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残業代を1時間単位でしか払わない会社は違法?正しい計算方法とは

残業代 1時間単位

「うちの会社では残業代1時間単位でしかもらえない。これって違法じゃないの?」

このような疑問や悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

残業代を1時間単位で計算するという取り扱いは、会社にとっては賃金計算にかかる時間を削減し、人件費も抑えることができるというメリットがあります。

しかし、賃金は労働時間に応じて請求できます。
1時間未満の残業時間を切り捨てるという会社の取り扱いは、労働基準法に違反しています。

とはいえ、従業員の立場で会社に対して「1分単位で時間外手当を計算してください」とは、なかなか言いにくいという実情もあることでしょう。

そこで今回は、

  • 残業代を1時間単位で計算することが違法な理由
  • 未払い残業代を請求する方法
  • 会社と波風を立てずに残業代計算を正してもらう方法

などについて、労働問題に精通したベリーベスト法律事務所の弁護士が分かりやすく解説します。

この記事が、勤務先の残業代の計算方法に不満をお持ちの方の手助けとなれば幸いです。

残業代の計算方法については以下の関連記事をご覧ください。

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目次

1、残業代の正しい計算方法~1時間単位での計算は違法!

残業代の正しい計算方法~1時間単位での計算は違法!

冒頭でも申し上げたように、1時間未満の残業時間を一律に切り捨てるという残業代の計算方法は違法です。

ここではまず、残業代の正しい計算方法を確認しつつ、1時間単位での残業代の計算が違法である理由をご説明します。

(1)残業代計算の基本ルール

まずは、残業代を計算するときの基本ルールを確認しておきましょう。

ひと口に「残業」といっても、細かく見ると次の2種類に区別されます。

  • 法定内残業…会社が定めた所定労働時間を超えるものの、1日8時間・1週40時間の枠内で行われる労働
  • 法定外残業…1日8時間・1週40時間の枠を超えて行われる労働

法定内残業に対する残業代は基本給の1時間あたりの金額で計算されますが、法定外残業に対する残業代は、基本給1時間あたりの金額の1.25倍で計算されます。

その他にも、休日労働や深夜労働が行われた場合には、割増賃金が支払われることになっています。
割増率を以下の表にまとめましたので、参考になさってください。

時間外労働等の種類         

賃金の割増率            

法定内残業             

1倍                

法定外残業             

1.25倍              

法定休日労働            

1.35倍              

深夜労働              

0.25倍              

法定外残業+深夜労働        

1.5倍               

法定休日労働+深夜労働       

1.6倍               

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(2)残業時間は1分単位で計算するのが原則

問題は、残業時間のとらえ方です。この点、法律には次のような規定があります。

第二十四条 賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。

引用元:労働基準法第24条1項本文

「全額を支払わなければならない」というのは、労働者が働いた時間分の賃金をすべて支払う必要があるということです。
残業代については、1分単位で正確に計算して支払わなければなりません。

本来なら、1秒単位で支払うべきなのかもしれませんが、そこまで厳密に集計・計算することは現実的ではないので、1分単位とされています。

1時間未満の残業時間を切り捨てる場合、切り捨てた労働時間に対する賃金が支払われないため、労働基準法第24条に違反することになるのです。

(3)労働者に有利な「切り上げ」なら1時間単位でも適法

もっとも、1時間未満の端数を切り上げる形なら、1時間単位で残業代を計算することも認められます。

この場合は、労働者が働いた時間分の賃金が全額支払われていますので、労働基準法第24条に違反することはありません。

2、15分単位・30分単位は適法?残業代の切り捨てが認められるケースとは

15分単位・30分単位は適法?残業代の切り捨てが認められるケースとは

実際には、1時間未満の端数を切り上げて残業代を計算する会社は、それほど多くないでしょう。
しかし、より細かく「15分単位」または「30分単位」で残業代を計算している会社は数多くあります。

このような計算方法は、適法なのでしょうか。

(1)15分単位・30分単位でも切り捨ては原則として違法

結論から言いますと、15分単位や30分単位でも、切り捨ては原則として違法となります。
切り捨てた労働時間に対する賃金が支払われないため、労働基準法第24条に違反するからです。

