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弁護士が解説!相続時の遺産分割調停についてイチからご説明します

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遺言書がなければ、相続人同士で遺産の分配について話し合います。
これが遺産分割協議です。

しかし、当事者での話し合いである遺産分割協議は、各自自分のメリットを主張し合うことになってしまいがちです。
預金のように平等に分配できるものしかなければまだしも、不動産が1つしかない、事業承継者(株式の相続)でまとまらないなど、平等に分配ができない遺産がある場合では、協議がまとまらないことは珍しいことではありません。

このような状況における解決方法が「遺産分割調停」です。

今回は、この「遺産分割調停」について、弁護士がイチからご説明していきます。
遺産分割調停を検討される局面であれば、ぜひチェックしてみてください。ご参考になれば幸いです。

※この記事は2016年8月2日に公開したものを2020年5月18日に加筆修正しています。

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1、遺産分割調停とは

遺産分割調停とは

遺産分割調停とは、相続人同士の遺産分割協議(遺産分割の話し合い)がうまくいかない場合に、第三者(裁判官と調停委員)に間に入ってもらって協議を調整するという、相続における紛争解決手続の1つです。

以下、ポイントに分けて詳しく見ていきましょう。

(1)目的

まず、遺産分割調停の「目的」を明確に理解しておきましょう。

遺産分割調停は、第三者たる裁判官と調停委員が、対立している相続人それぞれの言い分を分け隔てなく聞き、公平かつ客観的な視点から、意見を述べたり、妥当な分与案について提案をする制度です。
裁判官と調停委員はあくまでも中立的な立場となり、話し合いを円滑に進める役割を果たします。

調停は、「裁判」とは異なり、あくまで話し合いによる解決を目指す手続です。
そのため、調停委員の遺産分割案には強制力がありません。
共同相続人のうちの誰か1人でも遺産分割案に納得しない場合には、調停は成立せず、不調(調停不成立)に終わります。
調停手続きが不調に終わると、そもそも相続人の範囲や遺産の範囲(例えば、そもそもその財産が遺産にあたるのかどうか)に争いがあるなど例外的な場合を除き、自動的に審判手続に移行してしまいます(遺産分割審判については「」参照)。

他方、共同相続人全員が遺産分割案に合意した場合には、その遺産分割案が調停調書に記載されることになります。

調停証書は、確定判決と同一の効力を有するため(裁判をして判決をもらったのと同じことになります)、調停調書の内容に従わない相続人に対して強制執行等の手続を経ることにより、調停調書の内容通りの結果を得られます。

(2)どこでやるの?

遺産分割調停は、家庭裁判所で行います。
家庭裁判所は全国に50か所、また203か所の支部と77か所の出張所がありますが、このうちどこの家庭裁判所で行うのかは、「」で説明いたします。

(3)「申立て」が必要

遺産分割調停を行うには、調停をしたいと思った人が家庭裁判所に「申立て」をする必要があります。
具体的な申立ての方法は「」をご覧ください。

申立てができる人は、以下の3つのいずれかに該当する方です。

  • 共同相続人(このうち、申立てをする人は1人でも、一部でも、全員でもかまいません)
  • 包括受遺者(遺言によって、「全財産の3割」や「全財産の半分」「全財産」など漠然とした「割合」で遺贈を受けた人のことです)
  • 相続分譲受人(遺産分割前、相続人は自分の相続分を第三者に有償・無償で譲渡することができますが、相続分譲受人とは、相続人からその相続分を譲り受けた人のことです。)

これらの方は、申立人以外の相続人等全員を相手方として申し立てることになります。

(4)遺産分割調停にかかる期間

遺産分割調停は、開始から終わりまで、平均1年と言われています。

とはいえ、ケースによっては1ヶ月以内に終わるケースから、3年以上続くケースもあります。

期間が長期化する傾向があるケースとしては、次のものが挙げられます。

  • 遺産額が多額
  • 当事者が多数
  • 相続物件が多数
  • 特別受益・寄与分についての主張
  • 感情的対立が激しい
  • 前提問題等の関連事件待ち
  • 付随問題についての調整

①前提問題等の関連事件待ちとは?

