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反則行為の定義|日大アメフト部事件から見る選手と監督が負う罰とは?

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2018年5月、日本大学アメリカンフットボール部の選手が、関西学院大学アメリカンフットボール部との試合中、悪質なタックルにより相手チームのQB(クオーターバック)を負傷させた事件が世間を賑わせています。

この事件の論点はいろいろありますが、

そもそもスポーツの試合中の反則行為により罪に問われることがあるのか?

という点を疑問に感じる人もいるのではないでしょうか?

ここでは、

  • 主にスポーツで問題となる「反則行為」

について説明します。

反則行為とはどのような行為かをふまえ、日大アメフト部事件における選手や監督・コーチの責任について考えてみます。

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1、反則行為とは?

(1)反則行為の定義

反則行為とは、簡単にいうと、ルールを破る行為になります。

反則行為をすれば、何らかの罰則や制裁を受けることになるのが通常です。

反則行為が問題となることが多いのは、やはりスポーツの世界です。

スポーツの世界では、各競技において、どのような行為が反則となるのかが定められています。

その他に、法律などの規範に違反した場合にも、反則と言われることがあります。

代表的なのは、道路交通法における反則行為になります。

(2)スポーツにおける反則行為の例

①アメフト

アメフトは激しいスポーツですから、相手とぶつかり合うような場面も多くなります。

しかし、アメフトでも、相手にケガをさせてしまうような危険な行為は反則となります。

アメフトで反則となる危険行為には、次のようなものがあります。

  • トリッピング…足を使って、相手の足をわざと引っかけて妨害する反則になります。
  • クリッピング…相手に背後から接触し、腰から下をブロックする反則のことです。
  • インターフェア…ボールをキャッチしようとしている相手に対する妨害行為になります。
  • フェイスマスク…相手のフェイスマスクをつかんで、引っ張るなどする行為になります。

②柔道

柔道も格闘技の一つですから、危険な行為で反則行為とされることがあります。

柔道の反則行為としては、蟹ばさみ、河津掛、足がらみ、胴絞めといったものがあり、これらの行為は禁止技とされています。

また、当て身技を行った場合、髪や体を掴んだ場合なども反則行為となります。

③大相撲

大相撲でも、いろいろな反則行為があります。

たとえば、大相撲では、まげやまげ以外の頭髪をつかむと反則行為となります。

のどをつかんだり、胸・腹を蹴ったりしても反則とされます。

④ボクシング

ボクシングの反則行為には、ローブロー、ピポットブロー、ラビットパンチ、バッティングなどがあります。

なお、ボクシングにおいては、故意による反則行為とそうでない反則行為とで裁定が分かれています。

(3)道路交通法における反則行為の例

車を運転する人なら、道路交通法違反で反則となり、反則金が生じることがあることをご存じだと思います。

日本では、道路交通法違反があった場合の処理として、交通反則通告制度が設けられています。

交通反則通告制度とは、道路交通法に定められた反則行為をした人が、一定期日までに法律に定められた反則金を納付することにより、刑事処分を免れることができる制度です。

道路交通法における反則行為の例として、次のようなものがあります。

  • 速度超過
  • 積載物重量制限超過
  • 信号無視
  • 整備不良制動装置等
  • 整備不良尾灯等、
  • しゃ断踏切立入り
  • 通行区分違反
  • 高速自動車国道等車間距離不保持違反
  • 追越し違反
  • 踏切不停止等違反
  • 交差点安全進行義務違反
  • 横断歩行者等妨害等違反など

2、日大アメフト部の事件から見る反則行為をした選手と監督が受ける可能性がある罰

(1)傷害罪・暴行罪

①傷害罪・暴行罪が成立する要件

刑法では、傷害罪、暴行罪について、次のように規定されています。

【傷害罪】

人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する(204条)

【暴行罪】

暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する(208条)

スポーツにおいて危険な反則行為をした場合には、傷害罪や暴行罪に該当し、刑事責任が発生する可能性があります

傷害罪も暴行罪も、相手を殴るなどして暴行した場合に成立します。

暴行の結果相手がケガをしたら傷害罪になり、ケガをするに至らなかった場合には暴行罪となります。

なお、犯罪が成立するためには、過失犯が定められている犯罪を除き、犯罪の故意が必要になります。

ただし、傷害罪が成立するためには、わざとケガをさせてやろうという傷害の故意までは必要ありません。

暴行してやろうという暴行の故意があり、暴行によってケガをするに至った場合には、傷害罪が成立することになります。

日大アメフト部事件では、被害者は全治3週間のケガを負いました。

加害選手は、仮にケガをさせてやろうと思っていなくても、暴行する意思をもってタックルしたのであれば、傷害罪が成立する可能性があります。

②共犯者について

暴行が指示による場合には、指示した者も「共謀共同正犯」として傷害罪に問われる可能性があります。

共謀共同正犯とは、犯罪を共謀したけれど、自ら実行はしなかった場合をいいます。

日大アメフト部員の悪質タックルが監督やコーチの指示によるものであったなら、監督やコーチも傷害罪に問われる可能性があるということです。

また、犯行をそそのかしたとして、「教唆犯」とされる可能性もあります。

(2)損害賠償の支払い

スポーツの反則行為により、民事上の損害賠償責任が発生することもあります。

民法には、

「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」(709条)

