「旦那が家にいるだけでストレスがたまる…もう離婚したい!」
旦那が会社で職場恋愛などの浮気やDVをしているわけではなくても、旦那の存在自体にストレスや苦痛を感じて離婚したいと考えている奥様方も多いようです。
そんな自分のことをわがままだと思ってしまう人もいるようですが、ストレスを放置すると病気になってしまうおそれもあるので、何らかの対応をとることが必要です。
もちろん、離婚するのも対策の一つですが、その前に考えておくべき内容があります。
そこで今回は、
- 旦那の存在がストレスになる原因・理由
- 話し合いで旦那に対するストレスを減らすコツ
- 旦那に対するストレスをなくすには離婚しかないのか
などについて、離婚問題に詳しいベリーベスト法律事務所の弁護士が解説していきます。
目次
1、離婚したいほど旦那がストレスになる原因・理由
浮気やDV、著しい浪費など、一般的に離婚原因にあたるような行為を旦那がしているわけではない…それでも離婚したいと思うほど旦那のことがストレスになるのはどうしてなのでしょうか。
離婚するにせよしないにせよ、まずはその原因を考えてみることが正しい解決策を探るための第一歩となります。
一般的には、旦那に以下のような特徴があると奥様はストレスを感じてしまうようです。
以下の解説をご参考に、あなたの旦那の特徴とご自身の気持ちを整理してみましょう。
(1)役に立たない
家にいてもダラダラしているだけで家事も育児も手伝ってくれない、たまに手伝ってくれても的外れなことばかりして使い物にならない…このような旦那も多いのではないでしょうか。
それでも収入が高くて豊かな生活をさせてくれるのなら我慢もできるでしょうが、収入が少ないと「役に立たない」と感じてしまうことでしょう。
(2)身の程を知らない
家事や育児は妻がやるのが当たり前だと言う旦那も多いことと思われます。
妻が主に担当することはやむを得ないとしても、家事や育児も旦那の仕事と同じように大変なことです。そんな妻の苦労を知らず、旦那が何もしないくせに「俺が稼いでやってるんだ」と威張ったり、家事・育児について身勝手な指示をしてくることもあるでしょう。
あるいは、たいした収入もないのに政治や経済の話をして物知り顔をよそおい、妻子に対して上から目線で接してくる旦那も少なくないようです。
このような旦那に対しては、「身の程知らず」と感じてしまうでしょう。
(3)意味もなく高圧的
もちろん、きちんと仕事をしてそれなりの収入を稼いでくれている旦那も多いはずです。それでも、意味もなく高圧的な態度をとられると、奥様がストレスを受けてしまうのも当然です。
妻側も家事や育児をきちんとやっているのに、それは当たり前のことだと思われて感謝のひと言もかけてもらえなければ、報われないでしょう。
2、旦那に対するストレスをそのままにすると危険?!
「夫源病」という言葉を見聞きしたことはないでしょうか。
ストレスがたまった状態を長期間放置するのがよくないことは、何となくおわかりのことと思います。旦那に対するストレスをそのままにしていると、「夫源病」を発症して心身に悪影響を及ぼすおそれがあるので注意が必要です。
(1)夫源病とは
夫源病とは、夫の言動によるストレスで妻の自律神経やホルモンバランスに失調をきたし、それが原因で心身に不調をきたす病のことです。医学上の正式な病名ではありませんが、最近、報道や雑誌・ネットの特集などで取り上げられるようになり、注目を集めています。
夫源病の主な症状として、以下のようなものが挙げられます。
- 頭痛、めまい、吐き気
- 食欲不振
- 不眠
- 動悸・息切れ
- うつ症状
検査を受けても肉体的な異常はなく、夫が出張や休日出勤などでいないときには症状が治まるのが特徴です。
(2)あなたは大丈夫?夫源病のチェックリスト
あなたも、もし心身の調子が悪いのであれば、夫源病にかかっているのかもしれません。
一般的に、夫が以下のチェック項目にあてはまる数が多ければ多いほど、奥様が夫源病にかかるリスクが高いといわれています。一度、チェックしてみましょう。
1.外面は良いが、家族の前では不機嫌
2.亭主関白で、上から目線の発言が多い
3.家事や育児は妻の仕事と決めつけていて、感謝やねぎらいの言葉がない
4.自分の稼ぎで家族を養っているという自負が強い
5.妻の行動を制限し、予定もチェックする
6.友達や趣味が少ない
7.妻が外出するときに付いてきたがる
8.性格は真面目で責任感も強く、完璧主義である
9.自分が正しいと思い込んでおり、謝ることはない
10.母親から大切に育てられた
(3)夫源病の治し方
夫源病の治療方法としては、専門の医師によるカウンセリングや投薬などもあります。しかし、旦那に対するストレスが原因なのですから、根本的に直すためにはそのストレスをなくすか、減らすしかありません。
そこで、旦那に対するストレスを減らす方法について、改めて解説します。
3、旦那に対するストレスを減らすには話し合うしかない!
