里親制度とは?制度内容から3つの実体験まで!里親の基本を徹底解説

里親

結婚して長期間子どもを授からず、「里親」を検討したいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、「里親の制度自体」や「経済的な負担」について分からない・・・と、お困りのこともあるかと思います。

そこで今回は、

  • 里親制度の具体的な内容
  • 里親の3つの実体験談
  • 里親の問題点と対処法
  • 里親に関して相談するなら

等について、ご説明したいと思います。ご参考になれば幸いです。

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1、「里親」(里親制度)とは?

「里親」(里親制度)とは?

里親は、制度としてその内容が整っています。
ここでは、里親とは、そして里親制度の内容まで見ていきます。  

(1)「里親」とは

里親とは、何かしらの事情で子どもを育てられない実親に代わって子どもを養育する者をいいます。
子どものいないご夫婦、または実子がいるご夫婦でもなることができます。
一部の里親の種類を除きますが、独身者でもなることができます。  

(2)里親が必要とされる背景

事情があり親が育てられない子どもは、日本では施設で養育されることが一般的と思われるかもしれません。
もちろん施設で養育することもできるでしょう。
しかし、施設では一人の職員が多くの子どもを担当します。
乳幼児であれば夜間の添い寝も1人1人に対応することは難しいでしょう。

子どもが成長するには「家庭的」な環境が必要です。
これは、国際条約(児童の権利に関する条約)でも謳われており、諸外国の実情からも国際的な常識であるといえます。
子どもの幼少期には自分一人にだけ注がれる愛情というものが必要なのです。

このような背景において、2017年政府は、「里親」は子どもが立派に成人していく上で必要な制度であるとして、以後10年間で「就学前の子どもの75%」「就学後の子どもの50%」を里親に委託できるようにという目標値を設定しました。  

(3)里親制度に関するデータ

現在里親を必要としている子どもの数は約45,000人です。
他方で、里親によって養育されている数はおよそ6千人です。
また、約3万人の子どもが施設で養育されています。

まだまだ里親制度が日本では普及していないことがわかります。      

(4)里親の種類

里親には幾つかの種類があります。1つずつ見ていきましょう。     

①養育家庭(里親)ー普通養育と専門養育(障害者など)に分かれる

子どもが成人するまで又は実親に引き取ってもらうまでの間里親になることを、養育(家庭)里親といいます。

普通養育と、専門知識を持った者が障害児童などの里親になる専門養育に分かれています。

1週間、夏休み期間中などの短期間も可能です。

親権は実親にあるままで、かつ引き取った子どもに実子のような相続権を与えることはできません。   

②親族里親

実親が死亡した場合や、失踪した場合などに親族が引き取り代わりに育てることを親族里親といいます。
親族なので比較的に親子の絆ができやすく愛情をもって子どもを養育できる可能性が高いでしょう。
子どもも知っている人が親代わりになってくれるため安心して家庭に馴染めるかもしれません。    

③普通養子縁組里親

普通養子縁組の上で里親になることもできます。
この場合には、法律的に親子関係を構築することになります。

ポイントは、実親との親子関係もそのままということです。
親権は里親へ移りますが(民法第818条第2項)、養子縁組は実方親族関係へ何ら影響することはないため、養子は実親からの相続権もあり、里親からの相続権もあります。

普通養子縁組の法的手続きは、下記の通りです。

  • 里親申請を行います。(詳細は見出し「7」に記載)
  • 養子縁組届と、戸籍謄本を準備します。
  • 養子が15歳未満の場合には、法定代理人や後見人の代諾が必要です。
  • 養子の居住地の家庭裁判所に養親が養子縁組の申立を行います。ただし、養子が養親の直系の卑属(子や孫)の場合には申立は必要ありません。
  • 家庭裁判所で審判し結果(審判書謄本)を郵送します。(約3ヶ月〜6ヶ月)
  • 家庭裁判所が発行する「養子縁組許可審判書」と養親と養子の印鑑を準備します。
  • 本籍地の市区町村、または居住地の市区町村に書類一式を提出します。戸籍謄本は本籍地以外に提出する場合に必要です。