という不法行為による損害賠償の規定があります。

反則行為を行った選手が、わざとケガをさせたり、過失によりケガをさせたりしたと認められる場合には、不法行為による損害賠償責任が生じることになります。

過去の裁判例でも、スポーツの試合中他の選手にケガをさせた事案で、民事上の損害賠償責任が認められたケースがあります。

社会人サッカーの試合で、スライディングをして相手を骨折させた選手に対して、平成28年12月、東京地裁は過失を認め、損害賠償を命じる判決を出しています。

日大アメフト部のケースでも、危険なタックルをした選手や監督・コーチは、民事上の損害賠償責任を問われる可能性があります。

(3)社会的制裁

スポーツにおいて危険な反則行為をしたことが表沙汰になれば、社会的制裁を受けることにもなってしまいます。

出場停止や厳重注意処分で済めばまだマシな方で、仕事ができなくなったり、役職を解任されたりすることもあります。

日大アメフト部のケースでは、監督であった者は監督及び大学常務理事の双方を辞任、コーチも同様となりました。

3、試合中に起きた反則行為が暴行罪や傷害罪に該当するかの判断ポイント

(1)正当行為なら刑事責任は生じない

競技中他人に対して暴行を加えることで、刑事責任が生じるかどうかは、その行為が「正当行為」であるかどうかによります。

刑法では、

「法令又は正当な業務による行為は、罰しない」(35条)

と定められています。

つまり、暴行を働いたことに正当な理由があれば、暴行罪や傷害罪に該当することはないということです。

(2)反則行為は正当行為とは言えない

スポーツにおける反則行為は、ルールで認められていない行為です。

相手に暴行を加える形の反則行為を行った場合、それを正当行為ということはできません。

つまり、スポーツにおける反則行為でも、暴行罪や傷害罪となる可能性があります。

(3)反則行為で逮捕されるか

スポーツの反則行為が暴行罪や傷害罪となり刑事責任が発生する場合でも、必ず逮捕されるとは限りません。

しかし、反則行為が悪質な場合には、逮捕されることはあり得ます

4、スポーツの反則行為により逮捕された事例とそうでない事例

(1)逮捕された事例

スポーツの競技中でも、悪質な反則行為があれば逮捕される可能性はあります。

しかし、実際に逮捕に至ったケースはそれほどありません。

近年の逮捕事例としては、2012年に起こった元フットサル日本代表選手の逮捕事件があります。

【元フットサル日本代表逮捕】

2012年、奈良県において、フットサルの試合中、元日本代表選手が相手チームの選手の首を蹴り上げ、ケガをさせたとして現行犯逮捕されました。

元日本代表選手は、相手チームの選手を転倒させたことで審判からレッドカードを出され、そのことに腹を立てて転倒している相手チームの選手の首を1回蹴ったとのことでした。

警察は元日本代表選手の行為を悪質と判断し、転倒させられた選手にも被害申告の意思があったことから、逮捕に至りました。

(2)反則行為をしたが逮捕されなかった事例

競技中反則行為を行ったにもかかわらず逮捕されなかった事例として、国外になりますが、サッカーのウルグアイ代表ルイス・スアレス選手の噛みつき事件があります。

2014年のワールドカップでのイタリア対ウルグアイ戦で、スアレス選手はイタリア代表のジョルジョ・キエッリーニ選手の肩に噛みつき、FIFAより9試合出場停止、4か月間サッカー活動禁止という裁定を受けました。

スアレス選手は、2010年に相手チームの選手に噛みつき7試合出場停止処分を受けているほか、2013年にも相手チームの選手に噛みつき10試合出場停止処分を受けています。

しかし、スアレス選手の噛みつきに関しては、刑事責任は追及されておらず、逮捕もされていません。

まとめ

スポーツにおいて危険な反則行為を行った場合、傷害罪や暴行罪に該当し、刑事責任が発生することもあり得ます

刑事責任を問われる場合には、逮捕・起訴され、刑事罰を受ける可能性もあります。

また、反則行為により相手に損害を与えた場合には、民事上の損害賠償責任も発生します。

スポーツの反則行為は違法行為となり、様々な責任を負ってしまうことがあります。

スポーツだから何をしてもOKというわけではありません。

反則行為により加害者となって処分を受けることのないよう注意しておきましょう。

また、被害者となってしまった場合に備えて、加害者に対する責任追及についても知っておきましょう。

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