パチンコにはまってしまうと、借金地獄に陥ってしまうパターンが非常に多いです。パチンコを辞めたいのに辞められない「依存症」になってしまうということもあるでしょう。男性だけではなく女性がパチンコをする例も多く、主婦などでも、パチンコにはまることがあります。
パチンコで借金を背負わないためにはどうすればよいのでしょうか。また、パチンコで借金ができてしまったら、どのようにして解決をすれば良いのでしょうか?
今回は、多数の借金問題の相談に応じてきたベリーベスト法律事務所の弁護士が、
- パチンコで借金をしてしまう理由
- パチンコで借金しないための方法とパチンコで借金ができた場合の解決方法
についてご紹介します。
ギャンブル全般における借金に関しては以下の関連記事をご覧ください。
1、パチンコで借金ができやすい理由
パチンコをしていると、いつの間にか借金が増えてしまうことがあります。しかも、その金額はどんどん膨らんでしまいます。
このように、パチンコで借金ができやすいのは、どうしてなのでしょうか?以下で、その理由を考えてみましょう。
(1)そもそも、全体で見ると勝てない仕組みになっている
パチンコをしている人が、全員儲かったら、パチンコ屋はどうなるのでしょうか?
当然、破綻して営業を続けられなくなります。
ところが実際には、世の中には大量にパチンコ屋があります。道を隔てた両側にパチンコ屋があり、両方ともにぎわっていることなどもあります。
このように、パチンコ屋が儲かるのは、利用者が損をしているためです。
もちろん、勝っている人もいますが、そういった人は特殊なスキルを持った人(パチプロなど)か、たまたま運が良かった人であり、多くの人が負けているからパチンコ屋が営業できているのです。
このように、パチンコは、そもそも利用者が負ける仕組みになっているのですから、儲かるものではありません。結局は損失を出して、穴埋めのために借金することになりかねません。
(2)お金を使っている感覚が無くなる
パチンコをしていると、一回につぎ込むお金の金額が大きくなってしまいます。ふだんは1万円というと高額だと感じている人でも、パチンコをしているときには、なぜか1万円や2万円を平気でつぎ込んでしまいます。
身に覚えがある人も多いのではないでしょうか?このようなことをしていると、当然どんどんお金が無くなってしまいます。
(3)勝ったお金はパチンコにつぎ込む
パチンコでも、勝つことはあります。このときのお金をきちんととっておいて、貯金や生活費などにあてれば、借金せずに済むかもしれません。
しかし、パチンコで勝ったお金は「あぶく銭」の感覚です。ぱーっと使ってしまったり再度パチンコにつぎこんだりします。そして結局、パチンコの資金は借金でまかなうことになってしまいます。次で負ければ、さらに借金の金額は膨らみます。
(4)取り戻そうとする
パチンコでは、負けたら辞めれば良いのですが、そこで辞められない人が非常に多いです。どうにかして負けを取り戻そうとするので、さらに損失が膨らんで借金につながってしまいます。
このように、パチンコには、借金が膨らみやすい要因が目白押しです。
しかも、パチンコでの借金は多額になりやすいです。一回に使う金額も大きいため、借入額が大きくなりますし、負けるたびに借りるので、生活費と違って際限がないためです。
そのようなことをしていると、いずれ破綻するのは目に見えています。もし、パチンコで借金をしてしまったら、深みにはまらないうちに、早めに対処することが大切です。
2、パチンコで借金するとどんな目に遭うのか?
実際に、パチンコで借金をすると、どのような目に遭うのでしょうか?
まずは、サラ金やカードローンなどで借金額がどんどんふくれあがってしまいます。すると、当然支払ができなくなります。
それでもパチンコが辞められないため、どこか借入できるところを探します。
すると、行き着くところは闇金です。闇金から高利息なお金を借りれば、返済ができないのでどんどん追い詰められます。そして、サラ金や闇金からの取り立てに追われる生活となります。
闇金からのしつような嫌がらせによって仕事が続けられなくなることもありますし、離婚に至るケースもあります。中には自暴自棄になって自殺してしまうケースもあり、深刻です。
このように、パチンコの借金の顛末は非常に恐ろしいものですから、絶対に手を出してはいけません。今パチンコで借金している方は、事が重大にならないうちに、早めに解決する必要があります。
3、パチンコの借金は離婚原因になる?
パチンコで借金をしている方は、パチンコを続けていると、離婚されるのではないか?と心配される方が多いです。
たとえば主婦の方がパチンコにはまっているときなどは、夫に秘密にしていることもよくあって、夫に知られたら離婚されるかもしれないと心配しているものです。
実際に、パチンコによる借金は離婚原因になるのでしょうか?
この点、「借金をしている」というだけでは、離婚理由になりません。パチンコや借金は、法律で定められた離婚理由にはなっていないためです。
ただ、パチンコや借金の事実を知られたことで、夫婦関係が悪化してしまう可能性はあります。
そのことが原因で、別居することもあるでしょう。こうして夫婦が不仲になり、お互いにやり直すことができない状態になると、夫婦関係の破綻が認められて離婚になってしまう可能性はあります。
そこで、夫婦の離婚を避けるためにも、やはりパチンコの借金は早めに解決しておくべきです。
4、借金をしないために|パチンコ依存の解消方法
パチンコにはまっているとき、辞めた方が良いのはわかっているけれども依存状態になっていて辞められない、ということが多いです。
パチンコへの依存は、どのようにして解消したら良いのでしょうか?