④特別養子縁組里親

特別養子縁組は、実親との親子関係がなくなることがポイントです。
里親(養親)との親子関係だけを築くこととなります。
相続権は里親との間にだけ存在することになります。
戸籍も一見しただけでは養子であることがわからないような特殊な処理がなされます。

重要な法律関係の変動が生じ得る制度です。
そのため、養親になるには結婚していることや年齢制限(25歳以上。民法第817条の4)など一定の条件があります。

また養子側にも6歳未満でなければならないこと(民法第817条の5本文)や、原則実親の同意が必要(民法第817条の6)という条件があります(なお、6歳未満という養子側の年齢制限は、2019年1月、法制審議会(法相の諮問機関)の部会で、小中学生が含まれる15歳未満に引き上げる見直し案を固めました)。

実親にとっては親子関係が完全になくなるわけですので、実際に特別養子縁組が行われるケースはかなり限定されています。

特別養子縁組の法的手続きの流れは下記のとおりです。

  • 里親申請を行います。(詳細は見出し7に記載)
  • 養親の居住地の家庭裁判所に「特別養子縁組」の申立を養親が行います(見直し案では実親と児童相談所所長も申し立てることができるとされています)。
  • 養親の戸籍謄本と、養子の戸籍謄本、養子の実親の戸籍謄本が申立には必要です。ただし、養子の実親の戸籍謄本は入手が難しい可能性があるため、児童相談所などに相談することができます。
  • 家庭裁判所が特別養子縁組が適切なのかの調査をします。裁判所に出廷し申立の動機や養子との関係などを話します。その後、家庭調査などが行われることに。
  • 家庭裁判所が養子の実親から特別養子縁組の許可を取得します。
  • 実際に里親として養子を養育し、最低6ヶ月の養育期間を経て家庭裁判所が審判を行うことに。
  • 特別養子縁組の結果を郵送で送付します。
  • 特別養子縁組が認められる通知を受け取ってから10日以内に家庭裁判所の審判書謄本、確定証明書を持って居住地の市区町村役場に特別養子縁組届けを提出してください。

⑤小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)

里親経験のある専門の人や、児童相談所の職員の経験がある人が自宅でファミリーホームを営み5〜6人を定員として子どもを養育する制度です。
経験豊かな方が里親になることで子どもたちを愛情豊かに育てていきます。

ファミリーホームは、①②と共に、「社会的養育」という行政措置の1つです。

里親の種類里親になれる人養子と実親との関係里親からの相続権の有無
養育家庭里親条件の詳細は自治体によります親権は実親
親族里親3親等以内の親族親権は実親
普通養子縁組里親

養子よりも年上の成人の男女

独身も可

親権は里親

里親、実親双方から相続

特別養子縁組里親結婚している一方が25歳以上の夫婦親権は里親

里親のみから相続

小規模住居型

児童養育事業

児童相談所の職員経験者

里親経験者

親権は実親

(5)子どもの年齢はいくつまで?

① 養子縁組以外の里親では

里親が養育できる子どもの年齢は0歳から18歳までです。
ただし、子どもの自立を図るためにさらに養育が必要と判断された場合には、里親の承諾の元で20歳までの延長も可能です。

② 特別養子縁組では

特別養子縁組の場合には、原則6歳未満の子どもに限られます(見直し案については上記の通りです)。
ただし6歳未満から事実上養育していた場合には8歳未満まで(見直し案では17歳未満まで)特別養子縁組ができるケースもあるので、児童相談所などに確認してください。

③ 普通養子縁組では

普通養子縁組では養親よりも年下であれば養子の年齢に制約はありません。
ただし、養子が15歳未満の場合には、法定代理人や後見人の代諾が必要です。  

(6)里親になる年齢制限その他の条件は?

