この記事をご覧の方の中には「民泊投資を始めたいけど、トラブルが心配」と不安を抱いている方は多いのではないでしょうか?
民泊不動産を運用するにあたっては注意すべき点が多々あり、特に「民泊トラブル」の対策は必須です。
そこで、この記事では、これから民泊投資を始めてみよう、と考えられている方のために、民泊トラブルの内容やその対応策などについてご紹介いたします。
この記事が皆様のお役に立つことができれば幸いです。
目次
1、民泊トラブルの対策を知る前に|賃貸より民泊!その理由とは?
不動産の運用といえば、かつては「賃貸」でした。
では、なぜ、いま「民泊」なのでしょうか?
(1)民泊新法(住宅宿泊事業法)が施行されてから届け出件数は8倍に
民泊新法が平成30年6月15日に施行されてから1年以上が経過しました。
観光庁が令和元年7月16日に公表した「住宅宿泊事業法の施行状況」によると、民泊新法施行日の平成30年6月15日時点での住宅宿泊届出件数が2,210件だったのに対し、令和元年7月16日時点では18,512件と、施行日の約8.4倍となっています(なお、届出住宅数は17,343件)。
(2)観光地、季節性の高い場所では民泊需要を見込める
民泊は、不動産の管理維持費、住宅宿泊管理業者への委託費などを考えると賃貸よりも儲けが出ない可能性があります。
しかし、国内には、観光地と呼ばれる場所が多く存在し、特にシーズンによっては多くの観光客、宿泊客が見込めます。こうした場所では、賃貸よりも民泊の方が需要が見込め、一定の収益を期待することができます。
2、民泊のトラブル事例
しかし、民泊住宅には様々な考え方、文化、生活習慣を持った方々が宿泊します。
また、まだまだ宿泊のルール作りやその周知が徹底されていないため、予想もしなかったトラブルが発生する可能性があります。
(1)備品・の盗難、破壊、部屋の汚損
まず、最も発生するトラブルが物の盗難、破壊、部屋の汚損です。
具体的には、以下のトラブルが多いようです。
- 備品(コップ、アメニティグッズ、ドライヤー、ポット、スリッパ、食器など)、靴、傘、貴重品の盗難
- 土足で部屋にあがられる
- 引き戸だと知らずドアを押され壊される
- ベッドの使い方が悪く汚される、壊される
- 家電、家具を汚される、壊される
- 禁煙なのに喫煙で部屋が汚れた、物に臭いが染みついた
(2)近隣トラブル
これから民泊を始めようと考えている方にとっては、この近隣トラブルが最も気がかりのようです。
具体的には、以下のトラブルが挙げられます。
- 部屋、ベランダで騒がれる
- 夜間、キャリーケースをガラガラと引かれて来客される
- 近所にポイ捨てされる
- ゴミをきちんと分別されない
- 夜中部屋を間違われてベルを鳴らされた、敷地内に入られた
3、民泊運営にトラブルがつきもの~その理由とは?
では、どうして民泊では上記のようなトラブルが発生しやすいのでしょうか?
(1)民泊における苦情件数
北海道が平成30年9月5日に公表した内容によりますと、同年5月30日から8月15日までの間に、北海道と札幌市のコールセンターのもとに合計91件の苦情が寄せられたそうです。
苦情内容で多かったのは、騒音、敷地内への立ち入り、違法民泊の疑いなどが多かったそうです。
(2)民泊にトラブルが起こる理由とは?
①民泊のコンセプトは「住まうように泊まる」
民泊のコンセプトは、観光や出張での宿泊のようにただ「宿泊させること」のみならず、宿泊場所で「生活させる」ことにあります。
つまり、生の生活を実体験させることこそが民泊の真の目的であり、また、宿泊客もそのことを目的に宿泊しているのです。
②宿泊者の多くが外国人で文化の違いがある
宿泊客の多くが外国人です。
当然のことながら、外国人は私たち日本人と言葉はもちろん、文化、考え方、生活習慣など様々な面が異なります。
そこで、一見、外国人には常識であることが私たちには非常識なこともあり、それがトラブルの原因ともなるのです。
③日本での民泊は始まったばかり
民泊新法が施行されてから日が浅く、実例が少ないのが現状です。
したがって、住宅を運営する側は運営する際の注意点を把握できておらず、把握はしていてもそれを上手く実行に移すことができていないのが現状のようです。
また、利用する側もホテルよりも「安い」という点にだけに目を奪われ、住宅を利用する際のルールをきちんと把握しきれていないのが現状のようです。
4、民泊トラブルを防ぐための対処法
それでは民泊トラブルを防ぐためにはどうすればよいのか。その対処法をご紹介します。
(1)ハウスルールを明確にして周知する
宿泊場所のハウスルールを明確にしましょう。
家電、家具、備品ごとに使い方のマニュアルを作成しましょう。
盗難、故意による汚損・破損、喫煙、ポイ捨てなどの悪質なルール違反に対しては罰則を設けたり、クリーニング費用等を追加請求するなど責任を明確化することも一つの方法です。
ルールを作成したら、それを周知することも忘れずに。
ホームぺージに掲載する、入居時に直接説明する、見やすい場所に掲示するなどが必要です。
(2)言語対応をしっかりと
宿泊者は日本人ばかりではありません。むしろ、外国人の場合が多いと思われます。
そこで、日本語のみならず外国語にも対応したハウスルールも作成しましょう。
(3)保険加入
ルールや罰則などを設けてもすべてのトラブルが解決するわけではありません。
また、特に、宿泊客が外国人の場合、罰則金や追加料金をきちんと回収することができるか不安です。
そこで、不安な方は民泊に対応した保険への加入を検討しましょう。
現在加入されている火災保険では民泊トラブルに対応できないことが多いと思われます。
(4)民泊の代行会社を使う場合はトラブル時の対応をよく確認
投資として民泊を始める場合は、Airbnbなどの代行会社を利用することが多いでしょう。
実際のトラブル時におけるオーナーの負担について、事前によく確認しておくことが大切です。
5、民泊運営をご検討中の方、民泊運営でのトラブル対応なら弁護士に相談
民泊を始めるにあたっては旅館業法、民泊新法のほか食品衛生法、道路運送車両法など様々な法的知識が必要です。
また、これらの法律に基づいた手続きが必要不可欠です。
民泊では、すでにご紹介したように宿泊客や近隣住民との間でトラブルが発生することがあります。
そうした事態に備えたルール作りや体制を整えることはもちろん、仮に、トラブルが発生した場合にも適切に対処していくことが必要です。
弁護士であればこうした法律知識、トラブルに備えた経験を有しておりますから、お困り際は弁護士に相談しましょう。
まとめ
民泊を運営するにあたって、トラブルはつきものと考えましょう。
そのために事前の予防策、トラブルが起きた際の対策を立てておくことが必要です。
繰り返しになりますが、弁護士であればその両方について具体的な提案をさせていただくことが可能です。
お困りの際は、弁護士に相談されてみてはいかがでしょうか?