離婚を望むけれど、具体的にどのような準備が必要か分からない方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、離婚を考える前に押さえておくべき10の事項を詳しくご紹介します。離婚を軽率に進めず、後悔しないために、
・確実な離婚のための準備事項
・有利な条件で離婚するための準備事項
・円満な離婚のための準備事項
など、離婚前に必ず行うべき準備のポイントを、ベリーベスト法律事務所の経験豊富な弁護士がわかりやすく解説しています。
この記事が、離婚を考える方々にとって、どのような具体的な準備が必要かを明確に示し、お手伝いできれば幸いです。
なお、夫側の離婚の準備については以下の関連記事をご覧ください。
目次
1、最初の準備!離婚後にどんな人生を送りたいのかを考える
離婚に向けた準備を具体的に進める前に、ご自身にとって離婚することにどのようなメリットがあるのかを考えることが非常に重要です。
そのためにはまず「離婚してどうしたいのか」をじっくりと考えてみましょう。
今の生活が苦しいからこそ離婚を考えるのだと思いますが、離婚すると良くも悪くも今後の人生は大きく変わります。
そこで、離婚した後にはどのような人生が待っているのかについて、できる限り具体的に考えてみることが必要です。
離婚したいという気持ちはいったん横に置き、現実的に見て離婚するメリットの方が大きいといえるか、どうすれば今後の自分の人生がより良いものになるのか、と冷静な頭で考えてみましょう。
その結果、
「どう考えても離婚した方が得策だ」
「どうしても離婚したい」
という結論に達したら、以下の具体的な準備に進みましょう。
2、離婚後経済的に自立するための準備
離婚後にどの程度の生活費が必要となるのかを試算した上で、相手方から財産分与や慰謝料、子どもの養育費などをもらうだけで生活が成り立つのか、それとも独自の収入を得る必要があるのかを検討する必要があるでしょう。
また、離婚前でも、離婚を切り出した後は経済的に自立できるように準備しておくべきです。
相手方と別居する場合には、引っ越し費用や敷金礼金、当座の生活費などまとまったお金が必要になります。
調停や訴訟といった離婚手続きにもお金がかかるかもしれません。
これらを考えると、できれば100万円くらいは確保しておきたいところです。
離婚を少しでも考えるようになったら、仕事を増やす、倹約するなどしてお金をためるようにしましょう。
なお、別居後の生活費は「婚姻費用」として一部請求することが可能です。婚姻費用の請求方法については、以下の記事をご参照下さい。
3、確実に離婚するための準備
ここでは、相手方の同意がなくても確実に離婚するためにやっておくべき準備についてご説明します。
(1)相手方の同意なしに離婚するためには法定離婚事由が必要
夫婦がお互いに合意すれば自由に離婚できますが、一方が反対する場合には法定離婚事由がなければ離婚は認められません。
法定離婚事由とは、相手方の同意がなくても裁判上の離婚が認められる事情として以下の5つの事由が定められています。
(2)裁判で離婚が認められるためには証拠が必要
裁判で離婚が認められるためには、上記の法定離婚事由のいずれかが存在することに加えて、その事実を証明できる証拠を提出することが必要です。
もし、まだ証拠を確保できていない場合は、離婚を切り出す前に事実を調査して証拠を集めるべきです。
①配偶者に不貞な行為があった場合
不貞行為とは、既婚者が自由な意思で配偶者以外の異性と性的関係に至ることをいいます。
このような不貞行為を証明できる主な証拠としては、以下のようなものがあります。
- 2人でラブホテルに出入りするところを撮影した写真
- メールやSNSでのやりとりの記録
- 携帯電話の通話履歴
- 配偶者や不倫相手が不倫関係を認める発言を録音したデータや書面化したもの
- 第三者の証言
その場合には、できる限り数多くの状況証拠を集めることにより、総合的に見て「不貞行為をしたに違いない」ことを証明することになります。
②配偶者から悪意で遺棄された場合
配偶者の一方が、正当な理由なく、他方の配偶者と同居しお互いに協力し合って生活する義務(民法第752条)を果たさない場合は、「悪意の遺棄」として法定離婚事由となります。
例えば、夫が浮気相手の女性宅にもっぱら寝泊まりして家に寄りつかず、妻に対して十分な生活費を渡さないような場合には、「不貞行為」に加えて「悪意の遺棄」にも該当するでしょう。
このような場合、不貞行為の事実を十分に証明できなくても、夫が家に帰ってこないことと十分な生活費を渡してくれないことを記載した日記や陳述書、通帳などで証明できれば、「悪意の遺棄」による離婚が認められる可能性があります。
③配偶者の生死が三年以上明らかでない場合
配偶者が行方不明となって連絡がつかなくなり、3年以上にわたって、生きているか死んでいるかもわからない状態が続いた場合、この法定離婚事由に該当します。
