#検察庁法改正案に抗議します|3つのポイントを徹底解説!

# 検察庁法改正案に抗議します

「#検察庁法改正案に抗議します」のタグ付けがされたツイート・リツイートを見たことはありますか?
Twitterで500万ツイートを超える投稿がなされ、活発に意見が述べられました。

しかし、その一方で「検察庁法改正」にどのような問題があるのか、何が議論のポイントになっているのか実はよくわからないという人も多くいらっしゃるのではないかと思います。

そこで今回は、「#検察庁法改正案に抗議します」をめぐる議論を理解する上で重要なポイントについてまとめてみました。

※なお、この記事は令和2年5月18日までの事実関係に基づいて作成され、同年同月24日までの公開事実について補足されたものです。

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1、#検察庁法改正案に抗議します|事の流れをおさらい

#検察庁法改正案に抗議します|事の流れをおさらい

まずは、事実の流れをできるだけ簡単に整理しておきましょう。

(1)事の発端~内閣による解釈変更

今回の検察庁法改正騒動の発端は、安倍内閣が令和2年2月に定年退職となる予定だった黒川東京高等検察庁検事長について、「閣議決定」という方法で定年の延長を決めたことにはじまります。

①閣議決定による解釈変更  

政府は、令和2年1月31日に東京高検の黒川氏の定年延長を、国家公務員法81条の3の解釈変更というかたちで閣議決定しました。

国家公務員法81条の3

任命権者は、定年に達した職員が前条第一項の規定により退職すべきこととなる場合において、その職員の職務の特殊性又はその職員の職務の遂行上の特別の事情からみてその退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる十分な理由があるときは、同項の規定にかかわらず、その職員に係る定年退職日の翌日から起算して一年を超えない範囲内で期限を定め、その職員を当該職務に従事させるため引き続いて勤務させることができる。
2 任命権者は、前項の期限又はこの項の規定により延長された期限が到来する場合において、前項の事由が引き続き存すると認められる十分な理由があるときは、人事院の承認を得て、一年を超えない範囲内で期限を延長することができる。ただし、その期限は、その職員に係る定年退職日の翌日から起算して三年を超えることができない。 ※下線は筆者

つまり、政府は、「定年に達した職員」に検察官が含まれると解釈したのです。

従前より、人事院は、検察庁法と国家公務員法は、検察庁法が優先する関係にあるため、検察官の定年に関して、国家公務員法の影響を受けないと解釈してきました。
その解釈を簡単に変更したのです。

②定年延長措置それ自体が恣意的人事ではないかという懸念

この閣議決定による定年延長については、「安倍内閣が定年延長によって次期検事総長に黒川氏を据えたい」という思惑があるのではないかとの指摘があり大きな話題となりました。

東京高検の黒川氏は令和2年2月7日に63歳となりました。
そして、検察庁法22条は、「検事総長は、年齢が65年に達した時に、その他の検察官は年齢が63年に達した時に退官する。」と規定しています。
仮に、令和2年1月31日に、黒川氏の定年が延長されなければ、(検察庁のこれまで慣例により7月に予定されている)現在の検事総長の退任前の2月に定年退官となるはずでした。
その場合、黒川氏は検事総長に就任できないということとなります。
そんな中で政府は、黒川氏の定年を延長する解釈変更を行ったのです。

(2)改正法案の提出~急遽追加された

「定年延長」 現在国会で審議されている国家公務員法・検察庁法の改正は、国家公務員などの「定年引き上げ」を主な内容とするものでした。
「定年の引き上げ」それ自体は、現在の社会情勢をふまえた人事改編の一環で、当初から予定されたものです。
しかし、内閣は、この法案に、検事長などの検察庁の要職に就く幹部について「内閣の承認」によってさらに最大3年間定年を延長できるという「特例」を追加で盛り込みました(特に改正検察庁法22条5項・6項)。

