カードローン 自己破産を回避!7つの対策と注意点を解説

カードローン 自己破産

銀行のカードローンが以前よりも借りやすくなり、カードローンが原因で自己破産する人は増えています。カードローンを自己破産した場合の影響や制約について、利用者にとって重要な情報が含まれています。

自己破産すれば借金の返済義務から免除されますが、できれば自己破産しないで済むに越したことはありません。カードローンを自己破産した方々が、再度カードローンを利用する際に気になるのは、審査期間や限度額、金利などの条件です。

そこで今回は、カードローンを既に利用されている方やこれから利用するかもしれない方のために、自己破産とカードローンの関係に焦点を当てて、カードローンが原因で自己破産する前に知っておきたいことを解説します。自己破産者だからこそ知っておきたいポイントをお伝えし、安心してカードローンを活用できるようサポートします。

カードローンの審査に自己破産の影響があるか、審査に通りやすい方法など、利用者が気になる疑問にも丁寧にお答えします。さまざまな視点からカードローンと自己破産の関係を解き明かし、読者のニーズに応える一文となっています。

カードローン問題に精通したベリーベスト法律事務所の弁護士が、専門知識をもとに具体的なアドバイスをご紹介します。自己破産に頼らず、カードローンを賢く活用するためのヒントをお届けします。カードローン自己破産の関連情報は、ぜひ本記事をご参考にしてください。

自己破産に関してはこちらの記事をご覧ください。

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1、カードローンで自己破産する人が増えている背景

カードローンで自己破産する人が増えている背景

(1)カードローンは総量規制の対象外

①総量規制とは

2006年に改正貸金業法が施行されて、年収の3分の1超の貸付ができない総量規制が実施されました。

この改正が行なわれたのは、消費者金融が過剰な貸付を行ない、自己破産者が急増し社会問題へと発展したためです。

総量規制により消費者金融を中心とした貸金金業者は、年収の3分の1超の過剰な貸付ができなくなりました。

②銀行は総量規制の対象外

一方で、銀行は貸金業法の規制対象ではなく、銀行法で規制されているため、総量規制による影響を受けませんでした。

では、なぜ銀行は総量規制の対象外としたのでしょうか。

闇金などと違って、銀行は公共性があり、正当な業務を行なっているため、消費者金融のような過剰な貸付をすることはないだろうと判断されたためと言われています。

③総量規制の対象外となった結果

ところが、銀行は「総量規制の対象外」というフレーズを広告で使い、カードローン利用者に過剰な貸付を行ないました。

その結果、消費者金融で借入れができない人が、銀行カードローンで借り入れて多重債務に陥るという状況になったのです。

(2)銀行がカードローン事業に積極的になった

①銀行がカードローン事業に積極的になった理由

ア)銀行のパートナーとしての貸金業者の存在

銀行がカードローン業務に力を入れている理由の一つに、保証会社の存在があります。

銀行はカードローンの保証を、いわゆる消費者金融やカード会社が行なっています。

万が一、貸し付けた利用者が返済不能になったとしても、保証会社が肩代わりするという仕組みになっているのです。

そのため、銀行はリスクを背負うことなく、カードローン利用者を積極的に増やしていけます。

もし保証会社がなければ、貸金が回収不能になった場合のリスクを銀行が負うことになるため、現在のようにリスクを犯してまで積極的な貸付はしないはずです。

イ)ゼロ金利政策の影響による本業の不調

銀行のカードローンで自己破産者が増えているのは、総量規制だけが原因ではありません。

大手の都市銀行だけでなく地方銀行・信用金庫までカードローン業務を行なっています。

これは2016年に日銀が打ち出したゼロ金利政策が大きな影響を与えているのです。

日本は長年にわたって低金利時代が継続していましたが、銀行は預金者のお金を日銀の当座預金への預け入れや国債の運用により、何とか利益を出してしのいでいました。

ところが、ゼロ金利政策により、預金の運用により利益を出していくことが困難な状況に追い込まれたのです。

そのため、利益の出せる業務としてカードローンを取り扱うようになりました。

②銀行がカードローン事業に積極的になった結果

銀行がカードローン事業に積極的になり、以下のような施策を行い、カードローンの利用者と貸付額が大きく増えました。

ア)審査が甘く迅速になった

カードローンは以前に比べると気軽に利用できるようになり、一般の利用者が増加しました。

審査から融資までの手続きも簡単で、即日融資も可能なところも数多くあります。

銀行で通常の融資を受けるには収入や勤続年数などの厳しい審査条件がありますが、カードローンの場合は主婦やアルバイトでも一定の収入があれば審査を通過して借り入れることが可能です。