この場合には、可能な限りの方法で配偶者を探したにもかかわらず生死不明であることを証明しなければなりません。
具体的には、警察へ捜索願を出したことや、配偶者の親族や勤務先・友人知人へ相談したこと、配偶者が存在する可能性のある場所を訪ねたり問い合わせたりしたことや、それらの結果を記載した日記や陳述書などが証拠となります。
④配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがない場合
配偶者が統合失調症や双極性障害などといった強度の精神病にかかり、かつ、回復の見込みがないときも、法定離婚事由に該当します。
病状や回復の見込みについては、診断書や診療録、医師の証言などによって比較的容易に証明できる場合が多いですが、この法定離婚事由に基づく離婚請求はそう簡単に認められないことに注意が必要です。
裁判例では、
- 離婚を求める配偶者が以前から治療費を支払っていて離婚後も可能な限り治療費の支払いを約束しているケース
- 財産分与によって離婚後の治療費や生活費をまかなえるケース
- 精神病にかかった配偶者の親族が引き取って面倒をみる体勢が整っているケース
したがって、これらの不可事情も陳述書等によって証明する必要があります。
⑤その他婚姻を継続しがたい重大な事由がある場合
「その他婚姻を継続したがたい重大な事由」とは、以上の4つの事由にはあてはまらないものの、夫婦関係が破たんしていて、それ以上夫婦生活を続けることが著しく困難であると認められる事情のことをいいます。
これに該当するケースとしては様々なものがありますが、比較的以下の事情が多いです。
- 「長期間の別居」
- 「身体的暴力(DV)」
- 「精神的虐待(モラハラ)」
- 「経済的虐待(生活費を渡さないなど)」
- 「性的不調和(セックスレスなど)
それぞれの場合について、主張する事実を証明できる証拠を準備する必要があります。
(3)法定離婚事由はないが離婚したい場合に準備すべきこと
離婚したいけれど、以上の法定離婚事由に該当するような特段の事情が見当たらないという場合も多いことでしょう。
その場合に離婚するためには、法定離婚事由を作り出すことです。
そのために最も有効な方法は、配偶者と別居することです。
夫婦が別々に暮らすということは、夫婦関係が破たんしている証となります。
別居が長期間続けば、「婚姻を継続しがたい重大な事由」があると認められるようになります。
ただし、相手方配偶者に対して理由も告げずに一方的に別居を開始すると、場合によっては「悪意の遺棄」に該当してしまうおそれもあります。
別居する際には、原則として「これ以上、夫婦生活を続けることは耐えられない」ことを相手方配偶者に告げて話し合うことが必要です。
ただし、DVやモラハラなどを受けていて、緊急的に別居を開始しなければ心身に危害が及ぶおそれがある場合は、一方的に別居することも可能です。
(4)有利な条件で離婚するための準備
同じ離婚をするにしても、できる限り有利な条件で離婚を成立させたいところでしょう。
離婚時に取り決めるべき条件としては、ケースにもよりますが、以下のようなものがあります。
- 慰謝料
- 財産分与
- 親権
- 養育費
- 面会交流
- 年金分割
有利な離婚条件を獲得するコツは、できる限り話し合いで決着をつけることです。なぜなら、裁判になると勝訴したとしても、どうしても相場に拘束されがちだからです。
慰謝料や養育費などは、裁判で相場を超える金額を獲得するのは難しいですが、夫婦の話し合いで合意ができればいくらでも自由に決めることができます。
親権についても、裁判では母親が有利ではありますが、話し合いで合意を得ることができれば、より確実に親権を獲得できます。
ただ、全面的に自分の希望を押し通せるとは限りませんので、離婚条件には優先順位をつけて、譲れるところは譲るという姿勢も大切です。
(5)親権を獲得するための準備
親権争いでは、一般的に母親が圧倒的に有利ではありますが、父親が親権を獲得するケースもあるので注意が必要です。
親権者争いとなった場合、母親の経済力はあまり問われませんが、離婚後に自分自身の生活もままならないほど経済的に困窮するようであれば、不利となる可能性があります。
ですので、離婚後にお金で困らないように準備しておくことは、親権を獲得するためにも重要です。
親権を獲得するためのポイントについて、より詳しくはこちらの以下の関連記事をご参照ください。
(6)円満に離婚するための準備
離婚に関してさまざまなことでもめると、想像以上に多大なエネルギーを費やしてしまいます。人生の再スタートを切る前に、疲労困憊してしまうおそれもあります。
できることなら円満に離婚を成立させたいところでしょう。
円満に離婚するためのポイントは、以下の3つです。
- 冷静に話し合うこと
- 相手にもメリットのある離婚条件を提案すること
