離婚を絶対回避したい・・・!ご自身としては離婚したくないのに、配偶者から離婚を切り出されたら…。まさに離婚の危機が到来。夫婦関係を何とか修復したいけど、そのようなときどうすればよいでしょうか。
そんなお悩みにお応えし、離婚回避に役立つ情報をお届けします。結婚生活にはさまざまな問題が生じることがありますが、離婚は最も厳しい局面と言えるでしょう。しかし、お互いの理解と協力によって、離婚を回避することは可能です。
離婚回避に向けては、専門の相談機関での離婚相談やカウンセリングが役立ちます。また、離婚の原因や問題を早期に見つけ、協議を重ねることも重要です。離婚率の上昇が社会的な課題となる中、離婚を考える前にメリットとデメリットをよく理解し、冷静に判断することが必要です。
今回は、離婚事件の経験豊富なベリーベスト法律事務所の弁護士監修のもとで、離婚を回避した事例や、離婚したくないなら知っておくべき「離婚届の不受理申出制度」、家庭内別居状態から離婚を回避する方法などについて解説していきます。
離婚を回避し、新たなステージでパートナーシップを築くためのヒントが詰まった本記事。ぜひご一読いただき、離婚危機を乗り越えるヒントを見つけてください。
目次
1、離婚回避の基本〜離婚届の不受理申出制度とは
配偶者から離婚を切り出されたが、ご自身としては離婚をするつもりがないという場合にまずやっておきたいのが、離婚届の不受理申出です。
一つ屋根の下で生活する夫婦であれば、相手方のハンコを持ち出し、勝手に離婚届を作って出してしまうということもあり得なくはない話です。このような理由で、知らぬ間に離婚されていたという事態を防ぐのが離婚届の不受理申出制度です。
本籍地またはお住まいの役所の戸籍係に不受理申出書という用紙を提出すると、相手方が勝手に離婚届を提出しても、受理されないようにすることができます。
不受理申出書は戸籍係でもらえますので、勝手に離婚届を提出される心配がある場合は、必ず不受理申出制度を利用しましょう。
2、離婚を回避したい方必見!弁護士が教える!離婚を回避できた事例
それでは、まずは、実際に離婚を回避できた事例をいくつかご紹介したいと思います。
みなさん、どのように離婚したがっている相手を説得したのでしょうか。
(1)夫の浮気が原因だったケース
専業主婦のAさんはある日突然夫から離婚を切り出されました。
結婚してから3年、新婚当時ほど仲が良いとは言えませんが、夫婦関係に問題があるとは思えず、離婚には納得がいきませんでした。当初は、とにかく別れてほしい、Aは悪くないの一点張りでしたが、夫の入浴中にリビングに置いてあった携帯をふと見たところLINEから夫が浮気をしていること、浮気相手にAさんと離婚すると話していることが分かりました。
そこで、LINEの画像を携えて弁護士のところに相談に行ったところ、Aさんは、夫がいわゆる有責配偶者であり、Aさんが離婚に同意しない限り離婚は成立しないこと、浮気を理由に離婚をしたいという場合、浮気の熱が冷めれば離婚の意思を撤回することが多いことを教えてもらいました。
そのため、弁護士のアドバイスをもとに、Aさんとしては、離婚しないという話し合いを続けながら夫と浮気相手が別れるのを待つことにしました。
すると3カ月ほどすると夫から離婚はやはりやめる、元通り生活したいと言ってきました。LINEを調べたところ、やはり浮気相手とは別れたことが分かりました。
このように相手方の浮気が原因の場合、浮気相手との関係が終わるのを待つと相手方が離婚を撤回することが多いようです。
(2)小さい子供がいるケース
Bさんは第2子の育児休業中に夫から離婚を切り出されました。夫はとにかく性格が合わない、一緒にいるのが嫌だといい離婚を急いでいました。Bさんとしては、小さい子供が2人もいるなか、離婚をすることに不安がありましたし、子供たちのためにも両親揃って子育てにあたるべきだと考えていました。
そこで弁護士に相談しました。すると、Bさん夫妻のような状況では、法律上の離婚原因が存在しないため、今のまますぐに離婚が成立することはないと分かりました。また、お子様のために離婚をしたくないという考えをしっかりと夫に伝え、話し合いの機会を通じてやり直しの方法を模索するのが一番いいのではないかというアドバイスを受けました。
Bさんは、夫に対して、Bさんが離婚に納得しない限りできないこと、そして何よりも子供たちを片親にしてしまうことについてどう考えているのかということを問いかけました。何回か話し合いを重ねるうちに、Bさんとしても折れるべきところは折れることでなんとか離婚は回避しようということになりました。
子は鎹(かすがい)という言葉があるように、お子様の事を考えて離婚は思いとどまるという方も多いです。
(3)コミュニケーション不足だったケース
