離婚時に調停で親権を獲得するために知っておくと有利な7つのこと

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
baby smile

「どうしても親権を獲得したい」

このような相談をいただくことは少なくありません。

子どものために離婚しない方がいいと思っても、様々な事情によってどうしても離婚せざるを得ないこともあるでしょう。
そんな時、子どもがいる場合に争いとなるのは親権です。

中には、「慰謝料はいらないから何とか親権は欲しい」「財産分与もいらないから何とか親権は欲しい」とおっしゃる方もいらっしゃいます。

このような場合、相手も親権を望むときは話し合いでは決着がつきません。
そうすると、どうしても親権を争う離婚調停は避けられません。

しかし、多くの方にとって、裁判所は馴染みのないものです。調停と聞いても何から手をつければいいか分からず、「自分は親権を取れるのだろうか?」ということも相俟って不安に思われる方も多いでしょう。

そのような方々が、ご自身で親権獲得のために離婚調停を進められるよう、親権が争いとなる調停の進め方について書きました。
また、親権を獲得するためのポイントについても書きましたので、どのようにしたら親権を獲得しやすくなるのかを判断するためにご参考にして下さい。

読んで下さった方が親権を獲得して下されば幸いです。

1、親権について調停が行われるのはどのような場合?

(1)調停で親権が争われる状況は主に3つ

そもそもの問題として、親権を争う調停が行われるのはどのような場合でしょうか?

調停で親権が争われるのは以下の3つの場合です。

  1. そもそも離婚するかが争われている状況で行われる離婚調停(夫婦関係調整調停)
  2. 離婚することについては話し合いがまとまっているが、どちらが親権を持つかが争われている状況で行われる離婚調停(夫婦関係調整調停)
  3. 離婚時に一度決めた親権を変更するために行われる親権者変更調停

今回は、主に1,2の場合について書いていきます。離婚に際しては慰謝料や財産分与などについても争われますが、子どもの親権者をどちらにするのかの問題を最重要視される方が多いです。

(2)親権者を決める前に離婚することはできない!

夫婦のどちらを親権者にするかを決めずに離婚することはできません。親権者が決まっていない状態では、離婚届は受理されないのです。
なお、子どもが成人している時、もしくは未成年でもすでに結婚している時は、親権者を決める必要はありません。

2、親権を争う場合の調停の流れ

離婚調停で親権を争う場合、以下の流れで進みます。

(1)まずは離婚調停の申立て

離婚調停は申立により始まります。

①調停の申立に必要な書類について

離婚調停の申立に必要な書類は以下の通りです。

  • 夫婦関係調整調停申立書
  • 申立人の印鑑
  • 申立人の戸籍謄本
  • 相手方の戸籍謄本

具体的な記載方法などは、「離婚調停を有利に進めるための申し立ての方法」をご参照ください。

②調停の申し立て場所について

家庭裁判所への申し立てについては、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てることとなります。

(2)調停の流れ

離婚調停は以下の流れで進みます。

①家庭裁判所へ調停の申立て
②調停期日の決定
③第一回の調停
④第二回以降の調停
⑤調停の終了

(3)家庭裁判所調査官

離婚調停において親権をいずれが持つかが争われている場合、多くの場合、調停の合間に家庭裁判所の調査官による家庭訪問等が行われることとなります。
親権を獲得するにあたっては、家庭裁判所の調査官が影響力を持つので、詳しく知っておきましょう。

①家庭裁判所調査官とは?

子どもが父母の親権争いに巻き込まれると、父母の喧嘩にストレスを受けたり、父母を仲良くさせたいと無理に努力したりして、子どもが長期間にわたって深刻な心の傷を受けます。
子どもがいる場合、離婚は夫婦だけの問題に止まりません。そのため、子どもの気持ちや環境に配慮しながら離婚後の親子関係を考えていくことが必要です。