自分なりのストレス解消法をお持ちの方は、それを積極的に実行するのも良いことです。女性の場合は、悩みや愚痴を友人等に話すことでストレスを発散する人が多いようです。
とはいえ、2021年春現在のコロナ禍の今、誰かに話す機会も減り、ストレス発散ができずにイライラが溜まっている人は少なくありません。
自分の時間を作ることでストレスを発散することも可能ですが、変わらない旦那とこのまま暮らしていくことに変わりなく、原因の根本は解消されていません。
対人関係におけるストレスは、気持ちと裏腹な行動を強いられることから生まれます。したがって、相手に対して思っていることを上手に伝えられれば、ストレスは基本的に軽減されるはずです。
問題は、自分の行為があなたにストレスを与えていることを分かっていない旦那が多いことです。
そのため、旦那と話し合う際には以下のポイントに注意する必要があります。
(1)わかりやすく伝える
第一に重要なことは、わかりやすく伝えるということです。旦那は自分の問題点をまったく把握していないことが多いので、「ひとこと言えばわかるだろう」という姿勢では通用しません。旦那のどのような点にどのような問題があり、それによってあなたにどのような負担がかかっているのかを具体的に説明することがポイントです。
また、想定問答も準備しておくと良いでしょう。あなたの発言に対して旦那がどう答えるかを予測し、それにたいしてさらにあなたがどう答えるかについて、いくつかのパターンを想定しておくのです。
論理的に伝えることやわかりやすく話すことが苦手だという方は、どのように伝えれば良いか、友人等第三者に相談すると良いでしょう。
(2)優しい話し方が重要
次に、旦那と話し合うときには、優しい雰囲気であなたの思っていることを伝えることが大切です。
強い言葉で旦那に対して不満や批判をぶつけても、その場ではストレスを多少は発散できるかもしれませんが、事態の改善にはあまりつながらないでしょう。
旦那自身に問題点に気づいてもらい、改善してもらうためには、笑顔だったり温和な話し方を心がけるようにしましょう。
(3)一気に改善されると思わない
ずっと我慢していたことを伝える場合、一気に改善されるだろうと期待してしまうものです。しかし、相手の立場に立って考えれば、長年の習慣をすぐに改善できるものではないこともおわかりいただけると思います。
一気に改善することは難しいですが、あなたが真剣に、優しい話し方でわかりやすく説明すれば、確実に相手に伝わっています。ある程度長い目で相手の成長を見守る姿勢も必要でしょう。
実話エピソードとして、自営業でずっと売上が振るわない旦那に、アルバイトをして家計を助けて欲しいと日頃から伝えていた妻がいました。
それでも旦那は「この仕事しかできないから」、「バイトなんかしたら疲れちゃう」という言い訳で、ずっと低収入のままでした。
ですが、コロナを機に、自らバイトを申し込んだそうです。
ずっと心に妻の言葉があった証拠だと思います。
4、旦那に対するストレスから逃れるには離婚しかない?!
