接触事故の被害に遭った!事故後の対応として知っておきたい5つのこと

接触事故

接触事故の被害に遭ったとき、特に怪我がなかったとしても、事故後に何をすればいいのかわからないと悩む人が少なくありません。

怪我の有無にかかわらず、接触事故は立派な交通事故ですので、しっかりとした対応をしないと後からトラブルになる可能性があります。

今回は、接触事故を起こされたときの手続の流れや注意点について、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

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1、接触事故とは

接触事故とは

まずは、接触事故と非接触事故について確認していきましょう。

(1)接触事故とは

接触事故とは、車やバイクの運転中に、人や物に接触して発生する事故のことです。交通事故として扱われているものの多くは、接触事故に該当します。

(2)非接触事故とは

一方で、「非接触事故」とは、上記のような接触をしていないにもかかわらず発生した交通事故のことです。

例えば、対向車との接触を回避するために急ブレーキをかけたり急ハンドルを切ったりしたことによって、車や人には接触していないものの、転倒してしまった場合などの事故がこれに該当します。 

2、接触事故後にやるべきこと

接触事故後にやるべきこと

接触事故が発生したら、以下の対応をとっていきましょう。

(1)警察へ連絡

事故が起こったら、まずは110番をして警察へ連絡しましょう。

事故発生直後は、気が動転してなかなか冷静な判断ができないでしょう。

しかし、警察への連絡が遅れては、何もメリットもありません。

事故が発生したら、すぐに警察に連絡を入れましょう。

(2)身体の痛みや状態を確認する

警察へ連絡をしたら、自分の体の痛みや状態を確認してください。

体に痛みや違和感がある場合は、すぐに救急車を呼びましょう。

「我慢すれば何とかなる」「救急車を呼ぶほどではない」などと、遠慮するべきではありません。

事故後は気が動転しているため、痛みがあるにもかかわらず、平常時のように痛みを感じられない場合もあります。

また、事故直後には痛みを感じていなくても、時間が経過して後から痛みが出てくることもあるでしょう。

少しでも痛みや違和感がある場合は、大ごとでなくとも、すぐさま病院へ行っておきましょう。

(3)後続車両との事故の可能性がある場合は、車両を動かす

事故後の状況によっては、早めに車を移動しないと、さらなる事故を誘発するおそれがあります。

そのような危険性がある場合は、ハザードランプを点灯させるなどの安全措置を行った上、自身の車を早急に動かすようにしましょう。

この際、事故直後の状況がわかるように事故現場の写真を撮影しておくと安心です。

(4)加害者の情報を確認

ひき逃げや、加害者と連絡が取れなくなることを回避するために、事故を起こした加害者の車のナンバーは、必ず控えておきましょう。

可能であれば、加害者の身分証明書を見せてもらい、身分証明書を撮影させてもらうと安心です。 

(5)保険会社へ連絡

事故後は、ご自身が加入している保険会社に連絡を入れましょう。 

(6)警察の捜査へ協力

事故が起きた後は、実況見分のために警察に協力しましょう。

事故発生後、日数が経っていくと記憶は薄れていくので、事故直後に事故の状況をメモしておくことをおすすめします。

(7)治療継続

あなたが接触事故により、治療を必要としている場合は、治療に専念しましょう。

治療が終了しないことには、示談もできませんので、まずは治療に専念することが大切です。 

3、接触事故の場合の注意点

接触事故の場合の注意点

接触事故直後は、気が動転しているかもしれませんが、次のことに注意してください。

(1)すぐに物損事故と判断しない

接触事故が起きたものの、特段身体の痛みを感じない場合、物損事故として処理することを考える人が少なくありません。

怪我がなければ、あえて人身事故で処理する必要性を感じないかもしれません。

警察からも、物損事故の処理で手続を進める旨の話をされる場合もあるでしょう。

しかし、先ほどのとおり、接触事故直後は、気が動転しているため、痛みを感じられない場合があります。後から痛みが出てくる場合もあるのです。