改正検察庁法22条5項

内閣は、前項の規定にかかわらず、年齢が六十三年に達した次長検事又は検事長について、当該次長検事又は検事長の職務の遂行上の特別の事情を勘案して、当該次長検事又は検事長を検事に任命することにより公務の運営に著しい支障が生ずると認められる事由として内閣が定める事由があると認めるときは、当該次長検事又は検事長が年齢六十三年に達した日の翌日から起算して一年を超えない範囲内で期限を定め、引き続き当該次長検事又は検事長に、当該次長検事又は検事長が年齢六十三年に達した日において占めていた官及び職を占めたまま勤務をさせることができる。

【参考】
国家公務員法等の一部を改正する法律案の概要(内閣官房ウェブサイト)
国家公務員法等の一部を改正する法律案新旧対照表(内閣官房ウェブサイト)

今回の議論は、このうち「特例」の是非に関するものです。
内閣がこのような特例を盛り込んだのは、内閣に近い立場にあるとされている黒川氏を次期の検事総長にするためではないのかといった疑念が上がっているのです。

なお、「引き上げ」の問題と「延長」の問題は、後にも触れますが混同している人が少なくないようです。
検察官の定年を65歳に一律に引き上げる改正検察庁法21条1項に対する批判というより、黒川氏など役職者について、内閣の判断でその役職に従事できる期間を延長させることができるという点に批判が集まっています。
そこで、この記事においては、「内閣による個別延長」の場合を「特例」として表記することにします。

※黒川氏については、新型コロナウイルスによる外出自粛期間中に、新聞記者らと賭け麻雀をしていたという週刊誌の報道を受け、令和2年5月21日に辞任をしています。

(3)「#検察庁法改正案に抗議します」の登場

以上のような経緯を経て、突如沸き起こったのがTwitterでの抗議活動です。

5月8日に「#検察庁法改正案に抗議します」というハッシュタグがトレンド入りし、それからの約3日間で約500万ツイートという、近年では例を見ない拡がりとなりました。

【参考】
鳥海不二夫東京大学准教授(計算社会科学)のブログ(note)
鳥海准教授へのインタビュー記事(ハフポスト日本版)

(4)専門家からも反対意見が続出

今回の検察庁法改正に対しては、Twitterなどのネットにとどまらず、専門家団体などからも懸念・反対の声があげられています。
たとえば、すべての弁護士が加入を義務づけられている日本弁護士連合会は会長声明として、検察庁法改正(上記特例)に反対する意見を(2度も)表明していますし、30を超える単位弁護士会(各都道府県の弁護士会)も反対の意思を表明しています。
さらには、検察・裁判官(現職・OB)などからも反対の声があがっているようです。

【参考】
改めて検察庁法の一部改正に反対する会長声明(日弁連ウェブサイト)
検事長の勤務延長に関する閣議決定の撤回を求め、国家公務員法等の一部を改正する法律案に反対する会長声明(日弁連ウェブサイト)

2、「#検察庁法改正案に抗議します」ですれ違う議論

「#検察庁法改正案に抗議します」ですれ違う議論

5月8日のトレンド入り以降、Twitter上では、「#検察庁法改正案に抗議します」とは反対の趣旨のタグを付したツイートがなされるなど、一定の議論があるように思われます。
また、各種メディアに登場する有識者の見解も賛否の両論があるようです。

しかしながら、以下で説明するように、これらの議論はあまり噛み合っているとはいえない状況にあります。

(1)「改正反対」を主張する人たちが懸念していること

検察庁法の改正に反対する人たちが問題視していているのは、上で述べた改正案のうちの「特例(内閣の判断による定年の延長)」の部分のみです。
「定年年齢を一律に引き上げること」については、「#検察庁法改正案に抗議します」が付されたツイートにおいても問題とはされていません。

(2)「改正反対に反対する人たち」の声

他方、検察庁法の改正に好意的(反対に反対している)有識者などのコメントには、「定年の引き上げは当然」、「国家公務員と検察官の定年時期の足並みをそろえることは問題がない」といったものが多いようです。
つまりは、「今次改正案は問題ない」という有識者の論拠は、「当初から予定されていた公務員の定年一律引き上げは正しい」というところにあり、反対派が「特例」を問題視していていることへの応答にはなっていないというわけです。
少なくとも、以上のような議論状況は、噛み合っているものとはいえないでしょう。