- 焦らずにじっくりと時間をかけること
なぜ離婚したいのかという理由と、どうしても獲得したい離婚条件を明確にした上で、相手の話にもじっくりと耳を傾けて、時間をかけてお互いが納得できる妥協点を探っていくことが大切になります。
さらに詳しくは、こちらの記事をご参照ください。
4、離婚後にもらえる可能性があるお金について知っておく
確実に離婚するための準備ができたら、次に金銭的な離婚条件を検討しましょう。
離婚に際しては、離婚条件として相手方から次の(1)~(3)のようなお金をもらえる可能性があります。
また、(4)の公的な助成金も離婚後の生活のために重要なものです。ご自身のケースで、以下のどの項目について、どれくらいもらえそうかということをチェックしておきましょう。
(1)慰謝料
相手方の不倫やDVなどで離婚する場合のように、相手方に法定離婚事由がある場合には、あなたが被った精神的損害の程度に応じて慰謝料を請求できます。
しかし、性格の不一致などどちらが悪いともいえないような場合には、慰謝料を請求することはできません。
離婚時の慰謝料について詳しくは、以下の記事をご参照ください。
(2)財産分与
離婚に際しては、原則として夫婦共同で築いた財産の2分の1を、財産分与として受け取ることができます。財産の名義がどちらであるかは問いません。
しかし、結婚後に増えた財産であっても相手方配偶者が相続で得た財産や、婚姻前から持っていた財産については財産分与の対象になりません。
また、借金の方が多い場合には分けるべき財産はないということになります。
財産分与について詳しくは、以下の記事をご参照ください。
(3)養育費
離婚時に未成年のお子さんがいる場合には、離婚後、通常お子さんが20歳になるまで相手方配偶者から養育費をもらうことができます。
金額は、裁判所が公表している「養育費算定表」の基準に従って決まるのが一般的です。
養育費について詳しくは、以下の記事をご参照ください。
(4)公的な助成金
離婚後にあなたがシングルマザーとなった場合、母子手当など様々な公的な制度に基づく助成金をもらえる可能性があります。
具体的には、以下の記事にまとめておりますのでご参照ください。
5、離婚時に相手方へ金銭を請求するための準備
前項でご紹介した項目のうち、慰謝料と財産分与を相手方へ請求するためには資料(証拠)の準備が必要です。
裁判では証拠がなければ請求は認められませんし、相手方と話し合うときにも、法定離婚事由に該当する事実を相手方に否定された場合には、証拠がなければそれ以上話し合いを続けられなくなってしまいます。
(1)慰謝料について
慰謝料を請求するにあたっては、慰謝料の発生原因となる事実(不倫、DV等)を証明するための資料(証拠)が不可欠です。
具体的な証拠や収集の方法は以下の記事をご参照ください。
(2)財産分与について
財産分与を請求するにあたっては、夫婦の共有財産についての資料が必要になります。たとえば預貯金の通帳、不動産の登記簿等です。
具体的な証拠や収集の方法については、以下の記事をご参照ください。
6、離婚したら自宅はどうする?住宅ローンの処理方法
持ち家がある夫婦が離婚する場合には、自宅をどうすればよいのでしょうか。
基本的には財産分与の問題となりますが、住宅ローンが残っている場合には注意が必要です。
(1)夫が住み続ける
比較的多いケースは、妻子が出て行き、夫が自宅に住み続けるというパターンです。
この場合、妻は財産分与として、自宅の評価額の半分に相当する金銭またはその他の財産をもらえます。
住宅ローンが残っている場合は、アンダーローン(住宅ローン残高が自宅の評価額より低い)状態か、オーバーローン(住宅ローン残高が自宅の評価額より高い)状態かによって財産分与の仕方が異なります。
アンダーローンの場合は、自宅の評価額から住宅ローン残高を差し引いた金額が夫婦共有財産となりますので、妻はその半額を財産分与としてもらえます。
オーバーローンの場合は、財産分与は行われません。
ただし、他にも財産があり財産総額が負債総額より大きい場合は、差し引き後にプラスとなる金額を折半することになります。
なお、住宅ローンの残債務は、離婚後も住宅ローンの名義人が支払っていきます。
多くの場合は夫名義になっていると思いますが、妻が連帯債務者や連帯保証人となっている場合には、妻も返済義務を負うこともあるので注意が必要です。
(2)妻が住み続ける
妻が子どもと一緒に住み続ける場合は、夫による住宅ローンの支払いが財産分与に加えて養育費としての意味も持つことになります。
この場合、妻は家賃負担なしで住居を確保することができ、子どもがいる場合には今までどおりの環境で子育てができるというメリットがあります。
ただし、住宅ローンの支払いが途絶えると、家が競売にかけられるなどして最終的には妻子が家から追い出されてしまうリスクがあることに注意が必要です。
(3)誰も住まない(売却または賃貸する)