長期化する原因の1つである「前提問題等の関連事件待ち」とは、たとえば次のような場合です。

  • 相続人の誰かについて、相続人としての地位を争いたい

 → 被相続人の養子縁組や結婚の無効を争いたい など

  • 遺産の中に、被相続人の財産でないものがある

 → まずは遺産の範囲を確定的にする必要があります。

このように、遺産分割の前提として問題がある場合は、これらを先に処理しなければならないため、遺産分割調停は長期化することになります。

②付随問題についての調整とは?

もう1つわかりづらいと思われる「付随問題についての調整」ですが、たとえば相続人の中に、行方不明者、認知症等、未成年者がいるような場合です。
このような場合、遺産分割調停の前に、これらの相続人の代わりとなる人を選定しなければなりません。

このように、相続に付随する問題を先に調整する必要があると、遺産分割調停が長引くことにつながります。

(5)遺産分割調停にかかる費用

①遺産分割調停自体にかかる費用

収入印紙 : 被相続人1名につき1200円分が必要です。

郵便切手 : 裁判所によって異なりますので、申立前に裁判所に確認しましょう。

②弁護士報酬

遺産分割調停を弁護士に依頼した場合には、弁護士報酬がかかります。
ここではその相場をご紹介します。

ⅰ)着手金

事件の経済的利益の額が300万円以下の場合8%
300 万円を超え3000万円以下の場合5%+9万円
3000万円を超え3億円以下の場合3%+69万円
3億円を超える場合2%+369万円

※着手金の最低額は10万円

ⅱ)報酬金

事件の経済的利益の額が300万円以下の場合16%
300万円を超え3000万円以下の場合10%+18万円
3000万円を超え3億円以下の場合6%+138万円
3億円を超える場合4%+738万円

2、遺産分割調停の申立て方法

遺産分割調停の申立て方法

遺産分割調停を申し立てるには、まず、遺産分割調停申立書を作成・提出することになります。

(1)遺産分割調停申立書の取得方法

遺産分割調停申立書は、下記のリンクからダウンロードできますので、ぜひご利用下さい。
当事者目録及び遺産目録も併せてダウンロードできます。

遺産分割調停申立書のダウンロードはこちら

(2)遺産分割調停申立書の作り方

ダウンロードが終わりましたら、申立書を作成しましょう。
どのように記載したらいいかについては、家庭裁判所のホームページでも紹介しています。

詳しくは下記のリンクをご覧下さい。

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(3)遺産分割調停申立てに必要な書類

遺産分割調停の申立てに必要な書類には、

  • 自分で作成・準備するもの
  • 役場等から取り寄せるもの

の2種類があります。

以下、それぞれを具体的に見て行きましょう。

①自分で作成、準備するもの

  • 遺産分割調停申立書
  • 当事者目録
  • 遺産目録
  • 収入印紙 被相続人1名につき1200円分が必要です。
  • 郵便切手 裁判所によって異なりますので、申立前に裁判所に確認しましょう。

②役場等から取り寄せるもの(添付書類関係)

  • 被相続人の出生から死亡までの連続した除籍謄本、改製原戸籍謄本等戸籍謄本類全て(原本)
  • 相続人全員の現在の戸籍謄本(3ヶ月以内の原本)
  • 被相続人の住民票除票(廃棄済の場合は戸籍の附票)
  • 相続人全員の住民票(3ヶ月以内の原本)
  • 登記簿謄本又は登記事項証明書(3ヶ月以内の原本) 法務局で取得します。
  • 固定資産税評価証明書(3ヶ月以内の原本) 市町村役場で取得します。

(4)申立て

遺産分割調停の申立て先は、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所又は当事者が合意で定めた家庭裁判所です。

