家賃滞納で悩んでいる人必見!弁護士が提供する解決策

家賃滞納で家主から督促がー。

賃貸物件を借りている限り家賃を毎月支払い続けなければなりませんが、コロナウイルスの影響や失業等個人的な事情で、家賃を支払えない事もあるかと思います。

家賃を1ヶ月滞納したからといってすぐに立ち退きを迫られることはありません。
しかし、家賃を滞納を続けるといずれ強制的に立ち退きをさせられてしまいます。それだけに、いつまで家賃の滞納を続けると強制退去となるのかや、延滞料が上乗せされた滞納家賃の催促がどのように行われるのかは気になるところでしょう。

そこで今回は、

  • 家賃滞納の解決方法
  • 滞納家賃の催促の流れ
  • 家賃滞納から強制退去までの期間
  • 家賃滞納による強制退去の手続きと実態

について解説していきます。
家賃を滞納してしまった方や、家賃の支払いが厳しい方は、ぜひ参考にしてください。

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1、家賃滞納の解決方法

家賃滞納の解決方法

家賃滞納の解決方法は、ズバリ

  • 少しずつ支払っていく

ことです。

滞納が続くと請求される額が多くなりますので、とにかくどうしたらよいのかパニックになることでしょう。家主からの督促に対応することも精神的に辛く、正面から対応することができなくなるのが一般的心理です。

しかし、放っておいては延滞料まで加算され、支払う額は膨らむばかりです。

滞納してしまった際は、とにかく支払う方向に進まなければなりません。

本項では、少しずつ支払っていくための順序について説明していきます。

(1)支払計画を立てる

少しずつ支払っていくにせよ、やみくもに支払うことはおすすめできません。

家賃の他にも、光熱費やその他月々の支払等支払うべきものはあるからです。

まず、月に支払うべき項目を整理します。

項目を並べるとはっきりわかると思いますが、家賃は支払いを劣後させるべき項目ではありません。滞納が続けば住む家がなくなってしまうからです。

月々、何にいくら支払えるのか、待ってもらえそうな支払いはないか、まずは目に見える形で整理しましょう。

そうすれば、おのずと支払計画が立てられます。
ただ、支払箇所が複数にわたっているようなケースでは、この支払計画はかなり複雑化してきます。このような場合はまずは弁護士に無料相談してみることをおススメします。

(2)家主と交渉する

支払計画を立てたところで、翌月から家賃を全額、もしくは滞納分も上乗せして支払っていける状態にある人は少ないでしょう。支払計画を立てたあとは、翌月からいくらなら支払っていけるのか、家主と交渉をしていくことが必要です。

ご自身のご状況を家主に説明することが重要です。どのような事情で支払が厳しくなったのか、そしてその事情がいつまで継続する予定なのかを説明しましょう。

そのうえで、支払猶予期間、分割払いについて、相談してみることです。

なお、この交渉は、現実問題一筋縄でいくものではありません。新しい支払いについては契約書も交わすことになるでしょう。

ご自身で交渉が難しいと感じる方は、一度弁護士の無料相談の門をたたいてみてください。交渉時の注意点等アドバイスがもらえるはずです。

(3)あちこちの支払いを滞納している場合

滞納している支払いが家賃だけではなく複数にわたる場合は、特別な対策(債務整理)が必要になるかもしれません。

債権者(家賃なら家主)ごとに上記交渉をしていかなければなりませんし、もしキャッシング等の消費者金融からの借金もある場合は、どのくらいの借金総額があるのかも整理していかなければなりません。

金融機関からの借金がある場合は、「5」をご確認ください!

(4)引っ越す

家賃が支払えない場合は、引っ越しも視野に入れることになるでしょう。

別の賃貸に移るような引っ越しは、そちらの賃料もかかってくるので支払計画に従って支払える賃料の範囲を計算しておきましょう。初期費用がかからないUR賃貸等を検討するとよいです。

可能であれば、一時的にでも実家等の賃料がかからないところへの引っ越しが望ましいと思います。

もっとも、引っ越しをしても滞納分が帳消しになることはなく、支払っていかなければなりません。

2、家賃を滞納してから強制退去に至るまでの流れ

家賃の滞納を続けるとどうなる?催促や強制退去の手続と解決方法も解説

家賃を滞納した借主への催促や強制退去までの期間は、家主次第で異なります。
借主の対応によって家主の対応が変わることもあります。

一般的には以下のような流れで催促を受け、最終的に強制退去に至ります。

(1)借主本人への催促

期日どおりに家賃を支払えないと、家主または管理会社から借主本人へ直接、催促の連絡があります。
早ければ滞納した翌日、遅くとも1週間以内には催促されることがほとんどです。
電話や手紙で連絡が来ることが多いですが、家主が近くに住んでいる場合は訪問により催促されることもあります。

