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婚姻費用地獄からの脱出方法:支払トラブルと生活苦を回避する!

別居中の婚姻費用の支払いで婚姻費用地獄に〜生活苦を回避する方法

夫婦間には相互に協力し支え合う義務(互助の原則)が存在し、別居状態でも生活に必要な費用として「婚姻費用」が別居した配偶者に請求されることがあります。

別居状態が長期にわたり、配偶者が離婚に応じず、婚姻費用を支払い続けることで経済的な困難に直面する人々が増加しています。

このような状況で、婚姻費用の計算方法や減額の手法、滞納や延滞に対処する方法、さらに税金に関する問題まで、婚姻費用に関する幅広い知識を習得することが重要です。

そうしないと、婚姻費用の支払いによって生活が苦しくなり、婚姻費用地獄に陥る可能性があります。

この記事では、以下のテーマについて解説します。

・婚姻費用地獄を脱する方法
・高額な婚姻費用を削減する戦略
・根本的な問題解決のアプローチ

これらの情報を参考にし、婚姻費用地獄からの脱出をサポートする手助けとなれば幸いです。

婚姻費用分担請求については以下の関連記事をご覧ください。

弁護士相談に不安がある方!こちらをご覧ください。

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1、婚姻費用地獄がツライ!SNS【掲示板】でのエピソード3選

婚姻費用地獄に悩んでいる方は非常に多いものです。

そこで、SNSやネット掲示板などで公開されているもの実際の婚姻費用地獄に陥ったエピソードをご紹介します。

どんな経緯でどのような婚姻費用地獄に陥ってしまっているのかみていきましょう。

(1)闘病中に毎月9万支払いで赤字

うつ病になり仕事を休職して入院している間に妻に離婚を言い渡され、妻は子供二人を連れて出て行きました。

まずは別居するとのことで婚姻費用分担請求調停により毎月9万円の支払いが決まりました。

退院後は1ヵ月で体調を崩して再入院することになり、退院後傷病手当を貰って働けないまま9万円を払い続けてしまっているようです。

参考:Twitter

(2)子供にも会えず婚姻費用のせいで自己破産へ

こちらの方は妻が子供を連れ去って別居になり、子供に会えない苦しみなどから精神が崩壊して仕事は退職に追い込まれました。

そして、婚姻費用請求されたものの支払えずに財産は差押えられ、最終的には生活苦で自己破産申請をするまでに。

最終的には財産も親権も全て奪われ、面会交流も叶わずに子供たちにも会えないまま裁判離婚で離婚が成立しました。

しかし今も当時のことがフラッシュバックして苦しめられているようです。

参考:Twitter

(3)家賃と婚姻費用の支払いで生活苦

こちらの方は性格の不一致により配偶者(妻)と別居しました。

配偶者は1歳半の子供を連れて実家に帰り、自分はそのまま家族で住んでいた家に一人暮らし。

年収400万円で手取り月20万円、家賃は7万5千円で婚姻費用の請求は毎月8万6千円となり、手取り20万円の内、家賃と婚姻費用で毎月16万円が飛ぶため月4万円での生活を余儀なくされたそうです。

そこから

  • スマホ代
  • 光熱費
  • 食費
  • 交通費
  • その他税金

などを賄うことになりました。

参考:ネット掲示板

2、婚姻費用地獄がキツイ人がとるべき手段

婚姻費用の支払いが続くことで生活が厳しくなって婚姻費用地獄に陥ってしまうような場合、勝手に支払いを止めてしまおうかと考える方もいるでしょう。

しかし、相手への合意なしに支払いを止めてしまえば法的手段を取られてしまう可能性があります。婚姻費用地獄がつらい場合には次の方法を検討しましょう。

  • 離婚
  • 復縁
  • 婚姻費用減額請求

(1)離婚

婚姻費用は婚姻生活が続くことで発生するため、離婚をすれば支払わなくて済むようになります。

ただし、子供がいる場合には離婚することで養育費の支払いが発生する場合があります。

婚姻費用を支払うことに比較すれば、毎月の養育費の方が金額は低くなることが一般的です。

離婚は相手に法定離婚事由があれば、相手が離婚に合意しなくても裁判で離婚を成立させることができます。相手に法定離婚事由がなければ協議で離婚を進めることになるので、双方の合意が必要になります。