万が一の場合に備え、少しでも心配な点があれば救急車を呼ぶか、事故当日に病院で診察を受けるようにしましょう。

(2)後日痛みが出てきた場合は、早急に人身事故への切り替え

事故当日は痛みを感じなかったものの、後日痛みが出てきた場合は、すぐに病院で診察を受けましょう。

そして、早急に人身事故への切り替え手続をしましょう。

事故から日数が経てば経つほど、人身事故への切り替えに不自然さが出てきます。痛みを感じたら、早急に動いていきましょう。

(3)事故現場で示談をしない

接触事故が発生したとき、事故現場で加害者から示談を持ちかけられる場合があります。

事故現場で簡易的な示談書をメモ書きで作成したり、少々のお金を加害者が支払ったりすることで、示談を持ちかけられることもあるでしょう。

事故現場で示談をしてしまうと、今回の接触事故の件はその示談で完了となり、それ以降損害賠償請求をできなくなる可能性もあるので、注意が必要です。 

以下では、接触事故の場合に、加害者から現場で示談を持ちかけられる理由について見ていきましょう。

①大ごとになる前に終わらせたい

加害者心理としては、接触事故を起こしてしまったものの、大ごとになる前に事故の件を終わらせたいという気持ちがある傾向にあります。

接触事故の件を保険会社に報告すると、事が大きくなる場合もあるでしょう。

大ごとになる前に終わらせたいという心理から、その場で被害者と示談してしまいたいという気持ちが湧いてきます。

②周囲に事故の存在を知られたくない

加害者としては、接触事故の存在を周囲に知られたくないという心理もあります。

事故を起こしたことが発覚すれば、周囲からプラスのイメージを持ってもらえることはなく、多くの場合はマイナスイメージを持たれます。

加害者が大企業の役員であったり、それなりの立場にあったりする場合、周囲に事故の存在を知られることは大きなダメージです。

事故現場で示談してしまいたいと考えても、不思議ではありません。

③事故の存在により自分の保険の等級を下げたくない

事故の存在を保険会社に知られたくない理由の1つが、事故発生により加害者自身の保険の等級が下がるという点が挙げられます。

保険の契約内容にもよりますが、事故を起こし被害者の損害賠償のために保険を使えば、加害者側の保険の等級は下がるのが通常です。

  免許の点数に影響を与えたくない

事故の内容によっては、免許の点数に影響が出る場合もあるでしょう。

自身の免許の点数に悪影響を与えたくないがために、事故現場で示談しようとする加害者もいます。

(4)警察には必ず通報する

①通報しない場合は道路交通法違反となる

接触事故が発生したら、警察には必ず通報しましょう。

接触事故が発生したにもかかわらず警察に通報しないと、道路交通法違反となります。

仮に、駐車場での接触事故であっても、警察への届出義務が発生する場合があります。

通報すべきか判断がつかない場合は、警察へ通報しておくようにしましょう。

②通報しない場合は交通事故証明書を発行してもらえないこともある

警察に通報しておかないと、そもそも交通事故証明書を発行してもらえないことがあります。

交通事故証明書は、

  • 事故の場所や時間
  • 加害者と被害者の名前

など、事故の詳細を証明する重要な書類です。

交通事故証明書が発行されていないと、そもそも事故の存在自体を疑われる可能性すらあります。

交通事故証明書を発行してもらうためにも警察へ必ず通報しましょう。 

(5)犯人が逃げた場合は犯人の特定を早急に行う

犯人が逃げた場合、犯人の特定を早急に行う必要があります。

犯人が誰かわからないと、接触事故によりあなたに損害が発生したとしても、加害者に対して損害賠償請求をすることができません。

万が一、加害者が逃げた場合は、

  • 加害者の車のナンバープレート
  • ドライブレコーダー
  • 防犯カメラの映像

などを手掛かりに、犯人の特定を急ぎましょう。

4、接触事故における過失割合の具体例

接触事故における過失割合の具体例

接触事故の場合、追突事故のように、どちらか一方のみが悪い場合もあります。

しかし、なかには加害者側・被害者側双方に過失(落ち度)があるケースも考えられるでしょう。

ここでは、車同士の接触事故における代表的な過失割合について、紹介します。

(1)当方:青信号、相手:赤信号での車同士の接触