里親になれる年齢について、その下限は自治体によって異なります。

ちなみに東京都は25歳以上と定めています。
上限は基本的には有りません。
70代でも立派に里親をつとめている人もいますので安心してください。

ただし、普通養子縁組や特別養子縁組では子どもが成人を迎えるまでに65歳以下であることを推奨する自治体が多いとされています。       

里親になるための主な条件は、

  • 家庭円満であること
  • 家族全員が同意していること
  • 心身が健全であること
  • 児童の養育について、理解と熱意、そして児童に対する豊かな愛情があること
  • 経済的に苦しくないこと
  • 児童の養育に関し、虐待等などの問題がないこと

です。その他の詳細な条件は、各児童相談所でご確認ください。

2、里親の実体験-3つのエピソード

里親の実体験-3つのエピソード

里親をやって良かったと感じている方の実体験談を3つご紹介します。

(1)子どもに恵まれない夫婦が養育里親になった体験談

子どもが苦手な女性が子どもに恵まれなくても構わないと感じていました。
しかし、40歳を迎える頃に少しの寂しさがこみ上がったのです。
早速「里親」制度を利用し、里親に申請し、小学一年生の男の子の週末だけの里親になってみました。
児童虐待のニュースを見て夫婦で思い切った決断に至ったのです。

最初のうちは週末だけの親子関係に満足し、素直で可愛い我が子を持てたことに満足していました。
しかし、お正月の長期外泊で親子関係が深まった頃に施設に送り返すことに違和感を感じたのです。
息子の方も外泊の後職員から「寂しくて泣いたらだめだよ!」の言葉に泣きそうな表情を浮かべていたとのレポートを目にしました。

そのときタイミングよく施設の職員から同居をする養育里親になってみないか?と声をかけられたのです。
息子に真実の愛情を抱き始めていた女性は夫にも提案してみました。
反対されるかと思いきや夫も本当の親子のように愛しさを実感していたのです。

こうして養育里親として息子と同居するに至りました。

息子が友人と会話をしているときに「本当の親がいないなんてかわいそうだな」の一言に「結構僕は幸せだよ。もう少し優しい里親ならもっと良かったな」と冗談を言っているのを耳にして、女性は母親として感無量になりました。

冗談を言えるほどに親子関係の絆が深まる養育里親は素敵なことです。

参考:http://sakai-satooya.jp/experiences/2015/1/

(2)ファミリーホームで里親をしている体験談

たくさんの子どもたちの里親を経て子どもたちを養育している方の体験談です。

子どもを引き取り里親として7年経った頃です。
「私たちは血は繋がっていないけど、家族みんなで絆は繋がっているね」と話しました。
子どもからは驚くべき回答が。

「そろそろ血も繋がっているかもしれないね」と。

愛情をもって育てていけば子どもとの絆は本当に強くなっていきます。
子どもに血のつながりまで感じてもらえるのが里親をやって良かったと感じる瞬間だそうです。

参考:https://toyokeizai.net/articles/-/244801?page=3

(3)不妊治療と流産を繰り返し里親にたどり着いた体験談

子どもが授からない夫婦が不妊治療と流産を繰り返し、もう出産はできないと医師に宣告されて里親制度に申請をしました。
どうしても子どもを育ててみたい心が消えなかったのです。

里親登録をしてすぐに0歳の男児の里親のお話が舞い込みました。
希望は女児でしたが運命の出会いに感じられ迷うことなく委託をお願いしたのです。

子どもにはアトピーなどもあり夜中にずっと看病したりしながら本物の愛情が芽生えていきました。
男児も1歳を迎え、今では本当の親子のように感じるとのこと。
いつかは血のつながりが無いことを告知しなければいけませんが、「愛している」と伝えられれば嬉しいなと思っているそうです。

不妊治療に疲れているなら里親制度も選択肢の一つにして欲しいとこの夫婦は話しています。
子どもをお腹に授かることも腕に授かることも変わりない愛情で接していければ同じことなのかもしれません。