相手が経済的理由などから離婚を拒んでいるのであれば、

  • 財産分与
  • 慰謝料

などで決着する方が婚姻費用を支払い続けるよりも得策の場合もあるので一度弁護士などの専門家に相談してみることをおすすめします。

なお、ご自身が有責配偶者(離婚の原因を生み出したことに対して責任のある配偶者、浮気など)の場合は、協議で合意に至らない場合に離婚請求しても裁判では認められません。

しかしもしも相手が有責の証拠(有責配偶者が浮気をしたことを示す証拠など)を持っていない場合であれば、離婚請求が通る可能性もあります。この場合も財産分与や慰謝料などで離婚の交渉をすることもできるため、離婚を進めたい場合には弁護士に相談してみましょう。

(2)復縁

復縁して同居を再開すれば、別途で婚姻費用を支払う必要はなくなります。
互いに離婚をする気がないのであれば、別居して婚姻費用を支払い続けることは無駄な出費になってしまいます。

しかし、復縁しても理想通りの関係や生活になるとは限らないので注意が必要です。一度は別居して離婚なども考えた相手なので、円満な夫婦生活に戻ることは簡単ではありません。

夫婦関係の再構築のコツについて詳しく知りたい人は、以下の関連記事を確認してみてください。

(3)婚姻費用減額請求

離婚も復縁も今のところは考えていない場合や、離婚が成立するまでにまだ時間がかかるという場合には、婚姻費用の減額請求を行うという手段もあります。

一度決めた婚姻費用であったとしても、状況によっては減額が認められることがあるのです。

婚姻費用が高額で支払いが困難になっている場合には、減額請求について検討してみましょう。

婚姻費用の減額請求については、次の章で詳しく解説していきます。 

3、地獄の高額婚姻費用を減額する方法

あなたが有責配偶者であったとしても、離婚請求は通らなくても婚姻費用の減額を請求することはできます。

離婚できずに高額な婚姻費用を払い続けて婚姻費用地獄に陥る前に、婚姻費用の減額交渉を検討してみましょう。

ここでは、婚姻費用を減額するためのポイントや手順を以下の通りご紹介します。

  • 婚姻費用の減額要因
  • 婚姻費用を減額できる具体的ケース
  • 婚姻費用を減額できない具体的ケース
  • 婚姻費用を減額する手順

(1)婚姻費用の減額要因

婚姻費用の減額は当事者同士の協議で交渉を行うことになりますが、協議で合意を得られない場合には調停(調停委員が介入して双方の意見を調整し話し合いで合意を目指す手続き)に移行します。

