TikTokが日本で使えなくなる日がくる?問題視されている理由とは

TikTok なくなる

動画投稿型のSNSであるTikTok(ティックトック)は、「個人情報を不適切に収集して中国に送信しているのではないか」と疑われています。そのため、これまで世界各国で利用禁止措置が検討され、日本でも「サービスがなくなる日が来る」という噂が立ちました。

結論として、日本国内でTikTokの利用が禁止される予定は当分ありません。
注意したいのは、大企業による個人情報の不適切な収集と利用についても気にする必要がない、というわけではない点です。
自分の知らないところで顔・住所・営業秘密等が使用される可能性があることは十分理解して、普段からセキュリティに気を配りましょう。 

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1、TikTokが日本で使えなくなる予定はない

TikTokが日本で使えなくなる予定はない

TikTokを巡っては世界各国で利用を差し控えるべきとの声が上がっていますが、日本国内で利用が禁止されたり、アプリの配信が止まったりする予定はありません。日本の公式ツイッターでも、「TikTokが終了する」という噂が出回った当初に事実無根であると注意喚起しています。 

では、何故「TikTokがなくなる」とのような噂が立ってしまったのでしょうか。
背景事情として、ちょうど上記告知のあった時期から「サービスの運営方針が安全保障上の問題に繋がる恐れがある」と懸念されたことが挙げられます。

2、TikTokが危険視される理由

TikTokが危険視される理由

TikTokが危険視されるのは、運営会社であるバイトダンス(字節跳動)の利用者情報の扱いに関する不透明さが理由です。
ほとんどの国が名言を避けていますが、利用者の個人情報を不適切に収集し、それを中国政府が制定する「国家情報法」に基づいて本国に送信していると疑われているのです。

一国の政府に情報が渡ると聞くだけでも不気味ですが、その政府というのが一党独裁体制であるのが問題です。民主的でない国は、往々にしてガバナンス(統治のプロセス)が不透明であり、獲得した情報をどんな目的で利用するのか全く分からないのです。

【参考】中国の国家情報法とは

個人や企業に対して政府の情報活動への協力を義務付け、さらに国家の情報機関が国民に協力を求められるとする法律です。つまり、中国企業であるバイトダンス社は、社としての方針に関わらず、要請があれば本国政府の情報収集に協力しなければなりません。

また、現状として、日本を含む西側の国々は、中国と経済的な対立を深めています。
少し行き過ぎた発想ではあるものの、TikTok登録者の情報が軍事作戦に利用されないとも言い切れません。
その上、本サービスは人気ゆえに大量の個人情報が集まっており、万一疑惑が真実なら、軍事・諜報等といった活動をする上でますます有利になってしまいます。

(1)個人情報の収集と利用目的を巡る問題

TikTokの個人情報の取扱いを巡って最初に問題提起されたのは、2019年のことです。

2月末、米連邦取引委員会(FTC)が「13歳未満の児童の個人情報を収集するにあたって保護者の同意を得ていない」と指摘し、バイトダンス社に対して多額の制裁金を課しました。この問題を巡っては、2020年7月にも再燃した他、英国の団体にも提訴される事態に発展しています。

そして2020年8月には、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の分析で「アンドロイド端末から利用者の同意なく個体識別情報を収集している」と指摘されています。

その他、同年には利用者から「iOS14だとTikTokアプリがクリップボードにアクセスしようとする」という検証結果が報告される等、不正な情報収集の噂は絶えません。顔写真や声紋といった生体データも、2021年6月のTikTokのプライバシーポリシー更新で情報収集が明記される前から、集団訴訟で「幅広い個人情報を収集している」と主張されていました。 

https://twitter.com/MaxelAmador/status/1275961185565904896?s=20

ここまで紹介した疑惑の本質的な問題は、やはり情報管理と利用目的の不透明性です。
特に米国の保守派の人々は、米中対立が深まっていることを背景に、TikTokが利用者情報を中国政府に送信していると考えているようです。実際のところ、個人情報の取扱いを巡って提起されたアプリ利用者が集団訴訟を起こしており、2021年2月26日までには約97億円の支払いで和解しています。

(2)危険視されているのはTikTokだけではない

ただ、危険視されているのはTikTokに限りません。同じくSNSを運営する他国のIT企業も、情報の取扱いについて厳しい視線が注がれています。
実際に、情報漏洩や不適切管理が指摘されたこともありました。