参考:https://www.pref.aichi.jp/owari-fukushi/jiso/annai/satooya/experience/experience.html

3、子ども(里子)と実親との関係

子ども(里子)と実親との関係

里親制度で子どもを養育した場合の子どもと実親との関係について、「1」でも軽く触れていますがここでもう一度まとめてみましょう。  

(1)養育家庭、親族里親、ファミリーホーム

養育里親や、親族里親、ファミリーホームの場合には、親権は実親がもつことになります。
里親になるためには実親の承諾が大前提。

しかし、いつかは我が子と一緒に暮らしたいと希望をしている実親が多く、承諾してくれないケースもたくさんあります。
実親としては、施設の方がいつでも会えて安心できるという人も多いのです。  

(2)養子縁組里親

普通養子縁組里親と子どもには親子関係がありますが、実親と子どもとの親子関係も継続したままです。
親権は里親にありますが、相続は里親、実親どちらからも受けられます。

特別養子縁組では子どもを養親の嫡出子として戸籍上も記載されることに。
実親と子どもの関係は完全になくなります。相続権も実親から受け継ぐことはありません。  

(3)実親の親権喪失・親権停止について

里親に委託されることになった子どもの中には、保護者から虐待されていたケースも少なくはありません。

民法では、親族などが実親から親権を失くす「親権喪失」という制度がありますが、親権を喪失してしまうと、復権することはできないなど、強力な規定であるため行使されるケースが限定的でした。

昨今の児童虐待や痛ましい事件の数々から、平成23年に民法が改正され、親権「停止」ができるようになりました。
最長2年間まで子どもと実親を離すことを目的に一時的に親権を停止することができるようになったのです。

里親として迎える子どもたちの中には、そうして親権喪失や親権停止の状態の子どももいます。覚えておいてください。

 

(4)里親は実親と会う必要はない

里親になったとしても、実親と何らかのやり取りをする必要があるとなれば、やりづらい点も多いでしょう。
制度としては、里親が実親と交流をもつことを強制されることはありませんので安心してください。

もっとも、子どもにおいては面会や通信の制限が出されていない限り、実親と会う権利はあります。
子どもが求める場合は、児童相談所などと相談しながら、子どもの気持ちに沿った対応をお願いします。

参考 子どものルーツと実親との関係ー厚生労働省 

4、里親の経済的負担はどれくらい?

里親の経済的負担はどれくらい?

子育てにはお金が必要です。
社会的養育に分類される「里親」では、補助金が設定されています。
補助金目当てに、という方がいないことは祈りますが、「里親になる条件」でも記載したように、経済的に困っている場合は里親になるになることができません。  

(1)養育家庭、親族里親、ファミリーホーム

養育里親、親族里親、ファミリーホームそれぞれに国からの補助があります。

里親手当養育里親72,000円/月(2人目以降36,000円/月)
専門里親

123,000円/月(2人目以降87,000円/月)

一般生活費乳児54,980円/月(1人当たり)
乳児以外47,680円/月(1人当たり)
その他の補助

幼稚園、学校などの費用

医療費などの補助

幼稚園:実費

医療費:保険医療の範囲で里親の負担はなし

医療費や教育にかかる費用の詳細については児童相談所にご相談ください。
進学のための経費や、修学旅行、部活にかかる費用なども補助金でまかなうことができます。      

(2)養子縁組里親

養子縁組里親に対しては国からの里親手当の支給はありません。
しかし、養育費は支給される自治体もあるようですので、児童相談所に問い合わせてみてください。  

5、里親になったときのよくある問題点

里親になったときのよくある問題点

いざ里親になってみると当然ながらたくさんの壁に当たることでしょう。
しかし、それは血が繋がっていないからではありません。

実子であっても、子どもというのは謎な行動ばかりなもの。苦労して育てるからこそ、本物の絆が生まれるのかもしれません。  

(1)子どもの気持ちがつかめない

よくある問題点の一つが子どもの気持ちがつかめないというものです。
乳幼児では激しい夜泣き、繰り返す下痢や嘔吐、笑わない等々、大人の頭ではわからない現象が子どもの数だけ発生します。

