Tポイントカードの会員規約に「個人情報の第三者提供」という文言があることをご存知ですか?
この「個人情報の第三者提供」という文言があるのを知って、「それって大丈夫なの?」と心配になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、
- Tポイントカードでの「個人情報の第三者提供」とは?
- 第三者提供が行われることで得られるメリット・デメリット
- 個人情報の第三者提供を停止する方法
について、詳しく解説していきます。
目次
1、Tポイントでの個人情報の第三者提供の目的は「サービスの向上」
Tポイントカードでは、ユーザーの利用履歴や登録した個人情報が提携先の他社(=第三者)に提供されており、その旨はTポイントの利用規約にも記載されています。
当社から第三者に対して提供される個人情報について
当社が、当社の連結対象会社もしくは持分法適用会社または提携先に対して提供する本条第2項に定める会員の個人情報の取り扱いは、以下の通りとします。会員は、当社が、以下に記載する条件に従って、本条第2項に定める個人情報を、下記(1)に定める提供先に対して提供することにつき、同意します。
(1)提供先について
個人情報の提供先は、次の1)および2)に記載する企業に限ります。
1)当社の連結対象会社または持分法適用会社
2)第1条に記載する提携先
なお、当社または当社の連結対象会社もしくは持分法適用会社から個人情報の提供を受けた提携先が、更に第三者に対して当該個人情報を提供することはありません。
(参考)https://www.ccc.co.jp/customer_management/member/agreement/index.html
ここで気になるのが、そもそも「なぜTポイントカードでは個人情報の第三者提供が行われているのか」という点です。
主な提供先やユーザーのみなさんにとってのメリットも合わせて、まずはその第三者提供の目的からみていきましょう。
(1)第三者提供の目的は「サービスの向上」
Tポイントカードにおいて個人情報が第三者提供されている目的は、端的に言えば「お客様へのサービス向上」のためです。
そう言われてもピンとこない方も多いかと思うのですが、たとえば次のようなサービスの改善に役立てられています。
- よく店舗を利用するユーザー層にあわせた品揃えの充実
- ユーザーの生活スタイルにヒントを得た新商品の開発
- サービスの利用状況に合わせた割引特典など
(参考)https://www.ccc.co.jp/customer/index.html
(2)100社以上へ提供されている
情報の提供先企業はなんと100社以上にものぼり、CCCが公開しているリスト一覧には、普段みなさんがよく名前を聞くような次のようなサービスも挙げられています。
- カメラのキタムラ(株式会社キタムラ)
- ガスト・バーミヤン・夢庵など(株式会社すかいらーく)
- ファミリーマート(株式会社ファミリーマート)
- ドトールコーヒー・エクセルシオールカフェなど(株式会社ドトールコーヒー)
- ソフトバンク(ソフトバンク株式会社)
- 毎日新聞(株式会社毎日新聞社)
- 食べログ(株式会社カカクコム)
- Ameba(株式会社サイバーエージェント)
- ヤマト運輸(ヤマト運輸株式会社)
(参考)http://qa.tsite.jp/faq/show/25129
(3)第三者提供によって顧客が得るメリットとは
先ほど第三者提供の目的のところでも少しご紹介しましたが、個人情報が提携先で有効活用されることにより、みなさんにとっては次のようなメリットを得られるところが嬉しいポイントです。
- いつ足を運んでも愛用している商品を買える
- 提携先のカフェやレストランで好みの新メニューが発売される
- 気になるサービスの限定特典や割引サービスを受けることができる
(4)第三者提供は合法の範囲内で行われている
ここで押さえておきたいのは、Tポイントカードの個人情報の第三者提供はあくまでも合法の範囲内で行われており、きちんと法律にもとづいて運用されているという点です。
そもそも企業が個人情報を第三者へ提供するには、個人情報保護法23条の定めるところにより、原則として「本人の同意」が必要となっています。
第二十三条 個人情報取扱事業者は、次に掲げる場合を除くほか、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない。
そして、この「本人の同意」を得るための方法には「オプトイン」「オプトアウト」という2つの手段があり、それぞれ以下のような違いがあります。
- オプトイン:事前に本人から同意を得ておくこと
- オプトアウト:あらかじめ本人に通知、または本人が簡単に知ることができる状態にしておき、本人から反対がない限りはこれに同意しているとみなすこと
Tポイントカードで行われている第三者提供は、このうち「オプトアウト」の方に該当し、後ほどご紹介する停止手続きを行わない限りは、基本的に同意している状態にあるとみなされているところに注意が必要です。
このあとご紹介するデメリットも踏まえたうえで、もし「自分の個人情報については第三者提供を行ってほしくない」という場合は、忘れずに停止手続きをとっておきましょう。
2、個人情報の第三者提供で起こり得るデメリットとは?
