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なぜ、釈放中に逃走しても罪に問われない?~逃走罪について解説

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なぜ、釈放中に逃走しても罪に問われない?~逃走罪について解説

2019年は、逃走に関するニュースが相次いで報道されました。

主なニュースとしては、2019年6月19日、保釈中の男性が、刑執行のため(男性は控訴を棄却されていました)神奈川県愛川町の自宅を訪ねた検察庁職員の制止を振り切って逃走した事案。

他にも、同年10月1日、医療機関での受診を理由に勾留執行停止中だった男性が、停止期間を経過したにもかかわらず東京地方検察庁立川支部に出頭せず逃走したことが判明した事案も。

ところが、いずれの男性の逃走も罪には問われていません。

これらのニュースを見た人の中には、逃走罪とはどんな罪なのか、なぜ逃走罪に問われないのか、などという疑問を持たれた方も多いのではないでしょうか。

この記事では、逃走罪について解説しつつ、これらの疑問にも答えてまいります。

この記事が皆さまのお役に立てれば幸いです。

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1、逃走罪の概略

なぜ、釈放中に逃走しても罪に問われない?~逃走罪について解説

逃走の罪については、刑法97条から刑法102条にかけて規定されています。
逃走罪は、逃走した者の罪と、それを援助した者の罪とに分けられます。

【拘束された方が逃走した場合の罪】

  • 単純逃走罪(刑法97条)
  • 加重逃走罪(刑法98条)

【逃走を援助した場合の罪】

  • 被拘禁者奪取罪(刑法99条)
  • 逃走援助罪(刑法100条)
  • 看守者等による逃走援助罪(刑法101条)

※刑法102条は刑法97条から刑法101条まで犯罪の未遂についての規定

本記事では、逃走した者の罪である「単純逃走罪」と「加重逃走罪」ついてご説明します。 

2、単純逃走罪ってどんな罪?  

なぜ、釈放中に逃走しても罪に問われない?~逃走罪について解説

まずは、単純逃走罪についてご説明します。

(1)拘束されている人が対象

単純逃走罪は刑法97条に規定されています。

刑法97条

裁判の執行により拘禁された既決又は未決の者が逃走したときは、1年以上の懲役に処する。

単純逃走罪の規定を見ると「裁判の執行により拘禁された既決又は未決の者」が単純逃走罪の対象となることが分かります。

つまり、「拘束(拘禁)された人」が対象となる罪なのです。

(2)具体的にはどんな人が対象?

では、「拘束(拘禁)された人」とは具体的にどんな人なのでしょうか?

 【単純逃走罪の対象となる人】

  • 勾留状により拘束された人(勾留中の人)

  → 留置場にいる人、拘置所にいる人

  • 収容状により拘束された人

  → 刑が確定し、拘置所、刑務所にいる人(いわゆる受刑者)

(3)単純逃走罪の対象外の例

単純逃走罪にならない人は、次のような人が挙げられます。

【単純逃走罪の対象とならない人】

  • 逮捕中の人(勾留状により拘束される前の人)
  • 釈放された人、保釈された人

 具体的には・・・

  • 勾留執行停止中の人
  • 保釈中の人
  • 仮釈放中の人
  • 刑の執行停止中の人

釈放、保釈についてはこちらの記事をご覧ください。

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3、加重逃走罪ってどんな罪

なぜ、釈放中に逃走しても罪に問われない?~逃走罪について解説

次に、加重逃走罪をみていきましょう。

(1)単純逃走罪よりも対象者が広がる

加重逃走罪は刑法98条に規定されています

刑法98条

前条に規定される者又は勾引状の執行を受けた者が拘禁場若しくは拘束のための器具を損壊し、暴行若しくは脅迫をし、又は2人以上通謀して、逃走したときは、3月以上5年以下の懲役に処する。

加重逃走罪は「前条に規定されている者(つまり、単純逃走罪の対象となる者)」のほか「勾引状の執行を受けた者」が対象とされています。

(2)具体的にはどんな人が対象?