そこで、子どもの親権や離婚後の親と子どもの交流などについて調停で話し合いを進めるにあたっては、裁判所側が調査をすることが必要になります。

裁判所の命令を受けてこのような調査をするのが家庭裁判所調査官です。家庭裁判所調査官は、親と会うほか,子どもとの面談、家庭訪問、学校訪問などを行います。

②家庭裁判所調査官の主な役割

家庭裁判所調査官の主な役割は以下の通りです。

  • 子どもとの面談

→学校のことや友達のことを聞きながら、子どもが話しやすい状況をつくり、子どもが父母と普段どのように関わり、どのような気持ちを持っているのかなどを自由に話してもらうことを通じて、その子どもの気持ちをつかむようにします。子どもが幼かったり、父母に対する遠慮からその気持ちをうまく話せなかったりする場合などには、心理テストなどを用いて、その子の心の状態を把握することもあります。

  • 家庭訪問

→家庭を訪問し、親子関係や子どもの生活環境について調査します。家の中が整理整頓されているか、清潔感があるかなどについても調査します。

  • 学校訪問

→保育園や学校、児童相談所などを訪問し、子どもの生活環境について調査します。

③家庭裁判所調査官が調査する内容

家庭裁判所調査官が調査する内容は以下の通りです。

  • あなたが親権者となるのが適当だと思われる理由について

→愛情のほか、これまでの看護養育の状況に問題がないこと、経済的な面でも子どもとの生活に問題がないことなど

  • 現在までの子どもの養育環境について

→夫婦のいずれが主として監護養育を担当していたのか

  • 今後の養育方針について

→今後、どのように看護養育をするのか、どこで養育するのかなど

  • 相手の親が親権者となるのが不適当だと思われる理由について

→以前から看護養育に関与しておらず、今後も養育することが難しいなど

以上を調査した上で、裁判官に報告することになります。裁判官は、調停の方針を決める上でこれらの情報を参考にします。そのため、親権の獲得にあたり、家庭裁判所調査官とその調査内容は重大な影響を及ぼします。

3、調停で親権を獲得するためのポイント

では具体的に親権を獲得するためにはどのようにしたらよいでしょうか?
以下、書いていきます。

(1)親権を判断するポイント

そもそも、親権をいずれが持つかを判断するにあたって参考とされる事情をご存知でしょうか?
調停委員もこれらの点を重視して、どちらに親権を持たせるようにするか話し合いの方針を決めるので、以下の点に注意しておくとよいでしょう。

①子どもに対する愛情

そもそも、親権で争っていて子どもに対する愛情がないということは考えにくいですが、子どもに対する愛情が大きい方が親権者としてふさわしいと判断されます。これは客観的事情から判断され、子どもと過ごした時間が長い方(特に夫婦が別居していた場合に子どもと一緒に住んでいた方)が子どもに対する愛情が大きいと判断される傾向にあります。現在子どもと同居している側の監護状況が一つのポイントとなります。現在子どもと同居している場合には、子どもの養育にとって適切な環境を整えていることをアピールしましょう。

②肉体的・精神的に健康であること

健康状態がよくなかったり、精神的に不安定な部分があったり、性格が異常であるといった場合には、親権者としてふさわしくないと判断される傾向にあります。親権を獲得するためには、肉体的・精神的に健康であることをアピールするとよいでしょう。

③子どもの年齢

乳児や幼児の場合は、母親と暮らすほうが適当と判断されます。子どもが幼いほど、母親が親権を持つ傾向にあります。

④子どもの意思

前述の家庭裁判所調査官が子どもの意思を調査します。特に15歳以上の子どもの場合は、裁判所で本人の意見を聞く機会が与えられ、基本的に本人の意思が尊重されることとなります。

⑤子育てに割ける十分な時間があるか

子どもと過ごせる時間が多いほうが、親権者として選ばれやすい傾向にあります。
これはあなた自身が子どもと一緒に過ごす必要があり、あなたの親族ではダメです。できるだけ子ども優先のライフスタイルにしましょう。その上で、子どものためにライフスタイルを変更したことをアピールしていくと効果的ではないでしょうか。

⑥経済的に余裕があるか

親権者をいずれにするかにあたっては、経済的に余裕があるかという点も加味されます。
収入については、親権を持たない側から養育費という形で補填されるので、必ずしも決定的な理由とはなりません。
とはいえ、子育てにはそれ相当のお金がかかるので、経済的に裕福なほうが親権者になったほうがよいとされます。現在の収入などが相手より多い場合には、そのことをしっかりアピールしましょう。

(2)調停で親権を獲得するためには?