労働者に有利な「切り上げ」なら、何分単位でも適法です。

(2)1ヶ月分の残業時間における30分未満の端数の「切り捨て」は適法

もっとも、1ヶ月分の労働時間を通算して残業代を計算する場合に、30分未満の残業時間は切り捨て、30分以上1時間未満の残業時間を切り上げるという取り扱いは適法なのです。

これは、労働省(現在は「厚生労働省」)の通達(昭和63年3月14日付通達 基発第150号)によって認められた取り扱いで、会社の事務の負担を軽減するための便法といえます。

適法なのは、あくまでも「1ヶ月分の残業時間における30分未満の切り捨て」であり一律の「切り捨て」は違法となります。

(3)正しい残業代の計算例

では、違法な切り捨て方式と適法な方式では、残業代がどれくらい違ってくるのかを実際に計算して比べてみましょう。

事例として、以下のケースを想定して計算してみます。

  • 基本給:30万円
  • 1日当たりの所定労働時間:8時間
  • 当月の出勤日数:21日
  • 当月の残業時間:毎日、1時間15分(75分)

※便宜上、月によって所定労働時間数が異ならないことを前提としています。

【違法な切り捨て方式による計算】

残業時間について、毎日、1時間未満の端数を切り捨てるとすれば、1日あたりの残業時間は1時間となります。
したがって、1ヶ月合計の残業時間は21時間です。

1時間あたりの残業代は、次の計算により1786円となります。

  • 1ヶ月あたりの所定労働時間:8時間×21日=168時間
  • 1時間あたりの残業代:30万円÷168時間≒1786円

そうすると、1ヶ月分の残業代は、「1786円×21時間」により、3万7506円となります。

【適法な方式による計算】

1ヶ月の実際の残業時間を合計すると、「1時間15分×21日」で26時間15分となります。

1ヶ月分の残業時間については30分未満の端数の切り捨てが認められますので、26時間で残業代が計算されます。

そうすると、1ヶ月分の残業代は、「1786円×26時間」により、4万6436円となります。

違法な切り捨て方式による場合よりも、約9000円多くなりました。

この差を大きいと見るか、小さいと見るかは人それぞれ異なるかもしれませんが、積もり積もれば大きな差となることは間違いありません。

3、他にもある!賃金の計算で労働時間の切り捨てが行われやすいケース

他にもある!賃金の計算で労働時間の切り捨てが行われやすいケース

残業というと、終業時間が過ぎても仕事を続けることを主にイメージすると思いますが、その他にも労働時間の切り捨てが行われやすいケースがあります。

以下のようなケースでも、労働時間は1分単位で集計し、賃金を計算しなければならないということを覚えておきましょう。

(1)就業時間外の朝礼・終礼

始業前の朝礼や、終業後の終礼を行っている会社も少なくありませんが、朝礼・終礼も参加が義務づけられている場合は、使用者の指揮命令下にあるといえるため、「労働時間」に該当します。

このような場合は、朝礼・終礼に参加した時間も労働時間として、1分単位で賃金が支払われなければ、労働基準法第24条に違反することになります。

(2)遅刻・早退をした場合

従業員が遅刻をした場合に、

「1分でも遅れたら、15分欠勤したものとみなす」

「30分以上(1時間未満)遅れた場合は、1時間欠勤したものとする」

というように、実際に欠勤した時間よりも多くの労働時間を切り捨てるルールを設けている職場もあるようです。

しかし、このような取り扱いも労働基準法第24条に違反します。

たとえ従業員の遅刻・早退によって減給する場合でも、実際に働いた時間は1分単位で賃金を計算し、その全額が支払われなければなりません。

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4、残業代の切り捨ては労働基準法違反!会社の責任は?

残業代の切り捨ては労働基準法違反!会社の責任は?

