熟年離婚を真剣に考える過程で、離婚後の未来に対する不安が頭に浮かんでいることでしょうか?
子供たちも独立し、離婚が現実味を帯びてくると、将来に対する不安が増すことはよくあります。
将来への不安や期待は、熟年離婚の決断に伴うもので、それに向き合うことは大切です。
この記事では、以下のポイントを掘り下げて紹介します。
・熟年離婚の成功と失敗:未来への見通し
・離婚前に検討すべき事項
・熟年離婚後の新たな人生へのステップ
熟年離婚の未来を洞察し、将来の指針を見つけるのにお役立ていただければ幸いです。
目次
1、熟年離婚の末路は先人の例から学ぶべし
実は、熟年離婚は全離婚の約20%をしめています。
つまり、参考にすべき先人の例は多いということ。
たとえば平成21年度の厚労省の調査では、50歳以上の夫婦が離婚した件数は、3万件以上です。
平成21年度の総離婚数は18万件ほどだったので、およそ20%が50歳以上の離婚なのです。
他にも、総務省が調査した離婚年齢のデータを見ても、熟年離婚は明らかに増加傾向です。
引用:総務省
平成24年の時点で50歳以上の夫の離婚は21%をしめ、妻の離婚も13.3%です。
つまり熟年離婚はさほど珍しいものではないということ。
熟年離婚を考えているなら、学ぶべき例や末路も多いといえます。
さっそく、熟年離婚の末路の先例を見ていきましょう。
2、熟年離婚の末路は良いものも悪いものもある
結論からいうと、熟年離婚の末路には悪いものもあれば良いものもあります。
たとえば、熟年離婚をした当初は開放感があってもだんだんと孤独感にさいなまれたり、金銭的に苦しくなって老後破産したりするケースもあります。
一方で、熟年離婚をきっかけに新たなパートナーを見つける人がいるのも事実ですし、離婚で配偶者の親族の介護などから開放されるのもメリット。
実にさまざまな末路が熟年離婚では考えられます。
そこで、熟年の離婚の末路を良いものと悪いものとに分けて、以下、詳しく紹介していきます。
じっくりと読んで、ぜひあなたが熟年離婚したらどうなるかを考え、より良い行動をしていくための材料にしてください。
3、「良い」熟年離婚の末路
熟年離婚をしてよかった思える代表的な例として、以下3つを紹介していきます。
- 解放感のある自由な人生
- 新たなパートナーとの人生
- 配偶者の親族に煩わされない人生
上記3つをそれぞれ詳しくみていきましょう。
(1)解放感のある自由な人生
解放感のある自由な人生が手に入るのは熟年離婚の大きなメリットです。
熟年離婚を考えている以上、配偶者に対して大きなストレスを感じているでしょう。
熟年離婚に踏み切ることで、今のストレスから解放され、自由にできる生活が続くわけです。
(2)新たなパートナーとの人生
熟年離婚をきっかけに、お互いの人生をより良くしていけるパートナーを得る可能性も出てきます。
実際、平成28年度の厚労省の調査によると、夫妻とも再婚の場合、夫の平均婚姻年齢は46.5 歳、妻の年齢は 42.7 歳となっており、緩やかな上昇傾向にあるのです。
50歳上の婚活イベントも開催されています。
結婚するしないは別としても、新たなパートナーを得る可能性が昔よりも高まっているわけです。
したがって、より良いパートナーを得る可能性が生じるのも熟年離婚のメリットといえます。
(3)配偶者の親族に煩わされない人生
配偶者の親族と性格が合わない、介護がいやだというストレスから開放されるのも熟年離婚の見逃せないメリットです。
離婚原因は性格の不一致が長年トップであり、2018年の家庭裁判所のデータをみても依然としてトップ。
もちろん、配偶者との性格の不一致が原因ですが、配偶者を含めた人付き合いのストレスが大きいのは事実です。
4、「悪い」熟年離婚の末路
熟年離婚の末路には、当然「悪い」ものもあります。
