借金生活で常に頭の中が終わらない借金のことでいっぱいではありませんか?
- いつまでこんな生活を続けなければならないのか…
- どうすれば借金生活から抜け出せるの?
今回は、こんな悩みをお持ちの方のために、借金生活から脱出された方の実例と方法をご紹介します。
借金が返せないことにお悩みの方は以下の関連記事もご覧ください。
目次
1、総額350万円の借金生活から脱出したAさんの事例
まず、パチンコが原因で総額350万円の借金を抱えたものの、任意整理で借金生活から抜け出したAさんという方の事例をご紹介します。
(1)Aさんのプロフィール
Aさんのプロフィールは、以下のとおりです。
- 性別:男性
- 年齢:35歳(当時)
- 職業:会社員
- 年収:300万円
- 家族構成:妻と子ども1人(2歳)
(2)借金の経緯
当事務所の無料相談を利用されたAさんからお聞きした事情は、以下のとおりです。
①18歳の時からパチンコが趣味
Aさんは高校を卒業して就職されましたが、会社帰りにパチンコをするのが楽しく、連日のようにパチンコ店に通っていました。
当初は給料の範囲内で楽しんでいましたが、ボーナスも含めて給料のほとんどをパチンコにつぎ込んでしまい、貯金などはまったくできていない状態でした。
②20歳の頃から負けても借金をしてパチンコを続ける。
パチンコで勝って1日で何万円も儲かることもありましたが、当然、負けることもありました。
ほとんどの方がそうであるように、Aさんもトータルで見ると大きなマイナスとなっていました。
Aさんは「パチンコで負けた分はパチンコで取り戻そう」と思ってしまい、ますますパチンコにはまっていきます。
20歳の頃(平成17年頃)からは、負けても消費者金融で借金をしてパチンコを続けました。
平日の会社帰りだけでなく、休日もパチンコ店に入り浸りだったとAさんは仰っていました。
消費者金融は3社を利用し、何とかやりくりしつつパチンコを続けるという日々が長年続きました。
③31歳のときに新車を購入し、返済が苦しくなり始める
Aさんは4年前の31歳のとき、約250万円のローンを組んで新車を購入しました。
それまでは何とかやりくりしながら消費者金融3社に返済していましたが、毎月3万円の車のローンの返済が加わったため、返済が苦しくなりました。
そのため、消費者金融から追加で借りては返済するという自転車操業の状態になり、消費者金融3社はいずれも枠一杯まで借りてしまいます。
④32歳のときに結婚、自由に使えるお金が少なくなる
Aさんは3年前、32歳のときに結婚し、翌年にはお子さんを授かられました。
しかし、そうなると自由に使えるお金は少なくなり、消費者金融と車のローンの返済が難しくなってしまいました。
そこでAさんは、銀行系カードローンにも手を出して、返済に充てるようになりました。
パチンコ店通いも続いていて、銀行系カードローンもあっという間に限度額の100万円まで借りてしまいます。
もうどこからも借りられない状態となり、到底返済できないと思ったAさんは、当事務所の無料相談にお見えになりました。
(3)解決方法の検討
Aさんは、総額350万円もの借金は到底返済できず、自己破産するしかないとお考えでした。
長年パチンコに借金をつぎ込んだことについては反省されており、自己破産をして借金をゼロにして再スタートを切りたいというのがAさんの希望でした。
たしかに、年収300万円で総額350万円の借金を抱えている場合、一般的には自己破産を申し立てるべきケースといえます。
しかし、ギャンブルが原因の借金では自己破産をしても免責を受けられないかもしれないという問題があります。また、自己破産をするとローン支払い中の車は引き揚げられてしまいます。しかし、Aさんは通勤のために車が必要だと仰います。
そこで、ある程度は苦しい生活が続くものの、任意整理によって借金を減額すれば借金生活から抜け出せる可能性があることを提案させていただき、Aさんも同意されました。
(4)返済計画の検討
任意整理の場合、多少は借金を減額できる可能性がありますが、それでもある程度の金額を返済し続けなければなりません。
そのため、パチンコで支出することは絶対にやめてもらわなければなりません。
Aさん自身も子どもが可愛くなってきたので、休日は子どもと遊ぶことにし、パチンコはやめることを誓約していただきました。
