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【逸失利益の最新判例】逸失利益は分割で受け取った方が得なのか?

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交通事故 

交通事故被害で後遺障害が残ったことが原因で、仕事に制限が生じてしまった場合には、その程度に応じ逸失利益を請求することができます。高所得者や未成年が被害者となった場合の逸失利益は相当な金額になることも少なくありません。

しかし、逸失利益は受け取り方によって、被害者が実際に手にできる金額に大きな違いが生じてしまいます。一時金として逸失利益をまとめて受け取る場合には中間利息が控除されてしまうからです。

令和2年7月9日、最高裁判所が逸失利益を定期金(分割払い)で受け取ることを認める判決を下し話題になりました。

本記事では、逸失利益を定期金で受け取れる場合や、そのメリット・デメリットについて解説していきます。

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1、交通事故被害に遭ったときの逸失利益とは?

交通事故被害に遭ったときの逸失利益とは?

逸失利益とは、交通事故によって得ることのできなくなった将来の収入を補填するための賠償金のことです。

たとえば、交通事故による後遺障害が原因で寝たきり生活を余儀なくなれてしまったという場合であれば、それ以後は働いて収入を得ることができなくなるので、その分を相手方に請求することができるというわけです。

(1)逸失利益の計算方法

逸失利益は、「将来の損害」に該当するものなので、その金額を正確に計算することはできません。したがって、実際に賠償額は、被害者の事故前の基礎収入をベースに、労働能力の低下の程度(後遺障害の程度)や、収入の変化、昇進への影響などの不利益の可能性などの諸要素を元に公平と思われる金額を算出するのですが、実務の上では「基礎収入額×労働能力喪失率」の計算式を基準に、後遺障害による逸失利益を計算することになります。

労働能力喪失率とは、後遺障害の症状ごとに国が定めている指数のことで、たとえば、いわゆる植物状態になって「まったくに働くことができない」という場合には、「100%の喪失」ということになります。

たとえば、基礎年収が500万円の症状固定時30歳の被害者が交通事故の後遺障害で労働能力を完全に失ったケースであれば、

500万円(基礎年収)×100%(労働能力喪失率)×就労可能であった年数(67歳までの37年)

となり逸失利益は1億8500万円ということになります。

(2)中間利息の控除

しかし、上のケースの場合に被害者が実際に受け取ることができるのは、上記の金額(1億8500万円)よりもかなり少なくなってしまいます。

上記の計算式で導いた「1億8500万円」というのは、事故後(30歳のとき)から67歳までの間の減収分の合計額であり、その金額をそのまま30歳のときに受け取らせてしまえば、実質的には1億8500万円以上を超える賠償金を受け取れることになってしまうからです。

そこで、将来の損害賠償を事故(直)後に一括で受け取る(一時金として受け取る)ときには、受け取り時から就労可能な期限(実務では67歳までとされています)までの間の中間利息に相当する金額を控除することになります。

中間利息控除後の逸失利益は、就労可能な年数に該当したライプニッツ係数(もしくは新ホフマン係数)を用いて計算します。

2020年8月現在の法律では、中間利息は年3%で計算することになっていますので、就労期間37年に該当するライプニッツ係数は、22.167となっているので、上のケースの場合に「一時金」として受け取ることのできる逸失利益の額は、

500万円(基礎年収)×100%(労働能力喪失率)×22.167(37年に該当するライプニッツ係数)=1億1083万5000円

となります。つまり、このケースでは中間利息として7500万円近くも控除されているというわけです。

2、逸失利益を定期金で受け取ることを認めた判例

逸失利益を定期金で受け取ることを認めた判例

被害者が損害賠償を受け取る方法には、一時金として受け取る方法と、定期金として受け取る方法の2つの方法があります。

実務において、損害賠償は、一時金賠償(一括払い)が原則とされていました。

しかし、法律は定期金賠償(分割払い)の方法を否定しているわけではなく、逸失利益などを定期金賠償させることの可否については、議論として争いのあった問題でした。

以下で紹介する最新の最高裁判例は、逸失利益を定期金で受け取ることを正面から認めた最初の判例として意義のあるものです。

(1)事案の概要

本件訴訟の基礎となった交通事故は、北海道でおきた4歳の子どもと大型トラックとの衝突時子です。

この事故によって被害者である子どもは、頭部に強い衝撃をうけたことで、脳挫傷、びまん性軸索損傷となり、最終的には後遺障害等級3級3号(神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないほどの後遺障害)が認められたものです。

被害者は、この事故を原因とする逸失利益について定期金による支払いを求めていましたが、これに対し加害者が「逸失利益は定期金による賠償の対象となるべきではない」と反論したことから最高裁まで争われることになったものです。

(2)最高裁判所の判断

本件について最高裁判所は、次のような判断を示し、逸失利益を定期金によって賠償させることを容認しました。

不法行為に基づく損害賠償制度は,被害者に生じた現実の損害を金銭的に評価し,加害者にこれを賠償させることにより,被害者が被った不利益を補塡して,不法行為がなかったときの状態に回復させることを目的とするものであり,また,損害の公平な分担を図ることをその理念とするところである。このような目的及び理念に照らすと,交通事故に起因する後遺障害による逸失利益という損害につき,将来において取得すべき利益の喪失が現実化する都度これに対応する時期にその利益に対応する定期金の支払をさせるとともに,上記かい離が生ずる場合には民訴法117条によりその是正を図ることができるようにすることが相当と認められる場合があるというべきである。

以上によれば,交通事故の被害者が事故に起因する後遺障害による逸失利益について定期金による賠償を求めている場合において,上記目的及び理念に照らして相当と認められるときは,同逸失利益は,定期金による賠償の対象となるものと解される。