3、申立て後の遺産分割調停の流れ

(1)裁判所による受理と通知

申立書を裁判所に提出し受理されると、裁判所は第1回の期日を決定し、その旨を申立人や他の共同相続人に通知します。

(2)調停期日への出頭

通知を受けた申立人等は、定められた期日に出頭することになります。
出頭したら、申立人は申立人控室で待機し、対立する共同相続人は相手方控室で待機することになります。
自分の番が来ると、調停委員から呼び出しがかかりますので、申立人と相手方は交互に調停室に入って調停委員に自分の主張を伝えたり、調停委員から話を聞いたりします。
この際、基本的にはお互い顔を合わせない状態で手続が進められます。
ただし、初回の手続説明の場合等、必要がある場合には全員が同席することもあります。

そして、話し合いがまとまって調停が成立するか、まとまらずに調停が不調に終わるまで、平均1年間にわたり期日が継続していく、ということになります。

弁護士に依頼すれば、弁護士はあなたの代理人として出頭し、あなたの言い分を正確に説得力をもって伝えてくれます。

(3)調停が成立したら

話し合いがうまくいけば、調停調書が作成され、調停は無事終了となります。

前述したように、調停調書には裁判をして判決を得たのと同じ効果がありますので、もし調停調書に記載されている内容に従わない相続人がいる場合には、その者に対して強制執行等をすることができます。

そして、その手続を経ることによって、調停調書の内容の実現を図ることができます。

(4)調停の不成立

話し合いがまとまらなかった場合には、調停は不調となって終了し、そもそも相続人の範囲や遺産の帰属に争いがあるなど例外的な場合を除き、遺産分割審判にそのままに移行します。
自動的に移行しますので、審判の申立てを別途行うことは不要です。

ただし、そもそも相続人の範囲や遺産の帰属に争いがあるといった場合には別途裁判を起こすことになります。

4、遺産分割調停を有利に進めるためのポイント

ではここで、遺産分割調停を「有利に」進めるポイントをご紹介していきます。
要チェックです!

(1)相続財産を隠さない

相続財産のことを曖昧にしたり隠したりしても、最後まで誤魔化すことはできません。
話が一向に前に進みませんし、隠していたことが後日発覚した場合には調停委員への印象が悪くなります。
良いことは何一つありませんので、事実は包み隠さず話すようにしましょう。

(2)自分の希望は素直に話す

自分の気持ちや具体的な希望額は早めに話しておいた方がいいです。
その方が調停委員としても解決案がまとめやすいためです。

(3)調停委員への印象を良くする

調停委員は中立の立場ではありますが、調停委員への印象を良くしておいた方がいいでしょう。
印象を良くするといっても特別なことをする必要はなく、

  • きちんと挨拶する
  • マナーを守る
  • 丁寧な言葉遣いを心がける
  • 横柄な態度をとらない
  • 対立する相手の誹謗中傷をしない

等、当たり前のことを当たり前にしていれば問題ありません。

また、自分の考えを述べるときは、理由も併せて述べるようにすると説得的になります。

(4)優先順位をつける

調停はあくまで話し合いの場ですので、お互いに譲歩できる部分は譲歩しながら着地点を探していくことになります。
ですので、自分の希望に優先順位をつけ、譲歩できる部分と譲歩できない部分をあらかじめ決めておきましょう。
その方が話し合いがまとまりやすいですし、早期解決にも繋がります。

(5)メモを活用する

調停の場ではメモをとったりメモを見ながら話したりすることが認められています。
慣れない場で緊張してしまって自分の言いたいことが言えなかったり、調停委員の話を忘れてしまったりしないためにも、積極的にメモを活用しましょう。

(6)弁護士に依頼する

おひとりで遺産分割調停に臨むことに不安がある方は、弁護士が同席することができます。
弁護士は、依頼者の希望を代弁しつつも、感情に囚われず冷静な目でお互いの妥協点を探り、話し合いがまとまるよう尽力しますので、弁護士に依頼すれば事件の早期解決に繋がります。

5、遺産分割審判とは?