そのため、主婦やフリーターだけでなく学生でもカードローンを気軽に利用するようになりました。

イ)借入れが手軽になった

窓口まで足を運ばなくても無人契約機でカード発行できるところや、ネット申込みだけでカード発行せずに融資できるところまで登場しました。

さらには、コンビニのATMを利用すれば24時間いつでも借入れすることが可能です。

ウ)CM等でメディアへの露出が増えた

消費者には、貸金業者から借り入れるのは怖いが、銀行なら安心という心理がはたらくでしょう。

その心理があるうえに、カードローン事業に力を入れる銀行各社がCM等で露出を増やし、多くの消費者がカードローンの存在を知り、借入れに対する心理的ハードルも低い状態が生まれました。

2、カードローンで自己破産しないための7つの対策

カードローンで自己破産しないための対策

カードローンで破産する人は増加していますが、利用することに問題があるわけではありません。

大切なことは自己破産しないように、よく考えて適切に利用することです。

ここでは、カードローンで自己破産しないための対策をご紹介します。

(1)なぜ利用するのかを明確に

なぜカードローンを利用するのか明確にしてから利用しましょう。

例えば、住宅ローンで融資を受ける人は住宅を購入するという目的がはっきりしていますが、カードローンを利用する人は目的がはっきりしていない場合がほとんどです。

そのため、借金をしているという意識があまりなく、ついつい借入れを繰り返してしまいます。

なぜ利用するのかをはっきりさせることで、本当に必要なことなのかが明確になり、無駄遣いを防止できます。

(2)毎月の返済額は多めに

返済期間が長くなると借金したことに対する危機意識が薄れていくため、できるだけ短期間に返済していくことが大切です。

短期間で借金を返済させるためのポイントには、以下のようなことがあります。

①元金均等返済の活用

カードローンの返済方式には、「リボルビング方式」「定額方式」「定率方式」「残高スライド方式」「借入時残高スライド返済方式」などがありますが、短期間で返済するのにおすすめなのは「元本均等返済方式」です。