調停になれば、一定の条件を満たしていなければ減額請求は認められない可能性が高いです。

婚姻費用を変更するための要因は、「協議又は審判があった後に事情に変更を生じたとき」であることが民法第880条に定められています。

つまり、婚姻費用の合意から事情の変更があり、婚姻費用の金額を変更することが相当であると認められた場合に婚姻費用の減額が成立すると考えられます。

(2)婚姻費用を減額できる具体的ケース

婚姻費用の協議や審判の後から事情に変更があり、婚姻費用を減額することが相当であると判断されるような場合であれば減額される可能性があります。

婚姻費用の減額が認められるケースは、次のようなケースです。

①給料が減ってしまった場合

婚姻費用の取り決めを行った時よりも、義務者(婚姻費用を支払う側)の給料が減ってしまった場合には減額が認められる可能性があります。

ただし、勤務先の業績悪化などで大幅に給料が減ってしまった場合には認められる可能性がありますが、意図的に収入を減らしたような場合には減額は認められません。

また、給料が減ったといっても少額であれば認められず、生活水準が変わるほど大きく変動があった場合に限られます。

具体的には以下で紹介する

  • リストラにあった
  • ケガや病気で収入が減少した

などのケースが該当します。

②リストラにあってしまった場合

リストラされてしまい、離職せざるを得ない状況になってしまった場合には収入源がなくなってしまうため減額が認められる可能性があります。

しかし、

  • 勤務先の事業縮小
  • 倒産

などやむを得ない事情に限られます。

部署異動などを行えば辞める必要がなかった場合など、離職せずに済む手段があった場合には、減額は認められない可能性もあります。

③ケガや病気で治療が必要な場合

ケガや病気になってしまい、治療が必要になるため仕事を休職しなければならないような場合には減額が認められる可能性があります。

ただし数週間の休職ではなく、長期的な治療が必要で相当な減収が見込まれる場合が該当します。

(3)婚姻費用を減額できない具体的ケース

婚姻費用の減額を請求しても、請求が認められない場合もあります。

婚姻費用の減額が認められない具体的なケースは次の通りです。

  • 給料や資産の減少にやむを得ない事情がなかった場合
  • 子どもに会わせてくれないという理由による婚姻費用の減額請求
  • 相手が生活費に困っていないという理由による婚姻費用の減額請求

①給料や資産の減少にやむを得ない事情がなかった場合

前述の通り義務者の給料や資産が大幅に減少すれば減額が認められることもあります。

しかし、給料や資産の減少にはやむを得ない事情があった場合には減額が認められますが、義務者の努力で回避できたと判断されるような場合には減額は認められません。

実際に大阪高裁平成22年3月3日の審判では、歯科医の夫が勤務先の病院を退職して収入が減少したことを理由に婚姻費用の減額を申立てていますが、退職理由がやむを得なかったものか明らかにする証拠がなく、仮に退職がやむを得なかったとしても資格や経験からみて同等の収入を得られる能力があると判断されて減額は認められませんでした。

つまり、給料や資産の減少にやむを得ない事情があったことが証明でき、金額を変更する必要性があると判断されるような事情がなければなりません。

参考:大阪高裁平成22年3月3日決定(家庭裁判月報62巻11号96頁)