幼児では、奇声、自傷・自慰行為、無反応等々も起こり得ます。
児童になれば、しつこい後追い、強烈な反抗、第三者へのいじめ等々です。

これらは、血が繋がっていないからではありません。血縁があろうとなかろうと、「子ども」というものは、満たされていなければ行動にすぐ現れます。実際、実子であっても悩まされている方はたくさんいます。

何に満たされていないのか。
これは本当に難しいことです。

それが何なのかを判断し、そこにピンポイントで対策を組むことができれば早いかもしれません。といっても大抵大人は子どもたちの不満の原因はわからないわけです。

でも、それでも問題ありません。

例えば、寒空に遺棄された赤ちゃんが「寒さ」に恐怖感を覚えてしまい、寒い=怖い=泣く という習性が備わってしまったとします。大人がそれに気がつき、暖かい環境で育てれば泣きはすぐ治るでしょう。しかし、大抵の大人は簡単にわかることができません。
育てている大人がその原因がわからないまま育てていたらその子はずっと騒がしく泣き続ける子なのか、といえば違います。
一定期間、安全な環境で育てていれば、多少寒くても子どもはそれを怖いと感じなくなるのです。

ピンポイント対策よりは時間がかかります。
でも、大きくみて安全で安心な環境で育てていれば、いつか必ず伝わります。自信を持って、そのまま温かく見守りながら育てて行きましょう。

里子に出される子どもにはさまざまな事情があります。
しかし、あなたが安全で安心な存在であれば、子どもたちの苦しく辛かった部分が補正されていき、いつかあなた色に染まってきます。子どもたちは里親の元で生まれ変わっていくのです。
里親も子どもを産み直した気持ちで接していければ本物の絆が生まれるでしょう。

焦らなくても大丈夫。
子どもの気持ちを無理につかもうとはせずに子どもにあなたの愛情を掴ませてあげましょう。そうすることで親子の愛情が深くなります。  

(2)養育家庭等では基本的には親権は実親にあり

養育里親に親権がなく、実親に親権があることも問題となることもあります。
ある意味、養育里親は実親から子どもを「預かっている」状態です。そのため、里親が子どもに傷を負わせてしまった場合、実親から損害賠償請求がくる可能性があるのです。

子育てをしていれば、子どもに怪我をさせてしまうことは特別なことではありません。
自転車に乗っていたら転んで骨折してしまった、子どもと車に乗っていたら交通事故にあって子どもが怪我をしてしまったなど、防ぎきれない事故も多いはず。

このような場合、里親が注意義務を怠ったとして実親から損害賠償を請求される可能性がゼロではありません。
それに備えて、「里親保険」というものもあり、事前に手立てを打つこともできますが、実親が親権者であるということは忘れないでください。

なお、子どもが第三者に対して損害を与えてしまった場合の損害賠償の問題もあるでしょう。
これについては基本的には児童相談所が保険に加入しているため、里親が損害賠償を支払うケースはほとんどありません。      

6、里親の紹介場所

里親の紹介場所

では実際に里親になりたいと希望する場合や子どもを里子に出したい場合にはどこで斡旋してもらえるのかをご紹介します。
各都道府県で里親の条件や斡旋内容が異なります。  

(1)児童相談所

各都道府県の児童相談所に里親のお問い合わせが可能です。
里親になりたい人も子どもを里子に出したい人も相談できますので、興味があれば相談してみるといいでしょう。  

(2)民間あっせん機関

民間の斡旋機関も便利に利用できます。
里親を探すこともできますし、里親に興味があれば子どもを紹介してもらうことも可能。
ただし、里親になるためには所定の申請や研修がありますので子どもを紹介してもらう前にしっかり受講しておきましょう。

