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面会交流調停とは?親が子どものために知っておきたい11のことを解説

面会交流調停についてお調べではないですか?

離婚で親権者になれなかった方や、まだ離婚はしていないけど配偶者がお子さんを連れて出て行ってしまったという方の多くが、子どもに会いたいのに会えないという問題に直面します。親としてお子さんに会えず成長を見られない状況はつらいことですし、お子さんとしても親御さんとは会いたいはずであり、片親の都合で子どもにも迷惑をかけているのは大きな問題です。このような状態にあるなかで何とか子どもに会う手段はないものでしょうか。

今回は、このような問題の解決策である「子の監護に関する処分調停」(一般的には「面会交流調停」といいますので、この後は面会交流調停といいます。)に関し、以下の内容についてお話したいと思います。

・面会交流調停をすべきなのはどのような場合?
・面会交流調停の申立ての方法
・申立書以外で面会交流調停の申立てのための必要書類は?
・面会交流調停の申立てにかかる費用は?

これまで多くの離婚事件を解決してきたベリーベスト法律事務所の弁護士が監修した内容ですのできっとご参考になるかと思います。

この記事が、子どもに会えず辛い思いをしている方の今後の対策のお役に立てば幸いです。

親権に関して詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。

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1、面会交流調停とは?

面会交流調停とは?

「面会交流」という言葉自体、聞き慣れない方が多いでしょう。

この用語は、離婚後または別居中に子どもを養育・監護していない親が子どもと面会することを指します。面会交流に際しては、面会の場所や時間などの具体的な内容や方法について父母が話し合って決める必要があります。

しかし、話し合いがまとまらない場合や話し合いができない場合に、家庭裁判所における話し合いで問題を解決する手段があります。それが面会交流調停です。面会交流調停は、離婚後はもちろん、別居中で両親が子どもとの面会交流について合意に至れない場合にも申し立てることができます。

また、調停が不成立になった場合には、自動的に審判手続が開始され、裁判官が、調停等に現れた一切の事情を考慮した上で、面会についての審判を下します。

2、面会交流調停はどのような場合に行うべき?

面会交流調停はどのような場合に行うべき?

このように面会交流については、第一義的には両親が、自由な話し合いでどのように行っていくのかということを話し合って決めることができるものですし、そうすべき問題です。したがって、問題なく話し合いができ、面会交流が実施されている場合にはわざわざ調停を起こす必要はありません。

調停が必要なのは、このような話し合いができない場合、あるいは現在は面会交流が実施されているが、今後はスムーズに実現できない恐れがあり、しっかりと話し合いをしておくべきだといえる場合です。

3、面会交流調停の申立ての方法

面会交流調停の申立ての方法

面会交流調停を申し立てるには、家庭裁判所に申立書を提出する必要があります。申立書は自分で一から作成する必要はなく、家庭裁判所が用意している雛型を利用すれば足ります。雛型は、家庭裁判所の窓口か、下記ウェブサイトでも入手できます。また、ウェブサイトでは記入例も紹介されていますので、参考にするといいでしょう。

(1)雛型ダウンロード

家庭裁判所が用意している雛形のダウンロードはこちら

(2)記入例

7514menkaikouryuu のコピー

7514menkaikouryuu のコピー

URL:http://www.courts.go.jp/vcms_lf/7514menkaikouryuu.pdf

4、面会交流調停での申立書以外での必要書類は?

面会交流調停での申立書以外での必要書類は?

申立書以外では次の3つが必要になります。①と②は家庭裁判所の窓口でもらえます。書き方も不明点があれば、窓口で教えてもらうことができます。

  • ①事情説明書
  • ②進行に関する照会回答書
  • ③未成年者(子ども)の戸籍謄本(全部事項証明書)

5、面会交流調停の申立てにかかる費用は?

面会交流調停の申立てにかかる費用は?

まず、申立書に1200円分の収入印紙を貼付する必要があります。そのほか、裁判所が相手方等に郵便を送る際に必要な切手を一定額分納める必要があります。もっとも、郵便切手については申立てをする裁判所ごとに異なりますので、申立てをする裁判所にいくら分必要なのかを確認するようにしましょう。

6、面会交流調停の申立ての方法は?

面会交流調停の申立ての方法は?

面会交流調停はどこの裁判所でも受け付けてもらえるというわけではなく、受け付けてもらえる裁判所が限られています。これを管轄といいます。どこが自分の管轄裁判所なのか確認してから調停を申し立てるようにしましょう。面会交流調停の管轄裁判所は、相手方の住所地の家庭裁判所または当事者が合意で定める家庭裁判所です。

具体的には、自分が東京に住んでいても相手方が札幌に住んでいれば、原則として札幌の家庭裁判所に申立てを行う必要がありますが、当事者が話し合って東京で調停をしようと合意ができたら東京で調停を行うことができるという意味です。

管轄裁判所を確認したら、管轄裁判所に申立書と必要書類を持参(又は郵送)して窓口に提出します。これで申立完了です。

7、面会交流調停の流れ

面会交流調停の流れ

管轄裁判所に申立てを行うと、1週間から1カ月程度で初回の調停の日時(期日)を決めるための連絡があります。初回期日が決まると相手方に調停が起こされたことと初回期日がいつかという手紙が裁判所から送られます。

調停期日では、離婚や財産分与の調停とは異なり、調停委員のほかに、通常は初回から、家庭裁判所調査官という人が同席します。面会交流に関する事柄は、子どもの福祉を考慮に入れて検討しなければならないため、法律問題に限られない問題の背景や事実関係を調べるために調査官が同席するのです。

このような調査官の視点も入れながら、子どもに負担をかけない形で、基本的にはなるべく面会が達成されるようにという方向で話し合いが進められます。

8、面会交流調停を欠席するとどうなる?