(1)別の趣味を持つ
まずは、別の関心事を持つことです。たとえば、釣りでもスポーツでも映画でもグルメでも、何でもかまいません。
まずはパチンコから気をそらしましょう。パチンコへの依存が軽度であれば、この方法でパチンコを辞めることも可能です。
(2)使える金額を制限する
パチンコに使える金額を制限するのも、1つの方法です。一人では難しいので、家族による協力が必要となるでしょう。上限を定めたら、借金してまでパチンコをすることは不可能になります。
(3)監視してもらう
これも家族に協力してもらう方法ですが、パチンコを辞めると決めて、家族に監視してもらいましょう。お金の入った通帳やキャッシュカード、クレジットカードは家族に預けて、自分は必要最低限のお金しか持たないようにします。
パチンコをしてしまったときには反省文を書くようにするなどしても、良いでしょう。
(4)専門家に相談する
パチンコを辞めるのは、一人では難しいですし、家族がいても、なかなかの困難を伴うものです。そこで、専門家の力を借りましょう。
たとえばカウンセラーに相談するのも良いですし、ギャンブル依存症の患者の会などもあります(ギャンブル依存症について詳しくは「ギャンブル依存症を克服して真っ当な生活を取り戻すための9つのこと」をご参照ください)。
まずは一度、そういった場所の門を叩いてみて、徐々に回復していくと良いでしょう。
5、パチンコの借金の解決方法
パチンコへの依存状態の解消を進めたとしても、いったんできてしまった借金は何とかする必要があります。
具体的には、どのような方法があるのでしょうか?以下で、借金の解決方法をご紹介します。
(1)自力で返済する
まずは、自力で返済をする方法があります。
それなりに収入があり、パチンコと借り増しさえしなければ返済能力がある場合や、借金額が小さい場合などには、日頃の節約と家族の協力によって、返済ができることもあります。
ただ、自力で返済するときには、絶対にパチンコと借り増しをしないことが条件です。少しでもそのおそれがあるなら失敗してしまいますし、仮に返済出来たとしても同じことの繰り返しになります。
また、借金額が大きすぎると、返済は不可能になることが多いです。
(2)家族に立て替えてもらう方法
自力で返済ができない場合、家族に借金を立て替えてもらう方法が考えられます。
たとえば、親や配偶者、兄弟や親戚などに立替を頼むことが多いです。
しかし、家族に借金を立て替えてもらうと、本人が反省しないため、また同じことを繰り返してしまうおそれが非常に高いです。何度も親に尻ぬぐいをしてもらったあげくに、最終的に家族から見放される人も多いです。
また、配偶者に借金の立替を何度もしてもらっていると、愛想を尽かされて離婚を宣告されることもよくあります。
家族に借金を立て替えてもらう方法は、本人がよほど強い意志で「絶対に2度としない」という決意をして、パチンコを断てるときのみ利用すべきです。
そして、立て替えてもらうのは1回に限るべきです。2度目の借金をしてしまう人は、2度目の立替を受けると3度目の借入をしてしまうためです。
(3)債務整理
債務整理は、借金問題の終局的な解決方法です。他のどの方法でも解決できなくても、債務整理をすると問題を解決することが可能です。
債務整理には、任意整理、特定調停、個人再生、自己破産の4つの種類があります。
任意整理や特定調停をすると、借金の高い利息を支払わなくて良くなりますし、個人再生をすると、借金を大きく減額してもらうことができます。
また、法律で定められた利息よりも高い利息を払っていた場合は、払い過ぎた利息を取り戻すことができます。
なお、自己破産をしたら、借金を全部帳消しにしてもらうことも可能ですが、ギャンブルで作った借金は原則として免責されません。
もっとも、免責されたケースもないわけではないので、弁護士に相談してみるとよいでしょう。状況によっては、適切な方法で債務整理をすると、借金問題を解決することができる可能性があります。
パチンコで借金をしている人は、家族にも秘密にしていることがよくありますが、債務整理を弁護士や司法書士に依頼したら、家族に知られないまま債務整理をすることも可能です。
債務整理をするとき、自分一人の力で行うことは難しいです。自分で手続をしたら、家族に秘密にすることはほとんど不可能ですし、失敗してしまうおそれも高くなります。そこで、債務整理をしたいのであれば、まずは専門の弁護士や司法書士に相談するところから始めましょう。
まとめ
今回は、パチンコが原因で借金してしまった場合の解決方法をご紹介しました。
パチンコで借金をすると、金額も大きくなってしまうことが大きいですし、自分ではなかなかやめられないことが多いです。自力で返済できるのが一番ですが、それが不可能なこともあるでしょう。その場合には、なるべく早めに専門家に相談して債務整理をしてもらうべきです。
今は、多くの弁護士事務所が無料相談を行っているので、まずは一度、債務整理に強い弁護士に相談をして、アドバイスを受けるところから始めましょう。