離婚時の財産分与との関係では、自宅を売却して、得られた代金を折半にする方法が最も公平となります(住宅ローンがないか、アンダーローンの場合)。
ただし、オーバーローンの場合は売却すると借金(住宅ローン)だけが残ってしまいます。
この問題を回避するためには、自宅を他人に賃貸するという方法も考えられます。
家賃収入を折半して受け取っていくのもよいでしょうし、財産分与・養育費の代わりに妻が全額を受け取っていくのもよいでしょう。
ただし、自分たちの居住用として住宅ローンを組んで購入した自宅は、完済するまでは原則として賃貸することができません。
事前に住宅ローンの債権者(銀行など)に相談して承諾を得るか、承諾が得られない場合は賃貸住宅用の住宅ローンに借り換えることが必要です。
勝手に賃貸すると、契約違反を理由として住宅ローン残高の一括返済を請求され、結果として売却せざるを得ないことになりかねないので、ご注意ください。
(4)二世帯住宅の場合の注意点
住宅がどちらかの親の名義である場合は、財産分与の対象にはなりません。
夫の親名義の場合は妻(および子ども)が出て行くだけ、妻の親名義の場合は夫(および子ども)が出て行くだけ、という形が基本となるでしょう。
自宅が夫名義である場合は財産分与の対象となります。
夫と夫の親との共有名義である場合は、夫の持ち分のみが財産分与の対象となります。
財産分与の対象となる場合は、通常の住宅の場合と同様、夫の持ち分の評価額から夫が負担すべき住宅ローンの残高を差し引き、プラスであればその金額の半分を妻が財産分与として受け取ることができます。
二世帯住宅と離婚時の財産分与の問題について詳しくは、こちらの記事をご参照ください。
7、離婚後の住まいを探しておく
賃貸住宅を借りたくても、連帯保証人を頼める人が見つからずに苦労することもあるでしょう。そのような場合は、一時的にウィークリーマンションを借りたり、実家に帰るなど、無理のない方法も選択しに入れるべきです。
ただ、いずれにせよ離婚にあたって行くところがあるということは精神的な安心感にもつながりますので、離婚後の住まいについても早めに確保しておくようにするのがよいでしょう。
8、離婚後の仕事を確保しておく
専業主婦の方であれば、ブランクが長い場合は安定した仕事を見つけるのが難しい場合もありますので、早めに求職活動を始める必要もあるでしょう。すでに働かれている方であっても、ご自身の収入だけでは今後の生活が厳しそうだということであれば転職を検討したり、あるいは、資格を取得して大幅な収入アップをはかったりということが必要と思われます。
9、離婚の準備として精神的な独立も必要
離婚にあたっては、ここまで述べてきたようなことだけでなく、お子さんに関することなど、考えなければならないこと、しなければならないことが山のようにあります。
もちろん、悩みを相談できる親族やご友人がいらっしゃる場合もあるでしょうが、多くの問題がプライベートなことで相談するのがはばかられるようなケースも多いのが離婚問題の特徴です。
ただ、なんでも一人で抱えていては、気持ちが参ってしまいます。
スムーズにいかないときは、どうぞ弁護士に相談して、精神的な安定を得てもらえたらと思います。
10、離婚を切り出すタイミングを考える
以上の準備が整ったら、いよいよ相手方に対して離婚を切り出して、離婚協議や場合によっては離婚調停・離婚訴訟といった離婚手続に進むことになります。
ですが、スムーズに離婚するためには、離婚を切り出すタイミングを考えることも大切です。タイミングを誤ると、不利な離婚条件を押し付けられて離婚後に後悔するおそれもあります。
冷静に話し合えるタイミングを見計らって切り出しましょう。
なお、相手方からDVやモラハラの被害を受けていたり、子どもが虐待されているような場合には、早めに別居した方がよいでしょう。被害の程度によっては、たとえ慰謝料を請求するための証拠の確保が不十分であっても、身の安全を優先して別居を早めた方がよい場合もあります。その場合も、本格的に離婚を切り出す際には、できる限り落ち着いて話ができるタイミングを見計らうべきですが、難しい場合は弁護士などの第三者を介して切り出すのが最も安全かつ効果的です。
11、離婚するために準備すべき書類
離婚が成立したら、離婚届を作成して役所へ提出することが必要です。
協議離婚の場合、届出の際に以下の書類が必要となります。
- 離婚届
- 戸籍謄本(本籍地の役所に届け出る場合は不要です)
離婚届には、当事者双方の署名が必要で、さらに成人の証人2名の署名も必要となります。
調停離婚または裁判離婚の場合は、さらに以下の書類が必要です。
- 調停調書の謄本(調停離婚の場合)
- 判決書の謄本(裁判離婚の場合)
- 判決確定証明書(裁判離婚の場合)
ただし、離婚届には届出人の署名捺印だけで済みます。証人の署名捺印も不要です。
より詳しくは、こちらの記事をご参照ください。
12、離婚の準備期間ってどれくらい必要?
