
大阪ではたくさんの弁護士が活動していますが、選択肢が多い分、実際に依頼する弁護士を選ぶ際には迷ってしまうという方も少なくないでしょう。
「少しでも料金が安いところを選ぶ」という方もいらっしゃるかもしれませんが、料金の安い弁護士が必ずしも良心的で良い弁護士、というわけではないので注意が必要です。
この記事では、以下のような内容についてわかりやすく解説いたします。
- 大阪で過払い金請求に実績のある弁護士事務所を探す方法
- 実際に過払い金請求の手続きを弁護士に依頼した場合の手続きの流れ
- 過払い金請求で実際に発生する弁護士費用の相場
この記事が、大阪で過払い金請求の手続きを行うことを検討している方の参考になれば幸いです。
過払い金に関してはこちらの記事からご覧ください。
目次
1、過払い金返還請求は弁護士に依頼すべし!
この記事をお読みの方の中には、「過払い金請求をしようと考えているけれど、弁護士費用がかかることが躊躇される」という方もいらっしゃるでしょう。
そうした方のために、以下では過払い金請求するのに弁護士費用を払ってまで弁護士に依頼する意味があるのかどうかについて解説いたします。
(1)過払い金返還請求は本人でもできるの?
法律上、過払い金請求は自力で行うことも可能です。
しかし、結論から言うと、法律の知識、また他人との交渉の実務経験がない人が自力で過払い金請求を行うことは非常に難しいと言えます。
というのも、過払い金返還請求においての交渉相手は、「お金を扱うプロ」である金融機関の担当者であるからです。
貸金業者等の金融機関に、「当社は過払い金請求には応じないことにしている」と言われ、そもそも交渉にも応じてもらえないということも珍しくありません。
弁護士であっても、過払い金請求では時間をかけてしっかり準備した上で、緻密に交渉を進めていくのが普通ですから、自力での過払い金請求は成果を出すことが難しいかもしれません。
(2)弁護士に依頼するメリットは何?
では、弁護士に依頼するメリットを見ていきましょう。
以下はその一部になりますが、自力で行うよりも費用対効果は良いはずです。
①相手方の抗弁に予測を立てることができる
弁護士は過払い金返還請求の経験を積んでいますので、相手方の抗弁の予測を立てて戦略的に交渉します。
相手方となる金融機関も、過払い金返還請求はおそらく百戦錬磨でしょう。
拒否する理屈を五万と持っているはずです。
弁護士は、これらへの対策を事前に精査し、交渉に臨みます。
②訴訟への対応もスムース
また、最近では、金融機関の方から「請求額にこだわるのなら訴訟を起こしてください(任意交渉では減額和解しか応じない)」といってくるケースも少なくありません。
交渉がまとまらない場合はもちろん、このようなケースにはスムースに訴訟へ移行することも可能です。
弁護士は司法書士と違い、取り扱い金額に上限はありませんので(司法書士は140万円以下の案件しか取り扱えません)、この点も安心です。
③消滅時効
2019年末現在、過払い金返還請求権は時効にかかってしまったかもしれないと考える方も多いのではないでしょうか。
ただ、カードローン等で継続的に同じ金融機関から借金・キャッシングを繰り返している方等では、時効にかかっていない過払い金がある可能性があります。
法的知識のある弁護士に依頼することで、時効にかかっていない過払い金を正確に見極めることができます。
④他の例から落とし所を知っている
自力で交渉しようとすれば、金融機関が返還請求に応じたとしても、安くされる可能性が考えられます。
弁護士に依頼すれば、他の例も熟知していますから、これらを根拠に不当に安い金額に甘んじることはありません。
弁護士費用を差し引いても、自力で交渉するよりは高額な過払金を受け取れる可能性が高いでしょう。
2、弁護士に過払い金問題を依頼したときの流れ
実際に弁護士に過払い金請求を依頼した場合、以下のような順番で手続きが進行していきます。
(1)受任通知を送付する
(2)過払い金を算出
(3)過払い金の請求をする
(4)交渉不成立の場合は訴訟手続きに移行する
以下、それぞれの手続き内容について詳しく解説いたします。
(1)受任通知を送付する
弁護士と正式に委任契約を結んだら、その時点で弁護士から貸金業者に対して「受任通知」が送られます。
受任通知は、あなたが弁護士に依頼して過払い金の請求手続きを開始したことを債権者側(金融機関)に伝える通知です。
法律上、受任通知を受けた貸金業者は債務者本人(あなたのことです)に直接借金の督促をすることが禁じられています。