正しく活用されればユーザーにもメリットをもたらしてくれる個人情報の第三者提供ですが、自分の個人情報を引き渡される範囲が広がる以上、どこかで流出や悪用の被害に遭う可能性も高くなると言わざるを得ません。
しかし、Tポイントカードの利用規約には「提携先の第三者から、さらに他社へ情報が提供されることはない」と明記されていますので、基本的には自分の把握できる範囲での提供となります。
3、個人情報の第三者提供を停止する方法
みなさんの中には、「たとえ万が一の可能性でも、個人情報が悪用されるリスクは取り除いたおきたい」「第三者提供によるメリットに特に魅力を感じない」という方もいらっしゃるかもしれません。
Tポイントカードでの個人情報の第三者提供は、以下の手順でいつでも停止することが可能です。
会員サイトである「Tサイト」への登録がお済みの場合とそうでない場合、それぞれのケースで手順が異なりますので、利用状況にあわせて参考にしてください。
【Tサイトの利用登録がお済みの場合】
①CCCのページからTサイトにログインする
すでにTサイトで会員登録を行っている場合は、次のページの中ほどにある「Web『Tサイト[Tポイント/Tカード]』提携先への個人情報提供の停止/再開/停止状況の確認」というボタンをクリックし、
開いた画面からTサイトにログインしましょう。
http://tsite.jp/r/ccc/customer/optout.html
②停止する提供先を選択する
ログインが完了すると「提供先への個人情報提供の停止」というページが表示されますので、停止したい提携先にチェックを入れ、「設定を変更する」ボタンをクリックします。
今後提携先が増えた場合もデフォルトで停止設定にしておきたい方は、「今後、追加される提携先も含め、すべての提携先への個人情報提供を停止する」のチェックを入れておきましょう。
【Tサイトへの会員登録を行っていない場合】
①CCCのページからTカード番号を入力する
これまでTサイトを利用したことがない場合も、こちらの方法を使えばログインなしで手続きを行うことが可能です。
次のページの中ほどにある「WEB『Tカード番号での提供先への個人情報提供の停止』」というボタンをクリックし、開いた画面で以下の情報を入力後、「次へ」をクリックしましょう。
- Tカード番号
- 生年月日
- 性別
- 文字認証
http://tsite.jp/r/ccc/customer/optout.html
②停止する提供先を選択する
先ほどと同じように「提供先への個人情報提供の停止」というページが表示されますので、一覧から停止したい提携先を選び、チェックを入れて「設定を変更する」ボタンをクリックすれば設定完了です。
4、個人情報の提供停止をしてもポイントサービスなどは継続して受けられる
「個人情報の第三者提供を停止すると、これまで使えていたサービスが急に使えなくなったりしない?」と心配な方も多いかと思いますが、停止手続きを行ってもポイントサービスやTSUTAYAでのレンタルは今までどおり利用することができます。
クレジットカードを兼ねている場合なども含めて、Tポイントカードに元から搭載されている機能自体は引き続き使用することができますので、どうぞご安心ください。
5、個人情報漏洩で実害が生じた場合は弁護士に相談
今回はTポイントカードで個人情報が第三者に提供されるのをストップするための手続きもご紹介してきましたが、何も設定を行わなければ標準では第三者提供が有効な状態になっており、提携先のトラブルなどで思わぬ個人情報漏洩の被害に遭う可能性もゼロではありません。
2003年に個人情報保護法が成立して以来、2015年に行われた法改正も経てますます個人情報を慎重に扱う流れが定着してきてはいるものの、残念ながら企業が持っている顧客データを不正に売買しようとする情報屋はいつの時代にも存在するものです。
もし万が一、みなさんの個人情報がそういった悪用の対象となり、実際に危険な目に遭うなどの実害が生じた場合には、速やかに弁護士へ相談を行いましょう。
被害の大きさによっては個人情報を流出させてしまった企業などに対して損害賠償請求をすることができ、さらなる被害を防ぐための対策などについても法的な観点からアドバイスを得ることができます。
特に企業を相手に交渉を進めていく場合、ほとんどのケースで相手方には企業の内情を熟知している顧問弁護士がついているため、個人で対応を行おうとしても限界があり、企業側にとって有利な条件で強引に話を進められてしまうことも多いものです。
みなさんが本来得られるはずの利益をきちんと守るためにも、こちら側も弁護士を味方につけてしっかり戦略を練っていきましょう。
まとめ
Tポイントカードでの個人情報の第三者提供は、あくまでも利用者にとって価値のあるサービス向上をはかることが目的であり、個人情報保護法にも則った範囲で運用されているため、それ自体が法的に問題になるものではありません。
ただ、ご紹介したように提供先の企業はすでに100社を超えており、今後も増え続けていくことが予想されます。
そういった中で何かしらの流出トラブルが発生し、みなさんの個人情報が悪用されるというリスクを無視できないこともまた事実です。
「なるべくそのリスクを下げておきたい」という場合、Tポイントカードではインターネット上からいつでも第三者提供の停止を行う手段も用意されています。
また、実際に個人情報漏洩の被害に遭ってしまった場合は、弁護士に相談することでそれ以上の被害を食い止め、みなさんの利益を守るための対応策を一緒に考えていくこともできます。
今回お伝えした内容を参考に、ぜひみなさんも普段利用中のサービスで自分の個人情報がどのように取り扱われているのか、この機会に今一度見直してみてください。