たとえば、当方:青信号、相手:赤信号での直進車同士の接触事故の場合、信号の状態からして当方に落ち度がないことが多く、原則として当方の過失は0となります。

当方の過失がゼロの場合、損害賠償額の100%を加害者側が負担することになります。

(2)当方:黄信号、相手:赤信号での車同士の接触

次に、当方:黄信号、相手:赤信号での直進車同士の接触事故の場合です。

相手は赤信号ですが、当方は黄信号であり青信号の場合とは異なる状況です。

この場合、当方にも2割程度の過失が認められるのが原則とされています。

すなわち、損害賠償額のうちの80%しか相手から支払われないこととなります。

5、接触事故の被害に遭ったときは弁護士に相談を

接触事故の被害に遭ったときは弁護士に相談を

接触事故の被害に遭ったときは、以下の理由から弁護士に一度相談してみることをおすすめします。

後からではどうにもならないこともあるので、事故後、できる限り早い段階で弁護士に一度相談しましょう。

(1)手続を一任できる

弁護士に依頼すれば、接触事故に関する交渉や手続を一任することができます。

接触事故が発生して怪我をすると、怪我の治療のために通院継続が必要になります。

加えて、保険会社との連絡・交渉や書類のやり取りなど、様々な手続が必要です。

なかには、自分だけでは判断できなかったり、知らず知らずのうちに保険会社の言いなりになっていたりする場合もあるかもしれません。

以上のような煩雑な手続について、弁護士に一任しておけば、弁護士があなたの代理人として手続を進めてくれるでしょう。 

(2)相手方との交渉をする必要がない

接触事故による損害賠償請求について、保険会社と金額をめぐり交渉が必要になる場合もあるでしょう。

通院期間全額についての治療費が認められていなかったり、過失割合でもめたりする場合もあります。

以上のような場合でも、弁護士に依頼をしておけば、ご自身で相手方と交渉する必要もなくなり、精神的ストレスや時間的負担がグッと減ります。

(3)専門的な交渉や手続を代行してもらえる

①後遺障害の等級認定の申請

接触事故により身体の痛みや障害が残る場合、後遺障害の等級認定の申請を行う必要があります。

後遺障害の等級認定の申請には、専門的な知識が必要です。

同じような後遺症でも、後遺障害の等級申請の方法や提出書類によって、認定される等級に違いが出ることもあります。 

後遺障害の等級が1つ違うだけで、損害賠償金も大きく異なります。

後から後悔することがないよう、後遺障害の等級認定の申請については専門家である弁護士にアドバイスを求めることをおすすめします。 

②治療費打ち切りの場合の対応

接触事故により身体に痛みが生じ、病院への通院継続をしているにもかかわらず、保険会社が治療費を打ち切ってくる場合があります。

被害者としては、接触事故による痛みの治療に必要だから通院をしています。

しかし、保険会社としては、これ以上通院継続しても意味がないと主張し、治療費の支払いを拒むのです。 

以上のような場合でも、弁護士に依頼をしておけば、治療継続の必要性について保険会社に主張してもらえます。

合わせて、引き続き通院継続できるよう保険会社と交渉してもらうことが可能です。

③示談交渉

接触事故の件を終わらせるためには、相手方と示談をする必要があります。

示談の段階で損害賠償金についても決めますので、相手方が主張する示談の内容に不満がある場合は、しっかりと交渉することが必要です。

弁護士に依頼をしておけば、示談の交渉についても一任することができ、何度も相手方とやり取りをする必要がありません。

(4)慰謝料やその他の損害賠償額の増額の可能性がある

弁護士に依頼をしておけば、示談交渉を一任できるだけでなく、慰謝料やその他の損害賠償金が増額する可能性があります。

慰謝料やその他の損害賠償金について、保険会社にも金額の算定となる基準がありますが、保険会社の基準は弁護士や裁判所が採用している基準とは異なるケースがほとんどです。

一般的には、保険会社の基準よりも弁護士が採用する基準の方が損害賠償金は高くなります。

そのため、弁護士に依頼をしておくと慰謝料等が増額する可能性があります。

接触事故に関するQ&A

Q1.接触事故とは?

接触事故とは、車やバイクの運転中に、人や物に接触して発生する事故のことです。交通事故として扱われているものの多くは、接触事故に該当します。

Q2.接触事故後にやるべきことは?