これから法定離婚事由に関する証拠を集めるという場合は、すぐに集まるとは限りませんので、数ヶ月ほどは見ておいた方がよいでしょう。
離婚後の住まいを確保することや、離婚後の仕事を確保することにも、それぞれ1ヶ月~数ヶ月ほどはみておいた方がよいと思われます。
これらの準備事項を同時並行で進めることは大変ですので、6ヶ月~1年ほどの時間をかけて着実に進めるという心構えが必要となるでしょう。
多くの方にとって、この程度の準備期間が必要になると考えられます。
なお、相手から慰謝料や財産分与をもらえそうにない、養育費を確保することも難しそう……というような場合は、離婚前に数年をかけてでも貯金をしておいた方がよいでしょう。
いずれのケースでも、準備が整う前に見切り発車で離婚を切り出してしまうと、離婚できなかったり、できたとしても不利な離婚条件を押しつけられ、後悔することになりかねません。
後悔しないためには、焦らずにじっくりと時間をかけて準備を整えることが重要です。
13、【最終チェック】離婚準備でやることリストを活用して計画を立てよう
この記事では、これから離婚しようとお考えの方がお金で困らないために準備すべきことをひと通り解説してきました。
しかし、実際に離婚が成立すると、離婚後に行うべき手続きも数多くあります。
また、未成年の子どもがいる方といない方では、準備すべき内容も異なります。
そのためには、「離婚準備でやることリスト」があると便利です。
こちらの記事では、離婚前にやることリストと離婚後にやることリストのそれぞれについて、「子あり編」「子なし編」に分けてご用意しています。ご自身のケースに該当するリストを、ぜひ参考になさってください。
離婚の準備に関するQ&A
Q1.お金に困らないために必ず考えるべき10個の準備とは?
- 離婚後にどんな人生を送りたいのかを考える
- 離婚後経済的に自立できるように準備する
- 確実に離婚できるように準備する
- 離婚後もらえる可能性があるお金について知っておく
- 離婚時に相手方へ金銭を請求するための準備をしておく
- 離婚後の住宅ローンの処理方法を考えておく
- 離婚後の住まいを探しておく
- 離婚後の仕事を確保しておく
- 精神的にも相手方から独立する
- 離婚を切り出すタイミングを考える
Q2.離婚後経済的に自立するための準備とは?
引っ越し費用や敷金礼金、当座の生活費などまとまったお金が必要になります。
調停や訴訟といった離婚手続きにもお金がかかるかもしれません。
これらを考えると、できれば100万円くらいは確保しておきたいところです。
Q3.離婚後もらえる可能性があるお金とは?
- 慰謝料
- 財産分与
- 養育費
- 公的な助成金
まとめ
離婚するためには準備しなければいけないことがたくさんあるなと驚かれた方が多かったのではないかと思いますが、拙速な離婚は将来に悔いを残します。
時間をかけても準備すべきことを一つ一つ丁寧に対応していくことが、ご自身の将来にとって必ず有益だと思います。
困ったことやわからないことがあるときは、ひとりで悩まずに弁護士のアドバイスを受けることをおすすめします。
まずは、お気軽に無料相談を利用されるとよいでしょう。