この段階での催促は通常、それほど厳しいものではありません。
いつまでに支払うかを約束すれば、ある程度は待ってもらえることが一般的です。

したがって、催促の連絡を無視することなく、すぐに払えない事情を話して理解を求めることが大切です。

(2)連帯保証人への催促

家賃の滞納が続くと、連帯保証人へ催促される可能性があります。
家主によっては滞納後2~3か月は様子を見ることもありますが、早ければ1か月で連帯保証人へ催促されることもあります。

借主本人が催促を無視するなど不誠実な対応をしていると、連帯保証人へ催促される時期が早まります。
連帯保証人に迷惑をかけたくなければ、滞納後1か月以内に必ず、いつ払えるのかを約束しておきましょう。

(3)内容証明郵便での催促

連帯保証人が滞納家賃を支払ってくれると、家主との間の問題はいったん解決します。
しかし、家賃の滞納が3~6か月続くと内容証明郵便で催促状が届くようになります。
この催促状では、滞納家賃の一括払いが求められ、1~2週間以内に支払えなければ賃貸借契約を解除することが書かれているのが一般的です。

ただ、期限内に一括で支払うことが無理でも、遅れながらでも支払っていくことを約束すれば契約解除は待ってもらえる可能性もあります。
家主によっては、この段階で契約解除の意思を固めている場合もありますが、立ち退きたくない場合は誠実に対応して少しずつでも実際に支払っていくことが大切です。

(4)契約解除・建物明け渡しの裁判

内容証明郵便による催促と契約解除予告を受けてもなお家賃の滞納を続けると、家主は裁判を起こします。
家賃を滞納した理由が、たとえ病気や失業であったとしても正当な理由とはならないので、この裁判で借主に勝ち目があることはほとんどありません。
したがって、この裁判は1~3か月程度という短期間で家主の勝訴で終わることがほとんどです。

ただ、勝ち目はなくても滞納家賃の分割払いで和解することによって契約解除を免れる可能性は十分にあります。
裁判を起こされたときは、弁護士に対処法を相談した方がいいでしょう。

(5)強制退去

裁判で判決が言い渡され、その判決が確定すると、家主は強制執行手続きをとります。
つまり、強制的に退去させられることになります。

判決から強制退去までの期間は、家主が強制執行をいつ申し立てるかによります。
強制執行の申立てから強制退去までは1~2か月です。
家賃の滞納が始まってから強制退去までの期間は、最短で7か月程度となります。

家賃を何ヶ月分滞納すると契約を解除されるのかは法律で明確に決められているわけではありません。
しかし、裁判例では3か月滞納が続くと貸し主は催告なしで契約を解除できるとされています。
そのため、3か月分家賃を滞納すると、家主は内容証明郵便で催促と契約解除の予告を行い、それでも支払わなければ裁判・強制執行と進むのが一般的です。

3、家賃滞納による強制退去の実態

家賃の滞納を続けるとどうなる?催促や強制退去の手続と解決方法も解説

どうしても滞納家賃を完済できない場合は、裁判を経て強制退去となります。
契約解除と立ち退きを覚悟した方であっても、強制退去がどのように行われるのかは気になるところでしょう。

強制退去とは、「強制」というだけあって有無を言わさず住居から追い出される手続きです。
具体的には、以下の流れで進められます。

(1)強制執行の申立

契約解除・建物明渡し請求の裁判の判決書を受け取った次の日から2週間で、判決が確定します。
判決が確定すると、家主はいつでも強制執行を申し立てることが可能になります。
ほとんどの場合は、この段階で家主から「いつ明け渡してもらえるのか」という打診があります。
借主が任意に明け渡すことを約束すれば、明渡し時期についてはある程度柔軟に話し合いが可能な場合もあります。

(2)明渡しの催告

家主が強制執行を申し立てると、約2週間後に明渡しの催告が行われます。
明渡しの催告は電話や手紙で行われるものではありません。
裁判所の執行官や家主又はその代理人など、何名かの人が借主の自宅を訪れます。