接触事故が発生したら、以下の対応をとっていきましょう。

・警察へ連絡

事故が起こったら、まずは110番をして警察へ連絡しましょう。

事故発生直後は、気が動転してなかなか冷静な判断ができないでしょう。

しかし、警察への連絡が遅れては、何もメリットもありません。

事故が発生したら、すぐに警察に連絡を入れましょう。

・身体の痛みや状態を確認する

警察へ連絡をしたら、自分の体の痛みや状態を確認してください。

体に痛みや違和感がある場合は、すぐに救急車を呼びましょう。

「我慢すれば何とかなる」「救急車を呼ぶほどではない」などと、遠慮するべきではありません。

事故後は気が動転しているため、痛みがあるにもかかわらず、平常時のように痛みを感じられない場合もあります。

また、事故直後には痛みを感じていなくても、時間が経過して後から痛みが出てくることもあるでしょう。

少しでも痛みや違和感がある場合は、大ごとでなくとも、すぐさま病院へ行っておきましょう。

・後続車両との事故の可能性がある場合は、車両を動かす

事故後の状況によっては、早めに車を移動しないと、さらなる事故を誘発するおそれがあります。

そのような危険性がある場合は、ハザードランプを点灯させるなどの安全措置を行った上、自身の車を早急に動かすようにしましょう。

この際、事故直後の状況がわかるように事故現場の写真を撮影しておくと安心です。

・加害者の情報を確認

ひき逃げや、加害者と連絡が取れなくなることを回避するために、事故を起こした加害者の車のナンバーは、必ず控えておきましょう。

可能であれば、加害者の身分証明書を見せてもらい、身分証明書を撮影させてもらうと安心です。 

・保険会社へ連絡

事故後は、ご自身が加入している保険会社に連絡を入れましょう。 

・警察の捜査へ協力

事故が起きた後は、実況見分のために警察に協力しましょう。

事故発生後、日数が経っていくと記憶は薄れていくので、事故直後に事故の状況をメモしておくことをおすすめします。

・治療継続

あなたが接触事故により、治療を必要としている場合は、治療に専念しましょう。

治療が終了しないことには、示談もできませんので、まずは治療に専念することが大切です。 

Q3.接触事故の場合の注意点

接触事故直後は、気が動転しているかもしれませんが、次のことに注意してください。

・すぐに物損事故と判断しない

接触事故が起きたものの、特段身体の痛みを感じない場合、物損事故として処理することを考える人が少なくありません。

怪我がなければ、あえて人身事故で処理する必要性を感じないかもしれません。

警察からも、物損事故の処理で手続を進める旨の話をされる場合もあるでしょう。

しかし、先ほどのとおり、接触事故直後は、気が動転しているため、痛みを感じられない場合があります。後から痛みが出てくる場合もあるのです。

万が一の場合に備え、少しでも心配な点があれば救急車を呼ぶか、事故当日に病院で診察を受けるようにしましょう。

・後日痛みが出てきた場合は、早急に人身事故への切り替え

事故当日は痛みを感じなかったものの、後日痛みが出てきた場合は、すぐに病院で診察を受けましょう。

そして、早急に人身事故への切り替え手続をしましょう。

事故から日数が経てば経つほど、人身事故への切り替えに不自然さが出てきます。痛みを感じたら、早急に動いていきましょう。

・事故現場で示談をしない

接触事故が発生したとき、事故現場で加害者から示談を持ちかけられる場合があります。

事故現場で簡易的な示談書をメモ書きで作成したり、少々のお金を加害者が支払ったりすることで、示談を持ちかけられることもあるでしょう。

事故現場で示談をしてしまうと、今回の接触事故の件はその示談で完了となり、それ以降損害賠償請求をできなくなる可能性もあるので、注意が必要です。 

・警察には必ず通報する

①通報しない場合は道路交通法違反となる

接触事故が発生したら、警察には必ず通報しましょう。

接触事故が発生したにもかかわらず警察に通報しないと、道路交通法違反となります。

仮に、駐車場での接触事故であっても、警察への届出義務が発生する場合があります。

通報すべきか判断がつかない場合は、警察へ通報しておくようにしましょう。

②通報しない場合は交通事故証明書を発行してもらえないこともある

警察に通報しておかないと、そもそも交通事故証明書を発行してもらえないことがあります。

交通事故証明書は、

  • 事故の場所や時間
  • 加害者と被害者の名前

など、事故の詳細を証明する重要な書類です。

交通事故証明書が発行されていないと、そもそも事故の存在自体を疑われる可能性すらあります。

交通事故証明書を発行してもらうためにも警察へ必ず通報しましょう。 

・犯人が逃げた場合は犯人の特定を早急に行う

犯人が逃げた場合、犯人の特定を早急に行う必要があります。

犯人が誰かわからないと、接触事故によりあなたに損害が発生したとしても、加害者に対して損害賠償請求をすることができません。

万が一、加害者が逃げた場合は、

・加害者の車のナンバープレート

・ドライブレコーダー

・防犯カメラの映像

などを手掛かりに、犯人の特定を急ぎましょう。

まとめ

接触事故の被害に遭ったときはパニックになるかもしれませんが、ぜひ落ち着いて行動してください。

その場で加害者と示談をしたり病院に行かなかったりすると、後からトラブルになりかねません。

事故の手続や事故後の行動の方針について少しでも不安がある方は、気軽に弁護士にご相談ください。

※この記事は公開日時点の法律を元に執筆しています。

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