旦那がギャンブル依存症でギャンブルに明け暮れる日々…。
多額の借金を抱えてしまったらどうしたらよいのでしょうか。
この記事では、ギャンブル依存症の旦那と離婚できるのか、妻ができる旦那のギャンブル依存症への対処法などについて解説します。
目次
1、ギャンブル依存症の旦那と離婚できる?
(1)ギャンブル依存症は直接の離婚理由とはならない
ギャンブル癖は法律で定められた離婚理由(法的離婚事由)にはあたらないため、ギャンブル依存症だからといって、離婚が認められるわけではありません。
ただし、夫婦にはお互い協力して結婚生活を送る義務があるにもかかわらず、ギャンブルばかりして、生活費までギャンブルに充てているなど、婚姻生活を続けるのが困難だとされる場合、離婚理由として認められる可能性があります。
今の時点で離婚を考えている場合や、そうでない場合でも、旦那がギャンブルにつぎ込んだ金額や頻度などがわかる証拠は記録して残しておくのがよいでしょう。
2、ギャンブル依存症の旦那と離婚した場合、慰謝料請求はできる?
(1)慰謝料請求について
慰謝料とは、受けた精神的苦痛に対して支払われる賠償(金銭)のことをいいます。ギャンブル依存を理由に慰謝料が認められるかは、受けた苦痛の程度や状況などによって変わってきます。
また、慰謝料請求が認められても相手が自己破産してしまった場合には受け取れなくなるので注意が必要です。
2、旦那がギャンブルにハマる理由
旦那がギャンブルにはまってしまった理由を考えたことはありますか?
ギャンブルは真面目な人ほどハマりやすい傾向です。
なぜなら、真面目な人生ではこれまで味わったことのない高揚感やスリルがギャンブルでは得られやすいからです。
あなたの旦那も普段は真面目な男性だったのではないでしょうか。
ギャンブルは一種の麻薬のようなものです。
一度味わった高揚感からはなかなか抜け出すことはできません。
(1)過去に儲けた快感を忘れられない
一度遊びのつもりでやってみたギャンブルで大儲けをした経験のある方は、そのときに感じたスリルや高揚感を忘れることはできません。
あのドキドキ感と達成感を再度感じたい、自分にはギャンブルの才能があるのかもしれないと感じてしまい再度ギャンブルに足を運んでしまいます。
もしも次に一度感じた高揚感を得られなければ、得られるまで繰り返し足を運んでしまうでしょう。
ですが、再度また感じてしまうと、まるで麻薬のように中毒になってしまいます。
感覚が得られなければ得られるまで繰り返し、再度得られれば虜になるというのがギャンブルの特性です。
(2)損をすると取り返そうとする
もしもギャンブルで損をすると、そこで「二度とやらない」と感じるタイプと「損した分を取り返さなければいけない」と感じるタイプの二つに分かれます。
真面目な人ほど、損したことに罪悪感を感じて取り返そうとしてしまうでしょう。
例えば、仕事で失敗したケースを考えてください。
真面目な人ほど、自分の失敗を挽回するべく必死に仕事に熱中してしまいます。
ギャンブルでも同様のことがいえるのです。
(3)借金の返済のために儲けようと必死になる
ギャンブルにハマり、借金を作ってまで繰り返してしまう人は、借金の返済のために効率よく稼げる気がするギャンブルに足を運んでしまいます。
本当は借金があるなら更なるギャンブルは厳禁ですが、その判断能力がなくなっている状態です。
ギャンブル依存症とは、人間の適切な判断能力を鈍らせてしまうことも特徴です。
(4)ストレスの発散
真面目な人ほど社会ではストレスを溜め込み、上手に発散する術を知りません。
もしも仕事上「自分の価値は何だろう?」「どうせ俺なんて」という気持ちを抱えていた場合、ギャンブルで得することで「俺の居場所はここかもしれない」と勘違いをしてしまうこともあるでしょう。
また、ギャンブルで得したことを知らない家族が一度でも旦那から臨時収入を得て感謝してしまった場合には、「家族が喜んでくれた」と感じてしまうかもしれません。
パチンコやパチスロでは大儲けをしている人に対して羨望の眼差し送る傾向にあり、その感覚もストレスの発散につながりやすいのかもしれません。
3、旦那がギャンブル依存症の場合、妻ができることとは
旦那がギャンブル依存症でなんとかギャンブル依存症から抜け出して欲しいと願うなら、妻のできることを行い支える必要があります。
