夫が突然家出した。
妻として、驚きと悲しみでいっぱいではないでしょうか?
実は警察庁が公開している統計データによれば、家出をする人のうち約20%は「家庭関係」を理由にしており、全理由の中でも比較的高い割合を占めているのです。
今回は、
- 家庭の事情で家出をしてしまった夫への対処法
- そもそも夫はどこへ行ったのか
- 帰ってきた夫から万が一離婚を切り出されたらどのように対応するべきなのか
夫と音信不通になってしまったみなさんが押さえておきたいポイントをまとめてご紹介していきます。ご参考になれば幸いです。
目次
1、夫はどこへ行ったの?家出したときの主な行き先
まずは夫婦喧嘩で家を飛び出した男性が逃避先として選びがちな、よくある行き先をチェックしていきましょう。
(1)実家
普段から実家との行き来が頻繁な夫の場合、ひとまず実家に逃げ込んでいる可能性がとても高いです。
自分の両親なら何があっても自分の味方をしてくれるはず、という安心感がありますし、さしあたって滞在費がかからないところも足が向きやすいポイントでしょう。
(2)ビジネスホテル
実家に泣きつくのは恥ずかしい、泣きつきたいけれど実家が遠いというパターンでは、ビジネスホテルを選ぶ男性も多いです。
出張などで普段からビジネスホテルを利用することに慣れている場合、家出先としても1番に思い浮かびやすいでしょう。
(3)友人宅
大学時代の友人とまだ親しい交流がある、飲み会の帰りなどに職場の同僚の家にたまに泊まることがあるという男性なら、友人宅に転がり込んでいる可能性もあります。
独身の男友達が多ければさらに確率はアップするので、いつも夫が仲良くしているメンバーを1人1人思い返してみましょう。
(4)漫画喫茶・カラオケ
実家や友人は頼れない、ビジネスホテルに泊まるお金も惜しい…そんな男性は24時間営業の漫画喫茶やカラオケにこもっているケースも多いです。
漫画喫茶・カラオケなら暇つぶしにも困ることはなく、夫婦喧嘩の後味の悪さから目を背けたいときにもぴったりの家出先でしょう。
(5)ファミレス・ファストフード店
近所に深夜まで営業しているファミレスやファーストフード店があるなら、夫はそこで時間をつぶしているのかもしれません。
横になることが難しいので長時間の滞在には向きませんが、ひとまず頭を冷やしたい・状況を整理したいというときに立ち寄っている可能性は十分あるでしょう。
(6)あてもなく移動している
とっさに家を飛び出したはいいものの、頼れる先があるわけではなく、行き先の目星をつけられずにフラフラと移動しているケースもあります。
車がなくなっている場合は今も車で移動を続けているか、どこかで車中泊をしている可能性も高いでしょう。
(7)不倫相手の家
あまり考えたくないパターンですが、夫には不倫相手がいて、その相手の家に落ち着いている可能性もゼロではありません。
最近急に残業が増えたり、スマホを手離さなくなったりといった不審な行動がなかったかどうか、1度思い返してみてください。
(8)職場
夫が職場の鍵を持っている・自由に出入りできる仕事先に勤めている場合、その職場も家出先の有力候補のひとつです。
職場にシャワーやお泊りセットが揃っているならビジネスホテルとほぼ同じ感覚で利用でき、翌朝の通勤の心配をする必要もないので都合が良いでしょう。
2、夫が家出を決心する主な理由
続いて、夫が家出に踏み切る主な理由についても見ていきましょう。
(1)妻の小言や態度が我慢の限界だから
直前に夫婦喧嘩をしていた場合も含め、妻の言動に嫌気がさして衝動的に家出を決心する男性はとても多いです。
普段から妻に対して小さな不満を募らせていたり、仕事から疲れて帰っても愚痴や小言を聞かされる日々にストレスが溜まっていたというケースもあります。
(2)仕事で大きな失敗をしてしまったから
今後の出世に響くような大きな失敗をしてしまい、会社の上司から叱責されたショックでそのまま家出をしてしまう男性もいます。
「それならどうして妻である私に相談してくれないんだろう…」と悲しくなる方も多いかもしれませんが、自分が家族を養わなければならないという責任感の強い男性ほど、仕事での失敗を家族には打ち明けることができず、申し訳なさや情けなさで頭がいっぱいになってしまうのです。
(3)家族に言えない借金を作ってしまったから
家族に内緒でギャンブルにハマっていた、貯金を崩して勝手に手を出した投資で大損したなど、取り返しのつかない金銭トラブルも家出のよくある原因のひとつです。
「妻に話したら軽蔑される」「怒って離婚を切り出されるかも…」という恐怖はもちろん、家族を裏切ってしまったという罪悪感が、「もう家に帰ることはできない」という心理につながっていくのでしょう。
(4)ほかに好きな女性ができたから
妻とは別の女性に心が移り、その相手に夢中になってしまっているというケースも残念ながら存在します。
一時的な熱に浮かされているだけにせよ、このパターンの家出は本人の中では駆け落ち同然であることも多いです。
(5)今の暮らしが窮屈だから
自宅に自分の居場所がない、職場と家を往復するだけの日々に意味を見出せなくなった…など、なんとなくすべてを投げ出してしまいたくなって家出をする男性も実のところ珍しくありません。
この場合特にこれといったトラブルや前兆もないことが多いため、残された側にはまったく心当たりがないという状態に陥りやすいでしょう。
(6)自分自身が嫌になったから
あなたの夫はコミュニケーション能力が高くありませんでしたか?
