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婚姻費用分担請求調停に関して知っておくべき6つのこと

婚姻費用 調停

婚姻費用についての調停をお考えでしょうか?

夫や妻が浮気した、などの理由で別居に至ることもあるでしょう。

別居に備えてあらかじめヘソクリなどを貯めていたのであれば心配ないかもしれませんが、そうでないような場合には生活費の確保に困るのではないでしょうか。子どもがいるような場合にはなおさらでしょう。

このように別居等によって生活費が必要になった場合、夫婦には互いに相手方の生活費を支払う義務があります。これを婚姻費用分担義務といいます。

話し合いで婚姻費用を支払ってもらえれば一番ですが、そうもいかないでしょう。

そこで今回は、ベリーベスト法律事務所の弁護士監修の上で、

  • 婚姻費用とは?
  • 婚姻費用分担請求調停の申し立て方法・手続きは?
  • 婚姻費用分担請求調停の申し立てにかかる費用は

など、家庭裁判所の調停を利用することで婚姻費用を獲得する方法についてお伝えしていきます。

ご参考頂ければ幸いです。

婚姻費用分担請求については以下の関連記事をご覧ください。

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1、婚姻費用分担請求調停について知る前に!婚姻費用とは?

そもそも婚姻費用とは、別居中の夫婦の生活費や養育費などの婚姻生活を維持するために必要な費用のことです。

具体的にどのような費用が婚姻費用に含まれるかというと以下の通りです。

  • 日常の衣食住に使う費用
  • 医療費
  • 子どもの養育費
  • 子どもの教育費
  • 一般的に必要だと考えられる交際費
  • 一般的に必要だと考えられる娯楽費

2、婚姻費用はいくらもらえる?

(1)話し合いで自由に決めることができる

婚姻費用は、法律上明確に金額が決まっているものではありません。よって夫婦の話し合いで自由に決めることができます。

(2)婚姻費用の金額を決定するにあたっては婚姻費用算定表が参考にされている

基本的に話し合いで自由に決める事ができる婚姻費用ですが、実際には裁判所も利用する「婚姻費用算定表」を基準に話し合いが進められることが多いようです。

これは、婚姻費用の分担請求調停でも同様です。

婚姻費用算定表を利用した婚姻費用の計算方法については「別居時の婚姻費用の計算ツール|正しい計算方法も教えます」をご参照下さい。

3、婚姻費用の分担請求調停の申し立て方法について

話し合いで適正な婚姻費用を支払ってもらえるにこしたことはありませんが、なかなか思い通りにいかないこともあるでしょう。そんな時に婚姻費用を獲得するための有効な手段として、婚姻費用の分担請求調停というものがあります。

(1)申立てに必要な書類

婚姻費用の分担請求調停の申立てにおける必要書類は以下の通りです。

  • 婚姻費用の分担請求調停の申立書
  • 夫婦の戸籍謄本
  • 申立人の収入関係の資料(源泉徴収票、確定申告書、給与明細等)
  • (もし持っていれば)相手方の収入関係の書類

(2)申立書の書き方

では、実際に申立書の作成を進めていきましょう。
まずは雛形をダウンロードしましょう。雛形は裁判所のホームページからダウンロード頂けます。

婚姻費用分担請求調停の申立書のダウンロードはこちら

では、具体的に書いていきましょう。

①申立先家庭裁判所と申立日の欄

まずは申立先の家庭裁判所名と申立て日を記載しましょう。

②申立人の記名押印の欄

あなたの名前を記載し、押印して下さい。

③申立人の氏名・住所の欄

家庭裁判所から期日指定書など書面が届くことがあるので、住所を記載しましょう。

④相手方の氏名・住所の欄

裁判所から相手方に申立書のコピーなどが送られるので、

⑤未成年の子の欄

子どもがいる場合に現在の状況を書く欄です。まず、現在申立人と相手のいずれと同居しているのかをチェックしましょう。その上で、名前と生年月日を全員分書いていきましょう。

⑥申立ての趣旨の欄

この欄では、婚姻費用としていくらを請求するのかを記載します。
まず、順に「申立人」「相手方」「調停」をチェックしましょう。
その上で1〜3のうち1に毎月請求する金額を書きましょう。

金額については、「別居時の婚姻費用の計算ツール|正しい計算方法も教えます」を参考に適正な婚姻費用を計算して下さい。

⑦申立ての理由の欄

次に「申立ての理由」を記載します。ここには婚姻費用の請求に至るまでの事実関係について記載します。

まずは同居を開始した日を書きましょう。もし、明確な日付が分からなければおおよその日付でもよいでしょう。その隣に別居した日を書きましょう。明確な日付が分からなければ分かる範囲で記載しましょう。

次に、夫婦間で婚姻費用に関する取り決めがあったかについて記載します。そのような取り決めがないケースが多いようですが、もしある場合には、把握している範囲で書きましょう。