このときに、引渡し期限と実際に強制退去を断行する日が決められます。
引渡し期限は、明渡しの催告の日から1か月後と定められています(民事執行法第168条の2第2項)。

ただし、強制退去の断行日は通常、引渡し期限の数日前に設定されます。
借主としては、断行日までにみずから住居を明け渡さなければ、強制退去させられることになります。

(3)強制退去

断行日までに借主が住居を明け渡さなければ、強制退去が断行されます。
当日は執行官が引っ越し業者などの補助者を連れて借主の自宅にやって来ます。
ドアに鍵をかけて居留守を使おうとしても無駄です。鍵技術者も同行しているので、解錠して立ち入られます。

そして、有無を言わさず住居内の荷物を持ち出され、人も追い出されます。
たとえ病気で寝込んでいたとしても問答無用で明渡しが断行されます。

(4)強制執行の前に話し合うことが重要

借主としては、強制退去が決まっても引っ越し代が準備できないこともあるでしょう。
明渡しを待ってほしいとか、引っ越し代を立て替えてほしいなどと相談したくなると思いますが、強制執行手続きが始まってしまうと話し合いの余地はほとんどありません。

家主としては費用をかけて裁判をして、強制執行を申し立てた時点で予納金まで納めているので、もはや借主の希望を聞いてくれることはほとんどないのです。
すぐに明け渡すことが難しい場合は、遅くとも家主大が強制執行を申し立てる前の段階で話し合うことが必要です。

4、家賃滞納でブラックリストに載せられることもある?

家賃の滞納を続けるとどうなる?催促や強制退去の手続と解決方法も解説

住宅を借りることは金融取引ではないので、家賃を滞納したからといって借金を滞納したときのようにブラックリストに載せられることは通常はありません。

しかし、場合によっては家賃滞納でブラックリストに載せられる可能性があるので注意が必要です。

(1)保証会社を利用している場合は信用情報に傷が付く

住宅を借りるときには、家賃の連帯保証人を立てることが必要です。
連帯保証を身内の方や知人などに頼むことが難しく、家賃保証会社を利用している方も多いのではないでしょうか。

最近は、家主や管理会社が家賃保証会社の利用を賃貸借の条件としている物件も増えています。
保証会社は、借主が滞納した家賃の立替えとその回収を業としているので、保証会社を利用することは金融取引に当たります。
したがって、保証会社から催促された滞納家賃を支払えないと、信用情報に傷が付くことがあります。

信用情報とは、各種ローンやクレジットカードなどの支払い状況が登録される情報のことです。
一般的に滞納が60日以上続くと、信用情報に「事故」として登録されます。
この事故登録が「ブラックリスト」と呼ばれるものです。

(2)ブラックリストに載ることによるデメリット

ブラックリストに載ってしまうと、滞納の解消から5~10年は各種ローンを組むことが難しくなります。
手持ちのクレジットカードも利用できなくなったり、新たにクレジットカードを作ることもできない可能性が高くなります。
携帯電話やスマホを分割払いで購入することもできなくなります。

ブラックリストに載ることを避けるためには、保証会社から催促された滞納家賃を60日以内に完済する必要があります。

このような厳しい事態に陥らないよう、家主が保証会社に連絡する前、つまり滞納してから1ヶ月以内に家主に連絡して今後の支払いを約束しておくことが重要です。

(3)家賃の遅延損害金にも注意が必要

滞納家賃には遅延損害金がつくことがあります。
遅延損害金の利率は、賃貸借契約書に記載されている場合もあれば、記載されていない場合もあります。
賃貸借契約書に記載される上限利率は14.6%です。
記載されていない場合でも、家主が個人か不動産賃貸業者かによって5%または6%の遅延損害金を法律上、請求することができます。

保証会社が請求するときには、ほとんどの場合で14.6%の遅延損害金が付加されます。
14.6%というと、銀行のカードローン並みの金利です。
いったん家賃を滞納するとただでさえ完済するのは厳しいのに、遅延損害金を付加されるとますます厳しくなり、強制退去のおそれが現実化してしまいます。

この点からも、家賃を滞納してしまったら早めに適切に対処するのが重要であることが分かるでしょう。

5、滞納家賃の他にも負債がある場合の解決方法

家賃の滞納を続けるとどうなる?催促や強制退去の手続と解決方法も解説

家賃を滞納している方の中には、他にも借金などの負債がある方も少なくないでしょう。
全体的に返済しきれないほどの負債がある場合は、債務整理による解決を考えた方がいいでしょう。