3、「#検察庁法改正案に抗議します」での議論を理解するために抑えておくべき3つのポイント

「#検察庁法改正案に抗議します」での議論を理解するために抑えておくべき3つのポイント

この問題についてのTwitterをはじめとするネット上などでの議論は、上で解説したように噛み合っているとはいえません。
そのような状況では、基礎知識抜きに自分なりの意見をもつことも難しいといえます。

そこで、今回の議論を正しく理解するために知識として抑えておくべき3つのポイントについてまとめてみました。

(1)検察庁法と国家公務員法との関係~改正動機の問題

まずは、検察官の法律上の位置づけや、検察庁法・国家公務員法の関係について簡単に整理しておきたいと思います。

①検察官の独立性と三権分立の原則

この問題を理解する上で最も重要となるポイントは「検察官の独立性」です。
検察官は、いわゆる公務員(行政官)ではありますが、刑事裁判を提起する権限(起訴の権限)を独占的に有しています。
その意味では、司法権とも深くかかわり、官僚などと全く同じ扱いにするのは必ずしも適当とはいえません。
行政内に不正が生じたときに、これに対する捜査を指揮し、起訴の要否を決するのは検察官しかいないからです。

今回の騒動においてしばしば引き合いに出される「三権分立」の原則というのは、この点に関係してくるものです。
この三権分立の原則は、簡単にいえば、国家権力を立法・行政・司法の3つに分解した上で、「権力行使の濫用」などを防止するために、3権のそれぞれを独立させ、相互監視させようというものです。
中学校の歴史や公民などの授業で、モンテスキューの「法の精神」で説かれていると教わったことをなんとなく覚えている人も多いのではないでしょうか。

日本においてもこの三権分立の原則は「憲法上の要請である」というのが基本的な理解です。
実際にも、立法権は国会に独占され、行政権は内閣、司法権は裁判所に配分されていて、これらのトップ(いわゆる「三権の長」)は同等に扱われます。

ところで、検察官は、厳密には検察庁という「行政機関」に属する公務員ということになりますから、その点だけに注目すれば、「内閣が行政官である検察官の人事に指図をすること」は形式的には問題ないようにみえます。
しかし、上でも触れたように、検察官は、「刑事訴追(犯罪について司法権を発動させること)の権限」を独占している点で、「司法権の一翼」を担っているとも考えることができます。
そこで、検察官は、通常の国家公務員とは異なる法律上の枠組みよって、組織・人事(給料・定年などの条件)などが定められることになっています(そのための法律が検察庁法です)。

なお、裁判官・警察官などの公務員も検察官と同様の取り扱いとなっていて、これらの公務員は「特別公務員」と呼ばれています(大臣、防衛省職員などの「特別職公務員」とは違う枠組みです)。

②「特別法は一般法に優先する」という大原則と内閣による解釈変更

上のことを、ごく簡単にまとめれば、検察官などの公務員については、通常の国家公務員とは異なる「例外的な取り扱いをする」ということであり、その「例外」を法律にしたものが「検察庁法」ということになります。

今回の騒動の発端となった「黒川氏の定年延長についての閣議決定」については、国家公務員法と検察庁法との関係が大きな問題となります。
法律には、「特別法は一般法に優先する」 という大原則があるからです。
特別法というのは、基本的なルールで対処することが適当(公平・公正)ではない場合について定められるもので、典型例は、民法と商法・会社法・労働法の関係を挙げることができます。

検察庁法は、「国家公務員法の特別法」として位置づけられる法律であり、その検察庁法に「定年延長(個別検察官の定年引き延ばし)」について定めた規定がない以上は、内閣の閣議決定は「法律上の根拠がない」と考えることもできるからです。

他方、国家公務員法には、上で引用した「81条の3」という規定がありますから、特別法である検察庁法に定年延長の規定がない以上は、一般法である国家公務員法を適用すると考える余地があります。