では、加重逃走罪の対象になるのは具体的にどんな人なのでしょうか?

 【加重逃走罪の対象となる人】

  • 単純逃走罪の対象となる人
  • 逮捕状により逮捕された人(勾留前の人)
  • 勾引状により勾引された被告人、証人

(3)加重逃走罪の対象外の例

加重逃走罪にならない人としては、次のような人が挙げられます。

【加重逃走罪の対象とならない人】

  • 緊急逮捕されて逮捕状が発布される前の人
  • 現行犯逮捕された人(その後、勾留された場合は対象となります)
  • 釈放された人、保釈された人

(4)逃走前に所定の行為が必要

単純逃走罪は単に逃走しただけで罪が成立します。

しかし、加重逃走罪は、

  • 拘禁場若しくは拘束のための器具を損壊
  • 看守者等に対する暴行又は脅迫
  • 2人以上の通謀

のいずれかの行為をして逃走してはじめて成立します。

4、釈放中に逃走しても逃走罪に問われないはなぜ?

なぜ、釈放中に逃走しても罪に問われない?~逃走罪について解説

これまでご説明してきたとおり、単純逃走罪も加重逃走罪も、「釈放された人、保釈された人」は対象としていません。

これは、逃走の罪が国家による拘束を妨害する行為を処罰するために設けられており、釈放中に逃走しても、国家による拘束を妨害することにはならないからです。国家が国民の拘束をすることができるのは、一定の理由が必要です。

その理由とは、有罪判決を受けて懲役刑・禁固刑になったとき、そして逮捕後や裁判中に拘留をされている場合などです。

拘束を解かれた場合、つまり、捜査は続いているけれども釈放されている、起訴されたけれども保釈されている、受刑中だけれども執行停止されている、といった場合、国が拘束を解き、社会に戻ることを認めているので、ここで逃げたとしても国家による拘束を妨害した、とは言えないわけです。

なお、海外では、釈放中のみならず、拘束中に逃走しても罪に問わないとする法制度を設けている国(ドイツ、フランスなど)も少なくありません。
一般に、拘束中の人が逃走したいと思うのは自然であるということがその理由です。

5、勾留執行停止中の逃走は罪に問われない?

なぜ、釈放中に逃走しても罪に問われない?~逃走罪について解説

冒頭でご紹介したように、2019年10月1日、勾留執行停止中の男性が約束の時間に検察庁に出頭せず逃走しました。

しかし、男性は逃走罪には問われていません。

(1)勾留執行停止とは

勾留執行停止とは、勾留されている被疑者(起訴される前の人)あるいは被告人(起訴された人)を親族などに委託し、あるいは住居を制限して勾留の執行を停止する(釈放する)ことをいいます。
停止期間は数時間から長くても数日です。

従来、勾留執行停止が認められていたのは、親族の葬儀への出席など緊急性が高い場合でした。

しかし、近年は、暴力団組員が娘の結婚式に出席するため勾留執行停止が認められるなど、比較的条件が緩やかになっています。

(2)勾留執行停止中の逃走は罪に問われない

前記「4」でご説明したように、釈放中の人は逃走罪に問われません。

しかし、勾留執行停止期間中に逃走すれば、勾留執行停止は取り消されて収容されますし、逃走しなくても停止期間が経過すれば再び収容されます。

6、逃走した本人が犯人蔵匿罪や犯人隠避罪の「教唆犯」に問われる

なぜ、釈放中に逃走しても罪に問われない?~逃走罪について解説

釈放中に逃走罪に問われないとしても、犯人蔵匿・隠避罪に問われることがあります。

(1)逃走を助けた人は犯人蔵匿・隠避罪に問われる

まず、犯人の逃走を助けた人は、犯人蔵匿・隠避罪(刑法103条)に問われる可能性があります(なお、「1」で挙げた逃走を援助した者の罪は、やはり拘束された人の逃走を援助する罪なので、拘束されていない人の逃走を援助しても逃走援助罪には該当しませんが、犯人蔵匿・隠避罪に該当する可能性があります)。