明るく、優しく、完璧な夫ではなかったでしょうか。
このようなタイプの人は、自分で自分を処理しきれなくなることがあるようです。
自分のことを誰も知らない場所へ行き、一人になりたい。
その一心であった可能性があります。
わがまま等を言ってはいけないという自分への制御を完璧にこなすため、周囲からも評価が高く、だからこそもはや相談する人がいなくなってしまっていたのかもしれません。
3、夫の居場所を探し、帰ってきてもらうためにすべきこと
ここからは、夫に家出先から帰ってきてもらうための対処法をまとめてご紹介していきます。
(1)1週間温かいご飯を作って帰宅を待つ
出鼻をくじくようですが、自分の意志で出て行った大人を力ずくで連れて帰るのはあまりスマートではなく、できれば自分の意志で帰ってきてもらうのが1番の解決方法です。
何もしなくても大半の場合、家出から1週間以内に行方不明者の所在確認ができているという統計データもあります。
【行方不明者届受理から所在確認までの期間】
区 分 | 合計 | 受理当日 | 2日~ 7日 | 8日~ 14日 | 15日~ 1か月 | 1か月~ 3か月 | 3か月~ 6か月 | 6か月~ 1年 | 1年~ 2年 | 2年~ |
発見 | 36,428 | 16,867 | 11,780 | 1,082 | 1,114 | 1,475 | 918 | 892 | 847 | 1,453 |
死亡確認 | 3,771 | 805 | 1,657 | 292 | 249 | 272 | 116 | 91 | 75 | 214 |
帰宅等確認 | 35,892 | 15,951 | 12,694 | 1,619 | 1,286 | 1,506 | 632 | 628 | 518 | 1,058 |
その他 | 7,774 | 980 | 1,046 | 220 | 261 | 550 | 424 | 1,016 | 694 | 2,583 |
総数 | 83,865 | 34,603 | 27,177 | 3,213 | 2,910 | 3,803 | 2,090 | 2,627 | 2,134 | 5,308 |
引用元:警察庁(平成28年における行方不明者の状況)
下手に夫を刺激するよりは、しばらくの間そっとしておいて、夫が自然に家に帰りたくなるのを待ちましょう。
(2)夫のいるところまで足を運ぶ
しばらく待っても夫が一向に帰ってこない場合、行き先の検討がついているなら1度足を運んでみるのも方法のひとつです。
勢いよく家を飛び出してしまった手前、どんな顔をして帰れば良いのか分からなくなっているだけのケースもあります。
優しく迎えに行くことで、夫が家に帰るきっかけを作ってあげましょう。
(3)夫に謝罪の連絡をする(LINE・電話・メールなど)
自分に非があった場合、LINEや電話などで謝罪の言葉を伝えるのも必要なステップ。
どちらが悪いとハッキリ言えない喧嘩の場合も、先に反省の気持ちを示すことで和解につながりやすくなります。
(4)夫の友人にも協力を得て、謝罪したいことを伝えてもらう
電話やメールがつながらない・連絡を拒否されてしまう場合は、共通の友人や知人を通して謝りたい意思を伝えてもらいましょう。
その友人と3人で話し合いの場を設けるのもおすすめの対処法です。
(5)心当たりのある場所を探す
まだ行き先が判明していない場合、まずは夫が今どこにいるのかを把握することが第一です。
心当たりのある場所をひとつひとつ探し、友人にも協力を仰ぎましょう。
(6)探偵などの専門家を使って捜索する
自分で行動できる範囲には限界があるので、場合によっては探偵などの専門家に捜索を依頼するのもひとつの手。
それなりの費用はかかりますが、スムーズに家出先を突き止めることができるでしょう。
(7)居場所がわからない場合は捜索願を出しておく
心当たりのある場所を全部探しても夫が見つからない・もうすでに連絡なしで数日家を空けているという場合、捜索願を出すことも検討しましょう。
万が一何らかの事件に巻き込まれていたとき、1番に警察から連絡を受けることができます。
(8)家にある旦那の物に家出の痕跡がないか調べてみる
クローゼットの中身や常備薬の有無などを確認し、衣類などの生活用品一式が持ち出されていた場合、家出は長期に及ぶことが考えられます。
ゴミ箱やデスク回り、パソコンの検索履歴などもチェックするとより多くの情報を得やすく、借金の督促状や「探さないでほしい」というメモなどが見つかれば、家出の直接の原因が分かることもあるでしょう。
