【弁護士が解説】慰謝料で税金が発生する!?特殊事例を詳細解説!

【弁護士が解説】慰謝料で税金が発生する!?特殊事例を詳細解説!

法的トラブルで争いになるとき、特に慰謝料が発生する場合はスムーズに決着できないことがほとんどです。そんな揉めに揉めた争いがようやく決着し、慰謝料も支払われてやっと落ち着いた生活ができると思っていたのに、慰謝料に対する税金を支払わなければいけないのか不安に感じている人もいることでしょう。

そこで今回は、

  • 慰謝料で税金は発生するのか
  • 慰謝料が問題となる主なケース
  • 慰謝料に贈与税がかかるケース

などを中心にベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

慰謝料に対する税金を心配している方のご参考にして頂ければ幸いです。

弁護士相談実施中!
当サイトの記事をお読み頂いても問題が解決しない場合には弁護士にご相談頂いた方がよい可能性があります。
お気軽にベリーベスト法律事務所までお問い合わせください。
お電話でのご相談
メールでのご相談

1、慰謝料で税金は原則発生しない

結論から言えば、慰謝料で税金は原則発生しません。慰謝料とは相手方の行為による精神的損害や身体的損害に対する補填です。仕事をして得た給与などの「利益」を受けたときに税金は発生します。しかし、慰謝料は相手方の行為により「利益」を受けていないため、原則非課税となります。同様に慰謝料の支払い側にも贈与税がかかることはありません。

2、慰謝料はどのような場合に請求できる?

ここでは慰謝料が問題となりやすいケースについてご紹介します。

(1)離婚の慰謝料

離婚の際に、その離婚に至った原因が相手方の有責な行為にある場合、慰謝料を請求できる可能性があります。

具体的には、相手方の不貞行為やドメスティックバイオレンスなどで、離婚をするに至ったという場合に、当該有責行為に対する精神的または肉体的ダメージを補填するべく、慰謝料を請求できる可能性があります。

(2)交通事故の慰謝料

交通事故に遭って怪我を負った場合、疼痛等についての不快感や、通院に対する煩雑さが生じます。かかる被害者の負担を補うべく、交通事故の加害者に対して、慰謝料を請求できる可能性があります。

慰謝料は目に見えないものであり、治療費のように金額で評価することが簡単ではありませんので、その算定基準にはさまざまなものがあります。代表的なものは、いわゆる弁護士基準であり、交通事故訴訟損害賠償額算定基準(いわゆる「赤い本」)などに掲載されております。

赤い本記載の弁護士基準によれば、例えば軽症で丸2カ月通院をした場合の慰謝料の金額は、36万円となります。

なお、交通事故で相手方から受領する慰謝料額は、離婚の際の慰謝料と異なり、社会通念に反して過大になることはほとんどないでしょう。ですので、慰謝料に対する贈与税が問題になり得るのは、主に離婚慰謝料などになってこようかと思われます。

以下では、離婚慰謝料について、贈与税との関係性をみていくことにします。

3、慰謝料に贈与税がかかるケースについて

できるだけ慰謝料の税金は支払いたくないものです。しかし、中には慰謝料に贈与税がかかるケースも存在します。どのようなケースが課税対象なのか、慰謝料の相場などと合わせて見ていきましょう。

(1)慰謝料の一般的な相場について

離婚による慰謝料の相場は離婚の原因に影響されます。個別の事案により慰謝料は上下しますが、一般的な相場としては50万円~300万円ほどと言われています。

(2)過大な慰謝料は贈与税としてみなされる可能性がある

相場を大きく超える慰謝料は税金がかかる可能性があります。一般的な慰謝料の相場は50万円~300万円です。この金額を大きく超えると、「社会通念上相当の金額」とはみなされず税金がかかる可能性があるでしょう。

なお、不動産や有価証券など価格が変動する物で慰謝料が支払われる場合は、離婚時の時価で金額が判断されます。判断された評価額が高額な場合には、税金がかかる可能性があります。