ギャンブル依存症は一種の中毒ですから、抜け出すことは容易にはできません。
しかし、治すことは可能な病気です。
実際にギャンブル依存症を克服している方もいます。
ギャンブル依存で毎日パチンコ三昧で自分には才能があると勘違いしていました。パチンコ屋が自分の居場所だとすら思っていました。例え6万円損しても何も感じず、家族に迷惑をかけてそのうち離婚。パチンコにしか興味がない自分に恐怖を感じ、自ら自助会に助けを求めました。現在は自助会の仲間のおかげでパチンコ屋の前を素通りできるほどに治っています。元配偶者には申し訳ないことをしたと償う日々です。
このようにギャンブル依存症と自ら向き合い自分で治したいと感じることで克服している人も存在します。
本気で旦那のギャンブル依存症を克服していきたいなら下記記事も参考にしてください。
(1)カウンセリングを受ける
まずは旦那にギャンブル依存症だと自覚を持ってもらい、カウンセリングを受けてみましょう。
各地方自治体には相談窓口がありますから相談してみるといいでしょう。
(2)病院で治療する(投薬治療)
ギャンブル依存症に特化した診療科を設けている病院があります。
程度によって投薬治療や入院など治療ができますから診てもらうといいでしょう。
(3)友達や他の趣味を作る
多くのギャンブル依存症の患者はギャブルにしか興味が持てない状況です。
賭博場が自分の居場所だと感じています。
ですから別の場所や物などに興味関心を持ってもらい、ギャンブルへの意識をそらす方法も有効です。
自分の居場所を別の場所へ移動させてギャンブル依存を少しでも軽減してあげましょう。
(4)自助会への参加
ギャンブル依存症から立ち直った例でも紹介しましたが、ギャンブル依存症への自助会はたくさんあります。
旦那を誘って参加してみましょう。
そのためには自ら危機感を持って参加する必要があります。
家族は旦那のギャンブル依存で家族がどれほどの被害を受けているのか真剣に旦那に伝えていきましょう。
その上で自助会に参加すれば効果が高くなります。
(5)スマホアプリで代用する
中には、ギャンブルの快感をアプリで代用できるタイプの依存症の方もいます。
完全には抜け出せなくても、実際の賭博場へ赴くよりも散財は免れることでしょう。
スマホアプリのパチンコやパチスロ、競馬などで代用しギャンブルの高揚感はアプリで得られるように導いてください。
そのうちアプリに飽きてくれれば、自ずとギャンブル依存症の症状は軽減している可能性があるでしょう。
4、旦那に多額の借金があった場合の対処法
もしも確認の結果夫に多額の借金があった場合にはどうしたらいいのでしょうか。
借金に関する対処法をご紹介します。
(1)任意整理
任意整理で債権者と話し合い、借金の利息の免除や返済方法の交渉ができます。
裁判所を通さないため、債権者が拒否すれば任意整理は不成立になることも。
専門の弁護士を通して交渉できるため、周囲にバレずに借金問題を解決できる可能性があります。
(2)個人再生
個人再生は裁判所を通じて債権者と借金の減額や分割払いなどに合意して行く手続きです。
借金額がおおよそ1/5にできる手続き。
ただし、車や家などの資産も債務者の財産として計算していく仕組みです。
しかし条件があり、手続きが困難なことが特徴。弁護士を通して手続きしていく必要があります。
(3)自己破産
自己破産は、裁判で「免責許可決定」が下されれば借金を返済する義務がなくなります。
しかし、個人の持っている売却できる財産は売却し債権者に配当されます。
また、自己破産の場合には、すべての債権者に対して同様の処置を取る必要があるため、住宅ローンが残っていたなら家を手放さなくてはいけません。もちろんブラックリストにも載ることに。
5、やはり無理かも・・ギャンブル依存症の旦那と別れるべきか
ギャンブル三昧の旦那との離婚を迷っている方は多いとはず。
きっと借金があったなら別れたい、でも子どもがいる、愛しているなど葛藤があるでしょう。
旦那のギャンブル依存症で離婚した方がいいのか迷っている妻に向けて、判断基準をご紹介します。
(1)家計を圧迫するほどのギャンブルか-借金はあるのか
旦那のギャンブルは家計を圧迫するほどのギャンブルでしょうか?