4、夫が帰ってきた後の接し方について
夫が無事家に帰ってきたら、どのように接するのがベストなのでしょうか。
問題をスムーズに解決するために、気を付けたいポイントをまとめました。
(1)自分に非があると思ったことについて素直に謝る
まずは帰ってきてくれたことについて夫に感謝し、自分が悪かったと思うところは素直に謝りましょう。
家出したことを責めたり怒ったりするのは逆効果なので、あくまでも「本当に心配していた」というトーンで優しく穏やかに接するのがポイントです。
(2)再発防止に向けて夫婦で話し合いをする
何がそんなに夫を追い詰めてしまったのか、家出の原因を夫婦で話し合うことも欠かせません。
根本的な問題が解決されない限り、今後も今回のようなトラブルは再発する可能性があることを心得ておきましょう。
より詳しい仲直りの方法は、こちらの記事でもご紹介しています。
5、夫の家出を防ぐため絶対にやってはいけないこと
家出の再発を防ぎたいなら、絶対にやってはいけないNG例もあわせてチェックしておきましょう。
(1)もう帰ってこなくていい・お前なんかいらないと言う
家出されたことがどんなにショックでも、「もう帰ってこなくていい!」「お前なんかいらない!」と夫を否定する言葉だけは絶対に口にしないようにしましょう。
今後の夫婦関係に致命的なダメージを与えてしまいます。
(2)一方的に自分の意見を伝えるのではなく相手の話を聞く姿勢も持つ
もしかしたら、夫は自分の意見に聞く耳を持たないあなたとの関係に疲れを感じてしまったのかもしれません。
自分の思っていることをハッキリ伝えるのは大事なことですが、それと同時に相手の話をきちんと最後まで聞く姿勢も忘れないように気を付けましょう。
(3)喧嘩になっても、冷静に話し合うことを心がける
話し合っているうちに、また感情が高ぶって喧嘩に発展してしまうこともあるでしょう。
2人だけで冷静に話し合うことが難しいなら、第三者に同席してもらうのもひとつの方法です。
自宅ではなくあえて人の目がある公共の場で話をするのも、冷静さを保つのに効果的です。
6、何度も夫が家出を繰り返してしまう場合の対処法
どれだけ話し合いを重ねて夫婦で問題解決に取り組んでも、しばらく経つとまた夫が家出を繰り返す…。
このようなケースでは、「失踪癖」という精神病が影響していることも考えられます。
本人に家出をしているという自覚がなく、帰ってきた夫とイマイチ話が噛み合わないという場合、特にその可能性が濃厚です。
1度夫婦でカウンセリングに足を運んでみましょう。
7、夫が離婚したいと言ってきたら…
家出から帰った夫に離婚を切り出されたら、どのような対応が必要になるのでしょうか。
みなさん自身も離婚を考えている場合・離婚ではなく再構築を目指したい場合、どちらにも共通する対処法をご紹介していきます。
(1)まずは夫婦で話し合う
いずれにせよ、今の素直な気持ちをお互いに打ち明け、夫婦でしっかり話し合う時間が必要不可欠です。
本当に離婚が1番良い選択肢なのか、夫婦関係を修復するために他にできることはないのか、あらゆる可能性を検討してみましょう。
(2)離婚問題を専門に扱うカウンセラーに相談してみる
夫婦だけで話を進めることが難しい場合、専門のカウンセラーに相談するのもおすすめです。
離婚や夫婦関係の修復を専門に扱うプロなら、これまでの経験からみなさんの現状に合った適切なアドバイスを行ってくれるでしょう。
(3)弁護士に相談するのもおすすめ
弁護士というと離婚に関する手続きやトラブルの対処を依頼するというイメージが強いかもしれませんが、再構築を目指す際にも円満調停と呼ばれる「夫婦関係調整調停」を起こすことができ、夫婦の問題をスムーズに解決するための手助けになります。
いずれの場合も弁護士に相談することで法的な観点からアドバイスを受けることができますので、必要に応じて足を運んでみましょう。
まとめ
夫が家出をしてしまった際、行き先の候補となりやすい場所や実際に帰ってきてもらうための対処法をご紹介してきましたが、基本的には夫が自分から帰りたくなるのを待つ・帰ってきたら優しく迎えて何が不満だったのかを話し合うというのが最善の流れになります。
夫が帰るきっかけをつかめない様子なら、家出先に迎えに行く・謝罪の言葉を伝えるのも効果的な方法です。
今回お伝えした内容を参考に、ぜひみなさんも慌てず焦らず冷静な対応を心がけてみてください。