフェイク」とは、AI(人工知能)など高度な合成技術を用いて作られる、本物と見分けがつかない精巧なフェイク動画を指します。

    AIが可能にする機械学習の手法のひとつ「ディープラーニング」と「フェイク」をミックスした新造語です。

    (2)フェイク動画が社会の脅威に

    ディープフェイクの問題は、本物と錯覚させる精巧な作りだけでなく、拡散されることによって引き起こされる社会への影響です。

    アメリカ議会ではディープフェイクが「社会への影響が無視できない」とするホットイシューとなっており、被害を最小限に食い止めるための法案措置の動きまで出始めています。

    ディープフェイクを見抜くためのAIの研究が進んでいる段階ですが、AIが進化すればディープフェイクもより精巧になる「いたちごっこ」の状況が続いています。

    ディープフェイクに対する最も有効な対策は、見る人のリテラシーや意識を高め、拡散に協力しないことです。

    4、フェイク動画に惑わされないために

    フェイク動画に惑わされないために

    (1)写真の出所、撮影時期をチェック

    フェイク動画は既存の画像や動画を加工・編集して作成されています。

    たとえば架空の交通事故を伝えるフェイク動画があれば、使用されている写真の出処や撮影時期をチェックしてみましょう。
    まったく別の事件・事故の写真が無断転載や加工されている場合があるので、映像の素材からフェイクを見抜くことが可能です。

    (2)他人のコメントを確認

    SNSや動画共有サービスに投稿された動画には、コメントが表示されます。
    コメントの中では、動画の不審な点や間違いを指摘するコメントが見つかる場合があります。
    このようなコメントが複数見つかれば、フェイク動画の可能性を疑って良いでしょう。

    (3)インターネットだけに頼らない

    いわゆる「スマホ世代」と呼ばれる若年層は、インターネットにニュースの情報源を頼る傾向があり、記事のタイトルや見出しで内容を判断してしまいがちです。
    テレビや新聞であれば、情報をフィルタリングしたうえで世の中に発信されていますが、インターネットはルールや管理主体が不明確という問題があります。
    事実を見極めるためにも、インターネット上に公開されている情報だけに頼らず、テレビや新聞なども並行してチェックすることをおすすめします。

    (4)自分で情報の真贋を見極める姿勢を持つことが重要!

    インターネットの普及により、日々大量のニュースが伝えられ、拡散されています。
    ニュースの表層だけを捉えると、フェイク動画をあたかも真実であるかのように受け取ってしまいがちです。
    誤った情報を拡散してしまえば、フェイクが蔓延する一端を担ったことになってしまいます。
    情報の真贋を見極めるには、動画が本物かフェイクか、自分の頭で判断し、見極める姿勢を持つことが重要です。

    5、もしフェイク動画による被害にあった場合には、警察、消費生活センター、弁護士に相談を

    もしフェイク動画による被害にあった場合には、警察、消費生活センター、弁護士に相談を

    万が一、フェイク動画によって高額な商品を購入させられたり、フェイクポルノの被害に遭ったりした場合、どこに相談すれば良いのでしょうか?

    公的機関では次のような相談窓口を開設しています。

    【相談窓口 管理主体 連絡先】

    ・サイバー犯罪相談窓口  

    03-5805-1731(警視庁)

    011-241-9110(北海道)

    052-951-1611(愛知)

    06-6493-1234(大阪)

    092-641-9110(福岡)

    ・フィッシング110番

    警視庁 03-5805-1731

    ・嫌がらせ・ストーカー対策相談室

    探偵興信所一般社団法人 0120-529-333

    ・消費者ホットライン

    国民生活センター 188

    フェイク広告で騙し取られた金銭を取り返したい、フェイクポルノの犯人に慰謝料請求をしたい場合は、弁護士への相談をおすすめします。

    IT分野を得意とする弁護士であれば、次のような対応が可能です。

    • 投稿された動画の削除
    • 犯人の居場所の特定
    • 犯人への慰謝料請求

    フェイク動画によって被害を受けた場合は、信頼できる機関に相談、具体的なアドバイスをもらってアクションを起こしていくことが大切です。

    まとめ

    フェイク動画の被害や対応について解説しました。インターネットの普及により、私たちはさまざまな恩恵を受けています。
    一方で、フェイク動画のように、知らないうちに自身が被害者となるリスクがあることも理解しておかなければなりません。

    万が一、フェイク動画の被害に遭った場合は一人で悩まずに、然るべき機関に相談して具体的な対策を講じましょう。

    ※この記事は公開日時点の法律を元に執筆しています。

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