「これって占い詐欺では?返金してもらえる?」占いにハマって課金をしてみたものの、なかなか確信的なことを占ってもらえず、お金を取られる一方で途方に暮れている人がいるかもしれません。
占いや霊感商法は目に見えない部分を扱うことが多く、悪質な手口でお金を課金させる人や企業が存在しているのは事実です。
もしも占い詐欺に巻き込まれてしまった場合は、返金の申し立てを検討していく必要があります。
そこで今回は、
- 占い詐欺の手口と実際の事例
- 占い詐欺で返金が可能なケース
- 占い詐欺で返金を請求する方法
等について解説します。本記事が、占い詐欺に巻き込まれてしまい返金を検討している方のお役にたてば幸いです。
目次
1、占い詐欺で返金を求めたい方へ~そもそも占い詐欺とは
自分ではどうしたらいいかわからない悩みがあるとき、占いに頼りたくなった経験がある人は多いのではないでしょうか?「解決の糸口がほしい」「誰かに自分の悩みを聞いてほしい」「この先どうなるのか未来のことを教えてほしい」等、占いをしてもらうことでアドバイスや助言が欲しくなることはありますよね。
適切に占ってくれる占い師がたくさんいる中で、実は初めから適切な占いをする気などなくお金を支払わせることしか考えていない悪質な占い師や占い業者も存在します。
占いのサービスを利用すること自体は悪いことではないですが、中には悪質な占い師が存在していることを頭の片隅に置いておきましょう。
2、占い詐欺の手口と実際の事例
詐欺を行うような悪質な占い師が存在すること自体は理解できても、実際どのような手口で詐欺を行うのかを知らないと、無意識のうちに占い詐欺に巻き込まれてしまうおそれがあります。
気づいたときにはかなり高額な金銭を請求される事態にもなりかねませんので、ここでは占詐欺の手口を見ていきましょう。
(1)占いがでたらめ
1つ目の事例は占いがでたらめという手口です。文章を使ったチャット占いを利用している際、全員に同じメッセージをコピペで送っていたり、自分が送った情報とは全く関係ない内容がメッセージで送られてきたりする場合は注意が必要です。
たとえば、独身の女性が彼と今後結婚すべきか占って欲しいとメッセージを送っているのに「夫がいながらの不倫は後に大変なことになります。
まずはこのブレスレットであなたの悪霊を浄化する必要があります。
ブレスレットを24時間以内にご購入ください。」等、話が全く噛み合わない占いをされることが実際に起こっています。
また、占いを利用する人は、自分の個別の悩みを占い師に占ってもらったり解決してもらったりすることを期待するのが一般的です。
しかしながら、以下の参照実例のように、多くの人にあてはまるような内容をコピペで送ったり、大外れの内容が書いてあったりするでたらめの占いも存在しています。
誰にでも同じ内容をコピペで送るのであれば、わざわざ占いを利用する必要はないですし、こちらの参照実例のように課金を煽るかのような文言を用いてくるのは悪質です。
占いの内容をお伝えするというよりも、お金をどんどん請求していくことや高額の商品を購入させることが目的かもしれませんので注意してください。
参照実例:占いサイト口コミ情報.net|【運命の分岐点】本当に詐欺占いサイトですね。
(2)占いを長引かせ、有料サービスに移行する
電話占いやチャット占いでは、占い終了までの時間やメッセージのやりとりが長引けば長引くほどお金がかかる仕組みを採用している占い師(業者)が多いです。
占いを依頼する側としては、少しでもかかるお金をおさえたいと考えるのが通常ですから、なるべく早く占ってもらいたいですよね。
しかしながら、中にはタロットカードのシャッフルタイムをものすごく長く取ることで時間稼ぎをされたり、無言の時間やレスポンスの間が長く、内容とは無関係の部分で時間稼ぎをされたりするケースもあります。