面会交流調停を欠席するとどうなる?

初回期日については、相手方が一方的に告げられることを説明しました。

しかし、初回期日に欠席しても問題はありません。初回期日は相手方の都合を考慮せずに設定されるため、話し合いを行うことができます。ただし、欠席する場合は理由をしっかりと説明し、話し合いを望んでいることを明確にする必要があります。2回目以降は、相手方の都合も考慮されるため、やむを得ない理由がない限り出席するようにしましょう。

欠席が続くと、調停が不調(不成立)となり、審判が下される可能性があるため注意が必要です。審判の場合、申立人の言い分だけが反映されるため、相手方の意見が一切反映されないことがあります。不利益を被る可能性があるため、調停には出席するか、出席が難しい場合は弁護士に対応を依頼することをおすすめします。

9、面会交流調停を有利にすすめるには?

面会交流調停を有利にすすめるには?

先ほども説明したように、面会交流調停では子の福祉という観点が最も重要視されます。そして、裁判所としては、基本的には、親と子供が面会することが子の福祉にかなうと考えています。したがって、面会を求める側(基本的には申立人でしょう)は、思うように進行しない場合でも感情的にならず裁判所の指揮に従うようにしましょう。

一方、面会をさせたくない側(基本的には相手方でしょう)としては厳しい対応が迫られます。このように裁判所としては基本的には面会を実現する方向で調整を求めます。これを拒むには、むしろ面会をさせることが子の福祉に害する(たとえば、非監護親が子どもに暴力をふるう)ということを説得的に説明し、裁判所に理解してもらうことが必要になります。

10、面会交流調停を弁護士に依頼するメリットとデメリット

面会交流調停を弁護士に依頼するメリットとデメリット

面会交流調停は弁護士に依頼したほうがいいのでしょうか。結論から言えば弁護士に依頼するデメリットは基本的にないため、可能な限り弁護士に対応を依頼したほうがいいでしょう。先ほど説明したように、面会交流調停では、調査官も参加して調停が進められることが多いですが、調査官への対応や調査官が行ってまとめる調査官の意見への対応等は調停の結果を左右する可能性があります。したがって、少しでも手続きを有利に進めようと考えられるのであれば弁護士に依頼すべきでしょう。

しかし、弁護士に依頼すれば弁護士費用がかります。着手金として30万円程度、そして成功報酬としてさらに30万円程度が一般的です。しいてデメリットを挙げるとすれば、この弁護士費用の負担が挙げられるでしょう。

11、面会交流調停で決めた内容を相手が守らないとどうなる?

面会交流調停で決めた内容を相手が守らないとどうなる?

調停条項によって異なりますが、調停における面会交流に関する対応としては、以下の3つが考えられます。

まずは、履行勧告です。これは、裁判所から相手方に面会交流の実施を指導するものであり、指導に従う可能性は高いですが、強制力がないため無視されることもあります。

2つ目は、再度調停を起こすことです。相手方が面会を拒否する理由が調停条項に沿った面会交流が困難な状況にある場合には、再度話し合って条項を更新し、面会を実現することができる場合があります。ただし、相手方が話し合いを拒否している場合には、再度の調停申立ては意味がありません。

3つ目は、間接強制です。これは、相手方が面会を拒否するたびに一定額の罰金を科すことで、強制的に面会を実施するようにする方法です。ただし、この間接強制は調停条項によってのみ可能であり、また、罰金を支払っても相手方が面会を拒否する場合は効果がありません。

なお、無理矢理に面会を実施させるような制度は存在せず、子どもの負担が大きくなるため、子どもに負担をかけないよう配慮する必要があります。

面会交流調停のQ&A

Q1.面会交流調停の意味は?

面会交流にあたっては、いつどこで会うのか、面会の時間はどれくらいにするのか等の具体的な内容や方法について父母が話し合って決める必要がありますが、話合いがまとまらない場合や話合いができない場合に、家庭裁判所における話し合いで問題を解決するための手段が面会交流調停です。

Q2.面会交流調停の申立ての方法は?

面会交流調停を申し立てるには、家庭裁判所に申立書を提出する必要があります。申立書は自分で一から作成する必要はなく、家庭裁判所が用意している雛型を利用すれば足ります。雛型は、以下のリンクからダウンロードすることができます。

家庭裁判所が用意している雛形をダウンロードする

Q3.面会交流調停を有利にすすめるには?

面会交流調停では子の福祉という観点が最も重要視されます。そして、裁判所としては、基本的には、親と子供が面会することが子の福祉にかなうと考えています。したがって、面会を求める側(基本的には申立人でしょう)は、思うように進行しない場合でも感情的にならず裁判所の指揮に従うようにしましょう。

まとめ

以上、面会交流ができない場合に起こす面会交流調停について説明してきました。面会交流調停は、面会を実現させる可能性がある手続きですから、もし、お子さんと面会ができないという場合には、面会交流調停の利用も視野に入れてご検討いただければと思います。

※この記事は公開日時点の法律を元に執筆しています。

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