したがって、もし借金が残っているときでも、過払い金の回収(および債務整理の依頼)をすれば、あなたへの取立ての電話やはがきの送付は完全にストップします。
弁護士が受任通知を送付する際には、必ず取引履歴の開示も請求します。
取引履歴とは「いつ、いくらの利息でお金を借りて、どれぐらい返済をしてきたか」という内容が記載されている情報です。
金融機関は、顧客(債務者およびその代理人である弁護士)から取引履歴の開示を求められたときには、開示しなければならない義務があります(貸金業法第19条の2)。
貸金業者であれば、取引履歴の保存期間は最終返済日から10年間です(貸金業法施行規則第17条)。
銀行でも直近の取引から最低10年は保存しているところがほとんどです。
ですから、時効にかかっていない取引については特に、保存されていると考えて良いでしょう。
(2)過払い金を算出
貸金業者から取引履歴を取得したら、過払い金がいくら発生しているかを計算します。
過払い金は、法律の上限以上に支払った利息です。
そのため、過払い金を計算するには、実際に支払った利息から、適正な利息額を差し引く、「引き直し計算」という計算により行われます。
実際に手計算することはかなり難しいですが、過払い金返還請求に対応している法律事務所には計算式のソフトが備わっていることが多いでしょう。そのため、スムースに間違いなく金額を算出することができます。
(3)過払い金の請求をする
過払い金の具体的な金額が判明したら、その金額をあなたに返還するよう貸金業者と交渉を行います。
弁護士は可能な限り計算上存在すると思われる過払い金全額の返還を目指して交渉を行います。
しかし、相手方となる金融機関のほとんどは、請求額の満額支払いに応じてくれません。
最近では、「50%減額でないと和解には応じない」という債権者も増えているので、戦略的な交渉が必要となってきます。
(4)交渉不成立の場合は訴訟手続きを移行する
貸金業者側が支払いに応じず、交渉が不成立となった場合には、訴訟手続きに移行します。
過払い金がある以上は、貸金業者側から有効な反論がない限り民事訴訟で請求が認められます。
ただ、訴訟になったとしても大切なのは「落とし所」です。
特に、ある程度有効な反論が出された場合には、タイムコストや敗訴リスクも含め、過払い金返還請求訴訟の経験を重ねてきた弁護士ならばベストな落とし所を提案するはずですので、減額和解になる場合もあることを理解しておきましょう。
3、大阪で弁護士を探す方法
ここまで、過払い金請求を弁護士に依頼するメリットについて解説いたしました。
しかし、「弁護士なんてこれまでに依頼したことがない」「どうやって探せばいいのかさっぱりわからない」という方や、「弁護士ってなんだか怖いイメージ…」という方も少なくないでしょう。
以下では、大阪で過払い金請求を依頼する弁護士を見つけるための具体的な方法について解説しますので、参考にしてみてください。
(1)インターネットで探す
多くの弁護士が自分の事務所の運営サイトを持っていますので、まずはインターネットでこうしたサイトから情報収集しましょう。
ヤフーやグーグルで「弁護士 大阪」といったように検索するとたくさんの弁護士事務所のサイトが出てきますが、検索結果の一番上に表示される弁護士事務所が必ずしも一番良い事務所というわけではありませんから注意してください。
弁護士事務所の運営サイトでは、その事務所が得意としている分野やこれまでの実績などを詳しく知ることができます。
(2)近所の事務所を探す
過払い金請求を依頼する弁護士とは、数か月~1年以上にわたってやり取りをすることになりますから、自宅や勤務先の近くにある弁護士事務所を選択するのも1つの選択肢です。
ただし、この場合も過払い金返還請求の実務経験が豊富かどうか調べておくようにしましょう。
(3)知人からの紹介
知り合いに弁護士がいるという方や、知人が弁護士と関わる仕事をしているという場合には、弁護士を紹介してもらうのも一つの手です。
信頼できる人の口コミは貴重な情報源となりますから、弁護士を選ぶ際の判断材料にしましょう。
とはいえ、知り合いが過払い金請求を行った時期によっては、2019年現在とはかなり状況が違うこともあります。最終的には、自分で確認をして判断することが大切です。
(4)大阪弁護士会で相談
大阪で活動している弁護士は、大阪弁護士会という組織に所属しています。
大阪弁護士会ではインターネットで相談できる「e相談」や、事前に日時を指定して相談できる予約制度があります(相談料金は30分5000円です)