残業代を計算する際に残業時間の端数を切り捨てることは、適法な方式による場合を除いて、労働基準法違反となります。

では、会社に対してどのような責任を問うことができるのでしょうか。

(1)未払い残業代の支払い義務がある

繰り返しますが、労働基準法第24条では「賃金全額払いの原則」が定められています。

違法な切り捨て方式で残業代を計算した場合は、切り捨てた分の残業代が支払われていないことになります。
したがって、会社は労働基準法第24条に基づき、未払い残業代を支払う義務を負います。

(2)「是正勧告」や「指導」を受ける可能性がある

労働基準法に違反する行為が判明した場合には、労働基準監督署から会社に対して、

「是正勧告」

「指導」

といった行政上の措置が取られることがあります。

一定の場合には企業名が公表されることもあり、そうなると会社は企業イメージの低下によってダメージを受ける可能性があります。

(3)刑事罰を受けることもある

労働基準法第24条違反の行為に対しては、30万円以下の罰金という刑事罰が設けられています(同法第120条1号)。

実際に刑事罰が適用されるのは、よほど悪質な事案に限られているのが実情ですが、残業代の切り捨てはそれだけ重大な事態であると捉えることができるでしょう。

5、未払い残業代を請求する方法

未払い残業代を請求する方法

あなたの会社で残業時間の違法な切り捨てが行われているとしたら、未払い残業代が発生していますので、会社へ請求できます。
それとともに、今後は労働時間を1分単位で正確に計算してもらうように求めることもできます。

ここでは、未払い残業代を請求する方法を具体的に解説します。

(1)証拠を確保する

まずは、証拠を確保しておく必要があります。

未払い残業代を請求するためには、「雇用契約の内容」と「実際の残業時間」と「残業時間が違法に切り捨てられたこと」を証明できる証拠が必要です。

具体的には、以下のものを集めておきましょう。

  • 就業規則
  • 雇用契約書や労働条件通知書
  • タイムカード
  • 給与明細

特に重要なのは、「実際の残業時間」を証明するものです。
タイムカードなどの勤怠管理記録に1分単位で正確に記録されていればよいのですが、そうでない場合は別途、証拠を集めるか作成しておく必要があります。

業務日誌への記載など、客観的かつ継続的に記録できる方法で、毎日の労働時間を1分単位で正確に記録しておくことが望ましいです。

業務で使用しているパソコンのログなども、証拠として利用できる可能性があります。
また、普段利用しているスマートフォン等のデバイスにおいて、ロケーション履歴を記録する機能をオンにした状態にしておくことで、利用者の日々の位置情報を時間とともに記録にとっておくことで、当該記録を証拠として利用できる可能性があります。
具体的には、Googleアカウントにログインしている場合にGoogleマップに記録されるタイムラインを残業代請求の際に利用することが考えられます。

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(2)会社と交渉する

証拠がそろったら、残業代を正しく計算した上で、差額の支払いについて会社と交渉をします。

賃金を請求するのは労働者の正当な権利なので、気兼ねする必要はありません。
とはいえ、一人では言い出しにくい方も多いでしょうし、未払い残業代を請求することで職場にいづらくなってしまうおそれもあります。

そのため、交渉は慎重に進めることが大切です。
他の従業員とも相談して、共同で交渉するのもよい方法です。

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(3)労働基準監督署へ相談する

会社との交渉がうまく進まない場合は、労働基準監督署へ相談するという方法もあります。

労働基準監督署では、労働に関するさまざまなトラブルについて、無料で相談することができます。
上記(1)の証拠を持参して、相談してみるとよいでしょう。

相談した結果、法令違反の事実が認められる場合には、労働基準監督署から会社に対して是正勧告や指導などを出すことによって、違法状態を改善するように働きかけてくれることもあります。

ただし、実際に労働基準監督署に動いてもらうためには時間がかかることが多いです。
また、是正勧告や指導には法的な強制力がないので、必ずしも会社が未払い残業代を支払ってくれるようになるとは限りません。

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(4)労働審判を申し立てる

会社が真摯に対応してくれない場合は、法的手段の検討も必要になってきます。

未払い残業代を請求する場合、通常の訴訟よりも簡易的な手段として、「労働審判」を利用することもできます。

労働審判とは、労働に関する労使間のトラブルについて、原則として3回以内の期日で結論を出すという、簡易的な裁判手続きです。
労働審判は、労働審判官(裁判官)と労働審判員(非常勤の民間の裁判所職員)2名で構成される労働審判委員会によって審理されます。