【例1】Facebook利用者の情報漏洩問題

→2021年4月、米国ニュースサイト「ビジネス・インサイダー」で利用者5億人以上の個人情報が公開されていたと報じられました。

【例2】LINEの情報管理不備問題

→2021年3月、LINEは「業務委託先の中国の従業員が国内の利用者データにアクセスできる状態だった」と発表しました。これを受け、地域住民への情報発信にLINEを利用していた自治体等の対応が混乱し、政府がLINE利用に関する指針を取りまとめる事態になっています。

ここで挙げたのは、IT企業における個人情報にかかる問題のごく一例です。
いずれにしても、SNS利用者の視点で考えれば、TikTokだけを特に危険視する理由はありません。

3、米国におけるTikTokの規制状況

米国におけるTikTokの規制状況

本記事で取り上げる「TikTokがなくなる」という噂は、トランプ政権下で米国内での利用が禁じられる動きが高まったことで、信ぴょう性を増しました。
米中対立が深まる中で、西側諸国として足並みを揃えている日本でも、トランプ元大統領の急進的な政策に足並みを揃える必要があるとの考えが巷で共有されたのです。

しかし実際のところ、未だに米国内でのTikTok利用規制はありません。大統領選挙後の政権交代と同時に、今後の規制の可能性そのものが薄らいでいます。

(1)トランプ政権時代では利用規制の方向へ

最初にTikTok利用禁止措置の可能性が出たのは、2020年7月のトランプ元大統領のテレビ番組での発言です。
実際、同年8月のトランプ氏は、バイトダンス及び関連子会社との取引を禁じる大統領令、そして同企業に事業売却を命じる大統領令に次々と署名します。

そして大統領選が迫る2021年1月にも、TikTokを含む複数のアプリを禁止する大統領令に署名されました。

しかしながら、ここで挙げたどの大統領令に関しても、米国の司法により一時差し止め命令が下っています。
事業売却に関しても、複数の米国企業が名乗りを上げましたが、未だ実現していません。

参考1:「米商務省、TikTokとの取引禁止規則の停止発表、司法省は上訴」(JETRO)
参考2:「米ワシントン地裁も阻止 TikTok利用禁止措置」(日経電子版)
参考3:「トランプ氏、アリペイなど中国アプリ禁止 大統領令署名」(日経電子版)

(2)バイデン政権での規制は一時棚上げに

バイデン政権になると、TikTokの事業売却に関しても棚上げが決定しました。
ただ、中国等の勢力から個人情報を守るための方策を4ヶ月以内に考えるよう商務省に指示が出されるなど、安全保障上のリスクについて慎重に検討する様子が窺えます。

そんな折、中国では巨大IT企業への圧力が強まり、TikTokが名指しで「個人情報を不適切に収集していた」と当局に指摘される事態が発生しています。
ただ米国では、ひとまず1月の利用禁止に関する命令がバイデン大統領によって撤回され、「TikTokがなくなる」という懸念はなくなりました。

参考1:「バイデン米大統領、TikTokなど利用禁止を撤回」(JETRO)
参考2:「中国当局、バイトダンス・リンクトインなど問題視」 

4、諸外国におけるTikTokの規制状況

諸外国におけるTikTokの規制状況

TikTokに対する危険視は、米国に限ったことではありません。
以下のように、政治的な理由から実際に利用禁止に踏み切った国もあります。

(1)EU

TikTokに関して、欧州では2021年3月に「欧州連合(EU)の一部顧客のデータを中国に送っている可能性がある」とアイルランドのデータ保護委員会が警告しています。
ただ、前年8月には英国・フランス・ドイツがTikTok利用禁止の予定はないと明言しており、以来方針転換に関する新たな情報はありません。

参考:「欧州委、TikTokの商慣行検証へ 消費者法規違反の指摘受け」(ブルームバーグ)

(2)ロシア

ロシアでは、TikTokの利用そのものを禁ずるというよりも、投稿内容を規制する傾向があります。
現地報道では、デモを呼びかける「違法」な投稿をすぐ削除しなかったとして罰金を科すと政府が発表し、経営陣に当局に出向いて説明するよう求めたとのことです。