相談場所は大阪府内6か所で受け付けていますので、大阪在住の方であればどなたでも利用することが可能です。
4、過払い金返還請求の実績がある弁護士かを見極めるには
弁護士の探し方はお分りいただけたかと思いますが、たくさんいる弁護士の中から、何らかの基準によって実際に依頼する弁護士を選択しなくてはなりません。
特に、大阪は東京に次いで全国2番目に弁護士の数が多い都市です。
たくさんの選択肢があることは良いことですが、「選択肢が多くありすぎて何を基準に選んだらよいのかわからない…」という方もいらっしゃるでしょう。
どのようにして選ぶのか。その答えはただ1つ。
実際に相談してみること。これだけです。
多くの弁護士事務所では、初回の相談料(最初の30分など)は無料となっています。
実際に弁護士と顔を合わせてこれまでの実績について尋ねてみてください。
そして複数の法律事務所で相談し、比較してみることです。
無料相談の場ではあなたに適した借金解決の方法や、かかる料金の見積もりなどを出してもらうことも可能ですから、活用しましょう。
無料相談をした結果、別の弁護士に依頼することも全く問題ありませんから、リスクなく相談することができます。
5、依頼する弁護士を決める際のポイント
上のような方法でいくつかの弁護士事務所をピックアップしたら、さらに次のような基準で実際に依頼する弁護士をしぼりこみましょう。
(1)フィーリングが合うこと
(2)費用が相場と比べて高すぎないこと
(1)フィーリングが合うこと
実際に過払い金請求の委任契約を結ぶと、弁護士とは必要書類の準備や、交渉の進み具合の報告などで定期的に連絡を取り合うことになります。
弁護士も性格はさまざまですから、良いことは言っていると感じても極端に気の合わないような人は避けておくほうが良いでしょう。
無料相談などを使って話をしてみたときのフィーリングも大切な判断材料となりますから、実際に依頼する弁護士を選ぶ際の参考にしてください。
(2)費用が相場と比べて高すぎないこと
弁護士に手続きを依頼した時に発生する料金は、弁護士事務所によってさまざまです。
次の項目では、過払い金請求をした際の弁護士費用の相場を解説いたしますので、実際に依頼する弁護士事務所の料金がこれと比較して高すぎないかどうかをよく確認しておきましょう。
6、大阪で過払い金請求問題を依頼するときの弁護士費用と相場は?
過払い金請求の弁護士費用は、実際にあなたに返還される金額をもとに計算される割合が大きいことに注意が必要です。
(あなたに戻ってくるお金が大きくなるほど、弁護士費用も高くなります)
弁護士報酬は大きく分けると着手金・報酬金の2つに分かれますが、過払い金請求については、さらに報酬金は「解決報酬金」「過払い金報酬金」の2つに分けられます。
大阪で過払い金請求を依頼する場合の弁護士費用は、おおよそ以下のような金額が相場となるでしょう。
①着手金:貸金業者1件につき0円~5万円
②解決報酬金:貸金業者1件につき0円~2万円
③過払い金報酬金:あなたに返還されたお金×20%
例えば、2社の貸金業者に対して過払い金請求をして、180万円の返金を受けられた場合は、以下のような料金が発生します。
①着手金:1万円×2件=2万円
②解決報酬金:2万円×2件=4万円
③過払い金報酬金:180万円×20%=36万円
費用の合計:42万0000円(+消費税)
過払い金請求では、弁護士費用は回収できた金額から相殺されるのが一般的なので、持ち出しを心配する必要もありません。
この場合は、回収額の180万円から弁護士費用(+消費税)が差し引かれた額が、依頼人であるあなたに手渡されます。
実際には弁護士事務所によって料金体系が異なりますから、正式に依頼する前には必ずホームページでチェックしておきましょう。
大阪では規模の大きな弁護士事務所がたくさんあり、事務所数も多いですから、いくつかの事務所を候補にして料金を比較してみてください。
弁護士費用のほか、過払い金返還請求にかかる費用については、以下の関連記事をご覧ください。
まとめ
今回は、大阪で過払い金請求手続きを行うことを検討している方向けに、弁護士を選ぶ際の注意点や判断基準について解説いたしました。
過払い金の請求は、依頼する弁護士の力量によって、回収できる金額に大きな違いが生じることも珍しくありません。
したがって、どの弁護士に依頼するかということはとても重要です。
ベリーベスト法律事務所は、日本有数の規模の弁護士事務所です。
特に大阪オフィスでは、過払い金請求を専門にしている弁護士が多く所属していますから、あなたの借金問題の解決を万全の態勢でサポートいたします。