悪い熟年離婚の末路の代表的な例として、以下3つを紹介していきましょう。
- 金銭的に厳しい人生
- 健康を支えあう人が少ない人生
- 孤独など精神的に辛さがつきまとう人生
さっそく上記3つの末路を紹介していきます。
(1)金銭的に厳しい人生
人生100年時代といわれたり、老後に2,000万円が必要だといわれたりする昨今、熟年離婚をすると金銭的なリスクが発生しやすいのは事実です。
生活費の見通しが甘いと、老後破産をしてしまう可能性は十分あります。
実際、自分でおこした事業が好調で自信をもって熟年離婚した人でも、社会の変化に対応できずに資産を大きく減らしてしまう人もいるのです。
年金分割をしても金銭的に厳しくなる末路もあります。
次に紹介する健康を支えあう人が少なくなるデメリットと合わせて、働けなくなるリスクも考えなければいけません。
そして、貯金や財産分与が十分あっても、目減りしていく不安が思っている以上に負担だという人もいるので、金銭的な計画は入念に立てたほうがいいでしょう。
(2)健康を支えあう人が少ない人生
熟年離婚をする際には、健康のリスク管理が欠かせません。
年齢が上がってくると、誰でも持病を抱える可能性があるものですし、怪我をきっかけに思うように体が動かせなくなるリスクもあります。
子供に介護をしてもらう可能性も高まるので、熟年離婚が自分以外の人生にも影響をおよぼす可能性がある事実を十分に理解しておくべきです。
もちろん新たな人生のパートナーを得る可能性もありますが、数年経ってまた離婚という例もあります。
次に紹介する精神的な辛さも加味して、自分や子供の人生に思いを巡らせるべきでしょう。
(3)孤独など精神的に辛さがつきまとう人生
孤独などの精神的な辛さを和らげてくれる人が少なくなる点にも注意が必要です。
年齢が上がってきても、新たなコミュニティへの参加は十分できます。
しかし、若いころほどの活動範囲やエネルギーはどうしても維持し辛いものです。
配偶者や親族からの解放感が味わえるメリットがある一方、1人の時間が増える孤独を味わう可能性も出てくることに注意してください。
実際、子供が近くに住んでいるからと、熟年離婚に踏み切った人でも、体調を崩したときなどに心細さを強く感じる場合があるのです。
5、熟年離婚に踏む切る前に考えるべき3つのこと
先に紹介してきた熟年離婚の良い末路と悪い末路を確認した上で、熟練離婚を踏み切りたいなら、事前に考えるべきことがあります。
具体的には、以下の3つです
- 生活費の計算
- 収入源の確保
- 生きがいの確保
それぞれ詳しく説明していきます。
(1)生活費の計算
財産分与や慰謝料の額をきちんと確認しつつ、金銭面で今後の生活に不安がないか、計算を入念にしましょう。
具体的には、必ず月の支出と収入想定を書き出し、突発的な事態を加味しても十分金銭的にやっていけるのを確認しておくべきです。
見切り発車で熟年離婚に踏み切るのではなく、きちんと生活費を計算し、隠し財産のチェックや正当な分与ができるように、専門家の手配なども検討しましょう。
離婚し別々に住んだ際、家賃がかかる場合は特に、財産分与や年金分割、慰謝料などで十分やっていけると安易に考えるのは危険です。
今の自宅を分与してもらえる、実家を相続するなど、何らかの形で家賃がかからない住まいを獲得できると安心です。
(2)収入源の確保
生活費をシミュレーションして、仮に十分な貯金などがあっても、収入源を確保しておきたいところです。
入念にシミュレーションしていても、早い段階で病気を患ったり、思いもしなかったトラブルでお金が消えたりする場合もあります。
また、順調にシミュレーション通り暮らせていても、目減りしていく財産に不安になったり、趣味などを少なからず我慢する毎日に疲れたりする場合もあるでしょう。