なお、判決の全文などについては、下記のリンク先から確認することができます。

(3)定期金賠償が認められるための要件

本件判決は、逸失利益を定期金によって受け取れる場合について、

「被害者が希望していること」
「損害賠償制度の目的・理念に照らして相当と認められるとき」

という2つの要件が設定されている点に注意する必要があります。

このうち「損害賠償制度の目的・理念」との関係について、解説を加えておきたいと思います。

日本の損害賠償制度は、「損害の公平な分担」を基本的な目的・理念としています。そのため、損害賠償は「原状回復」の限度に限られ、加害者を懲罰する目的での損害賠償は認められないとされています。

定期金による損害賠償は、一時金による賠償よりも加害者の負担が重くなる場合が多いといえます。したがって、被害者が定期金賠償を希望している場合であっても、定期金賠償によることの被害者側の利益とそれによる加害者の負担とを比較した場合に、加害者側の負担が著しく重いケースでは、定期金賠償は認められないということになります。

本件においても、

  • 被害者が4歳の子どもである(後遺障害で苦しむ期間が長い)
  • 被害者は労働能力を完全に喪失している(生活費を自力で工面できない)

という事情があることが、逸失利益の定期金賠償を容認する大きな理由となっています。

他方で、次のようなケースでは、加害者側の負担を考えた場合には定期金賠償を認めてもらうことは難しいといえるでしょう。

  • むち打ち症などの軽微な後遺障害に過ぎない場合
  • 定期金賠償によることがもっぱら加害者に対する懲罰感情を満たす目的である場合

3、逸失利益を定期金で受け取るメリット・デメリット

逸失利益を定期金で受け取るメリット・デメリット

一時金賠償の場合と比較したときの定期金賠償のメリット・デメリットについても確認しておきましょう。

(1)定期金で受け取るメリット

逸失利益を定期金で受け取るメリットとしては次の点を挙げることができるでしょう。

  • 一時金よりも多額の賠償金を受け取れる可能性がある
  • 定期的に受け取ることにより毎月の生活費に組み込みやすくなる

①一時金よりも受け取れる金額が多くなる

逸失利益を定期金で受け取る最大のメリットは、加害者から受け取ることのできる賠償金(の総額)が一時金賠償の場合よりも多くなる可能性が高いことです。定期金賠償の場合には、一時金賠償の場合に行われる「中間利息の控除」がないからです。

すでに、上でも解説したとおり、中間利息の控除はかなりの金額になってしまうことが多く、ケースによっては、逸失利益の総額の半分以上が差し引かれてしまうこともあります。

たとえば、本件事件の場合であれば、事故当時4歳であった被害者は、18歳から67歳までの就労可能期間49年間分の年収に相当する額(上のケースと同様に年収550万円と仮定すれば約2億4500万円)が逸失利益となるはずですが、一時金賠償になった場合には、約30年の収入額に相当する金額が控除されてしまう計算(一時金賠償で受け取れるのは8500万円程度)となります(※ライプニッツ係数を用いた場合)。

②毎月の生活費に組み込みやすくなる(運用のリスク・手間がなくなる)

働くことが難しいほどの重度の後遺障害が残ってしまった場合には、加害者からの賠償金は「今後の生活費」の重要な資金源になる場合も多いといえます。

しかし、逸失利益を一時金で受け取った場合には、その賠償金を被害者自らが管理・運用していかねばなりません。障害の程度によっては、その負担が看過できないほど重いということもあるでしょう。

また、本件のように幼い子どもが被害者となった場合には、実際に被害者の世話をする立場にある親が先に死亡してしまうことも考えられます。逸失利益を毎月払いで受け取ることができれば、保護者死亡後の生活への不安を軽減できる場合も多いでしょう。

(2)定期金で受け取るデメリット

逸失利益を定期金賠償で受け取る場合のデメリットとしては、次のようなことが挙げられます。

  • 加害者との関わりが長期になってしまう
  • 加害者が資力不足となるリスク
  • 定期金(毎回の賠償金)の減額を求められる可能性

①加害者との関わりが長期になってしまう

定期金賠償を選択した場合には、加害者と長期間の関係をもたなければならなくなります。通常であれば、賠償金の支払いは加害者が加入している保険会社が行うので、加害者本人との関係が続くというわけではありませんが、相手方の保険会社に不信感を感じている場合などには、関係を持ち続けることが大きなストレスとなる場合もあるでしょう。

②加害者が資力不足となるリスク

また、支払期間が長期間になれば、支払者(保険会社・加害者本人)の資力不足のリスクも抱えることになります。

その意味では、加害者が無保険者(任意保険未加入)の場合に定期金賠償を選択することはおすすめできないということになりますが、任意保険に加入していた場合であっても保険会社が何かしらの事情で倒産してしまう可能性があることは否定できません。

③定期金(毎回の賠償金)の減額を求められる可能性

定期金賠償を選択した場合には、その後に事情変更が生じた場合には、その支払者から「確定判決の内容の変更を求める訴え(民事訴訟法117条)」を提起されるリスクを抱えます。

たとえば、その後の経済状況が変動したことで、賃金水準が大幅に下がったという場合には、毎月の定期金の減額を求められる場合も十分ありえます。

まとめ

この記事で紹介した最高裁判例によって、今後は「逸失利益を定期金で受け取る」という選択肢が新たに加わることになりました。

定期金による逸失利益の受け取りは、中間利息の控除を回避できる点などで被害者に大きなメリットがあります。

しかし、デメリットもないわけではありませんから、それぞれのケースが抱える事情に合致した方法を慎重に選択することが大切です。

その意味では、重篤な後遺障害が疑われるケースでは、今まで以上に弁護士に依頼する必要性が高まったといえるでしょう。

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