妻が単身赴任中だったCさんは、妻が単身赴任をはじめて1年ほどで離婚を切り出されました。お互いの仕事が忙しく、この1年間あまり会う時間が取れていませんでしたが、会えばいつも通りでしたから、妻からの申し出は晴天の霹靂でした。
あわてて弁護士に相談したところ、浮気か単身赴任によるコミュニケーション不足が原因と考えられるので、一度しっかり会いに行って事情を把握するよう指示されました。そこで次の休みに妻に会いに行ったところ、別々に暮らしているうちに夫婦である必要性に疑問を感じ始めたという回答でした。
そこで、Cさんとしては、まず手紙で、忙しさを理由になかなか連絡を取ったり会ったりということができなかったことを謝りました。また、今後どのように交流していくべきかということについて話し合うことを提案したのです。その後、Cさんが何度か妻の元に出向き、一緒にいる時間を増やし、話を重ねるうちに妻の態度が軟化し、こんな感じで会えるのであれば、離婚は考え直したいと言うまでになりました。
このように単身赴任をはじめ、夫婦間のコミュニケーション不足も離婚のきっかけになり得ます。
3、家庭内別居状態から離婚を回避する方法
夫婦が一つ屋根の下で暮らしていても、会話をすることはおろか顔を合わせることもほとんどない、いわゆる家庭内別居になると離婚に至る可能性が高まります。
家庭内別居状態から抜け出すために一番重要なことは、コミュニケーションを取ることだと言えます。ただ、これまでコミュニケーション不足で冷え切った関係になってしまったからこその家庭内別居ですから、突然コミュニケーションをとろうとしても難しいでしょう。
したがって、コミュニケーションは大事ですが、焦らず、顔を合わせたときに家庭内の事務連絡などから少しずつ会話をすることからはじめるように心がけましょう。
4、すでに別居している場合の離婚を回避する方法
まず、別居してしまった場合、覚悟しなければいけないことは、関係修復は相当難しいということです。
離婚を回避するにはこの離婚にむけた固い意思を解きほぐすことが必要になります。しかし、通常は別居に至るくらいなので、貴方に対して強い不信感や嫌悪感を抱いていると思われますので、このような感情を無視してむやみに連絡をしても逆効果でしょう。連絡を取ったこと自体で不快に思われたりしないように、根気強く対応しましょう。
そして相手方に連絡をとれるようになったとしても、抽象的に離婚をしたくない、帰ってきてほしいといった話をするだけでは足りません。相手方が離婚の原因と考えている点について、あなたとして今後どのように改善するのか(したのか)、どう変わっていくつもりなのか(変わったのか)ということを、可能な限り具体的にかつ詳細に相手方に説明し、納得してもらう必要があるでしょう。
5、復縁を視野に入れた別居という選択で離婚回避もありうる!
今申し上げたことと矛盾するようですが、離婚を回避するために別居をするということもありうるでしょう。
相手方が嫌いなわけではないが顔を合わせると些細なことで喧嘩をしてしまう、配偶者には問題がないが同居の義両親と折り合いが悪いというような場合は、事態の鎮静化を図るために、別居をするということも有効な離婚回避の手段といえます。
別居をして、不和の原因を取り除いて穏やかな環境のもと、問題点を確認し、冷静に対応していくことで復縁につながることも十分に考えられます。
なお、復縁について詳しくは以下の記事をご参照ください。
6、悩まずに相談しよう!離婚を回避したい場合の相談先について
離婚を回避し、復縁を望むにしてもどうしたらいいかわからない、誰かに相談したい!と思うことも多いでしょう。そのような場合には次のようなところで相談するといいでしょう。
(1)友人・知人
気心の知れた友人や知人であれば、ご自身がどうしたいのか素直にお話できるでしょうし、親身に相談にのってもらえるでしょう。
(2)両親
ご両親も同様でしょう。また、ご両親は、結婚生活でいえば大先輩です。これまでいろいろな経験を経てきたでしょうから、ご自身にはない新たな視点からのアドバイスをもらえるでしょう。
(3)離婚カウンセラー
民間の離婚相談所です。法律的な問題は相談できませんが、復縁の方法等についてカウンセリングを受けることができます。多くの方の相談を受けてきた経験から、適切なアドバイスをもらえるでしょう。
(4)弁護士
法律的な問題、たとえば万が一離婚になった際の財産分与や親権などについて聞きたいということであれば弁護士に相談しましょう。弁護士というと敷居が高く感じられるかもしれませんが、離婚に関する相談は、初回の相談については無料という事務所も多いようです。
離婚を回避するためにおさえておくべきことまとめ
今回は、離婚を回避する方法についてご説明しました。
離婚を回避するマニュアルはありません。あなたのケースで離婚をどうやって回避していくのか、一人で抱えずに弁護士に相談してみてください。豊富な解決経験から、きっとあなたに合った方法をアドバイスしてくれるはずです。