(3)インド

国家間対立から中国企業への圧力を強めるインドでは、2020年6月にTikTokを始めとする59のアプリが利用禁止措置を受けました。
その理由は「インドの主権、保全、国防、治安、社会秩序に悪影響を及ぼすため」とはっきり述べられています。

参考:「インド、TikTokなど中国59アプリ禁止を恒久化へ=現地紙」(ロイター)

(4)オーストラリア

オーストラリアでは、2020年8月に「TikTokの利用禁止する根拠はない」との首相の発言があります。
一方で、一部の海外メディアでは、軍関係者はTikTokの利用が禁じられていると報道されています。

5、日本におけるTikTokの規制状況

日本におけるTikTokの規制状況

先で述べた通り、日本国内でのTikTok利用規制は当分ありません。
ただ、自民党の「ルール形成戦略議員連盟」が問題視しており、データの不正使用が疑われる場合はアプリ業者への立ち入り検査を容易にする体制作りを検討しています。

参考:「TikTok念頭 情報漏れ防止策 自民提言」(日経電子版)

そうは言っても、具体的な法案をまとめる段階であり、直近の2~3年以内に規制が始まる予定はありません。
ましてや、規制するとしても、まず「個人情報の保護に関する法律」に基づいて調査を行い、合理的な理由があれば提訴する……とのように、段階を踏む必要があります。
少なくとも、「いつか急にTikTokがダウンロードできなくなる」「ある日いきなりTikTokにログインできなくなる」とのようなことはありません。

6、TikTok等を使用する時に個人情報を守る方法

TikTok等を使用する時に個人情報を守る方法

TikTokがなくなる」という噂は、いわば国家間の問題です。個人レベルでは、何もTikTokに限らずとも「どのアプリに・どんな情報が渡っているのか」は十分注意しておくべきです。

では、意図せず自分の個人情報を渡すことのないように、具体的にどんなことをすればいいのでしょうか。
最後に一度、スマホの設定方法を確認してみましょう。

(1)【iPhone】セキュリティ設定の確認&変更のやり方

使用中のスマホがiPhoneなら、下記4つの設定を確認・変更することで、使うアプリに取得させる情報を制限できます(iOSバージョン14.6の場合)。

①スマホの利用履歴を追跡させない設定

「設定」→「プライバシー」→「トラッキング」

→利用履歴を追跡されたくないアプリ名を探し、オフにする

②マイク・カメラを勝手に使用させない設定

「設定」→「プライバシー」→「カメラ」or「マイク」

→使用させたくないアプリ名を探し、オフにする

カメラロール内の画像に勝手にアクセスさせない設定

「設定」→「プライバシー」→「写真」

→使用させたくないアプリ名を探し、オフにする

位置情報を勝手に取得させない設定

「設定」→「プライバシー」→「位置情報サービス」

→取得制限をかけたいアプリを選択し、「なし」「次回確認」「使用中のみ許可」「常に」のいずれかから選択

(2)【android】セキュリティ設定の確認&変更のやり方

アンドロイド端末を使っている人も、下記の設定で個人情報の漏洩は概ね回避できます(androidバージョン11の場合)。

アプリに取得させる情報を制限する設定

設定アプリを開く→「アプリと通知」をタップ→変更するアプリをタップ

→「権限」から位置情報・カメラ・マイクについて許可設定を変更する

ブラウザのセキュリティを高める設定

chromeアプリを開く→右のその他アイコンから「設定」をタップ

→「プライバシーとセキュリティ」から各種設定を変更

③写真or動画から位置情報を削除する

Googleフォトアプリから写真や動画を開く→その他アイコンから編集アイコンをタップ

→「撮影場所を削除」をタップ

まとめ

改めて結論を言えば、日本で「TikTokがなくなる」「アクセスが制限される」等といったことは当面ありません。
利用規制されるとしても、法案成立や既存の法律に基づく調査が前提になり、そこからまた所定の手続きを踏む必要があるため、数ヶ月~数年が経過した後となります。

噂の発端となった米国でも、前政権による利用禁止の措置は撤回されています。ただ、「利用者情報が中国政府に流されている」という疑惑は払拭しきれておらず、まだ警戒は解けていません。

もっとも、TikTokに限らず、位置情報や写真フォルダから自動的に情報を取得するアプリは多数あります。
個人情報漏洩に対する危機感は常に持ち、スマホの設定を見直す等「自分で自分の情報をコントロールする」ことを意識しましょう。

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