元本均等返済方式は、最初に返済回数と元金が決められて、返済金額が毎月の返済残高に応じて変動する方式で、短期間で元金を減らしていくことができます。

返済をスタートさせた当初は返済額が高く設定されていますが、返済が進んでいくと利息は下がっていくため、返済額も低くなっていくのが特徴です。

この方式では、返済総額を低くできるというメリットがあります。

元金を速く減らすにはおすすめの返済方式です。

②自分の収入に応じて返済額を設定する

元金均等返済は最初の返済金額が高くなりがちですが、自分の収入に見合わない返済金額にするのは避けましょう。

無理な金額に設定して返済できなければ、遅延損害金が発生し借金が増えてしまうことがあります。

毎月の収入から必要なお金を差し引いて残ったお金の中から、余剰資金で返済していくようにしましょう。

自分の収入に応じて返済金額を設定していくことが大切です。

(3)返済が終わるまで別のところで借りない

一つのカードローンの返済が終わる前に、別のところで借りないようにしましょう。

カードローンで多重債務になる人のほとんどは、借金をしているという感覚がなくなり、複数のところで借り入れてしまいます。

一つのカードローンの返済が終わるまでは、別のところで新たな借入れをしないことが大切です。

(4)借入れ状況を常に把握する

自己破産を回避するには、借入れ状況を常に把握する必要があります。

返済していくのが困難だと判断したら、すぐにカード会社へ連絡して借入れ状況を確認しましょう。

カード会社の担当者に確認することは、毎月の利息、遅延損害金の発生状況、残債務はいくらかなどです。

借金の額が大きいと現実逃避したくなるものですが、借金を確実に返済するためには現実に目を向けて危機感を持たなくてはなりません。

そのためには、現在の自分の借入れ状況を把握することが大切です。

(5)返済計画を立てる

借入れ状況を把握したら、現実に借金を返していくための返済計画を立てます。

返済計画を立てる際には、まず自分が毎月どれだけのお金を返済していけるかを知らなくてはなりません。

そのためには、毎月の収入と支出について把握するため、家計簿を作成することをおすすめします。

家計簿を作成することで、毎月の生活費で自分は何にいくら使っているかがすべてガラス張りになります。

その結果、無駄な出費がないかをチェックすることができ、返済可能な金額の上限がいくらなのかが計算できるのです。

たたし、返済計画を立てる場合には、返済可能な金額の上限ではなく、少し低い金額に返済額を設定するようにしましょう。

(6)繰上げ返済の検討

毎月の返済額を確実に支払っていくのと同時に、繰上げ返済をすることをおすすめします。

ボーナスが入った月や節約して余剰資金ができた時には、毎月の返済額とは別にカードローンの返済に充当することを検討しましょう。

繰上げ返済すると返済期間を短縮することができ、さらに利息を低くすることも可能です。

利息は借入残高に比例するため、残債務を早く減らすことができます。

その結果、支払い利息の総額を抑えることができ、トータルの返済額は大幅に減額させることが可能です。

(7)支払い条件を見直す

毎月の返済額が多くて負担に感じる場合は、返済中のカードローン会社で支払い条件の見直しの相談をしましょう。

返済が負担にならないようにするには、「返済額を減らす」「支払い利息を減らす」「支払日を変更する」などの方法があります。

支払い条件の見直しを相談する際には、何よりも大切なことは返済の意思があることをアピールすることです。

そのためには、毎月の収入や返済していくことができる金額、どうやって完済するかということについて、真摯に話しましょう。

3、カードローンで自己破産する場合の3つの注意点

カードローンで自己破産する場合の注意点

借入れの額が増えて多重債務状態となり返済ができなくなった場合には自己破産しなくてはなりませんが、カードローンで自己破産する場合には以下の注意点があります。

(1)口座に預金残高がある場合

消費者金融からのキャッシングと違って、銀行のカードローンの場合は、口座に残っている預金に注意しましょう。

消費者金融からの借入れは無担保の場合がほとんどなので、自己破産しても担保の心配をすることはありません。

ところが、銀行のカードローンの場合は、銀行に預けている預金と相殺されてしまうので注意する必要があります。

銀行のカードローンで自己破産すると、銀行はカードローン利用者の預金口座は凍結して、預金残高があればカードローンの残債務の返済に充当します。

(2)入金口座にしている場合

カードローンを利用している銀行の口座は自己破産すると凍結されてしまうので、給与振込み用やその他の入金用の口座に指定している場合は変更手続きをしなくてはなりません。

そのまま放置していると、入金されたお金を引き出すことができなくなります。

(3)引き落とし口座にしている場合

口座が凍結されると入金だけでなく、引き落としも不可能になりますので、電気代・水道代などの公共料金や携帯料金の口座引き落としも不可能になります。

自己破産の手続きの前に、別の銀行口座へ変更する手続きをしなくてはなりません。

4、自己破産後にカードローンでの借入れはできるか

自己破産後にカードローンでの借入れはできるか

これまで、カードローンによる借入れによるリスクとその対策について説明してきましたが、次に、自己破産後にカードローンで借入れを行なうことができるかということについて説明します。

(1)破産から5年〜10年経てば借入れできる

結論からいうと、破産後、免責決定が下ってから一定期間の借入れは極めて難しいでしょう。

銀行系のカードローンは10年間、消費者金融系のカードローンでも5年間は難しいです。

また、この期間が経過しても、免責された際に残高が残っていた貸金業者からの借入れは、その後もずっと難しいと考えられます。

(2)なぜ5年〜10年経たなければ借入れができないのか

なぜ、破産後一定期間の借入れは難しいのでしょうか。

貸金業者は借入れの審査を行なう際に、申し込んだ人の信用情報を参照します。

信用情報とは、クレジットやローンの申込み、契約、返済等の履歴の他、破産、民事再生、任意整理等の債務整理を行った履歴のことで、闇金を除くすべての業者間で情報を共有して、借り入れ審査の際の参考にしています。

破産して免責された履歴が信用情報に掲載されていると、貸金業者はこの人に貸してもまた返さないかもしれないと考えるため、借入れ審査で落とされてしまう可能性が極めて高いのです。

しかし、信用情報に掲載された情報は一定期間が経過すると削除されるため、そうすると、また借り入れることができる可能性が出てきます。

信用情報機関にはいくつか種類があり、機関によって削除までの期間は異なります。

銀行が参照する信用情報は10年間、消費者金融やクレジットカード会社が参照する信用情報は5年間で削除されます。

(3)破産時に借りていた業者からの借入れはずっと難しい

もっとも、前述の通り、免責された際に残高が残っていた業者からの借入れは、信用情報が削除された後も難しいでしょう。

貸金業者は信用情報機関に掲載された情報だけでなく、自社でも自社の顧客の取引履歴を独自に保有しており、この履歴については一定期間が経過すると削除するという統一された決まりがなく、各業者が独自のルールで管理しています。

相当な期間に渡って保有する業者も多く、免責時に残高が残っていた業者から再度借り入れることは、いつまで経っても難しいと考えられます。

(4)免責後7年間は再度免責を受けられない

免責決定から7年間は、再度破産して免責を受けることができないので、破産後の借入れには一層の注意が必要です。

自己破産後の借入れについて、詳しくは「自己破産後に消費者金融から借り入れる方法と借入れしやすい業者の見分け方」をご参照ください。

まとめ

いかがでしょうか。

今回は、カードローンが原因で自己破産する前に知っておきたいことについて解説させていただきました。

カードローンは気軽に利用できて、上手に活用すれば大変便利ですが、注意しなければ多重債務に陥り自己破産するリスクがあります。

この記事が、カードローンを利用される方のお役に立てると幸いです。

※この記事は公開日時点の法律を元に執筆しています。

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