では、実際に調停で親権を獲得するためにはどのようにしたらよいでしょうか?
具体的には以下の点を意識して調停を進めるとよいでしょう。

①調停委員を味方につける

離婚の調停委員も人間です。ですから、言い方はよくないかもしれませんが、「調停委員の同情を買う」ことも重要となってきます。いかにあなたが子どもを愛していて、一緒にいたいかを伝えましょう。

②家庭裁判所調査官の調査に注意

嘘をついてはいけませんが、前述の家庭裁判所調査官が調査するポイントを意識して準備するとよいでしょう。

③親権者としてふさわしいことをアピールする

前述の「3-(1)親権を判断するポイント」を参考に、これらの点で自分の方が相手より親権者としてふさわしいことを、客観的事実を付け加えて伝えましょう。

以上の点を参考に、親権を獲得するために調停を進めていきましょう。

4、父親が親権を取れる場合とは?

一般的に、父親は親権を獲得することが難しいということをお聞きしたことがあるのではないでしょうか。
調停でも、調停委員は母親に親権を獲得させるような方向で調整します。
実際に調停において親権を獲得するのは母親であるケースがほとんどです(8~9割は母親が親権を取得)。

親権が欲しい父親には残念な事実ですが、調停委員も幼ければ幼いほど、子供には母親が必要であると考える傾向があるので、どうしても不利になります。

ただし、父親が不利であるといっても、まったく親権者になれないということではありません。

別居後すぐに子どもを養育し、子どもを養育する環境を整えるなど、調停委員に「父親が面倒を見るのがベストである」と思わせることができれば、父親も親権者となりえます。

具体的には、夫婦が既に別居している場合で、夫が子どもと暮らしている場合、比較的父親が親権を獲得できる可能性が高いです。

ちなみに、離婚時に妻が妊娠している場合は原則としてそのまま妻が親権者となります(もっとも、夫が親権を要求するのであれば、裁判所に申し立てることはできます)。

5、不倫・浮気した側でも親権者になれる

離婚の原因を作った方にも、親権者になれる権利はあります。
例えば、妻の浮気で離婚に至った場合でも、妻が調停の結果として親権者となることは十分に可能です。
それは、離婚の原因と親権問題は切り離して考えるのが一般的だからです。親権は、子どもにとってどちらが親権者としてふさわしいのかという観点から決定されることとなります。

6、親権を取れなくとも有利な内容で面会交流権を獲得しよう!

特に父親の場合、どんなに調停で子どもへの愛情をアピールしたとしても、形勢が不利とならざるを得ないでしょう。
そのような場合に、親権を獲得することが難しくても、調停の場できっちり面会交流権を確認しておきましょう。

具体的に決めておくべき内容は以下の通りです。

・どのような頻度で会うか(月に何回会うか、週に何回会うか)
・1回あたり会う時間は何時間か
・会う際に宿泊してよいのか
・会う場所はどうするのか
・電話やメールのやりとりをしてもよいか

7、もし調停で話し合いがまとまらなかったら?

親権について問題が解決しない場合には、家事審判へと移行することになります。
家事審判では、家庭裁判所が調停での話し合いの内容を踏まえて父親か母親どちらか一方に親権者を定めます。
家事審判に移行した場合のことも考えて、調停では自己の主張とその根拠となる証拠を併せてきっちりアピールしておくべきでしょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

初回来所法律相談無料!


もし、あなたが、

・離婚をしようと思っているが、どうして良いのか分からない
・遺産相続で困っている
・過払い金を取り戻したい
・交通事故に遭ってしまい困っている

など、法律のことでお困りのことがあれば、まずは無料相談にお申し込み下さい。
必ず解決策を見つけ出します。

SNSでもご購読できます。

最近の投稿

コメントを残す

*