(3)申立書の内容をチェック

最後に、以上の内容で問題ないか再度ご確認頂くために、裁判所の記載例をご参考下さい。

婚姻費用分担請求調停の申立書の記載例のダウンロードはこちら

4、婚姻費用の分担請求調停の申立てにかかる費用

自分で婚姻費用の分担調停をする場合、申立てにかかる費用は以下の通りです。

(1)収入印紙代 1,200円

離婚調停を申立てるには収入印紙というものを購入して家庭裁判所に提出します。
収入印紙は、郵便局やコンビニで買うことができます。

(2)切手代 (家庭裁判所により異なるが)800円前後

調停を申立てた場合、相手側に書類を郵送する必要から切手代を裁判所に提出することになります。
金額は800円前後となります。

5、婚姻費用分担請求調停の流れ

次は婚姻費用分担請求調停の流れについてみていきましょう。
以下流れで進んでいきます。

(1)申立てから1回目の調停まで

申立てをすると、第1回の調停期日の日が記載された呼出状が申立人と相手方の住居に届きます。呼出状が届くのは申立てから2週間ほど経過したタイミングです。

第1回の調停の期日は申立てから1ヶ月後あたりです。

(2)1回目の婚姻費用分担請求調停

第1回の調停では、申立人と相手方の収入を把握する必要から、源泉徴収票や直近3ヶ月分程度の給与明細の持参を要求されるでしょう。もし提出するように言われている場合には、忘れずに持っていきましょう。また、遅刻しないように余裕をもって出かけましょう。

調停は以下の流れで進んでいきます。

①調停室で待機

家庭裁判所に到着すると待合室で待機することとなります。この時、待合室は夫婦別々でばったり会ったりしないように配慮されます。

②調停室へ呼び出し

待っていると、調停室に呼び出されます。
基本的には、申立人が先に呼び出されることとなります。調停室には、男女1名ずつの調停委員と場合によっては、裁判官や書記官がいます。まず、調停の進め方などについて説明があるでしょう。

その後はいよいよ本題です。婚姻費用請求調停を申立てた経緯について聞かれるでしょう。
質問に対してはきちんと事実を伝えましょう。この時間は30分ほどで、一通り聞かれると調停室を出て待合室に戻ることとなります。

③次に相手方が調停室へ呼び出される

調停室へ戻ると、次は相手が調停室に呼び出されて同じように30分ほど事情を聞かれます。
この時、調停委員は相手方の主張を聞くことが多いでしょう。その際に、申立人の主張も伝えられます。一通り聞かれると調停室から待合室に戻ることとなります。

④また調停室へ

相手方の番が終わると、また調停室へ呼ばれることとなります。また時間としては30分ほどです。
この時、相手の主張を聞かされるでしょう。その上で、婚姻費用算定表を見せられて、適正な金額を提示されます。基本的には、算定表に基づいて合意案を提示してくれるようです。

⑤今度は相手方が調停室へ

申立人にて調停委員らとの2回目のやり取りが終わると、次はまた相手方が調停室へ呼ばれます。
相手方へも婚姻費用算定表に基づいて適正な合意額が提示されることとなります。

⑥第1回の調停終了

もし、調停委員の提示した金額で合意に至れば調停は終了となります。夫婦関係調停調停の場合と異なり、婚姻費用の分担請求調停の場合には1回で終わることも少なくありません。

これに対して、金額面での合意に至らなかった場合には2回目の調停が行われることとなります。

(3)第2回目の調停以降の流れ

第2回目以降の調停についても、ほぼ第1回と同様の流れで進みます。
以後、合意に至るまで行われます。

(4)調停が成立した場合

調停が成立すると、調停案が作成されます。内容に問題なければその後1〜2週間で調停調書が郵送されます。調停調書があると、後に相手方が婚姻費用を支払ってくれないという事態になっても強制執行することができます。これにより、貯金や給料を差し押さえることができるので、継続的に婚姻費用を支払ってもらうことができます。

(5)調停が不成立となった場合

一方、調停が不成立となった場合には自動的に審判に移行するケースが多いです。
審判では、裁判所が調停に提出された資料などを総合的に判断して婚姻費用を決定します。

6、婚姻費用はいつからいつまでもらえる?

まず婚姻費用はいつからもらえるかというと、婚姻費用は「請求したとき」からとなります。ですので、別居したらすぐに請求するべきでしょう。

一方、婚姻費用は「離婚するまで」もしくは「再度同居するまで」もらうことができます。

まとめ

今回は婚姻費用分担調停での婚姻費用の獲得の方法について書いていきましたがいかがでしたでしょうか?ご参考頂き、確実に生活費を確保してもらえれば嬉しいです。

※この記事は公開日時点の法律を元に執筆しています。

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