したがって、離婚前に、働き口の確保や今の仕事を継続していけるよう、仕事をしっかりともっておくことが重要です。
特に、生活費の計算をして、財産が足りなくなりそうなら収入は必須。早め早めに収入源のあてを見つけておきましょう。
(3)生きがいの確保
趣味やペット、老後にできる仕事など、熟年離婚後の生きがいを確保しておくのも重要です。
悪い熟年離婚の末路の例でも紹介したとおり、離婚後の人生にはどうしても孤独がつきまといます。
仮にまだ子育てや仕事に忙しいとしても、いずれは1人家で過ごす時間が増えていくのが実情です。
しかし、あなたの人生は続いていきます。
熟年離婚をしたい気持ちになっているときは、ストレスから開放される喜びが強く感じられるでしょうが、離婚したゆえの不満も出てくるはずです。
そこで、ただストレスからの解放を目指すのではなく、長い目で離婚後の人生をどうしていきたいかも考え、生きがいを確保していきましょう。
6、熟年離婚せずに生活の満足度を上げる3つの方法
熟年離婚の悪い末路を見て、実際に離婚するのをためらう気持ちもあるなら、関係の改善や落とし所を見つけるのも1つの手段です。
熟年離婚はせずに、生活の満足度を上げるポイントを紹介していきましょう。
具体的には以下の3つです。
- それぞれ1人になれる場所を持つ
- 趣味や暮らし方に干渉しすぎない
- 友達関係や家以外の時間に口を出しすぎない
さっそく上記3つのポイントをそれぞれ説明していきます。
(1)それぞれ1人になれる場所を持つ
お互いが1人になれる場所を作るのは、離婚を回避しつつ生活の満足度を上げるのに、とても有効な方法といえます。要するに適度な距離感を見つけやすくするわけです。
たとえば、お互いの退職を期に顔を合わせる時間が増えて、不和のきっかけになっているなら、自分だけの空間を持っていれば顔を合わす時間を調節できます。以前と近い環境に寄せていけるわけです。
(2)趣味や暮らし方に干渉しすぎない
お互いの趣味や暮らし方に干渉しすぎないのもポイントです。
若いころからの共通の趣味を今もお互いに楽しめるといった場合は別ですが、仲の良い夫婦でも徐々に好みや習慣などはずれていきます。
お互いの過干渉を防ぐと、離婚の防止と日々の満足度向上に効果的です。
先に紹介したお互い1人になれる空間を持つなどして、趣味や暮らしの時間を共有しすぎないように努めてみてください。
そして、一緒にいる時間が多くても、口を挟みすぎないように心がけましょう。
(3)友達関係や家以外の時間に口を出しすぎない
どんなに仲が良い夫婦でも、まったくストレスを与え合わない夫婦はいないかもしれません。
夫婦間のストレスを発散するために、友達との付き合いや外での時間を持っているはずで、そこに口を挟んでしまうと、不和を生じる可能性が高いでしょう。
もちろん、不倫などの悪い付き合いをしている場合は別ですが、自宅で互いに1人の時間を持ったほうが良いように、夫婦以外の人付き合いや外での時間に口を挟まみすぎないようにしましょう。
まとめ│熟年離婚の末路の現実を知り今後の人生を考える
熟年離婚の末路や離婚に踏み切る前に考えるべきこと、防止策などを紹介しましたが、ご参考になったでしょうか?
かんたんに解説した内容をまとめるので、振り返ってみましょう。
- 熟年離婚は全離婚の20%ほどで参考にすべき例は多くある
- 良い熟年離婚の末路は解放感のある人生やより良いパートナーの獲得
- 悪い熟年離婚の末路は金銭と健康に不安がある人生や孤独な人生
- 離婚前に生活費の計算をし収入源と生きがいを得るべき
- 熟年離婚の防止しつつ生活の満足度アップする方法も考える
熟年離婚は決して珍しいものではありませんが、良くも悪くも人生の末路に影響があります。
ぜひ今回知ったことを活かして先を考えた行動をし、より良い人生をつかむきっかけにしてください。