しかし、この81条の3は、「検察官(など)は適用対象外とする」という理解趣旨の下に制定された経緯のある条項でした。

81条の3

※1981年4月28日衆議院内閣委員会議事録より引用(国会会議録検索システム)

そこで、内閣は「この趣旨(解釈)を変更する」という閣議決定をしたというわけです。
今回の検察庁法改正法に「特例」が急遽盛り込まれたことは、この閣議決定(解釈変更)を「公的な手続として事後承認する」狙いがあるのではとの指摘もあります。

(2)「特例」の仕組みはどうなっているのか~改正法案の中身の問題

今回の「#検察庁法改正案に抗議します」をめぐる議論が錯綜しているのは、「特例の仕組みが複雑」ということも要因のひとつとなっているといえます。
個別の発言・ツイートなどをみても、「同じ仕組みについての議論」とは思えないほど前提がずれていると感じることが少なくありません。
おそらくは、特例の詳細を正しく理解しないまま「イメージ・伝聞による理解」のみで発言しているものも多いと思います。

法律現行国家公務員法国家公務員法改正案検察庁法改正案
定年延長が認められる要件定年退職となる職員の職務の特殊性又はその職員の職務の遂行上の特別の事情からみてその退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる十分な理由があるとき定年退職となる職員の職務の特殊性又はその職員の職務の遂行上の特別の事情からみてその退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる十分な理由がある場合として人事院規則で定める事由に該当するとき(※)次長検事又は検事長の職務の遂行上の特別の事情を勘案して、当該次長検事又は検事長を検事に任命することにより公務の運営に著しい支障が生ずると認められる事由として内閣が定める事由があると認めるとき
定年延長に必要な手続人事院の承認が必要人事院の承認が必要人事院の承認は不要
延長できる期限定年退職日の翌日から起算して一年を超えない範囲内 最大で合計3年(1年×3回)まで延長可能

(※)国家公務員法改正案では、定年退職者の欠員補充が難しい場合も含まれますが、この点は今回の話題と直接関係するポイントではないといえます。

上の表は、現行法(※すでに触れたように検察庁法には「定年延長の特例」についての具体的規定はなし)と改正法案の文言に基づいて、それぞれの相違点を比較したものです。
さらにポイントを整理すれば、次のようにまとめることができるでしょう。

  • 国家公務員法改正法案は、現行法上の定年延長特例措置について、さらに適用基準の明確化を推し進めようとするものといえる
  • 検察庁法改正案は、国家公務員法改正案における定年延長特例措置と比べて適用基準が不透明(事前に明文化されたものを要しないと解釈できる余地がある)
  • 国家公務員の特例では、人事院(独立機関)の承認が必要だが、検察庁法改正案の特例では人事院の承認が不要(事後監視機能が弱い)

なお、「人事院」というのは、国家公務員法に基づいて設置される行政機関です。
形式の上では内閣の下に設置されているものですが、国家公務員の給料などを決定する権限があることなどから、独立した権限が与えられています。
また、人事院は「3名の人事官」で構成される(その下に事務局がある)ものですが、人事院規則5条5項によって「人事官のうちの2人が同一政党に属するような任命」は禁止されています(政治的中立性を保つため)。
したがって、今回の検察庁法改正案における「特例」は、現行法および国家公務員法改正法案の仕組みと比較をしても、「内閣の権限がかなり大きくなっている」ことが最大のポイントであるといえます。

(3)改正法案の提案・審議プロセスに問題はなかったか

(1)(2)で触れてきたことを前提にすると、今回の改正法については、次の点について、国会における「十分な説明・議論」がなされる必要があるといえるでしょう。

  • 内閣による「解釈変更」の必要性
  • 今回の解釈変更と改正法との関係
  • 検察庁法に定年延長の特例の規定を新設することの必要性(立法事実)
  • 特例が適用される具体的基準
  • 検察庁法の特例において人事院の承諾を不要とする必要性