また、奥さまもパートで働くようになったとのことで、Aさん自身の給料と合わせて毎月6万円なら返済していけるとのことでした。
さらに、完済するまではできる限り支出は抑えるように、
- 家計簿をつけること
- 外食や無用な飲み会への参加を控えること
- 平日の昼食は弁当と水筒を持参すること
などをアドバイスさせていただきました。
(5)債権者との交渉
まず、車のローンについては任意整理の対象から外し、そのまま返済を続けてもらうこととしました。
銀行カードローンは返済期間の延長し、毎月の返済額を減らしてもらうように交渉しました。
消費者金融については、利息引き直し計算によって元金を一部カットし、減額後の元金についても毎月の返済額を減らしてもらうように交渉しました。
各社との交渉結果をまとめると、次のような結果となりました。
債権者 | 約定残高 | 約定返済月額 | 和解額 | 整理後返済月額 |
車のローン | 120万円 | 3万円 | 介入せず | 3万円のまま |
銀行カードローン | 100万円 | 3万円 | 100万円 | 1万7000円 |
消費者金融 | 50万円 | 1万5000円 | 30万円 | 5000円 |
消費者金融 | 50万円 | 1万2000円 | 20万円 | 3400円 |
消費者金融 | 30万円 | 9000円 | 15万円 | 2500円 |
合計 | 350万円 | 9万6000円 | 285万円 | 5万7900円 |
(6)Aさんの現状
Aさんの近況としては、任意整理後の残高を順調に返済中であり、少しずつ貯金もできているとのことです。
いずれ借金は一括返済して、その後は子どもの学費などに備えたいとAさんは仰っています。
任意整理をしたことで精神的にも楽になり、家庭が円満で生活が楽しく、パチンコにも行かなくなったとのことです。
このまま頑張られれば数年で借金生活から完全に抜けだし、奥さまとお子さまと一緒に幸せな生活を築いていかれることでしょう。
2、総額800万円の借金生活から脱出したBさんの事例
次に、総額800万円もの借金生活から個人再生によって脱出されたBさんという方の事例をご紹介します。
(1)Bさんのプロフィール
Bさんのプロフィールは、以下のとおりです。
- 性別:男性
- 年齢:40歳
- 職業:会社員
- 年収:500万円
- 家族構成:妻と子ども2人(10歳と8歳)
(2)借金の経緯
当事務所の無料相談でBさんからお聞きした事情は、以下のとおりです。
①10年前に住宅ローンを組んでマイホームを購入
Bさんは12年前に結婚され、10年前に約3,000万円の住宅ローンを組んでマイホームを購入されました。
返済月額は8万円で、延滞なく返済されていますが、ローンはまだ2,000万円以上残っています。
②5年前から始めた株で失敗し、借金を抱える
住宅ローンの返済だけなら、Bさんの経済的には特に問題はありませんでした。
しかし、Bさんは株で失敗して借金を抱えてしまいます。
結婚して子どもも授かり、マイホームも購入したBさんは資産を増やそうとして約5年前から株式取引を始めました。
しかし、なかなか利益を出すことはできませんでした。
銀行系カードローンで借金をして取引を続けているうちに、借金はあっという間に800万円に膨れ上がってしまいました。
(3)解決方法の検討
Bさんは住宅ローンの他に800万円もの借金の返済は到底無理でしたが、せっかく家族のために購入したマイホームを何とか残す方法はないかということで、無料相談に見えました。
借金額からすれば自己破産も視野に入りますが、自己破産をするとマイホームを残すことはできません。
また、株が原因の借金もギャンブルによる借金と同じように、自己破産をしても免責が受けられない可能性があります。
さらに、借金のほとんどが銀行系カードローンであるため、任意整理では大幅な減額は見込めません。
住宅ローンを返済中のマイホームを残しながら多額の借金を整理する方法としては、個人再生(住宅資金特別条項付き)があります。
Bさんには安定した収入があるので個人再生で解決できる見込みがあることを提案させていただき、Bさんも同意されました。
(4)家計の見直し
個人再生をすると借金が大幅に減額されますが、それでも3年~5年にわたって返済を続けなければなりません。