遺産分割審判とは、裁判官が最終的な判断を下す紛争解決法です。
裁判官が最終的な判断を下すといえば、一般的には「訴訟」ですが、遺産分割に関しては「訴訟」を起こすことはできません(先にご説明した前提問題等の関連事件については訴訟で解決します)。

本項では、遺産分割審判について、簡単に説明していきます。

(1)調停前置主義の適用なし

相続や離婚などを「家事事件」と言いますが、家事事件では、審判を行う前に調停をしなければならないという「調停前置主義」が取られています。
しかし、遺産相続の場合、この適用はありません。
よって、遺産分割調停ではなく、遺産分割審判を申し立てることも可能です。

ただし、実務上は、審判から申し立てた場合も、ほとんどのケースで裁判官の職権によってまずは調停から開始させることになります。

(2)調停と違う点

調停と違う点は、調停は当事者同士の話し合いである一方で、審判は裁判官が最終的な判断を下すという点です。

また、申し立てる管轄が異なります。
調停は、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所又は当事者が合意で定めた家庭裁判所であるのに対し、審判は、相続開始地(被相続人の最後の住所地)を管轄する家庭裁判所又は当事者が合意で定めた家庭裁判所です。
どこの裁判所で行うかにより手間が大きく違ってきますから、その観点からまず審判を申し立てる、というケースも考えられます。

(3)訴訟と違う点

訴訟と違う点は、訴訟は当事者から出された主張をもとに裁判官が判断を下す一方で、審判は裁判官自身が独自に調査をした内容も判断のもとにできるという点です。

また、訴訟は公開が原則ですが、審判は非公開が原則となっています。

(4)審判での和解もある

審判に移行したからといって、必ず裁判官が判断を下す訳ではありません。
通常の訴訟と同じで、審判の中で当事者が合意できる内容にたどり着いた場合は、和解が成立します。

6、遺産分割調停・審判は弁護士を味方につけて!

遺産分割調停・審判は弁護士を味方につけて!

遺産相続で協議がまとまらないとき、あなたには「言い分」が絶対にあるはずです。
遺産分割調停では、その「言い分」をいかに相手に伝えるか、いかに相手を納得させるかが勝負です。

例えば、相手方である共同相続人A氏は、生前に被相続人から相当な財産を譲り受けていたのだ、という事実があり、それをもって分割割合を決めたいのにA氏が首を縦に振らない、などの場合、「生前に財産を譲り受けていた」という証拠が必要になります。
これについて、調停委員等も納得する証拠を掴むことは、個人では難しいかもしれません。
何を証拠にしたらいいのか、どう動けばいいのか分からないという方が多いでしょう。

また、自分は5年間もつきっきりで介護をしていたのだ、だから多めにもらいたいのだという場合、介護をしていたという事実をどのように伝えるのかもとても大切です。
途中から介護施設に入れた、などという事実があれば、つきっきりではないと相手から反論を食らう可能性もあり、こちらの主張が通らなくなる可能性もあります。
一貫して介護をしていたことをどのように伝えるのかは、一筋縄ではいきません。

これらあなたの「言い分」を、正確に、また説得力をもって相手に伝え、そして相手との落とし所を考えるには、まずは冷静な第三者の目が必要です。
弁護士であれば、遺産分割の法律と交渉のプロであり、強力な味方となってくれるのです。

最近では、相談を無料とする法律事務所も増えています。
なかなか進まない遺産分割をうまく進めるために、まずは弁護士へ相談されることをお勧めします。

まとめ

今回は、遺産分割調停についてご説明しました。
遺産分割調停の概要や流れ等についてお分かりいただけましたでしょうか。

遺産分割は、専門知識が要求されるうえ、感情的な対立が生じやすい分野でもあります。

遺産分割がうまく進まない時は、公平な第三者でもあり専門家でもある弁護士に一度ご相談されてみることをお勧めします。
相談することで、重かった気持ちが楽になることでしょう。

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