(3)贈与税の対象となった場合、どれくらい税金がとられるのか

贈与税の計算に必要となる税率及び控除額については、下記の表が国税庁のホームページで公開されています。まず、国税庁のホームページで税率及び控除額を確認します。

基礎控除後の課税価格

200万円以下

300万円以下

400万円以下

600万円以下

1,000万円以下

1,500万円以下

3,000万円以下

3,000万円超

一般税率

10%

15%

20%

30%

40%

45%

50%

55%

控除額

10万円

25万円

65万円

125万円

175万円

250万円

400万円

例えば税務上過大と評価される慰謝料の額が1000万円の場合は、1000万円から基礎控除額である110万円を引いた890万円が税金の対象となります。税金対象額である890万円の税率は40%で、控除額は125万円であることがホームページから確認できます。890万円に対する40%は356万円で、そこから125万円の控除額を除いた231万円が税金として支払う額になります。

4、離婚慰謝料を非課税にするポイント

せっかくもらった慰謝料に対して、税金は支払いたくないと思うのは当然です。基本的には離婚の慰謝料には税金はかかりません。しかし、中には慰謝料にも税金がかかるケースもあります。離婚の慰謝料を非課税にするポイントなどをお伝えしますので、離婚時の注意点として念頭に置いておいてください。

(1)慰謝料は弁済を金銭で行うこと

慰謝料は現金で支払わなければならないという決まりはありません。ただ、不動産などで慰謝料が支払われた場合などは不動産を購入した金額よりも、譲渡したときの時価金額が上回っている場合に税金が発生し得ます。このようなことを避けるためにも慰謝料は弁済をできるだけ金銭で行うようにしましょう。

(2)過大な金額を受け取る際は、費目を工夫すること

離婚原因を作った有責配偶者から、何かしらの賠償をしてもらうという場合、必ずしも慰謝料の名目でのみ受け取る必要はありません。離婚時には、慰謝料の他、財産分与や養育費などさまざまな費目が問題となります。慰謝料で2000万円をもらったのでは、過大であると評価される可能性がありますが、財産分与などへ金額を分散させることができるのであれば、総額に変動がなくても、過大な金銭授受であると評価される可能性は減るでしょう。

(3)文書で必ず契約内容を記載しておくこと

上記のとおり慰謝料は基本的には非課税です。しかし、税務署の調査が入らないとは限りません。万が一の時に備えて、受け取ったお金が離婚慰謝料であること、日付などを含む離婚協議書を文書として残しておくことが大切です。

まとめ

今回は慰謝料に対する税金について解説しました。

原則慰謝料には慰謝料は発生しませんが、慰謝料の相場より金額が多い場合は課税対象となることもあります。
離婚後に一人で生きていくためにはお金が必要です。大きな助けとなってくれる慰謝料で損をしないためにも、慰謝料で不安に感じることがあれば、弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士相談実施中!


当サイトの記事をお読み頂いても問題が解決しない場合には弁護士にご相談頂いた方がよい可能性があります。

お気軽にベリーベスト法律事務所までお問い合わせください。

弁護士費用保険のススメ

今すぐには弁護士に依頼しないけれど、その時が来たら依頼を考えているという方には、 ベンナビ弁護士保険への加入がおすすめです。

ベンナビ弁護士保険への加入
ベンナビ弁護士保険への加入

何か法律トラブルに巻き込まれた際、弁護士に相談するのが一番良いと知りながらも、どうしても費用がネックになり相談が出来ず泣き寝入りしてしまう方が多くいらっしゃいます。そんな方々をいざという時に守るための保険が弁護士費用保険です。

ベンナビ弁護士保険に加入すると月額2,950円の保険料で、ご自身やご家族に万が一があった際の弁護士費用補償(着手金)が受けられます。離婚、労働トラブル、ネット誹謗中傷、自転車事故、相続、子供のいじめ問題などの場合でも利用可能です。(補償対象トラブルの範囲はこちらからご確認下さい。)

ご自身、そして大切な家族をトラブルから守るため、まずは資料請求からご検討されてはいかがでしょうか。

ベンナビ弁護士保険の資料を無料でダウンロードする

提供:株式会社アシロ少額短期保険 KL2022・OD・211

SNSでもご購読できます。

カテゴリー

閉じる

平日9:30〜21:00、土日祝9:30〜18:00
  • 電話で相談する
  • 弁護士相談受付中!
  • 身近な法律問題・ニュースに関するご相談はベリーベスト法律事務所まで!
    あなたの味方となる弁護士と一緒に解決策を考えましょう
  • 土日祝も!
    24時間365日受付中