労働審判の第1回期日において、労働審判委員会から、労働者使用者双方に対して様々な質問がなされます。
その上で、基本的には話し合いによる解決(調停)が図られ、合意が得られない場合には労働審判委員会から解決案が提示されます(審判)。

迅速かつ柔軟な解決が図られますので、労働者使用者双方にある程度の譲歩が求められるのが一般的です。そのため、未払い残業代を満額回収できるとは限りません。

しかし、労働審判委員会を介して話し合いが行われますので、会社に対して今後の改善を求めやすいというメリットがあります。

また、手続きが簡易的なので、弁護士に依頼せず自分で申し立てることも、それほど難しくありません。
費用をかけたくない場合は、労働審判を利用するのもよいでしょう。

なお、審判に納得できない場合は、当事者が異議を申し立てることによって通常訴訟に移行することになります。

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(5)残業代請求権の時効に要注意!

賃金の支払い請求権には時効がありますので、未払い残業代の請求も時効完成前に行う必要があります。時効期間は、以下のとおりです。

  • 2020年3月31日以前に支払日が到来するもの・・・2年
  • 2020年4月1日以降に支払日が到来するもの・・・3年

従来、賃金の支払い請求権の時効期間は「2年」でしたが、2020年4月1日以降は民法改正の影響で「3年」に延長されていることにご注意ください。

時効期間が経過すると、請求できる未払い残業代が時間の経過とともに1ヶ月分ずつ減少していってしまいます。
悩んでいると損をしてしまいますので、早めに請求しましょう。
いきなり訴訟を提起することも時効の完成を止めるための一つの手段ではありますが、訴訟は費用も時間もかかります。
そこで、裁判外の交渉として、内容証明郵便等の書面により会社に対し未払い残業代を請求することで、その書面が会社に到達してから6か月間は時効の完成が猶予されます。
そのため、まずは裁判外交渉をするのも一つの手段といえます。

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6、会社と波風を立てずに1分単位で残業代をもらうには弁護士への相談が有効

前項では、主にご自身で未払い残業代を請求する方法を解説しましたが、困ったときは弁護士に相談するのが有効です。

(1)労働問題の解決実績が豊富な弁護士に相談することが重要

弁護士を立てて会社に未払い残業代を請求すると、会社との関係が悪くなり、職場にいづらくなってしまうという心配もあるでしょう。

たしかに、弁護士選びを間違えると、その可能性も否定はできません。

しかし、労働問題の解決実績が豊富な弁護士なら、会社との関係性を考慮しつつ労働者の権利を守るために交渉する術を心得ています。
したがって、弁護士選びは重要です。

(2)残業代請求に強い弁護士の探し方

残業代請求に強い弁護士を探す際は、弁護士の実績に注目しましょう。
労働問題の解決実績(特に労働者側で)が豊富にあるかどうかを確認するのです。

その方法は、知人からの口コミを参考にするか、インターネットで検索する方法が中心となるでしょう。

インターネットで調べる場合、法律事務所のホームページに実績が掲載されていることもあります。
掲載されていない場合でも、残業代の問題など労働問題に関する解説記事が豊富に掲載されていれば、労働問題に力を入れている事務所であると考えられます。

実際に依頼する際には、弁護士とご自身との相性も重要となりますので、いくつかの事務所で無料相談を利用した上で、比較検討して決めるとよいでしょう。

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まとめ

会社が残業代を1時間単位でしか払わず、端数の残業時間を切り捨てるのは違法であることがお分かりいただけたでしょうか。

会社としては悪気なく行っていることかもしれませんが、法令を遵守しない会社は、他にも違法な措置を取っている可能性が十分にあります。

未払い残業代を請求するためにも、他の問題を解決するためにも、会社の対応が「おかしいのかな?」と感じたときは、弁護士に相談してみましょう。

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