そのため、完済するまでは株などリスクの高い投資はしないことを誓約してもらいました。
また、返済を続けていくために家計簿を付けて、お金の管理を強化することもアドバイスさせていただきました。
さらに、今後、子どもの教育費も増大するため、Bさんは奥さんにもパートで働いてもらうことにしたとのことでした。
(5)個人再生の手続き
住宅資金特別条項付き個人再生の手続きでは、原則として住宅ローンはそのまま返済を続けることになります。
個人再生の手続き内でリスケジュールすることも可能ですが、Bさんの場合は滞納もなかったので、そのまま返済を続けていただくことにしました。
その他の借金については、個人再生の手続きによって800万円から160万円に減額されました。
返済期間は原則として3年間ですが、できるだけ返済月額を抑えたいというBさんの希望により、5年払いで再生計画案を作成しました。
この再生計画案が裁判所でも認められ、返済月額は手続き前の18万円から約2万7,000と大幅な減額に成功しました。
(6)Bさんの現状
Bさんの近況としては、住宅ローン・その他の借金ともに順調に返済中とのことです。
株への投資はやめたため資産が大きく増えることはありませんが、堅実に生活をしながら子どもの教育費に備えて貯金もできていると仰っていました。
家族のためにマイホームを守れたことが何よりも嬉しいとのお言葉をBさんからいただきました。
3、借金生活から脱出するための「債務整理」とは
借金総額が少ないうちであれば、節約して生活費を切り詰め、収入を増やす努力をすることで借金生活から脱出できることもあります。
しかし、そのような努力を重ねてもなかなか借金が減らない場合は、無理をせず債務整理をすることをおすすめします。
債務整理には、段階により以下の4つの方法があります。
(1)任意整理
任意整理は債権者と金利の引きなおしや借金の減額について話し合いをして、生活していくのに支障のない返済金額で返済計画を立てる手続きです。
この手続きの中で、利息を払い過ぎていたことがわかることがあります。その場合には、払い過ぎた利息を過払金として債権者へ返還請求することが可能です。
詳しくは以下の関連記事をご参照ください。
(2)特定調停
特定調停は債務者から裁判所へ申し立て、債権者との仲裁をしてもらい返済条件を軽くする合意が成立するよう働きかける手続きです。借金を整理して債務者の生活の建て直しをサポートするための制度です。
詳しくは以下の関連記事をご参照ください。
(3)個人再生(民事再生)
個人再生は現在ある借金を返済することが難しいことを裁判所に認定してもらい、借金を減額して3年~5年の期間で分割返済していく手続きです。
借金額が5000万円以下であれば、最大で10分の1にまで減額できるのが特徴です。
住宅などの財産を処分せずに借金を整理できます。
詳しくは以下の関連記事をご参照ください。
(4)自己破産
自己破産は借金の支払義務を免れるための手続き、つまり借金をチャラにする制度です。
自己破産をすると、住宅や自家用車などの財産は処分しなければなりません。
また、手続中に特定の職業に就くことなどが制限されます。
詳しくは以下の記事をご参照ください。
4、借金生活から抜け出すためには弁護士に相談を
借金生活から抜け出す方法は、ひとつではありません。
状況に応じて正しい方法を選択することがまず重要です。
そのためには、弁護士に相談されることをおすすめします。
詳しい状況をお聞きした上で、豊富な経験に基づいてあなたに最適な解決策をご提案させていただくことが可能です。必ず債務整理を勧められるわけではありません。債務整理以外でも、ケースバイケースで借金生活から抜け出すことはできるのです。
また、債務整理をする場合、正確に手続きを行わなければ失敗するおそれもあります。
弁護士に依頼されると、複雑な手続きはすべて弁護士に任せることができますので、精神的にも楽になることができます。
なかなか借金が減らない場合は、一度、弁護士に相談されてみてはいかがでしょうか。
まとめ
借金生活から抜け出すためには、債務整理が有効です。
ただ、債務整理を成功させるためには、あなたご自身も借金生活に陥った原因を見つめて変わる必要があります。
ベリーベスト法律事務所にご相談いただければ、そのお手伝いに尽力させていただきます。まずは、お気軽に無料相談をご利用ください。