生活費までもを使い込んでしまっているのか?は一つの判断基準になるでしょう。
あまりにひどい浪費グセなら、離婚を検討しても良い状態です。
子どもがいるなら、教育費用の確保が困難になってはあなただけではなく子どもにも迷惑がかかってしまいます。
旦那の借金が気になるなら、旦那と真摯に向き合い、信用機関に閲覧を申請してもらうことで旦那の借金額は判明します。
ただ、ギャンブル依存症の旦那は罪悪感があり、借金していたとしてもそれを隠そうとするかもしれません。
借金が高額に上っているなら、離婚を視野に入れて話し合いを進めて行くべきですし、返せる見込みのある借金額で旦那が心を入れ替えているなら夫婦で支え合って婚姻関係を続けていくことも可能かもしれません。
まずは旦那と向き合ってみてください。
(2)その他旦那と結婚生活を続けるデメリットは何か
ギャンブル依存症の旦那と結婚生活を続けるデメリットを書き出してみるといいでしょう。
例えば、「ギャンブル三昧で家庭を顧みない」「生活費を使い込んでしまう」「子どもと遊んでくれない」「ギャンブルで損をすると機嫌が悪い」など、ギャンブルをする旦那と結婚生活を続ける上でのデメリットです。
また、旦那の欠点が「ギャンブルばかりだ」ということが目立っていたとしても、実は「ギャンブルをやめて欲しいと言っても『意見を聞いてくれない』」ことが辛い、ということがあります。
話が通じない、嫌だと言っているのにやめてくれないという状況は、人間関係においては大変苦痛です。
ギャンブルにのめり込む人には頭脳が明晰な人も多く、妻から苦言を呈しても言い返されてしまう、ということも多いでしょう。
嫌だと言っているのにやめようとしない理由が、依存症(病)のせいなのか、それとも夫婦間に不合理な上下関係があってのことなのか、しっかり見極める必要があります。
(3)旦那と結婚生活を続けるメリットはあるか
ギャンブル依存症の旦那と結婚生活を続けることのメリットも同時に書き出してみてください。
例えば「旦那を愛している」「子どもがパパのことを大好き」「子どもにはパパが必要」「結婚している方が世間体が良い」などです。できるだけ細かく記していく方が正しい判断ができるでしょう。
(4)メリットよりもデメリットが大きければ離婚も視野に
ギャンブル依存症の旦那と結婚生活を続けるデメリットとメリットを書き出したなら、双方を見比べてみてください。
デメリットが受け入れられず、メリットが乏しいならそれは離婚をした方が良い状態だといえます。
デメリットには我慢ができてメリットの方が効果が高いと感じるなら、離婚は考え直した方がいいでしょう。
結婚生活は、ある意味「一心同体」です。
婚姻関係を続けながら、あなたはあなた、私は私、という家庭も少なからず存在しますが、それを長年続けた先どうなるのか、いわゆる幸せとは遠いものかもしれません。
今、旦那とあなたの価値観が相容れない状態であるとは思いますが、それでも旦那を受け入れ支えていく覚悟が、長い先の幸せな結婚生活である秘訣、かもしれません。
その場合は、あなただけが我慢することにならないよう、あなたが譲れないもう1つの観点を探し、旦那にそこには協力してもらうべきです。
6、ギャンブル依存症の旦那との離婚を決めたら
もしもギャンブル三昧の旦那とはもう結婚生活ができないと感じるなら離婚を選択するしかありません。
そうなった場合にやるべきことは何でしょうか。
(1)まずは住まいを確保
まずは住まいを確保してください。
ギャンブルばかりの旦那を追い出す方法もありです。
家族の平穏な生活を守るためには決断する必要があります。