また、占いを長引かせるだけでなく、「初回30分無料」など無料の占いを事前に謳っていたのにもかかわらず「無料の時間では占えない」「無料の占いだけでは御利益がないから有料の占いに移行するべき」などと、有料サービスに誘導してお金をどんどん課金させようとする手口もあります。
以下の参照実例のように、無料でできる範囲で占いをお願いしていても「課金すると半額で送信できる」等の謳い文句で次々と課金に誘導してくるケースもあります。
相談者側としては解決策や結果を聞きたいわけですが、課金の誘導が続き一向に終わる気配がないケースでは、課金目的に占いを長引かせていると判断せざるを得ませんよね。
参照実例:占いサイト口コミ情報.net|【お悩み相談室】これは完全に詐欺です。
(3)高額の商品を購入させられる(霊感商法)
お守りやパワーストーンなどのグッズは、本人が購入したくて購入する分には問題ありません。しかしながら、中には「あなたには悪霊がついているからこの石を身につけないと大変なことになる」「このお札がないとこれから先の10年間でどんどん不幸なことが起きる」等、無理やり高額の商品を誘導する手口もあります。
以下の実例のように、最初の購入品は「開運ブレスレット9,000円」というそこまで高額商品ではない場合でも、その後に先祖供養をしなければならない等の謳い文句を用いて高額のお金を支払わせるような手口もあります。「災いが降りかかる」と言われると、人は冷静な判断ができなくなる場合があるので十分注意してください。
雑誌の広告を見て9千円の開運ブレスレットを購入した。後日その業者から電話があり、「名前を書いてこちらに送れば霊能者が運勢をみる」と言われた。試しに送ってみたところ、「先祖の供養をしたほうがよい。しないと親や子どもに災いが降りかかる」などと言われ、洗脳されたようになって 50万円振り込んでしまった。その後も 祈とうが必要だと言われ、300万円 振り込むように要求された。「誰かに言うと、その人にも災いが起こるので話してはいけない」と言われている
3、占い詐欺で返金が可能なケース
「これって占い詐欺じゃないの!?」という場合、自分が払ったお金を返金してもらいたいですよね。
ちゃんと占ってもらえると思ったからこそお金を払ったにもかかわらず、過剰にお金を請求されたり、無駄なものを購入させられたりすれば、お金を支払ったことに納得できないのも無理はないでしょう。
占い詐欺の場合、以下のケースでは返金請求が可能ですので確認してみてください。
(1)クーリングオフができる場合
占い詐欺で金銭を支払った際、後からクーリングオフをすることによって支払ったお金の返金を請求することが可能です。クーリングオフが適用される場合、一度契約の申し込みや締結をしても、後から理由を問わず、申し込みの撤回や契約の解除をすることができます。
訪問販売、電話勧誘販売、特定継続的役務提供、訪問購入に関しては、8日間のクーリングオフ、連鎖販売取引、業務提供誘引販売取引については20日間のクーリングオフ期間が認められています。いずれも、条件を満たした場合にのみクーリングオフにより返金請求が認められます。
(2)詐欺罪に該当する場合
上記のように占い詐欺でクーリングオフをすることができる場合はありますが、多くの人が利用する占いサイトや占いアプリへの課金についてはクーリングオフの対象とならないことが多いです。
クーリングオフの対象とはならない場合でも、占い師が行ったことが詐欺罪(刑法246条)に該当する場合は返金を請求することが可能な場合があります。
占い師が詐欺行為を行った場合、通常は民事上も不法行為(民法709条)に該当するので、損害賠償請求という形で返金を求めることが可能です。
4、占い詐欺で返金を請求する方法
それでは、占い詐欺に遭ってしまった場合、どのように返金請求をすれば良いのでしょうか?
