借金を“延滞中”でも過払い金請求できるって本当?

過払い金請求,延滞中

「現在借金を延滞中だから過払い金請求ってできないよね・・・」
「借金の返済に遅れたことがあるけど過払い金請求ってできるの?」

現在借金を延滞中、もしくは過去に返済日までにお金を用意できなくて滞納した経験はありませんか?延滞中や滞納したことがあっても、過払い金請求できるなら今すぐ手続きしたいですよね。

結論からいうと、借金を延滞中 or 過去に滞納しても過払い金請求をできる可能性はあります。

そこで今回は、

・延滞や滞納をしても過払い金請求できる理由
・延滞や滞納をしている人に対しての貸金業者の対応

などについて解説していきます。
延滞や滞納したことがあり、過払い金を回収したい人のご参考になれば幸いです。

過払い金に関してはこちらの記事をご覧ください。

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1、延滞や滞納をしても過払い金請求できる権利は失われていない

延滞や滞納をしても過払い金請求できる権利は失われていない

貸金業者へ延滞や滞納をしても過払い金請求できるのは、返済が遅れたからといって過払い金請求できる権利は失われないからです。

過払い金請求する条件は、法律の上限金利を超えて借入れしていたかどうか。
過去に利息制限法(※1)の上限を超えるグレーゾーン金利(※2)で借入れしていたのなら過払い金は発生します。

(※1)利息制限法・・・高金利を取り締まる法律。
(※2)グレーゾーン金利・・・違法で高額な金利だけど罪にならない金利

貸金業者からの借り入れ額利息制限法の上限金利
10万円未満20.0%
10〜100万円未満18.0%
100万円以上15.0%

(参考:利息制限法第1条)

2、貸金業者が遅延損害金を主張しても過払い金請求できるケース

貸金業者が遅延損害金を主張しても過払い金請求できるケース

借金の滞納をすると、「遅延損害金利率(※)を適用するのだからそもそも過払い金は発生していない」と貸金業者は主張し、請求に応じない場合があります。

(※)遅延損害金利率・・・法律で定められている金利(15~20%)の1.46倍まで認められていた(そのため最大で29.2%まで認められていた)が、2010年6月18日に施行された改正利息制限法により、現在は20%が上限になっている

しかし貸金業者が遅延損害金だと主張してきても、負けずに過払い金請求をしてください。

(1)上限を超える遅延損害金を取られている

例えば、2010年6月18日の改正利息制限法施行より前に、貸金業者から30万円を借入れして滞納してしまった場合の遅延損害金の上限利率は26.28%でした。

貸金業者からの借り入れ額法律で定められた上限利率

遅延損害金の上限利率

(利息制限法改正前)

10万円未満20.0%まで29.2%
10〜100万円未満18.0%まで26.28%
100万円以上15.0%まで21.90%

しかし、過去に多くの貸金業者は18%を超える高金利で貸し出していましたので、遅延損害金利率も当時の利息制限法の上限である26.28%を超えていた可能性があります。
そのような場合は、上限を超えて支払った遅延損害金も過払い金となりますので、過払い金請求できます。

ただし当時の利息制限法の上限利率の範囲内の遅延損害金に関しては支払う必要があるので、取り戻せる過払い金は減ってしまうでしょう。
過去の借入れした時の利率を知りたい人は、貸金業者のホームページへアクセスして取引履歴を取りよせましょう。

(2)遅延損害金を認めないケースもある

貸金業者が遅延損害金を主張してきても、裁判で認められないケースはあります。

例えば、平成20年1月から3月まで延滞をした場合です。
貸金業者は、「平成20年1月から延滞をしているため、以降も遅延損害金の金利で計算しました」と主張する場合があります。
しかし、3月以降に延滞していないのなら遅延損害金が発生したらおかしいですよね。
延滞していない月の分まで遅延損害金を主張してきたら“信義則違反(※)”になる可能性があります。

(※)信義則違反・・・権利の行使をする際には、信頼や期待を裏切らないように誠実に対応すること

3、過払い金の延滞に関する豆知識

過払い金の延滞に関する豆知識

(1)2010年以降の遅延損害金の金利は20.0%超で違法

貸金業者から2010年6月18日以降に借入れしていて、20.0%を超える遅延損害金を請求されているなら、違法なため利息を支払う必要はありません。

(賠償額の予定の特則)
第七条 第四条第一項の規定にかかわらず、営業的金銭消費貸借上の債務の不履行による賠償額の予定は、その賠償額の元本に対する割合が年二割を超えるときは、その超過部分について、無効とする。
(引用:利息制限法第7条)

(2)過払い金の返還を受けても延滞が登録されているなら削除できる

過払い金の返還を受けたにも関わらず、あなたの信用情報(※1)へ延滞が登録されている場合には削除を依頼できます。
(※1)信用情報・・・カードローンやクレジットカードなどの契約や借入れした履歴

貸金業者と和解して過払い金が返還された場合は、今までの異動情報(※2)が抹消されるからです。
(※2)異動情報・・・延滞や滞納をしたなどの信用情報にマイナス情報が登録されること

もし過払い金の返還を受けたのに異動情報が登録されている状態なら、業者に問い合わせをするか削除依頼をしましょう。

まとめ

返済期日までにお金を用意できなくて、延滞や滞納をしたことがあっても過払い金請求はできます。
延滞や滞納をしても、法律の上限金利を超えた金利の支払いをしていれば過払い金請求する権利は失われないからです。

ただし貸金業者も遅延損害金を主張してきて、過払い金請求できないと思わせてくるので注意しましょう。

もし貸金業者への対応が自分では荷が重いと懸念される方は、弁護士に依頼をした方がいいでしょう。まずは無料相談を活用して弁護士と話してみることをおすすめします。

※この記事は公開日時点の法律を元に執筆しています。

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