「うちの旦那とは話し合いなんてムダ・・・」
これまでの結婚生活を振り返り、そんな風に思う方は少なくないでしょう。
たしかに、話し合いでの解決が難しいケースもあることは否定できないと思います。そんなときは、離婚するのも一つの解決策ではあります。
ただし、急に離婚を切り出してもスムーズに離婚できるとは限りません。法定離婚事由(民法第770条1項)が存在しない場合には、お互いが合意しない限り離婚は認められないからです。
「離婚しかないか・・・」と思ったら、その前にすべきことは以下の通りです。
(1)まずは別居がおすすめ
いきなり離婚を求めるのではなく、まずは別居してみましょう。別居することによって、お互い冷静になれます。
離婚すべきなのか、離婚してもやっていけるのかなど、いろいろと見えてくることでしょう。もし旦那の扶養に入っているのであれば、離婚を視野に入れる場合は経済的自立の目処を立てておくことが基本です。
旦那も、あなたが悩み苦しみ、本気で離婚を考えていることを理解して、自分の行為や態度を改めてくれる可能性があります。
また、別居期間がある程度続くと、そのこと自体が夫婦関係破たんの証となるので、「その他婚姻関係を継続しがたい重大な事由」に該当するとして離婚が認められやすくなります。
どうしても離婚するしかないと思われる場合は、別居した状態で、落ち着いて離婚に向けた準備を進めましょう。
離婚するために準備すべきことについては、以下の記事をご参照ください。
(2)別居先がない場合は第三者への相談が効果的
別居もできない、夫婦二人で話し合うことも難しい・・・という場合は、第三者を介して話し合うべきです。まずは、両親や兄弟姉妹、友人・知人などの中から頼れる人に相談してみると良いでしょう。
ただし、あなたの話を聞かない旦那の場合、あなたの味方であることが明らかな第三者を介しても話を聞いてもらえないこともあり得ます。
その場合は、旦那の勤務先の上司や同僚などであなたも知っている人がいれば、その人に相談してみるのもおすすめです。
最も効果的なのは、弁護士などの専門家に依頼して間に入ってもらうことです。
5、旦那のストレスで離婚したいと思ったら弁護士へ相談を
離婚を考えるほど旦那のストレスで苦しんでいるときは、弁護士へ相談するのがおすすめです。
離婚問題に詳しい弁護士は、様々な夫婦のケースを見てきていますので、あなたが直面している状況に応じて最適な解決方法を提案してくれるはずです。話し合いが難しい旦那に対しても、弁護士に依頼すればあなたの代わりに弁護士が旦那と話し合ってくれます。
離婚の協議や調停・裁判に進んだ場合も、弁護士があなただけの味方として全面的にサポートしてくれますので、ストレスなく、あなたの望む生活に向かって進むことが可能になります。
旦那のストレスで離婚したい場合のQ&A
Q1.離婚したいほど旦那がストレスになる原因・理由は?
一般的には、旦那に以下のような特徴があると奥様はストレスを感じてしまうようです。
- 役に立たない
- 身の程を知らない
- 意味もなく高圧的
Q2.旦那に対するストレスをそのままにすると危険?
「夫源病」という言葉を見聞きしたことはないでしょうか。
ストレスがたまった状態を長期間放置するのがよくないことは、何となくおわかりのことと思います。旦那に対するストレスをそのままにしていると、「夫源病」を発症して心身に悪影響を及ぼすおそれがあるので注意が必要です。
Q3.旦那に対するストレスから逃れるには離婚しかない?
急に離婚を切り出してもスムーズに離婚できるとは限りません。法定離婚事由(民法第770条1項)が存在しない場合には、お互いが合意しない限り離婚は認められないからです。「離婚しかないか・・・」と思ったら、その前にすべきことは以下の通りです。
- まずは別居がおすすめ
- 別居先がない場合は第三者への相談が効果的
まとめ
ひとことで「旦那のストレス」といっても、長い間我慢してこられた場合は精神的に傷ついており、話し合いなどを適切に進めることは難しくなっているかもしれません。夫源病にかかって心身に不調をきたしている場合はなおさらでしょう。
旦那のストレスをそのままにしておくと、さらに心身の不調が悪化して、深刻な状態になってしまうおそれもあります。
旦那のストレスで離婚を考えるほどお困りの時はひとりで悩まず、まずは弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。