住まいを確保したなら、夫には住まいを教えてはいけません。
ギャンブル代をせがまれる可能性があります。
(2)勤務先に社会保険制度が整っているか確認
離婚をするとなると勤務先の社会保険制度を利用していけたら有利です。
会社として社会保険に加入しているのか、パート勤務でも加入できる環境なのかを確認するといいでしょう。
これまで夫の扶養で国民健康保険に加入していた場合には、離婚をすることで勤務先の社会保険に入ることになります。
しかし、勤務先の従業員の数や、自分の年収次第ではこれまで通りに国民健康保険に入る可能性もあるでしょう。
できるなら会社と保険料を折半してもらえる社会保険の方がシングルマザーには経済的に助かります。
もしもまだ仕事を見つけていない場合には、社会保険制度が整備されているのかも仕事を選ぶ基準にしてみるといいでしょう。
(3)シングルマザーに関する支援の知識を得よう
シングルマザーになった場合には利用できる公的支援もたくさんあります。
申請手続きが必要なものが多いので確認しておくとよいでしょう。
また、シングルマザーになるリスクについても学んでおく必要があります。
必要な知識を事前に身につけいざというときに慌てないようにしておいてください。
(4)先の長い子育ては一人で育てるより二人でがスマート
ギャンブル依存症の旦那には経済力を期待できないかもしれません。
しかし、もしも離婚を決意したなら、旦那に最低限の養育費は支払ってもらう方が得策です。
ですから、できるだけギャンブル依存症を克服できるように離婚前に仕向けていきましょう。
借金があるなら債務整理を勧めて経済力をつけてもらうようにしてください。
先の長い育児では1人で育てていくよりも旦那と2人で協力していく方がスマートです。
子どもにとっても自分の成長にパパも関わってくれている方が嬉しいのではないでしょうか。
(5)旦那が離婚に応じない場合は弁護士に相談を
ギャンブル依存症は法定離婚事由にはなりません。
そのため、離婚をするなら旦那との協議離婚で片を付ける必要があります。
もしも旦那が離婚に応じない場合には弁護士に相談してみるといいでしょう。
スムーズに離婚できるように代理で交渉してもらえます。
債務整理については弁護士なしでは交渉が難航するでしょう。
また離婚にかかわる手続きの代行も弁護士に頼ると安心です。
養育費の交渉や財産分与の交渉、慰謝料請求の手続きまで代行してもらえます。
旦那のギャンブルに関するQ&A
Q1.旦那がギャンブルにハマる理由とは?
- 過去に儲けた快感を忘れられない
- 損をすると取り返そうとする
- 借金の返済のために儲けようと必死になる
- ストレスの発散
Q2.旦那がギャンブル依存症の場合、妻ができることとは?
- カウンセリングを受ける
- 病院で治療する(投薬治療)
- 友達や他の趣味を作る
- 自助会への参加
- スマホアプリで代用する
Q3.旦那に多額の借金があった場合の対処法とは?
- 任意整理
- 個人再生
- 自己破産
まとめ
旦那のギャンブルでお困りの場合には、まずはあなたが旦那の心理を理解した上で、本人に危機感を持ってもらうことが必要です。
依存症だと自覚をしてもらって治療を行うサポートを家族が行わなければいけません。
もしも離婚するべきか迷った場合には、メリットとデメリットを書き出して熟考していきましょう。
どうしても離婚をするべきだと判断できるなら1人で抱え込まずに弁護士に相談してください。
家族の幸せのためにできるだけのサポートを受けられます。
旦那のギャンブル依存症を克服して、明るい家庭を築けますようにお祈りします。