ただ、債務整理の手続きにもいくつかの種類があります。それぞれの手続きのメリット・デメリットをご説明します。

(1)自己破産のメリット・デメリット

自己破産をして免責が認められると、滞納家賃も含めて全ての債務が免除されるというメリットがあります。

ただし、自己破産の手続は全ての債権者を対象にしなければならないため、滞納家賃を除外して手続きをすることはできません。

そのため、滞納家賃が免責されることで家主から賃貸借契約の解除と明渡しを求められ、現在住んでいるところに住み続けることができないというデメリットがあります。

(2)個人再生のメリット・デメリット

個人再生とは、滞納家賃を含む全ての債務を原則として5分の1の金額に減少した上で、3~5年間で分割返済していく手続きです。
債務の原本が大幅に減縮されるので返済しやすくなるというメリットがあるので、大きな負債があるものの自己破産はしたくない方に適しています。

デメリットは自己破産と同様、滞納家賃を除外して手続きをすることはできないため、現在住んでいるところに住み続けることはできないことです。

(3)任意整理のメリット・デメリット

任意整理とは、各債権者と個別に話し合うことによって返済額や返済方法を変更し、改めて返済していく手続きのことです。
どの債権者と交渉するかは自分で自由に決めることができます。
滞納家賃を除外して、その他の債務だけを任意整理することもできます。
したがって、現在住んでいるところに住み続けながら負債を整理することができるというメリットがあります。

ただし、自己破産や個人再生のように債務の免除や大幅な減縮は難しいというデメリットがあるため、大きな負債がある方には向いていません。

(4)滞納家賃を話し合いで解決できることも

賃貸借契約の解除と明渡しを避けて負債を整理するには任意整理をするしかありませんが、滞納家賃の支払いを家主と話し合うことで解決できる可能性もあります。

ただし、そのためには早期に話し合うことが必要です。ほとんどの家主は、内容証明郵便を発送する段階で借主を強制的にでも退去させる意思をある程度固めています。
話し合うのであればそれよりも前の段階、できる限り滞納から1か月以内に誠実に対応することが大切です。

なお、家賃の滞納が続くようであれば、家賃がより安い物件に引っ越した方がいい場合も多いでしょう。
最近は敷金・礼金がかからない物件も増えているので、引っ越しも視野に入れてみてはいかがでしょうか。
自ら退去することを早めに家主に伝えれば、滞納家賃の分割払いの話し合いも円満に進めやすくなります。
裁判や強制執行にかかる手間や費用が省けるので、家主によっては滞納家賃の免除や引っ越し代の立替えなどに応じてくれる可能性もあります。

6、家賃滞納問題で弁護士に依頼するメリット

家賃の滞納を続けるとどうなる?催促や強制退去の手続と解決方法も解説

家賃を滞納したときに弁護士に依頼すると、滞納家賃の分割払いや延納についての家主との交渉を代行してもらえるので精神的負担が軽くなります。

ただ、弁護士に依頼するには費用がかかるため、他に負債がない方が家賃滞納への対応だけを弁護士に依頼するのは現実的ではありません。
そういった場合には、引っ越しを検討する方が現実的な場合もあるでしょう。

しかし、他にも負債を抱えている場合は、弁護士に債務整理を依頼するのがおすすめです。
負債を抱えて家賃を支払えなくなったら、一人で悩まずに弁護士に相談してみるといいでしょう。

まとめ

滞納した家賃は、自己破産個人再生をしない限りは、いずれ支払わなければなりません。
賃貸借契約を解除されて引っ越したとしても、債務がなくなる訳ではありませんし、引っ越し先の家賃を滞納すると同じ問題が発生します。

一般的に、家賃の負担は収入の30%までに抑えるべきといわれています。月収30万円なら家賃9万円、月収20万円なら家賃6万円までに抑えたいところです。

収入が下がったことによって家賃を滞納してしまった方は、これを目安に引っ越し先を探した方がいいかもしれません。
既に内容証明郵便が届くなどして明渡しを請求されている方や、他にも負債を抱えている方は、お早めに弁護士に相談されることをおすすめします。

※この記事は公開日時点の法律を元に執筆しています。

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