①「公正らしさ」を担保することの重要性

これらの点について丁寧な議論が必要とされるのは、法治国家・民主主義国家においては、強大な権限を独占する検察への政治の介入は、「公正らしさ」がとても重要といえるからです。
今回の「検察庁法改正に問題ない」とする立場からは、「検事長などの任命権は元々内閣にある」のだから「それを延長するのも当然の権限」という指摘もあるようです。

しかし、検察庁法が制定された経緯(歴史的背景)や、その後の検察庁法の運用を前提にすれば「重大事件の捜査などの対応に必要」という一般的な理由のみで、内閣の権限だけが強化される改正案を可決するというのは、「立法のプロセスとして」乱暴ではないかとの批判はやはり避けられないでしょう。

もっとも、検察が強大な権力を独占している以上、「検察それ自体を監視する仕組みをきちんと整える」ということも重要といえますから、「政治が一切介入してはならない」と考えるのも、逆の意味で極端な結論なのかもしれません。
ただ、この点については、検察の懈怠(権限不行使)についてはすでに検察審査会、権限濫用(犯罪のねつ造)については司法による救済(無罪判決など)が既に用意されていることもふまえながら、総合的なバランスを取ることが大切であるといえます。

今回の「特例」は、監視的機能よりも「馬の前ににんじんをぶら下げる」ような手法といえますので、そもそも「検察を監視する仕組み」として意味があるのかという検証も必要といえます。

②内閣の説明不足・情報不開示

今回の問題で一番の問題は、改正法の内容以前に、「議論の前提として必要な情報」が内閣(安倍政権)から開示されないことにあるといえるのではないでしょうか。
つまり、「これだけの必要性(論拠)があるから、内閣に強大な権限をみとめた特例措置が必要なのだ」という説明が不十分であるということです。

たとえば、今回の立法動機のひとつとなったといわれる「内閣による解釈変更」については、法務省内での一連のやりとりについて、「一切の公文書がない」とされています。
今回の解釈変更は、「微細の変更」ではなく、「従来とは正反対の結論」を導くものですから、「口頭決済でかまわない」という判断それ自体が「公正らしさに欠く」と評価される可能性も高いでしょう。

いわゆる「モリ・カケ問題」の際には、公文書の改ざんが大きな問題となったことを考えれば、「文書を残さずに決済した」という手法それ自体も批判の対象になりそうです。

【参考】検察庁法改正案 定年解釈変更、議事録なし 決定過程不明 法務省回答

また、改正法案が適用される具体的なケース(どのような場合に定年延長できるのか)といった改正法案の核ともいえるべき部分についても、「法案が成立してから(内閣で)決める」というのが、国会における政府側の答弁です。
この点も、「公正らしさ」を担保するという観点では、「法案審議の段階で基準が決められていない(具体的に答弁できるレベルの準備ができていない)」というのは、この法案の影響の大きいということを前提にすれば、「政府側に落ち度がある」という批判は避けられないといえるでしょう。

※令和2年5月22日、政府は改正法案は廃案とする方向で検討に入りました。

まとめ~冷静に議論することが重要

以上、「#検察庁法改正案に抗議します」について、その経緯や議論のポイントなどについてまとめてみました。
この種の議論は、いわゆるネトウヨと呼ばれる人たちを中心とした親安倍派と反安倍派の思想や感情的な対立として受け止められることが多いのですが、本文中でも紹介した鳥海東大准教授によるTwitter分析によれば、「#検察庁法改正案に抗議します」というハッシュタグ付きのツイートは、親安倍・反安倍といった区別とは関係なく発信されているようです。

また、「検察と政治の距離感」という問題は、「社会全体の公正さ」を担保する上でとても重要な議論です。
たとえば、かつてのロッキード事件のような大規模汚職があっても「検事総長の人事権を握っておけば罪に問われない社会」になる(かもしれないという)ことは、国民一般にとって不利益な事態といえるからです。

定年延長の特例を設けることそれ自体は、「悪いことばかり」というわけでもありませんので、その必要性(立法事実の評価)、特定の基準・手続の在り方などの種々のポイントについて、今後も十分な議論が冷静に行われることが重要といえるでしょう。

※この記事は公開日時点の法律を元に執筆しています。

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