なお、「蔵匿」とは、本人(犯人)に場所を提供して匿うこと、「隠避」とは蔵匿以外の方法で捜査機関による検挙、逮捕を免れさせる一切の行為(たとえば、車・お金を貸すなど)をいいます。

(2)逃走した犯人自身が犯人蔵匿・隠避罪の「教唆犯」になる

犯人自身が逃走をすること自体については、犯人蔵匿・隠避罪は成立しません。

しかし、他人に自己を匿うよう唆したり、車を貸すよう唆した場合は、犯人蔵匿・隠避罪の「教唆犯」に問われる可能性があります。

「教唆」とは、犯罪を決意していない人を唆して、犯罪の実行を決意させることをいい、実際に犯罪を実行した人と同様に処罰されます。

冒頭でご紹介した2019年6月に逃走した男性は、知人男性に対しアパートに匿うよう唆した犯人蔵匿罪の教唆犯で、同年10月に逃走した男性は、知人女性に逃走を手助けさせた犯人隠避罪の教唆犯で逮捕されました。

もちろん、犯人蔵匿罪以外にも、逃走中に窃盗や覚せい剤取締法違反など他の罪を犯せば、それらの罪で立件される可能性もあります。

7、逃走防止のための今後の課題

なぜ、釈放中に逃走しても罪に問われない?~逃走罪について解説

国家による拘束中以外での逃走は、罪にならないことはお分りいただけたかと思います。

とはいえ、犯人、ないしはその可能性のある人が逃走することを許してしまえば、生活の安全を脅かされ、社会が混乱することになりかねません。

上で述べたとおり、犯人自身が誰かに対し逃走を容易にするよう唆した場合には犯人蔵匿・隠避罪の「教唆犯」として処罰対象になることがありますが、そうなる以前に、逃走をいかに防止するかということが重要な課題と言えるでしょう。

以下、現在考えられている逃走防止の対策についてご説明します。

(1)裁判官が保釈や勾留執行停止の要件を厳格にチェックする

まず、1つ目に、裁判官が保釈や勾留執行停止の要件に関する判断を厳しくすることが考えられます。

近年は、以前に比べ、人権保護の関係から保釈や勾留執行停止を認める傾向にあります。

しかし、釈放中に逃走し、それが新たな犯罪を生み出すきっかけにもなっており、裁判官は、保釈や勾留執行停止などを認めるにあたって、自らの判断に誤りがなかったかもう一度見直す必要があるといえます。

(2)釈放される人にGPS装置を装着する

2つ目に、釈放される人にGPS装置を装着して常に行動を監視することが考えられます。
この考えに対しては「人権侵害だ」として反対する意見もあります。

他方、GPS装置の装着を可能とれば、釈放自体は容易になる可能性もあります。人権の問題と社会の安全の保護とを調和させる1つの方法ではあると考えられています。

8、刑事事件でお困りの際は弁護士へ相談を

なぜ、釈放中に逃走しても罪に問われない?~逃走罪について解説

ご家族が逮捕され、釈放が認められないなどしてお困りの際は、弁護士へご相談ください。
弁護士が早期釈放、不起訴、無罪獲得などに向けて活動をします。

例えば、保釈に関していえば、釈放後の環境を整えた上で保釈請求をします。
勾留執行停止の場合も、関係者と連絡を取り合った上で申立てを行います。

また、場合によっては釈放後の身元引受人となることも可能です。
刑事事件は専門的な知識が必要です。

より被疑者の方が早期社会復帰を目指すためにも、なるべく早期に弁護士に相談することをお勧めします。

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まとめ

以上、逃走罪についてご説明しました。

これまでの説明を簡単にまとめると

  • 逃走罪は国家による拘束を妨害する罪であるため、釈放中に逃走しても罪に問われない
  • ただし、逃走中に他人を唆して匿わせるなどしたら犯人蔵匿罪などの教唆犯に問われる
  • 釈放中の逃走に対する防止策を検討する必要がある

ということです。

この記事で少しでも逃走罪に関して知識を深めていただければ幸いです。

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