②子どもに会わせてくれないという理由による婚姻費用の減額請求

権利者(婚姻費用を受け取る側)が子供を連れて家を出て行った場合、子供に会わせてくれないようなケースもあるでしょう。

しかし、子供に会わせてくれないからという理由で減額を請求することは出来ません。

婚姻費用とは夫婦や子供が生活を維持するために必要な生活費であり、その費用は夫婦が収入能力に応じで負担することが義務付けられています。

そして、親には未成年の子供を扶養する義務もあるため、会えないという理由では減額請求しても認められることはありません

③相手が生活費に困っていないという理由による婚姻費用の減額請求

権利者が実家に身を寄せている場合、

  • 住居
  • 食費
  • 生活消耗品

などは実家からの援助を受けることになるため生活費には困っていないと考えることもあると思われます。

しかし、実家に戻っているから生活費に困っていないだろうという理由では減額請求は認められません。

なぜならば、実家に権利者が身を寄せて受けられる住居や生活などの支援は実家からの援助(贈与)であると考えられるからです。

そのため、婚姻費用の分担額に影響することはなく、減額は認められないでしょう。

(4)婚姻費用を減額する手順

婚姻費用の減額を請求する場合、次のような手順で請求を行います。

  • 交渉
  • 婚姻費用減額請求調停

① 交渉する

婚姻費用の減額請求を行う最初の段階は、当事者同士の協議です。

相手に事情の変更(収入が減ったなど)があった旨を伝えて納得してもらえるように交渉します。

相手が減額に合意した場合には、再度合意書の作成を行います。

また、弁護士に依頼すれば交渉を任せることができ、当事者同士で交渉を行うよりもスムーズに話し合いが進みやすくなります。

② 婚姻費用減額請求調停

協議で合意を得られなかった場合には、家庭裁判所の婚姻費用減額請求調停を利用することになります。

調停員によって意見調整が行われますが、調停でも合意に至らない場合には審判へ移行します。

審判へ移行すれば何らかの結果は確実に得られますが、問題解決までに時間を要してしまうため、協議で合意を得られるように交渉することが重要になると言えます。

4、婚姻費用地獄から解放されるための根本的解決策とは

婚姻費用地獄から解放されるには、婚姻費用の減額交渉を行うことだけではなく根本的な部分から解決を目指す必要があります。

根本的解決策は次の通りです。

  • 夫婦関係の破綻原因を特定する
  • 配偶者の気持ちを否定しているうちは解決できない

(1)夫婦関係の破綻原因を特定する

婚姻費用のトラブルを抱える人は、事実上夫婦関係が破綻しているケースが多いです。

夫婦関係が破綻しているからこそ相手は高額な婚姻費用を請求し、あなたも婚姻費用を支払いたくないと考えてしまうのです。

例えば

  • 夫婦関係が破綻した時期
  • 理由
  • これまでの生活状況

などを紐解きながら夫婦関係の破綻原因を解明していきましょう。

夫婦関係を再構築できる余地があれば、話し合いを進めてみましょう。修復が難しいのであれば離婚準備を進めることになります。

(2)配偶者の気持ちを否定しているうちは解決できない

別居している場合「自分は何も悪いことをしているつもりはないのに、相手が勝手に出て行った」と考えている方もいるでしょう。

この場合、配偶者の気持ちを否定していて自分のことしか考えられていない状態です。

配偶者の言い分を聞いて理解しようと努めない限りは問題の根本解決は難しく、夫婦関係の修復は難しいと言えます。相手の気持ちを否定せずに受け入れることから始めてみてください。

5、知っておくべき!別居でも婚姻費用を払わなくてもいいケース

別居をすれば婚姻費用における居住費の分担が行われますが、義務者(婚姻費用を支払う側)は年収が高い方の配偶者になります。

減額交渉を行う前に、婚姻費用を支払わなくてもいいケースに該当しないかどうか確認してみてください。

(1)配偶者の方が年収が高い

婚姻費用の取り決めを行った後に配偶者が仕事を始め、収入が増えているというケースも少なくありません。

パートやアルバイトなどで収入が少ない場合には婚姻費用の減額が認められないこともありますが、正社員などで一定の年収を得ているような場合には

  • 減額
  • もしくは支払う必要がない

などのケースに該当する可能性があります。

また、配偶者の方が年収が高くなっているというような場合には、相手に婚姻費用を支払う必要はなくなる場合があります。

そのため、別居後の相手の生活環境の変化は常に確認しておくべきと言えます。

(2)自身の収入が不安定(無職を含む)

リストラや病気・ケガによる長期休職などにより、ご自身の収入が不安定になってしまうようなケースもあるでしょう。

相手に安定した収入があるのであれば婚姻費用を支払う必要はなくなります。

ただし、婚姻費用の減額を目的としてわざと年収を下げたような場合には認められません。

裁判では、稼働能力(働くための能力)があるのかどうかが見られることになります。

本来であれば働いて安定した収入を得ることができるにも関わらずそれを活かしていないだけなのかどうかが見極められるということです。

6、婚姻費用の支払地獄から抜け出したいなら弁護士に相談を

婚姻費用地獄に陥っている方は、婚姻費用の取り決めを行った際に拒むことが出来ない状況になっていたと考えられます。

配偶者に弁護士がついていたため、直接の話し合いを拒まれて弁護士の言いなりになるしかなかったというケースも珍しくありません。

そのような場合には、あなた側も弁護士に依頼して交渉へと持ち込むべきだと言えます。

本来よりも高額な婚姻費用の請求が行われている可能性があるため、まずは弁護士に相談してみましょう。初回相談は無料の法律事務所も多いので、まずはご自身の状況などを説明してアドバイスを聞いてみてください。

まとめ

相手が離婚に応じてくれない場合には婚姻費用を支払い続けることになり、婚姻費用地獄に陥ってしまいます。

有責配偶者からは離婚を請求することはできませんが、相手に破綻原因があれば離婚請求は可能です。

離婚をしない場合でも婚姻費用の減額交渉によって現在よりも支払金額を減額できる可能性があるので、まずは専門家である弁護士に相談してみましょう。

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