詐欺に遭ったショックで何もできなくなる人や、気持ちが落ち込んで返金請求の方法を冷静に考えることができない人もいますが、返金請求をできる期間が明確に定められている場合もあります。
返金可能期間が過ぎることのないよう、以下の方法をできる限り早く検討していきましょう。
(1)まずはクーリングオフを検討する
上記のように、クーリングオフできる場合は、早急にクーリングオフ手続きを進めていきましょう。
クーリングオフはいつでもできるわけではなく、8日以内、20日以内など期間が決まっています。
受け取った契約書等にクーリングオフの記載がある場合がほとんどですので、その記載を確認しましょう。クーリングオフは通常、書面または電磁的記録を用いて行います。
書面(ハガキ等)を用いてクーリングオフをする場合、送付の記録が残る方法(特的記録郵便や簡易書留)で送付し、ハガキ等の両面もコピーや写真撮影しておくことをお勧めします。
電磁的記録を用いたクーリングオフの方法が契約書等に記載されている場合は、その方法に従い、メールやフォームへの入力を行いましょう。
(2)振込先銀行に返金を求める
次に、振込先銀行に返金を求めるという方法があります。詐欺に巻き込まれた場合、振り込め詐欺救済法に基づき、詐欺等の犯罪によってお金が振り込まれた口座を金融機関が凍結することを請求することができます。
この口座凍結を求める場合は、一刻も警察に被害届を提出した上で、振込先の金融機関等へ連絡することが必要です。
口座凍結が実際になされても、口座が凍結する前にお金が引き出されていた場合、振り込め詐欺救済法に基づく返金を受けることはできません。一刻でも早く動いていきましょう。
また、金融機関に相談する前に警察へ被害届を出しておくことも大切です。
金融機関に被害届を提示することで、犯罪に巻き込まれたことを理解してもらえたり早急に金融機関に動いてもらえたりする可能性が高まります。
(3)クレジットカード会社に返金を求める
クレジットカードで決済をした場合、クレジットカード会社に返金を求める方法があります。
クレジットカードの利用に関してはチャージバックという制度があり、カードの支払いが犯罪や不正利用等のため、クレジットカード保持者が代金の支払いに同意しない場合、クレジットカード会社が代金の計上を取り消します。
チャージバックが適用されれば、カード保持者は代金の支払いをする必要がありません。
(4)加害者に返金を求める
詐欺による意思表示は原則として取り消すことができます(民法96条1項)。
詐欺による取り消しが認められるためには、①詐欺行為が行われたこと、②詐欺行為により被害者が錯誤に陥ったこと、③錯誤により意思表示がなされたことが必要です。
商品購入やサービスの申し込み等の意思表示が取り消しが認められれば、加害者に返金を請求できることとなります。
5、刑事告訴で返金が可能となることもある!
以上が返金を求める主な方法ですが、占い詐欺をするような人(法人)が簡単に返金に応じる可能性は高くありません。
返金請求をしているにもかかわらず、なかなか返事をしないケースもあるでしょう。
上記「4」の方法で返金が得られなかった場合、以下の刑事告訴をすることも選択肢の一つとなります。
(1)刑事告訴とは
刑事告訴とは、被害者などが捜査機関に対して犯罪事実を申告して、罪を犯した人の処罰を求める意思表示です。
捜査機関に犯罪事実が発覚していない場合、被害者が告訴をすることで捜査機関に捜査が開始することもあります。
(2)刑事告訴する方法
刑事告訴は、捜査機関に告訴状を提出して行うのが通常ですが、告訴状を提出すれば必ず受理されるわけではありません。
現実としては、軽微な事件と判断される場合、告訴状すら受理されないことも多いです。
捜査機関に捜査をしてもらうためにも、告訴状の受理に不安がある方は、事前に弁護士に相談していただくことをおすすめします。告訴状の作成も弁護士に任せることができます。
(3)刑事告訴で返金が得られるケース
刑事告訴が受理され、犯人が検挙されて刑事事件となれば、加害者から示談を持ちかけられる可能性があります。
加害者としても、起訴されたり重い刑事罰を科せられたりするよりは、示談金を支払ってお金で解決することも望む人が多いです。
示談交渉を進めていく中で、示談金の支払いとして返金を期待できることもあるでしょう。
6、占い詐欺に遭ったらすぐ弁護士に相談を
占い詐欺に遭った場合、早急に弁護士に相談をするようにしてください。
詐欺をした占い師の情報が消されてしまう場合もありますし、口座凍結を申請する場合は、加害者がお金を引き出す前に動く必要があります。
時間との勝負になりますので、占い詐欺に気づいたらすぐに弁護士に相談をし、今後やらなければならないことについて早急にアドバイスをもらいましょう。
一人で手続きをすることが心配な場合、弁護士にご依頼いただければ弁護士が代理人として手続きを代行します。
まとめ
「占いをしてほしい」という軽い気持ちで占いを依頼したものの、気づかないうちに有料サービスに誘導されたり高額の商品を購入させられたりするケースは実際に発生しています。
心の悩みにつけこまれお金を取られてしまった場合、ショックで立ち直れないかもしれませんが、返金を請求していく場合は早急に動いていく必要があります。
一人では不安な方はお気軽に弁護士にご相談ください。弁護士にご依頼いただければ、弁護士が一緒になって返金請求に向けて動いていきます。