7、里親になるための手続き

里親になるための手続き

里親になるためには所定の手続きが必要です。流れをご紹介します。

(1)申請から登録までの流れ

最初に里親になりたいと考えるなら各市区町村の児童相談所に相談してください。
申請から登録まではおおよそ3ヶ月から6ヶ月です。
各都道府県で細かいことは違う可能性がありますが、大まかな流れは下記になります。

  • 児童相談所に相談、要件確認。
  • 認定前研修申し込み・受講する。
  • 里親認定申請書、里親研修終了証書、健康診断書、申請者と同居人の履歴書、自宅の平面図、欠格事由にいずれも該当しないことの証明書、戸籍謄本、所得証明書などの書類を児童相談所や民間の斡旋機関に提出する。
  • 家庭調査。(児童相談所が調査します)
  • 児童福祉審議会里親認定部会で里親の審議
  • 各都道府県の知事が里親に認定。(更新については各都道府県に確認)

(2)里親になるまでの流れ

里親の認定が下りたなら、実際に里親になります。子どもの里親になるまでの流れを見ていきましょう。

  • 児童相談所または民間の斡旋機関から里子を紹介されます。
  • 児童の引合せ。児童と面会交流を行います。(約3ヶ月)
  • 里親と児童の様子を見て総合的な判断で児童相談所が委託の可否を決定します。
  • 児童相談所が定期的に委託の状況を家庭訪問で確認します。必要に応じて委託の更新を行うことに。
  • 子どもが18歳になった場合や実親に引き取られる場合には、里親への委託が解除になります。

(3)研修

里親研修は国が義務として定めた研修です。里親になりたいならしっかり研修を受講してください。

また里親制度は各都道府県に業務が委託されています。
研修内容は、里親の基礎研修、認定前研修、更新研修の3種類に分かれています。
基礎研修は1日+実習1日程度の研修になるでしょう。

里親の基礎知識を身につけ、子どもの状態によって適切な接し方などを学んでいきます。
認定前研修は2日+実習2日程度で、主に子どもの心と体のケアについてや事故防止について、子どもの権利や擁護についてなどを学んでいきます。

里親会についても基礎を学んでいくことになるでしょう。
更新研修は1日程度で、認定または更新後5年程度(各都府県による)で実施されます。
児童の養育に必要な新しい知識を身につけていきます。

里親になるということは一人の子どもの幸せに向けてサポートしていくことです。
正しい知識を身につけて養育できるように必須の研修だと理解しておきましょう。
里親になるなら一人ではなく配偶者も一緒に受講する必要があります。  

8、困った時の相談先

困った時の相談先

子どもを養育していて里親が困った場合には、適切な相談機関に相談してください。

(1)児童相談所

児童相談所では24時間体制お困りごとに対応してくれます。
里子に出された子どもにはさまざまな心の傷があります。
いつもスムーズに育児ができるとは限りません。
一人で悩まずに問題があった場合には、児童相談所に相談するようにしましょう。

(2)子ども家庭支援センター

里親も子どもを養育しているわけですから市区町村の子ども家庭支援センターに相談することができます。

(3)役所の子育て担当課

役所の子育て担当課でも相談を受け付けています。
育児に関する悩みはどんなことでも聞いてもらえるでしょう。

(4)各地域の里親支援機関

各地域の里親会や里親サロンなどの里親支援機関に頼るのも一つの手です。
同じ悩みを持つ里親との交流で解決策が見つかるかもしれません。

(5)弁護士

養子縁組などの手続きや相続問題が発生した場合、子どもが第三者に損害を与えた場合などの悩みなら弁護士に相談してください。法的観点から適切な対応をしてもらえます。    

まとめ

世の中には里親が必要な子どもがたくさんいます。
もし里親に興味をもてたのであれば、一度民間の機関か児童相談所に足を運んでみてはいかがでしょうか。

また、すでに実行されている里親の先輩に、実話を聞いてみるのもよいと思います。
海外では里親は珍しいことではありません。

1人でも多くのご家庭、児童に、素晴らしい出会いがありますように!

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